錆びた太陽
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恩田さんの作品はだいたい読んでいますが、この作品は幻想やミステリ風味ではなくどちらかといえば軽い方になると思います。ただ、一応コメディの体裁を取っていますが、とりあげられているテーマは重いです。書く動機になったのは1999年に起きた茨城県東海村原発の臨界事故だったといいます。当時は高校生で茨城に住んでおられたそうです。 そして現在だとむしろ、どうしても東北地震後の福島原発事故の方が頭に浮かんでしまいます。いまだに様々な問題が残り、解決して元通りになったとはとても言えない、だからこそここに出てくる状況が笑えません。 この作品の舞台は、原発を廃止しようとしない政府に業を煮やした環境テロリストが各地の原発を爆破、国土の2割以上が汚染地域になってしまい、それからさらに4世代を経て2050年も過ぎたのに、制限地域が足かせとなって経済成長は望めず、人口は5千万に減少、いまだに汚染地域の処置は終わらない・・というような状況の日本です。とても架空の出来事とは思えません。 人が立ち入れないためどうなっているのかわからない地域も多く、遺伝子変異した奇妙な動物も生息しているらしい、中にはおかしな形で放射能に適応した一見ゾンビのように見える人間が群れで生き延びているという情報もあります。 そんな地域を管理しているのはウルトラエイトと呼ばれる優秀なロボットたち。そこへ突然やってきたのが国税庁から派遣されたという財護徳子という女性。連絡に齟齬があったようで、来るということも聞いていない、それに、生殖能力のある若い女性が放射能汚染地域に入ることなどありえない、いったい彼女は何者なのか?そしてその目的は?ロボットたちは怪しみながらも、ロボット三原則に基づいて人間を守るために彼女と行動を共にします。 全編、昭和の流行やキーワードがちりばめられているので、若い世代はよくわからないかもしれません。が、コメディとしても近未来SFとしてもよくできていると思います。ほとんど冗談のようなストーリーですが、本来なら深刻で息苦しいテーマだけに、茶化しながらブラック・ユーモアにしてしまうしかなかったのでは・・と感じました。後半になると、使用済み核燃料保管をめぐる政府と海外企業の癒着などいかにもありそうな話も出てきます。 私は、主人公に設定されているロボットのボスがステキだと思いました。沈着冷静ですぐれた頭脳とずば抜けた記憶力、底知れない知識量、まあロボットなので当たり前なのですが(笑)誠実きまじめで思慮深い男性を見ているようでした。シンクロして動く仲間たちもコミカルで愛嬌があります。 回収されていない複線があったりして、いまひとつ釈然としないところもありますが、重苦しいテーマをこのような形でよく作品にされたと思いました。文章は平易でさらさら読めるので、500ページ近い大作ですが一気読みしてしまいました。 | ||||
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人間は一人だけ、他はロボット、ゾンビ、巨大化した猫っていう特殊な設定で最後まで一気によませるのは、さすが恩田陸。 異次元な世界を体験できます。 | ||||
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ブラックジョーク。 何度か大笑いさせて頂きました。 ヒロインは高畑充希さんが浮かんでました。 同期のサクラの彼女の感じ。 合歓木の下でお婆ちゃんの思い出を話して欲しいです。小柄で強くて頑固、 命懸けで突き進む、可愛らしさも。 ロボットたちも強面で、不器用に優しい名優が何人か浮かんでしまいます。 日本はおしまいだ! まったくその通り。ゴミ箱なんか作りそうですよ、こわいこわい。 疲れた私達は、 せめてこの恩田陸が作った何処か 恐ろしくもおかしな世界、 ゾンビとロボット達と一緒に 汚染地域で、 夕日を見るのも悪くないかも。 ロボット達に生活を守ってもらう、現実になりそうで。泣けてきちゃう。 アトムもドラえもんも夢だったのに。 太陽が錆びる前の、ロボットを作った科学者の話が読みたいですね、 続編ではなくて。 名前のセンス、システムのセンスが良すぎます。どんな人? 蜜蜂と遠雷の後にこれか~。 恩田陸さんの引き出しはたくさんあるなあ、ビックリしました。 | ||||
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いっきに読みました。なんか、恩田陸の作品とは思えず、星新一を読んでいるような不思議な感覚になっていました | ||||
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近未来的な世界観や自立型のアンドロイドを主人公に持ってくるアイデアは面白かったです。 だがあまりにも伏線の回収がお粗末、というか出来てない。水越事件の真相も中途半端、マルピーの実態も中途半端、8人目のアンドロイドは結局なんだったの?政府の事業は結局どうなるの?徳子は結局何がしたかったの?等々全部読み終わっても謎だけが残り全然スッキリしない。 散りばめた伏線を回収せずに書きたいことだけ書いて終るというのは、正直プロの作家の仕事とは思えません。 本当なら星一つだけど、ストーリー展開としては面白いところもあったので星2つです。 | ||||
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