盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。

江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説「金色の死」、私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼びとめられ、妻の死の顛末を問われ、たたみ掛ける様にその死を糾弾する探偵と、追込まれる主人公の恐怖の心理を絶妙に描いて、日本の探偵小説の濫觴とい

日本の美学の底には「暗がり」と「翳り」がある。

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。

見るも無残に顔が潰れた死体、変転してゆく事件像(『石榴』)。

第二次大戦中に天才料理人・直太朗が完成させた究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された、絶対味覚=麒麟の舌を持つ佐々木充。

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。

書簡体形式を用いた独自の文体で読者を幻惑させる、唯一無二の怪奇探偵小説の名手・夢野久作。

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。

平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する。

母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。

互いに愛人がいながら離婚にふみきれない中年夫婦の、一見おだやかな日常を古典への愛をとりまぜて描いた傑作。

ある冬の夜ふけ、Kが村にやってくる。測量士として城から雇われたのだ。

同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

大正末期、大震災直後の東京にひとりの異才が登場、卓抜な着想、緻密な構成、巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった。

湖畔に佇む別荘に8人の男女が集まった。 車で転落死した婚約者を偲ぶ会だったはずが、 そこに逃亡中の銀行強盗が侵入する。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

人はなぜ、罪を犯すのか? 本作を原作にした映画『楽園』2019年秋公開! 出演 綾野剛 杉咲花/佐藤浩市 監督・脚本 瀬々敬久 人はなぜ、罪を犯すのか? 『怒り』『国宝』の著者、最新文庫化! 田園に続く一本道が分かれるY字路で、一人の少女が消息を絶った。

美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。

時子の夫は、奇跡的に命が助かった元軍人。

放浪の数学者探偵、降臨! "堂"シリーズ文庫刊行開始! 新たな理系&館ミステリ。

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。

黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。

手話通訳士の荒井尚人は、コミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳をする生活の中、場面緘黙症の少年に手話を教えることになった。

『龍の耳を君に』の事件を経て、みゆきと再婚した荒井。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。

この猫が怖くてたまらない――戦慄の復讐譚「黒猫」を含む傑作14編!新訳 「この猫が怖くてたまらない」――ポー新訳2冊連続刊行!(2巻は22年3月発売) おとなしい動物愛好家の「私」は、酒に溺れすっかり人が変わり、可愛がっていた黒猫を虐め殺してしまう。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。

学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。

恋愛しないとだめですか?賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。

結婚という言葉を使わずに、言いたいことを言うのは難しい。

“対男用”のモテ服好みなOL早希と、豪華な衣装部屋をもつ人気タレントのだりあは、幼稚園以来の幼なじみ。

怪奇探偵小説作家の中で最も比類のない魅力に富んだ作家のデビュー作「完全犯罪」を始めとして代表的短篇を収録した一冊。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。

郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。

推理小説マニアの大学生・曳間が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。

昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。