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八日目の蝉
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八日目の蝉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全425件 101~120 6/22ページ
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実母でもない人がここまで想えるのか子供がいない私にはわかりませんがとにかく感動しました。 犯罪者である主人公に終始感情移入してい、そちらを応援してしまう。 最後はどうなるのかとても気になる形で進んで行き 気持ちの良い終わり方だと思います。 新興宗教、男と女のリアルな関係、家庭環境など とても面白かったです | ||||
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この作品には、様々な親子関係が出てくる。その現実によって、母子という関係に対する一般的な概念が崩れていくのを感じてしまう。母が我が子を愛するのは当然であるとか、本能であるとか、母性の神格化であったりすることが、実は有名無実なものなのではないかと感じる。極論を言えば、理想的な母とは、血縁でもなく、母性でもなく、愛ですらないのかも知れない。ただ子供の保護者たる責任感と努力のみであるように思える。努力なのだから、つらいのは当たり前、上手くいかなくて当たり前、七転八倒は当たり前。紆余曲折でようやくたどり着く。 ちょっと遠回りだが、子育てに苦労しているお母さん達へのエール、と言う小説かも知れない。 | ||||
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女性みんなに必ずしも豊かな母性があるわけじゃないし、母性の豊かな人が必ず子供を産めるわけじゃない。子供のいる私には、希和子の子育てはいいとこ取りで無責任な猫可愛がりに見えるけど、子供が欲しくてもいない人からしたら、「私に子供がいたらすべての愛情を注いで、つまらないことで怒鳴ったりしない」と強く思うのかもしれません。でも実際、子供を連れまわして母親としてどうかと思う行動もしているわけなので、誘拐を美化するなら実母を思い切ってネグレクトとして描いた方がよかったのかも。それだとMotherとかぶっちゃいますが。実母がダメ母で不安定でも、不倫されてその相手に子供を誘拐されたら仕方ないんじゃ。。。と思えるくらいのレベルだし、どうしても実母が気の毒で感情移入できないっていう人がいるのもうなずけます。 それと、子供を持つか持たないかというのは確かに女性の一大事なんですが、それだけで押すのはどうなんでしょう。あえて1章のロマンチシズムをぶちこわすための2章なのかもしれませんが、大人の都合で傷ついた薫が不倫して妊娠するとは、どうしても思えませんでした。むしろ千草のように、性的なことに潔癖になるんじゃないかなと。どうしようもない男が多いというのは認めますが、だったら負の連鎖を断ち切るためにも、そういう男との子供は絶対作っちゃダメなんじゃ。。。生まれてくる子供は父親がいないというだけでもかわいそうなのに、誘拐事件でこじれた親子関係まで背負わされることになるわけで、それこそ薫以上に自分の運命を呪って生きるんじゃないかと思うと、全然救いを感じませんでした。薫が自分を本当に愛してくれる男性に出会って幸せになるとか、そういう救い方はなかったんでしょうか。千草じゃなくて、小豆島の新之介くんが力になってくれるとか。まぁそれじゃ安っぽいドラマになっちゃう恐れもあるんですけどね。。。 ぐいぐい読ませる筆力もすごいし、いろいろ考えさせてくれる、すごく力のある小説だと思うけど、この小説の元になったといわれる事件しかり、もっと救いのない出来事が世の中に溢れてるから、小説くらいはベタでも無理やりでも普通の幸せをつかんでほしいと思ってしまうのかもしれません。小説を読んだ後の余韻とモヤモヤは違うと思っているのですが、この作品は間違いなくモヤモヤの方でした。 | ||||
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普通に暮らしを営んでいたはずの女性が何かをきっかけに道を踏み外す、という角田さんらしいテーマ。 登場人粒の心情はリアルで、私は原作もドラマもどちらも好きです。 それにしても角田さんの作品は『空中庭園』とか『紙の月』とか、いつもタイトルにエッジがきいているなあと思います。 | ||||
