川崎、上野、大阪、呉、六本木…日本各地の旧軍都に発生する「裂け目」。

太郎と散多は古道具店を営む兄弟。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。

「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。

東日本大震災を経て、刻々と変貌していく“東京”を舞台にした戯曲『エピタフ東京』を書きあぐねている“筆者K”は、吸血鬼だと名乗る吉屋と出会う。

その場所に行けば、大事な記憶に出会える――。 恩田陸の世界を彷徨する奇跡の全18話を収録した短編集。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。

「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か。

六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。

「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い繁華街の骨董品店に緊張が走った。

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

「これは、梯結子の問題解決及びその調達人生の記録である。

英国留学中のリセは、十九世紀に建てられた「ブラックローズハウス」でのパーティーに招かれる。

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作！ 一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。

平口捷は、若き天才美術家の烏山響一から招待され、熊野の山奥に作られた巨大な野外美術館を訪れた。

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。 一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。

太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。

過去を変えることはできるのか。

シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

両親の離婚で別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。

学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。

もう一度だけ亡くなったあの人に会えるとしたら、あなたは何を伝えますか? 死者との再会を叶える使者「ツナグ」。

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

小さな喫茶店を営む女性が殺された。 加賀と松宮が捜査しても被害者に関する手がかりは善人というだけ。

塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

宮部みゆきさんの書き下ろし短編「人・で・なし」を読んだ辻村深月さんが「ママ・はは」を書き下ろし、その辻村さんの短編を読んだ薬丸岳さんが「わたし・わたし」を書き下ろし…バトンは東山彰良さん、宮内悠介さんへ。

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

1968年、ソ連。

少女時代のエピソードあり、笑える読書日記あり、真摯で豊かなレビューあり……。

日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。

親子の救済、老人の覚醒、過去の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ……淡く美しい希望が灯る。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。