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(短編集)

のぞきめ



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【この小説が収録されている参考書籍】
のぞきめ

のぞきめの評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

構成の妙

ある村の怪異を巡る話で、短編一つと中編一つ。先に登場する短編で謎を提示し、次の中編で、一つ前の年代に遡って謎を示して解決するパターン。やはり人里離れた村の怪異はコワイ!特に最初の話は、とある村に足を踏み入れてしまったがために、あるものからの視線につきまとわれ。そして、その謎が徐々に後編で明らかに。やはりこの構成だからこその怖さを感じました。怖かったです。さすが三津田ワールド!

タッキー
KURC2DIQ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

「のぞきめ」の感想

作者(三津田信三であろうと思われる)が語り手となっている「序章」と「終章」の間に、彼の知り合いで、利倉成留(とくら しげる)が語った話をまとめた「覗き屋敷の怪」と、民族研究家の四十澤想一(あいざわ そういち)が残したノートに書かれてあった、彼が学生時代に体験した話「終い屋敷の凶」が挟まれています。
時系列で行くと、「終い屋敷の凶」が昭和初期の話で、「覗き屋敷の怪」は昭和の終わりごろと言うことなので、順序は逆になっています。

「覗き屋敷の怪」は、四人の学生がリゾート地でのアルバイト先で、管理人から禁止されている事柄を破ったために、奇怪な出来事に遭遇するというホラー小説になっています。
何の解答もなく、おそらく「のぞきめ」によると思われる不可解な現象だけが書かれています。
ところで、作中に奈良の杏羅町の「拝み屋」で、五十歳前後だというの女性が登場しますが、若い頃は美人であったらしくって、驚くほど口が悪い・・・と言うことから、「死相学探偵」シリーズに登場する弦矢俊一郎の祖母の事なんでしょうね。

全体のほぼ3分の2ほどが、「終い屋敷の凶」になっています。
四十澤の友人で、民俗学調査の途中に亡くなった学生・鞘落(さやおとし)惣一の故郷に、弔問に行った際に体験した事柄が綴られたノートという内容です。
村八分状態にされた鞘落家の、過去の忌まわしい伝承が背景にあり、横溝正史のミステリを連想させますが、探偵も犯人も特定されないまま、大量殺人が起こり、話が終わります。

「終章」では、「終い屋敷の凶」に書かれていた、一部の不可解な怪奇現象を除き、腑に落ちない点を八つに分けて、それなりの説明がつけられて居るところは、刀城言耶シリーズのような展開でした。「のぞきめ」についても、それなりの解答がされているようです。
でも、そこでもう一度昭和の終わりの話・「覗き屋敷の怪」に戻ってみると、いろいろ想像をたくましくして、いろんなパターンの結論が出そうなのですが・・・。

トラ
WFY887SY

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