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面白かったです。 小豆島に行きました。 宗教のくだりとかもなかなか。 | ||||
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情景や色々な人の感情がすんなりと理解でき、あっという間に読み切れます どうして。どうして。どうして。どうして私だったの。ねぇ、どうして私だったの。 こういうことを思ってしまうほど、恵まれない状況というのはあるでしょう 望んでいないのに、自分で選べないのに、どうして。と その思いが最上級につまった本だとおもいます 人は誰でも優しい家族に囲まれて、楽しく、穏やかに、肯定されて幸せに過ごしたいと思います そんなささやかな幸せを、手に入れたくても手に入れない人は結構多いと思います 読みながら辛いと思う人もいるのではと思うのですが そんなささやかな幸せのもと、過ごしてきた人はこの本を読み、どう思うのだろうと 切実に聞いてみたくなりました | ||||
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角田光代のテーマの1つ。 「家族」。 その代表作。 もう1つが「旅」。 姿を変えた開高健だと私は思っている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 巻末の池澤夏樹の解説が見事。 池澤の貫禄を感じた。 さすがは元芥川賞選考委員。 | ||||
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昼ドラのようだという感想もあるけれども どうしようもない屑男にだまされていても、 血の繋がっていない子供だとしても、 純粋に子供を思う気持ちはは、子供をもつ母親としてとても共感できる。 子供との時間を大切にしようと思わせられた。 子供を守るために、万策を講じ、強く生きる母親の姿はたとえ誘拐犯だとしても 応援せざるを得ない。 その部分の引き込み力はとても強く、一気に読了した。 逮捕されたときの一言はやはり泣けるし、 終わり部分の母親の祈りも泣ける。 不妊や不倫や堕胎などの要素を入れすぎだとは思うが、 そこを考慮してもただの「昼ドラ」の一言で終わらせるには余りある。 | ||||
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今、進行形で半ばあたりまで読んだ。 読者をひきつけ、次はどうなるのだろうとページを めくってしまう。 最後はどうなるのか楽しみ。 テレビで出たのか知らないが、やっぱり本が最高である。 | ||||
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女が赤ん坊を誘拐する。そして、逃亡して育てる。結果は、捉えられ有罪となるのか。女は、自ら悪いことをしていると自覚している。逮捕される可能性に対しても、危惧を抱いている。いつ逮捕されるかわからない状況に置かれており、女は子供との時間を非常に大切にする。いつこの幸せな時が崩れてしまうかもしれないから。 現実世界において、一生のうち子育ての時期はほんのひと時である。そのほんのひとときを十分に楽しもう、と感じさせる小説である。そして、小豆島の自然と文化が描かれており、小豆島を訪問したくなる一冊である。 第二回中央公論文芸賞受賞作品。小説は素晴らしい。しかし、池澤夏樹の解説文は読む価値がない。(2014/10/27) | ||||
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一気に読んでしまった。 犯罪を犯した主人公を応援したくなり、被害者を責めたくなる。 | ||||
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ほかに何もいらないと思えるほど愛せる対象を持つことは、それだけで生きる意味になるのかもしれない。たった数年でも、お金を全部なくしても、その時の幸せは永遠に消えなくて…。最後のほうで明かされる逮捕されるときのひと言に号泣しました。映画にもなりましたが、原作に変更を加えても大事なものが損なわれていないのがよかったです。ラストのほうの写真館の記憶のあたりで、やはり号泣。出来事を緻密に積み上げて純度の高い「何か」を形にしてみせる角田光代さんて、ほんとにすごいです。 | ||||
