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Tetchy さんのレビュー一覧
Tetchyさんのページへレビュー数1418件
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これはミステリを読み始めた頃に読んでいたら傑作だったかもしれない。
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今回も自分の感性にそぐわなかった。饒舌な語り口が物語の牽引力にならなくて、寧ろプロットを曖昧にする煙幕として機能しているようだ。そのため、どういう話を読んでいるのか掴めなくなり、一週間後には全く記憶に残っていないという状態になる。
また、結末も結論を保留した形を採り、どうにも煮え切らない。 確かに寝不足で夢うつつの最中の読書だったがそれを考慮に入れても、やはり筆者の側に非があるんじゃないか? |
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導入部を読んだ時は期待大だったが、結局、何がなんだかさっぱり解らなかった。
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最初は何度となく途中で投げ出そうとしたことか。しかし、ストーリーの濃さ、結末の意外性は他に見ないものがある。
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解らん!結局オイラにはこういう世界を楽しむだけの創造力とゆとりが欠如しているってことらしい。
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何がどう怖いのかよく解らない。世評とのギャップが大きすぎて正直戸惑っている。
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ラストは秀逸。プロットは途中で解ったものの良質。ただ、語り口がどうも合わなかった。
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とにかく物語を動かしてみよう、主人公らに次々と危機また危機に見舞わせてみようと、実験的に書いてみたような、設定ありきでストーリーは二の次で書いてみたような作品。
そのせいか疾走感は確かにある。が、やはり物語と登場人物に厚みが無い。最後もとうとう収拾つかなくなって、えいやとばかりにデウス・エクス・マキナを放り込んだような閉じ方。 特に最後の締めの言葉は何なんだ?初のシミタツ出演作品? |
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シミタツでは珍しく女性を主人公にして作品。しかも古書店に勤める女性という地味な主人公で、しかも稀覯本を巡る話。およそシミタツには似つかわしくない題材と人物設定で、物語も流されるままに流れていく。
題名は主人公の女性を例えた言葉なのだが、あまり印象的に使われている風でもない。この頃のシミタツはちょっと作品に迷いを感じるのだが、特にこの作品は作者の目指す方向性が見えない当時の状況が露呈しているような内容だ。 |
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秩父の山奥の集落を舞台にした田園小説の意匠を纏ったハードボイルド小説か。田園小説とは英国文学が本場なのだが、本書は日本の田舎を舞台にした、故郷小説ともいうべき農耕文化がそこここに挟まれ、日本人の魂の根源を感じさせられる。
北方領土、海男の厳しい戦いを描いたシミタツがこんな老成した境地にまで達したのかと思うと感慨深いものがある。 悪徳不動産業者との戦いが軸なのだが終始爽やかで、派手ではないが美味しい緑茶を飲んだような爽快感がある。 |
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シミタツ作品で一番エントリー数多いなぁ・・・。シミタツ読者としてはこれを読んでシミタツを解ったように思って欲しくはないのだが。
『このミス』1位の宣伝文句は単に購買意欲をそそっているだけで変な先入観をもたらしているだけ。非常に邪魔だ。 主人公に都合の良すぎる展開や身勝手すぎる登場人物たちという声が多く、それについては同意する。私の中でも本書はシミタツ作品10本の指に入っても上位ではない。もっと面白い作品があるのでこれに懲りず、もっと手を出して欲しい。 しかし文庫の表紙の絵は、不倫の香りがするなぁ・・・。 |
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この作品の原典であるライアルの『深夜プラス1』は未読だが、あまりに有名なのでほとんどが原典の本歌取りである事は解ったが、主人公が元相撲取りだなんて・・・。
ただ162cmといえば舞ノ海よりも小さいんですよ、シミタツさん!もっと人物設定練った方が良かったんではないか?162cm、80kgの主人公が超絶技巧のドライヴィングテクニックを持つ( ^艸^)。 気の利いた台詞も主人公を想像すると自然と笑いが出てしまう。でもそんなマイナス点があっても本書は実に面白い! |
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前作『あっちが上海』に続くスラップスティック・エスピオナージュ小説。CIAやらFBIやらモサドやらが出てきて相変わらずドタバタ劇が繰り広げられる。
表紙に書かれた奇妙な動物は中身を見てからのお愉しみということで。 この後、志水氏は『そっちは黄海』という作品を書いて三部作にしようとしたらしいが、やめたらしい。理由は・・・ほとんど売れなかったからだと! |
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雨の降る夜に拾った女、というドラマの1シーンを切り取ったかのようなベタな始まり方をする本書。しかし物語はなんとも行き当たりばったり感が拭えず、消化不良。シミタツ節もこれといって特に感じず、どうしたんだ!?と叫ばずにはいられない凡作。
題名からどうしても読んでいる最中にカーペンターズが流れてしまうのだが、全く内容とは関係がない。 |
