奇妙な原稿が、ある新人賞に投稿された。“私”は友人から応募者の名が「三津田信三」だと知らされるが、身に覚えがない。

奇妙な同人誌「迷宮草子」の恐怖！恐怖！　古書店で主人公は奇妙な同人誌を入手する。

作家兼編集者の三津田信三が紹介された男、龍巳美乃歩が語ったのは、旧家、百巳家での迫真の実話怪談だった。

幼い頃、引き取られた百巳家で蛇神を祀る奇習と怪異の只中に“私”は過ごす。成長した“私”は訳あって再びその地を訪れる。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

神々櫛村。谺呀治家と神櫛家、二つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。

本格ミステリ大賞受賞作家が綴る、”最凶”の家ホラー。 山の中腹に建つ家に引っ越してきた、小学四年生の日々乃翔太。

作家の元に集まった五つの幽霊屋敷話。

「まだ誰にも、一度も喋ってへん話がある」 拭えども魍魎(あやかし)は肌に滑り憑く。

6歳の奈津江には、不思議な能力があった。誰かが失くしたものを探し出すことができるのだ。

旧家の猪丸家に現れた記憶のない謎の女・葦子は、開かずの間だった蔵座敷で“狐狗狸さん”を始める。

十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。

一人の自殺志願者が、多量の血痕を残し姿を消した。

曰くのある家や部屋を一軒に纏めて建て直し、そこで暮らすとどうなるか――。

奇っ怪な分身、“生霊”の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。

奥多摩の山村、媛首村。淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。

敗戦に志を折られた物理波矢多は、九州で炭坑夫となる道を選ぶ。

瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。鵺敷神社の祭壇“大鳥様の間”で巫女、朱音は神事“鳥人の儀”を執り行う。

自殺する間際にメッセージを録音して残す人がいる。

忌み山で続発する無気味な謎の現象、正体不明の山魔、奇っ怪な一軒家からの人間消失。

死相が視える探偵・俊一郎のもとに、遺産相続殺人と思われる事件の捜査依頼が舞い込む。

奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。

高校二年生の私が、学校の帰り道に一瞬目にした、えも言われぬほど鮮やかな緋色。それは、廃屋の裏庭に置かれた雛飾りだった。

小学6年生の優真は、父と死別後、母が再婚したお堅い義父となじめずにいた。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

目覚めた場所は硬くて冷たい床の上だった―。“私”は自称ミステリ作家の富豪、火照陽之助の屋敷を取材する。

得体の知れぬ何かに追われ、助けを求めて遺仏寺を訪れた由羽希。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

雨の日には、読まないでください。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

その物語は、人を殺す――。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

作家・三津田信三のもとに届いた1冊の古びたノート。

お気に入り(抜粋掲載) Yさんの娘は、近頃ようやく単語をいくつか喋れるようになったところだ。

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛木志保が自宅の鍵を預け失踪した。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

蔵から発見されたのは、封印が施された三つの記録。それはすべて「家そのものが幽霊」だという奇妙な内容で―。

碆霊様を祀る、海と断崖に閉ざされた強羅地方の村々。

―この物音は、何か可怪(おか)しい。 何かが畳を擦る音、いるはずのない赤ん坊の泣き声。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

その家に嫁いだ花嫁は、必ず死ぬ。 「嫁いだ花嫁が3年以内にかならず死ぬ」――。

その女を、入れてはいけない。入れれば最後、家はたちまち食い尽くされる。

色とりどりの恐怖をどうぞ召し上がれ。あのとき、目をそらしていたら。

他人の家とは何かが「ズレて」いる――。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

無明大学にある「怪異民俗学研究室」（怪民研）は、作家であり探偵である刀城言耶の研究室で、膨大な書籍と曰くある品で溢れている。

「今回ここに書き起こしたものには全て奇妙な符合が見られる。