一九八二年九月、著者は戦後三十七年にして初めて“悪魔の部隊”の痕跡を辿った…。

戦後第七三一部隊の研究成果は米陸軍細菌戦研究所に受け継がれ、朝鮮戦争にまで影響を与えた。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。

福永幸一は帰宅途中、美貌の女性・藤宮さやを暴漢から救った。衰弱していたさやを福永は自宅で看護する。

東京の巨大ホテルの社長が堅牢な密室で刺殺された。

山村で起こった大量殺人事件の三日後、集落唯一の生存者の少女が発見された。

会社のエースとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった山名功は、突然、関連企業末端のゴルフ場に異動となった。

国際工作人の顔を持つ作家・武富義彦。彼の小説教室には、ひと癖もふた癖もある受講生が集まっていた。

東北から上京してきた出稼ぎ三人組のうち一人が死体で発見された。その数カ月前、三人はある邸で女の絞殺現場を目撃していた―。

庵志津子が銀座の一隅に開いたクラブ「庵」は、政財界のVIPが毎夜集うサロンになっていた。

真の巨悪は誰なのか!?二年前に失踪した妹を捜し続ける警護官の寒川。雑誌記者であった妹をめぐり、連鎖していく事件。

北アルプス上空で、原子力科学者雨村の搭乗した旅客機が航空自衛隊機と衝突し、墜落した。

霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。

遅いデビューながら人気作家となった宮越には、胸に畳んだ青春の思い出があった。

「刑事は必ず正義の上で死ぬんだ」。ミステリー界の巨匠、珠玉の短編集。

ニュースを見ていた笹村慎介は息が止まるほどの衝撃を受けた。

警視庁捜査一課の横渡刑事は帰宅途中、暴漢に襲われた女性を助けようとして男と格闘し無念にも刃物で刺殺された。

人気俳優・君津邦彦が新宿の高層ホテルで転落死した。

戦場カメラマンの長井創次は、東日本大震災に巻き込まれた妻の行方を捜しながら被災地を取材していた。

美貌と一枚の名刺だけを頼りに上京した若い女性。ツテも実力も無く、甘い野望を背負って来た若者たち。

財閥・紀尾井グループ会長の令嬢姉妹が搭乗していた小型飛行機が、北アルプス後立山で消息を絶った。

始まりは新宿発、松本方面行きの最終列車、急行「アルプス号」だった。

わが国最大の兵器メーカー国武重工業の本工場にある豪華接待館。接待嬢の麻利は、その“幸せの間”で消されたのか。

OLの松葉絵里子は別れた恋人を忘れるため、街で声をかけてきた鮫島の誘いにのり一夜を共にした。

北アルプス・槍ケ岳の観光開発を

山頂から愛の信号を送ると約束し、恋人を山麓に残してひとり山頂をめざした影山だが、送られてきたのは遭難信号だった。

戦後日本で起きた怪事件の数々。その背後には、当時日本を占領していた米国・GHQが陰謀の限りを尽くし暗躍する姿があった。

「タスケテ」―。二月下旬の夜、一人の外国人少女が、ラーメン屋台を引いている権兵衛老人の懐に逃げ込んできた。

校内暴力で荒廃し、不良生徒に牛耳られる都内S区の公立中学校。ついに、女生徒が公園で殺害される事件が発生。

OLの細川澄枝は社員のボーナス二千万円をタクシーの中に置き忘れる。

アルプスの名峰グロスグロックナーで出逢った二人、国際刑事警察機構の若き警察官高木史朗とミステリアスな女性陽子は運命の恋に落ちた。

青春の思い出の地である山間の古沼で、作家・北村直樹がかつて会社を辞める元凶となった男が簀巻きの死体で発見された。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

「あ、あなたは…」千秋は凍りついた。本州の最北、青森で新婚生活に浸る千秋を訪れた男は、秘した彼女の過去から来た。

戦時中に北海道のダム建設工事で亡くなった強制労働犠牲者の遺骨発掘作業に参加した神沼公一郎は、腐乱死体を発見した。

東京都内の空地で大学生が殺され

平凡なOL貴浦志鶴子には幼児期の記憶に空白がある。

クリスマスイブの夜、オープンを翌日に控えた地上62階の高層ホテルの壁面に、巨大な光の十字架が浮かび上がった。

あらゆる悪の手口を詳述したベストセラー『悪魔のガイドブック』にそそのかされた少女輪姦事件が発生。

詩人になりたかった降旗圭は、戦時へと突き進む時局に背中を押されるように、江田島の海軍兵学校に進んだ。

博多発東京行のひかり116号で、不動産ブローカーが刺殺された。

日本推理作家協会で主催する「日本推理作家協会賞」を受賞した作家たちの傑作短編を集めた新シリーズ第二弾。

深夜のコンビニ強盗殺人事件と、同じ夜に起きた轢き逃げ事件。

文芸誌の新人賞受賞を契機に作家へと転身を図る香山。

元エリート自衛官・羽月数也は、法に縛られず“人の命を守りたい”という信念のもと、ボディガードとなった。

昌枝は自分でも説明がつかなった。相思相愛、理想の結婚を実現した7年後、突然、夫の慎治が嫌いになってしまった。

棟居刑事は出張先の四国霊場・遍路宿で元区役所吏員の野田と相部屋になる。

霧の中に響く、腐れ橋を渡る妖しい足音…。

牧原藤子がようやく手に入れた一戸建てのわが家。だが、思わぬ不幸が近所に潜んでいた。

全国を制覇した暴力団が、町全体を組の「首都」にする大計画に着手した。

各界の大物が蝟集する渋谷のクラブ「ステンドグラス」。

ある新人賞の審査員となった人気作家・浅沼は、候補作を読みながら、背筋の凍る思いがした。

文壇の寵児ともてはやされる若きベストセラー作家の浅沼は、出版社から請われて新人文学賞の選考委員となった。

過去を捨て、警備員として暮らす桐生。迷い猫が縁で、飼い主の少女・翔子と出合う。