1935年、ドイツ。若く優秀な保安情報部員アルベルトは、党規に従い神を棄てた。

時は大正。

その場所に行けば、大事な記憶に出会える――。 恩田陸の世界を彷徨する奇跡の全18話を収録した短編集。

きみはなぜ、まぶたを閉じて生きると決めたの―― 共に生きながら、今は遠く離れてしまった「わたし」と「ぼく」。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

都内の幼稚園へ赴任してきた神尾舞子。

1945年夏、敗戦翌日。誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。

新宿署の刑事・鮫島は、捜査中に北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

ベイカー街221Bを訪れたある婦人は、強請に苦しむことを訴えつつも詳細を話せず、苛立つホームズに依頼を断られてしまう。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

武蔵小杉高校事変で優莉結衣に救われた濱林澪はショックから不登校になっていた。

東京・池袋で男の刺殺体が発見された。警視庁池袋署刑事課長の本宮は、捜査の過程で捜査一課長からある密旨を受ける。

信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。

こうして書棚の秘密は私とＢ、 二人だけのものになった―― ハリウッド俳優Ｂの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

スキー場に向かう中学生たちを乗せたバスが新潟県の山中で転落事故を起こした。

終戦から間もない東京・神田神保町で、 ひとりの古書店主が死んだ―― 出版社とも図書館とも違う、 かれらにしかできない方法で書物を守る 古書店のひとびと。

最後の退校希望者は、誰だ? 必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩。それが、警察学校だ。

驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。

沖縄の互助組織、模合。

「希望」を信じて、男は覚悟する。慶国に新王が登極した。

マルクスとエンゲルスの出逢いを阻止することで共産主義の消滅を企むCIAを描いた歴史改変SFの表題作をはじめ、零落した稀代のマジシャンがタイムトラベルに挑む「魔術師」、名馬スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる青年の感動譚「ひとすじの光」、音楽を通貨とする

祖母の依頼で請け負った 観劇代行アルバイト。

怪異に詳しい少女・祭火小夜が、未体験の恐怖と謎を解き明かす! 中学三年の浦沢圭香は真面目な優等生。

第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作、待望の文庫化です! どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。

王は夢を叶えてくれるはず。だが。

百花は叔母に誘われて行った「紙こもの市」で紙の世界に魅了される。

「日本に美術館を創りたい」。その夢を追いかけ、絵を一心に買い集めた男がいた。

昌幸、信之、幸村の真田父子と、徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永らの思惑が交錯する大坂の陣――男たちの陰影が鮮やかに照らし出されるミステリアスな戦国万華鏡。

死者の魂が見える赤い左眼を持つ大学生・斉藤八雲。

恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

越すか、越さぬか――。ここは人生の峠を迎えた者に決断を迫る場所。

クー・クラックス・クラン誕生の地、テネシー州プラスキ。

今川義元の嫡男 今川彦五郎氏真はなぜ名家を没落させたのか 蹴鞠と歌を何より好んだ戦国武将が天下人に見せた正しき矜持とは? 直木賞作家 今村翔吾の凄みあふれる驚愕の歴史短編集 桶狭間での父義元の急死を受け、 彦五郎氏真は駿河今川氏の当主となった。

「お遍路さん」を迎える場所として道後温泉にある架空の宿「さぎのや」。

圧倒的なオーラを放つスター、堀尾葉介。彼の「光」に触れると運命が動いていく。

人は、自分の悲しみのために涙する。

銃撃テロを生き延びた五人。

わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された── 新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。

もう一度だけ亡くなったあの人に会えるとしたら、あなたは何を伝えますか? 死者との再会を叶える使者「ツナグ」。

継承される血と野望。

三年半ぶりに本土の地を踏んだ 復員兵の貝塚透馬は、 軽井沢に疎開していた両親が 強盗に射殺されたことを知る。

五人全員が死んだとき――本当の「事件」が始まる。

バチスタ裁判、開廷。

時は奈良時代。

出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。

かつて新聞社編集委員の残間が追いかけた、商社の違法武器輸出。

立入制限区域のパトロールを担当するロボット「ウルトラ・エイト」たちの居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子がやってきた。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

聖母が死んだ。 薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。

お店の中にプロレスのリング?ちょっと田舎にあるけれど何を食べても美味しい食堂“ルート517”。

市長の秘書が殺された。

不毛の原野、存在せぬ牛、架空ファンド 隠岐と因幡── 詐欺の天才ふたりに売れないものなど、ひとつもない。

Iターンプロジェクト担当公務員が直面するのは、 過疎地のリアルと、風変わりな「謎」――。