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野々宮希和子は秋山丈博と不倫の末に妊娠し、説得されて堕胎した結果、新たな妊娠が難しい体になってしまいます。直後に丈博の妻が妊娠して恵理菜が生まれますが、留守に上がり込んだ希和子は赤ん坊をさらい、自分の娘、薫と偽称して長い逃亡生活を始めます。 逃亡先がバラエティに富んでいて、それぞれの話に引き込まれます。特に逃亡最後の小豆島で、周囲の親切の中、親子として暮らす平穏な日々のささやかな幸福感がしみじみと伝わってきて、誘拐犯である希和子に本当に気の毒な人だと強く同情してしまいました。 また、物語に登場する主な男性は2人しかいないのですが、どちらも大脳が下半身にある不誠実なろくでなしで、同性として困惑してしまいます。 作品は、一気に読んでしまう面白さがあって、とても満足したのですが、解説には疑問を感じました。母親一人で出産、育児は可能な時代だとだけ言うノーテンキさや、上の2人の男性を”まことに情けない”と表現する軽さが、いかにも男性の文章であり、ため息が出てしまいました | ||||
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愛人だった人の赤ん坊を連れての5年に渡る逃亡。 誘拐を肯定は出来ないという人は多くいると思いますが 子供のいる私は、希和子の薫を思う気持ちに何度も涙しました。 傍らに眠る薫の寝息が掛かる事に幸福を感じ 薫の歯茎に生えた歯を見て宝石の様だと表現し 希和子の生活が薫によって光り輝いてゆくのが分かります。 親からの4000万円近い遺産を全て手放し 犯罪者として逃亡し ただ、薫という他人の子供を育てる それに幸せを見いだせるのは 希和子がこれまで、どれ程暗い場所にいたかを感じさせます。 親になればだれもが おくれる日々は 希和子にとってきらきらと輝くものであったことが 小説を読んでいて感じられました。 あと1日あと1日と祈るように生活する、希和子に どうか、逃げ果せてくれと、願いました。 後半は 薫として育てられた恵理菜の視点で 描かれています。 希和子との生活は彼女にとってなんであったのか・・・? それを読むとき、希和子のしでかしたことの 罪深さを感じるとともに それでも、あの逃亡生活に親子としての愛情が確実にあったことを感じさせます。 恵理菜の最後に向けて 緩やかに変化し、明確になる過去に対する視点の変化や感情は 希和子との日々の意味を 読み手に考えさせ、どこか納得させるところがあります、 素晴らしい作品でした。 私は2歳の子供がいる母親なので 娘の顔をみると、この小説の事を思い出して 涙が止まらなくなるほど 感情移入してしまいましたが。 それほど、感情移入できないという方は 意外と淡々と読んでしまえるのかもしれません。 | ||||
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とても感動し一気に読んでしまいました。 絶対に読んでもらいたいです。 | ||||
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自分は文学的な事は一切分かっていない事を承知で書きますが、一言で言えば「昼ドラを高尚な雰囲気にした」ような小説だなという感想。 まず、登場人物がみんな異常すぎてまったく感情移入出来なかった。 希和子はどうしようもないクズ男との不倫にハマり、ずるずる続けた挙句その男の子供を誘拐するという奇行に出る。 まずそこで、「普通誘拐しないでしょ!?」という突っ込みが入る所だと思うのですが。 作中では「そんなつもり無かったけど出来心でやった」というようなサラッとした書き方をしているけれど、どう考えても不倫相手の家に不法侵入して赤ちゃんを誘拐はしません、普通・・・。 その後の希和子が赤ん坊を可愛がる描写によって、”母性って素晴らしいよね”という展開に持って行ってるようですが、本当に母性があったら、赤ん坊を病院にも連れて行けない、自分の犯した罪のせいで一緒に逃亡生活を送らせることに耐えきれなくなると思うのですが。 その辺の葛藤がほとんどなく、自分が捕まるかも!?という時だけ慌てふためく希和子のどこに母性を感じたらいいのか理解できない。 その子供が大きくなり、自分も不倫して妊娠したら誘拐犯の女の気持ちが分かった、すべてを許す事ができた・・・って、「おいおい!」と。 自分の父親の悪質な不倫のせいで幼いころに誘拐され、苦しい人生を送って来た娘が自分も不倫するかな、普通、と。 しかもその子供を、これまた人間性のおかしい両親と育てるという・・。 どこがハッピーエンドなのかも分からないし、不幸の連鎖という言葉しか浮かばないラストだった。 娘が自分の境遇を振り切る、という表現をするために自分も不倫して妊娠するという展開にした所が本当に陳腐。 読後の感想は、おかしな人間が子供を産むと不幸な人間が増えるだけ、ということかな。 | ||||
