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錆びた太陽
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錆びた太陽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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恩田さんの作品はだいたい読んでいますが、この作品は幻想やミステリ風味ではなくどちらかといえば軽い方になると思います。ただ、一応コメディの体裁を取っていますが、とりあげられているテーマは重いです。書く動機になったのは1999年に起きた茨城県東海村原発の臨界事故だったといいます。当時は高校生で茨城に住んでおられたそうです。 そして現在だとむしろ、どうしても東北地震後の福島原発事故の方が頭に浮かんでしまいます。いまだに様々な問題が残り、解決して元通りになったとはとても言えない、だからこそここに出てくる状況が笑えません。 この作品の舞台は、原発を廃止しようとしない政府に業を煮やした環境テロリストが各地の原発を爆破、国土の2割以上が汚染地域になってしまい、それからさらに4世代を経て2050年も過ぎたのに、制限地域が足かせとなって経済成長は望めず、人口は5千万に減少、いまだに汚染地域の処置は終わらない・・というような状況の日本です。とても架空の出来事とは思えません。 人が立ち入れないためどうなっているのかわからない地域も多く、遺伝子変異した奇妙な動物も生息しているらしい、中にはおかしな形で放射能に適応した一見ゾンビのように見える人間が群れで生き延びているという情報もあります。 そんな地域を管理しているのはウルトラエイトと呼ばれる優秀なロボットたち。そこへ突然やってきたのが国税庁から派遣されたという財護徳子という女性。連絡に齟齬があったようで、来るということも聞いていない、それに、生殖能力のある若い女性が放射能汚染地域に入ることなどありえない、いったい彼女は何者なのか?そしてその目的は?ロボットたちは怪しみながらも、ロボット三原則に基づいて人間を守るために彼女と行動を共にします。 全編、昭和の流行やキーワードがちりばめられているので、若い世代はよくわからないかもしれません。が、コメディとしても近未来SFとしてもよくできていると思います。ほとんど冗談のようなストーリーですが、本来なら深刻で息苦しいテーマだけに、茶化しながらブラック・ユーモアにしてしまうしかなかったのでは・・と感じました。後半になると、使用済み核燃料保管をめぐる政府と海外企業の癒着などいかにもありそうな話も出てきます。 私は、主人公に設定されているロボットのボスがステキだと思いました。沈着冷静ですぐれた頭脳とずば抜けた記憶力、底知れない知識量、まあロボットなので当たり前なのですが(笑)誠実きまじめで思慮深い男性を見ているようでした。シンクロして動く仲間たちもコミカルで愛嬌があります。 回収されていない複線があったりして、いまひとつ釈然としないところもありますが、重苦しいテーマをこのような形でよく作品にされたと思いました。文章は平易でさらさら読めるので、500ページ近い大作ですが一気読みしてしまいました。 | ||||
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人間は一人だけ、他はロボット、ゾンビ、巨大化した猫っていう特殊な設定で最後まで一気によませるのは、さすが恩田陸。 異次元な世界を体験できます。 | ||||
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ブラックジョーク。 何度か大笑いさせて頂きました。 ヒロインは高畑充希さんが浮かんでました。 同期のサクラの彼女の感じ。 合歓木の下でお婆ちゃんの思い出を話して欲しいです。小柄で強くて頑固、 命懸けで突き進む、可愛らしさも。 ロボットたちも強面で、不器用に優しい名優が何人か浮かんでしまいます。 日本はおしまいだ! まったくその通り。ゴミ箱なんか作りそうですよ、こわいこわい。 疲れた私達は、 せめてこの恩田陸が作った何処か 恐ろしくもおかしな世界、 ゾンビとロボット達と一緒に 汚染地域で、 夕日を見るのも悪くないかも。 ロボット達に生活を守ってもらう、現実になりそうで。泣けてきちゃう。 アトムもドラえもんも夢だったのに。 太陽が錆びる前の、ロボットを作った科学者の話が読みたいですね、 続編ではなくて。 名前のセンス、システムのセンスが良すぎます。どんな人? 蜜蜂と遠雷の後にこれか~。 恩田陸さんの引き出しはたくさんあるなあ、ビックリしました。 | ||||