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全体的に地味な作品。いや、シミタツの作品は総じて地味なんだけど、耐える男と女の感情の迸りが行間からにじみ出て、地味ながらも非常に濃厚な叙情性を感じるのだが、これに関してはとりあえず金塊強奪を設定してヤクザとか絡めて物語を動かしてみるかといった、浅慮のままで書いてしまったようにどうしても感じてしまう。
最後の唐突に主人公が告白する裏切り者の正体を見抜く根拠が小説では解らない臭いが手掛かりだったので苦笑した。 しかしそれでも最後にシミタツ節溢れる闘争シーンがあるのだから大した物だ。 |
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表紙のエグさにドン引きするが、これはシミタツによるスラップスティック・エスピオナージュ、もしくはスラップスティック・コンゲーム小説とでも云おうか。とにかく前2作で振るった緊迫感溢れ、叙情豊かな独特のシミタツ節は成りを潜め、びっくりするほど軽妙に物語は展開する。冒険小説の詩人という位置付けだっただけに、このいきなりの作風転換はかなりビックリした。そして面白いのだから畏れ入る。
いやあ、ギャグも書けるのか、シミタツは、と感心した一冊。 |
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『飢えて狼』、『裂けて海峡』、『背いて故郷』とシミタツの冒険小説三部作と云われており、しかも本作は日本推理作家協会賞受賞作である。前2作は私のお気に入りでもあり、さらにこれはその上を行くのかと期待して読んだが、案に反して琴線に触れなかった。とにかく長いと感じた。しかもなんだか主人公が自虐的ながらも自分勝手な性格で、自分に酔っているという感じが終始拭えなかった。
まあ、本作も海洋業を生業とする人物設定であるから、ちょっと飽きが来たのかもしれない。北国の寒さだけが印象に残った。 |
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なんともやるせない物語。
つつましく小さな会社を経営していた男が、己の矜持を守るために掛け違えたボタン。それが終末への序章だった。望むと望まざるとに関わらず、主人公長尾に振りかかる災厄の数々。徒手空拳で立ち向かう彼と彼を慕う女性2人の姿が痛々しい。正に昭和の男と女の物語だ。 そして空虚感漂うラストの三行は今なおシミタツ作品の中でも金字塔として残る名文とされている。復刊された新潮文庫版よりオリジナルのこっちの方が断然好きだ。 |
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最近は時代小説に活動の場をシフトした志水辰夫ことシミタツだが、昔はハードボイルド路線のバリバリのエンタテインメント作品を書いていた。
私がこの作家を知ったのはもちろん『このミス』。 過去のランクを見るとほぼ毎年作品がランクインしており、しかも1位まで獲っている作家だから注目しないわけがない。 各出版社の目録を当たってみると、私が彼の作品を集めようとした学生時には既に作品が出ており、しかもその多くが書店で手に入りにくい状況だった故、けっこう探し回った記憶がある。 幸い私の故郷福岡は天神界隈に大型書店が軒並みあり、しかも良質の在庫を抱えていたので博多に遠征した時に一気に買いだめした。まだネット書店などない時代である。 とまあ、学生時代の書店逍遥の思い出話はこれくらいにして・・・。 シミタツデビュー作である本書は北方領土問題を交えた国際謀略小説だ。しかし、そんな風に書くと堅苦しく感じるが、それは読後感じる物語の構造であって、読んでいる最中はとにかく息がつまりそうなほどドキドキハラハラする冒険小説だ。 ボートハウスを経営する男、渋谷の許に現れた怪しげな雰囲気を纏った男達。彼らに付回された渋谷は店と唯一の社員の命を奪われる。 男達の1人青柳に接触した渋谷はソビエトの要人の亡命を助けるため、択捉に脱出道具を届けるよう頼まれる。 全てを失った渋谷は引き受け、青柳が用意した案内役の老人とともにソ連領の北方領土の一角、択捉へと向かう。 過去を持つ男がその過去を清算し、つつましながらも人並みの生活を送っていた最中に訪れる過去の亡霊のような仕事。そして手に汗握る択捉島・国後島潜入行にその後、尾行の影を感じる渋谷の緊張感などなど、普通と変わりない日常生活を送る我々には体験し得ない怖さを教えてくれる。 そしてストーリーもさながらその文体はデビュー作にして非常にクオリティが高い。現在シミタツ節と呼ばれている独特の文体が生まれる前の文章は実に堅牢で迷いがない。 これは利用する者とされる者の物語だ。人生の敗残者が生きるために必死にもがく物語だといえよう。特殊な技術を身につけたが故に招いた災禍。なんとも皮肉な運命だ。 さらに物語に厚みを持たせるエピソードにも事欠かない。特に印象に残ったのは主人公の唯一の従業員が亡くなった際にその父親が渋谷と駅で別れる間際に吐露する苦渋の言葉。こういう場面が実に忘れがたい物を心に残す。 また1人、追うべき作家が増えてしまったと苦笑しつつ、満足感を覚えた私がそのときいた。 |
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これも長らく絶版の憂き目に遭っている稲見氏の数少ない長編。
夜な夜な歴戦の猛者たちが集うパブ「パピヨン」。そこに現れたレッドムーン・シバと名乗る男がその中の4人の男に勝負を持ちかける。自分と戦って勝てば三千万円を支払うと。 その男達は己の強さと賞金のために勝負に乗り、シバの待つ山へと向かう。 本書はギャビン・ライアルの長編『もっとも危険なゲーム』の本歌取り作品。 勝負に挑む男達はそれぞれ手裏剣の名人、射撃の名手、怪力を誇る元レスラーと、実に戯画化された人物たち。 ブルース・リーの映画にもなっていそうな設定で、この手の内容に荒唐無稽さを感じ、のめり込めない人には全くお勧めできない作品。 しかしこれほどシンプルな設定も昨今では珍しく、確かページ数も300ページもなく、すっと読めるのが特長だ。つまり色んなことを考えずにただ目の前に繰り広げられる戦いの物語に身を委ねるのが正しい読み方といえよう。 一応それぞれの登場人物の行動原理、人生哲学、生い立ちなども書かれており、ただの戦闘小説に終っていないとだけ付け加えておこう。 個人的にはこの手の物語は大好き。映画化されてもいいくらいのエンタテインメント性があるので、ひそかに期待しているのだが。 |
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