激動する世界の中で、平和を謳歌する日本。しかし、戦争と暴力への想像力を失ったとき、致命的な危機が忍びよる…。

5分のずれで現われた、もうひとつの日本は人口26万に激減していた。

日本はもう一度、焼け野原になるべきなのか? 経済の衰退した近未来の東京。

突然変異の人類“クチチュ”らと共に旅を続けるアキラは、生への執着から解き放たれた人々が猿のように生きる村や、ロボット制御の病院で人間が管理される残酷な姿を見届け、遂に宇宙空間へと向かう。

北から南へ、そして南から北へ。

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

21世紀はこの小説で始まる。点状出血、内臓溶解、骨格筋の爆発的なケイレン。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

『星を継ぐもの』シリーズ4作品 新版化 月面で発見された5万年前の死体はどこからやってきたのか？ ハードSFの巨匠ホーガン不朽の名作 第12回星雲賞海外長編部門受賞作 【創元ＳＦ文庫60周年記念新版】 月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見し

致命的な記憶の死角とは?失踪したクミコの真の声を聴くため、僕は井戸を降りていく。

この世の物とは思えない奇妙な恋の物語 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。

やんちゃが少し過ぎた俺は、祖父の差し金でマンションの管理人見習いに。だがそこは、「なんでもアリ」の殺し屋専用住居だった。

渋谷を根城にファイトパーティーを主宰し、トップにのし上がったストリートギャング雅。

凄絶な幼少期を過ごしながらも、コロンビア・マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。

猫は戻り、涸れた井戸に水が溢れ、綿谷昇との対決が迫る。壮烈な終焉を迎える完結編。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

まじむの事業計画は南東東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

良いニュースと悪いニュースがある。 多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

「模倣犯」事件から9年が経った。

一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編！ 阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。

子どもの殺人に原因はないよ、幼児が迷子になるのに原因がないのと同じだ、親が目を離したから?それは原因じゃなくて子どもが迷子になる過程の一つにすぎない。

ニードルが乳首を貫くとき、美と勇気は現れる。惨劇は、殺人衝動を持つ男と、自殺願望を持つ女が出会った夜に始まる。

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。

オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS。あなたは何を信じていますか？　 口さけ女はいなかった。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。

誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。 1980年代後半、時はバブル真っただ中。

さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。

その男は死んでいたはずだった―。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のヘクター・マン。

「本書は６つの章で構成されていますが、読む順番は自由です。はじめに、それぞれの章の冒頭部分だけが書かれています。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。

悪党・八神俊彦は自らの生き方を改めるため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。

42歳の青山は、再婚相手を探すため「オーディション」を行う。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。

6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。

開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。

堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

青春の追憶と内なる魂の旅を描く表題作ほか6篇。著者初の短篇集。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。

ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。

私は時間を味方につけなくてはならない―妻と別離して彷徨い、海をのぞむ小田原の小暗い森の山荘で、深い孤独の中に暮らす三十六歳の肖像画家。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。