新・人間の証明
- レモン (11)
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無事届きました。 | ||||
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面白かったですが、作者の私見が多いような感じです。 | ||||
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中華人民共和国政府公室通訳の楊君里(ようくんり)が、タクシー運転手により瀕死の状態で麹町署に運び込まれ死亡した。車内には生レモンが残されていた。事故とも事件とも判断出来ぬまま捜査を担当するのが「人間の証明」で活躍した棟居刑事である。そんな序章で始まる。 「人間の証明」で繰り返し読まれた誌が西条八十の「ぼくの帽子」なら、本書では、高村光太郎の「レモン哀歌」になる。また、ミステリアスな落とし物が麦わら帽子なら、本書では、生レモンなのだ。 形式上、本作と「人間の証明」はシンメトリカルな構成になっている。だが、根本的には、全く異なった重みの有る作品である。それは、登場する母親像に所以する。本書の母親と「人間の証明」の母親と比べると重力が全く違うのだ。 「ぼくの帽子」からは霧積温泉が導き出され、そこに母親の足跡があった。だが、本書では「レモン哀歌」から既作「悪魔の飽食」で問題提議された旧日本軍の731部隊が導かれる。そして、棟居刑事も731部隊の生き残り兵の証言を求めて歩き回る。そこで棟居刑事は、本書の母親の消すことの出来ない凄惨な過去を知った。 「悪魔の飽食」内に、生体解剖実験用の捕虜(マルタ)の女性が捕虜収容所内で出産した噂が広がっていたと言う記述があった。その女性マルタが本書の母親である。出産した子供は、終戦と共に、日本兵と一緒に日本へ連れて行かれた。その我が子との再会を求めて日本に来たのではないかと類推されたのだ。 根本的に違うと言ったのは、自分の都合で我が子を捨てた「人間の証明」の母親と、生体実験の捕虜の身で過酷な状況下で出産した我が子に会うために懸命に来日した本書の母親との違いである。余りのも母親像が対極的で重さが違い過ぎるのだ。 森村氏は「悪魔の飽食」を書き終えた時に、まだ一つ仕事が残っていると言った。それが、本書の執筆である。 | ||||
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中華人民共和国政府公室通訳の楊君里(ようくんり)が、タクシー運転手により瀕死の状態で麹町署に運び込まれ死亡した。車内には生レモンが残されていた。事故とも事件とも判断出来ぬまま捜査を担当するのが「人間の証明」で活躍した棟居刑事である。そんな序章で始まる。 「人間の証明」で繰り返し読まれた誌が西条八十の「ぼくの帽子」なら、本書では、高村光太郎の「レモン哀歌」になる。また、ミステリアスな落とし物が麦わら帽子なら、本書では、生レモンなのだ。 形式上、本作と「人間の証明」はシンメトリカルな構成になっている。だが、根本的には、全く異なった重みの有る作品である。それは、登場する母親像に所以する。本書の母親と「人間の証明」の母親と比べると重力が全く違うのだ。 「ぼくの帽子」からは霧積温泉が導き出され、そこに母親の足跡があった。だが、本書では「レモン哀歌」から既作「悪魔の飽食」で問題提議された旧日本軍の731部隊が導かれる。そして、棟居刑事も731部隊の生き残り兵の証言を求めて歩き回る。そこで棟居刑事は、本書の母親の消すことの出来ない凄惨な過去を知った。 「悪魔の飽食」内に、生体解剖実験用の捕虜(マルタ)の女性が捕虜収容所内で出産した噂が広がっていたと言う記述があった。その女性マルタが本書の母親である。出産した子供は、終戦と共に、日本兵と一緒に日本へ連れて行かれた。その我が子との再会を求めて日本に来たのではないかと類推されたのだ。 根本的に違うと言ったのは、自分の都合で我が子を捨てた「人間の証明」の母親と、生体実験の捕虜の身で過酷な状況下で出産した我が子に会うために懸命に来日した本書の母親との違いである。余りのも母親像が対極的で重さが違い過ぎるのだ。 森村氏は「悪魔の飽食」を書き終えた時に、まだ一つ仕事が残っていると言った。それが、本書の執筆である。 | ||||
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「悪魔の飽食」3部作を読了後読んで、吃驚した。この小説は「悪魔の飽食」と並行して連載されていたそうだが・・・「飽食」でみたエピがそっくりそのまま、文字通り右から左へと、小説の中に現れてくるのだ。何故か?!何故そんなことをしたのか? そっくりそのまま、そのモチーフを使うべき理由があったのだ。引き写しではない、パラレルワールドなのだ。たった一人のマルタも救い出されることのなかった現実と、「同じ」モチーフにより編み上げられた、ひとりの女マルタとその子が救い出されるフィクション。ここには作者の祈りがある。読了後、棟居刑事の姿ばかりが思い浮かんだ。顔は見えないが光り輝いていた。大変なヒーローを創造したものだ。 | ||||
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