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いっきに読みました。なんか、恩田陸の作品とは思えず、星新一を読んでいるような不思議な感覚になっていました | ||||
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近未来的な世界観や自立型のアンドロイドを主人公に持ってくるアイデアは面白かったです。 だがあまりにも伏線の回収がお粗末、というか出来てない。水越事件の真相も中途半端、マルピーの実態も中途半端、8人目のアンドロイドは結局なんだったの?政府の事業は結局どうなるの?徳子は結局何がしたかったの?等々全部読み終わっても謎だけが残り全然スッキリしない。 散りばめた伏線を回収せずに書きたいことだけ書いて終るというのは、正直プロの作家の仕事とは思えません。 本当なら星一つだけど、ストーリー展開としては面白いところもあったので星2つです。 | ||||
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近未来をかいた本。登場人物も人情味がありすらすら読めた。面白かった。 | ||||
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内容紹介、amazonより↓ 「最後の事故」で、人間が立ち入れなくなった地域をパトロールしているロボット「ウルトラ・エイト」。 彼らの居住区に、ある日、人間が現れた。 国税庁から来たという20代の女性・財護徳子。 人間である彼女の命令に従わざるを得ないロボットたち……。 彼女の目的は一体何なのか? 恩田陸の想像力が炸裂する本格長編小説。 内容(「BOOK」データベースより) 立入制限区域のパトロールを担当するロボット「ウルトラ・エイト」たちの居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子がやってきた。三日間の予定で、制限区域の実態調査を行うという。だが、彼らには、人間の訪問が事前に知らされていなかった!戸惑いながらも、人間である徳子の司令に従うことにするのだが…。彼女の目的は一体何なのか?直木賞受賞後長編第一作。 * 読者サービスをふんだんに入れているのかなと思った。面白かったよ。 知ってる名前が至るところに(昭和だね)。登場人物が多いからの策だろうけどね。 徳子が暴れまくるのか、会話も多いし読みやすいから450ページあるのに一気読み。 堅苦しい事も堅苦しくなく(大丈夫かと心配したけど笑)楽しめた。 作家らしい作風もあり。 凝りに凝った作品より、これくらいで砕けた感じが丁度いいのかも。 しかし表紙・・どういう意図なんだ? 視覚的だから、映像化しそ~ | ||||
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荒涼とした世界観、さくっと描かれているけれどよく練られている。 物語自体もほどよいコンパクトさに収まっている。 恩田陸さんは、基本的に昭和的なものを愛好しているを感じるが、 本作も、「サンダーバード2号」「ウルトラセブン」「マイウェイ」などなど、 昭和ワードが飛び交い、平成生まれにはなんのこっちゃな箇所もある。 | ||||
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たくさんのメッセージが込められた作品だった。 SFでもありながら、どこか現実になっていそうな舞台設定。 原発のこと、人型ロボットのこと、戦争のこと、ゾンビまで登場する。 ゾンビやロボットを通して人間とは何か、人間はいかに愚かなことを繰り返してきたのか、ということを考えさせられた。 財護徳子の奇想天外なキャラクターがいい。 全体的に暗い話で、彼女自身も影があるのに、そのキャラクターから物語全体が明るくなって先がどんどん読みたくなる。 今回は緻密な設定がピタリとはまった物語になっている。 直木賞を受賞してもこれからもこのような恩田陸らしい作品を生み出していって欲しい。 『蜜蜂と遠雷』とは雰囲気が全然異なる作品だが、こちらも恩田陸の作風の1つなのでこちらも是非読んで欲しい。 | ||||