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ある人の書評を読んで、読みたくなりました。奪った子を慈しむ女を憎みきれなかったです。 | ||||
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角田光代の小説は、女性に対して肯定的な描写が多いが、男性に対しては否定的な描写が多いと感じる(「対岸の彼女」など)。この作品はまさにそうだった。 どうしてだらしがなく、無責任な男ばかりを描くのか。確かにそのような男性は現実にもいるが、それを考慮しても描写が偏りすぎている。作者は男性全般に対して嫌悪感を抱いているとしか思えない。 加えて、女性の男性に対する文句や愚痴は赤裸々に語られるが、女性の女性に対する愚痴はほとんどないか、あってもあまり否定的ではない。不平等である。自分は男性なので、これらの部分が非常に不愉快だった。 また、作中ではなんとなく誘拐犯の女性が肯定的に描かれている。しかし主人公が行ったのは、子供の一生を狂わせる重大な犯罪であり、それを肯定するなど(たとえ肯定的な雰囲気だけでも)あり得ない。「母性」豊かであれば、誘拐をしても許されるとでも言いたいのか。作者は母性というものをはき違えている。主人公の抱いた「母性」は本当の母性ではなく、ただの自己中心的な所有欲でしかない。もし主人公が本当に母性を理解していたならば、たとえ不倫相手の妻を憎らしく思っていたとしても、生まれたての一番かわいい時期の子供を引き離されれば母親はどのように感じるのか、容易に想像できたはずである。 男性である私には、女性についてつくづくわからないことが多い。おそらく作者は男性が女性や母性といった事柄を完全には理解できないことを逆手に取っているのだろう。「男性には不思議だろうけど、女性ってこうなのよ。母性ってこんな感情なのよ」と。しかしそれは自らが女性であることに甘え、女性であることに胡坐をかいているのに他ならない。 | ||||
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自分は堕胎をしたのに(不倫相手との将来のためにと説き伏せられ) 不倫相手は妻との子供は産ませます。その赤ちゃんを主人公が盗んで5歳になるまで逃亡しながら育てる話で、後半は子供が大人になった視点で書かれます。 母親の心理として、中途半端な気がします。 予防接種もしないで主人公が不安になるシーンがありますが、子供の健康に対する不安は、頭から離れられないくらいだと思いますが、そこは目の前の子供が笑っていれば済んでしまいます。 主人公が実際に産んだ子供ではないから、何かしら未熟だから、という視点で書いているならすばらしく掘り下げていると思いますが、 最後まで読んでみても ただ 一緒にいたい、血はつながってなくても愛しているんだ、自分勝手だけど親子なんだ、というメッセージしか受けません。 そして主人公が不自然な生活を自覚してて心の中で謝罪してるのが読めますが、究極 自分はどうなっても自分の子だけがよければいいという血なまぐさい、本当の母親になっていく感じがないです。 主人公はあくまで自分と子供の関係(いつまでも共にいる)にこだわります。 ねらって書いてるならたいしたものですが。 母親の思考はもっと偏っていて これだけ子供に依存しているならもっと支配的になりますし、予防接種をみすごせるなら生活全体がネグレクトのようになる方が自然だと思います。 健康にも、環境にも無責任でありながら 自然を見せてやりたいとか、暖かい食事を用意するとか、愛しているとかいうのはある意味とても器用な生き方で、これができる母親というものがしっくりきません。 それを、逃亡生活だからだよ、と片付けちゃってる感じです。 | ||||
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小説はほとんど読まないのですが これはドキュメントかと錯覚するようで、夢中で読み終えました。 場面ごとに鮮やかに情景が浮かんで来て、とてもリアル。 書き方が上手いんだと思いました。 このような作品にまた出会いたいものです。 | ||||
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