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スジとかオチとか真相などは、どうでもいい。読んでて楽しい。恩田氏と同世代なら、特に楽しく読めると思う。 個人的には「消失」と同じ系統の楽しさ。 で、時々「至言」が混ざる程よさ。進化形ロボット三原則がまた大変によい感じ。 とにかく初めっから終わりまで面白く読みました 世代が違う人はこれを期にぜひ「逆引き」してって下さい が、手に取った瞬間に「これ、何だよ」と思った。ハードカバーの単行本に直接「惹句」を刷るな。表に定価を刷るな。「初回限定メッセージカード付」は帯でやれ! …怒りじゃなくて「苦笑」した。 | ||||
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原発事故、さらに原発廃止を求める団体による原発破壊のため、 日本の2割が立ち入り制限区域になってしまった! それから数十年、立ち入り禁止区域を管理する人工頭脳のチーム 「ウルトラエイト」に突然、生身の20代の女性が訪れた。 忘れ去られたチームに刺激を与えた女性の真の目的とは !? 原発をテーマに描く近未来ファンタジー。 人間は訪れない管理区域に突然やってきた徳子。 良くしゃべり、読者に説明をしてくれるのは読者サービスかもしれないが やや過剰かもしれない。 昔、流行ったあれこれ。 ねずみはアルジャーノンだし、トラばさみやナマハゲ、数十年先のこと ながら軽自動車が走っているし !? 年長の読者を意識しているのだろうか。 いろいろなくすぐりは面白いが、なんだかなぁ…。 「蜜蜂と遠雷」の著者を意識して読む人には、申し訳ないが「はずれ」 だと思う。 | ||||
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とにかく楽しめる1作。 恩田陸の幅広さを感じました。 原発事故後、ロボットたちが、状況管理している地帯での話。 ウルトラ兄弟たちを模しているようなロボット。 ロボットの名前は、「太陽にほえろ」リスペクト。 管理システムのトンボもいい。 読後、 今一つ理解できていないのは、 マルピーたちがなぜ、ボスたちを襲ったのかということ。 シンコはどうなったんだろうかということ。 続きが書かれますように! 財護徳子の今後も興味深いので、ぜひ。 | ||||
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表紙には原発、汚染、ロボットというキーワードが踊る。 これは近代SFかな?と読み始めたが、そこはやはり天才・恩田陸。 簡単にはジャンル分けをさせてくれない。 額面の近代SFを中心に据えながら、ミステリー、ホラーの要素を含ませ、 経済、政治、果ては宗教観、戦争論にも触れる… 本当にこの作家は知識と興味の幅が凄いなと改めて感じる。 ここまで書くと、恩田女史の過去作をご存知の読者は、 「ちゃんと広げた風呂敷を畳めるのか?」と疑問を持つかも知れないが、 今作はしっかりと着地し、なおかつ広げようと思えば続編も作ることの出来る 見事な手腕で物語を収束させている。 「人間に使役されるロボット」が大きなキーワードという事もあり、 当然のようにアシモフの「ロボット三原則」に触れるわけだが、 女史は作中でこれをさらに昇華し、「M(モラル)三原則」として定義した。 この定義が「彼ら」の活動原理や葛藤に繋がるわけで、非常に興味深い定義。 直木賞を受賞した「蜜蜂と遠雷」以降では、恐らく今作が起承転結もしっかりし最も読み易い。 年明けから精力的に刊行される女史、こんなに嬉しいことはない。良い作品に出会えた。 読み応えあり、考えらさせられる描写も多い、お見事と膝を叩く快作でした。 蛇足だが、今作にも「おかまキャラ」が登場します。 先月発売の「失われた地図」にもおかまは登場…なんだかここ最近多いですね笑 「だからって―――よくもまあ。神をも畏れぬ行為とはまさにこのことじゃないですか」 「ざっとここ数百年ばかりの歴史を見ただけでも、我が国、いや、人類は一度でも神を畏れたことがあったと思うか?」 文中311ページより。 | ||||
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