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八日目の蝉



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【この小説が収録されている参考書籍】
八日目の蝉
八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉の評価: 4.06/5点 レビュー 425件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全425件 181~200 10/22ページ
No.245:
(5pt)

見事にえがかれた長編作品

直木賞作家の著者が、第2回中央公論文芸賞を受賞した長編作品であり、
2010年にはNHKでテレビドラマ化されたことや、2011年には映画化された
ことでも有名な作品である。初出は、読売新聞の夕刊で、2005年11月から
2006年7月に連載されたものである。

不倫相手の家に忍び込み、眠っていた赤ちゃんを見て、衝動的に誘拐し
てしまった希和子。何度か子どもを返そうとも考えるが、薫と名付けた
その赤ちゃんに対する執念に近い愛着から、薫を連れて逃亡を開始する。
親友の家や立ち退きを迫られている女性の家へと逃亡し、次第に警察の
捜査が自分に迫っていることを知ると、謎の怪しげな団体であるエンジェ
ルホームに全財産を投げ打って入ることにする。そこで、薫は順調に成長
していったが、エンジェルホームの素性がマスコミに取り沙汰されるよう
になると、また逃亡を開始し、香川県の小豆島に行きつくことに。
こういった、希和子の3年半に及ぶ逃亡劇が、希和子の視点から第1章に
えがかれている。

そして第2章では希和子が逮捕されて17年後の2005年に、大学生となった
薫(本名は秋山恵理菜)の視点からえがかれている。恵理菜は、妻子もち
の男性と付き合い、子どもを身ごもってしまうことで、心より憎しみを抱
いていた希和子と同じ道を辿っていることに大きな葛藤を持つ。

特に第1章は秀逸であり、著者の力量にただただ敬意を表すばかりである。
ストーリー展開、テンポ、希和子の母性を強く呼び起こすに相応しい赤ち
ゃんの可愛らしさや無垢さ、そして小豆島の美しい自然を目の前で感じら
れるかのような美しい情景描写。また、第2章の結末に向かう展開も素晴
らしい。人が見ることができない景色を眺める、本書の登場人物たちの、
それぞれの「八日目の蝉」の様子が、印象深くえがかれている。母性、家
族、人のもろさや弱さ、許しや自己対峙から得られる深い感覚など、多く
のテーマがえがかれ、それ故に、おそらくは人それぞれに異なる読了感を
味わえる作品ではないだろうか。

是非、ゆっくりと、作品の世界に浸りながら読み進めてみてください。
きっと、深い味わいと、余韻に浸れると思います。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.244:
(4pt)

交錯する母娘の人生

非常に評価の高い作品ですが、自分が男性であるためか、なかなか感情移入ができず、物語は楽しみながらもなにかしっくりこない感じで読み進めていました。
しかし、後半の二章に入ってからはそういったことも解消され、楽しむことができました。
それでもやはり、これは女性による女性の物語だなあというのが正直な感想です。
素晴らしい作品だとは十分に認識しつつ、それでも男性として感情が動かないといいますか、淡々と二人の女性の歩んだ道を傍観者として見つめているといいますか、そういう感じが終始つきまとっていました。
この作品はおそらく、男性が読むのと女性が読むのとでは、印象がずいぶん違ってくると思います。
文章や展開などは申し分なかったと思います。
ただ、読み手としての感情が動かなかったのです。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.243:
(1pt)

う〜ん・・・・

好評価だったので買ってみました。

一気に読みましたが、感動はしなかったです。
特にラストシーンが微妙な気がします・・・。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.242:
(5pt)

キャラクターの力

人に潜り込むちからが強い。
読んでいるうちに、その人の人生に寄り添っている気分になる。
著者みずからその人に潜り込み、愛して書いている気がする。
キャラクターの力を感じる秀作。
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4120038165
No.241:
(4pt)

小豆島の祭りに行ってみたい。。。

映画がとても良かったので原作を読みました。

これはとても面白い!と思いました。

なぜ自分なの?という叫びが、心に響きます。

家族とは何かを考えるきっかけになればいいなと思う一冊です。
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4120038165
No.240:
(5pt)

八日目の蝉

個人読書履歴。一般文学通算365作品目の読書完。2011/05/21
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.239:
(5pt)

情景が心に焼き付く悲しく、切なくしかし生きる力の強さを感じる佳作

不倫相手の子供を誘拐する話と、その誘拐された子供の話の小説

この作者の角田さんというのは私はこの作品が初めてなのですが
直木賞をはじめ、いろんな賞を取られている方なのですね、
この作品を読んで一発でファンになりました。

 あらすじは、不倫相手の子供を宿してしまい、堕胎し、子供を産めない体になる
主人公、それに対して、離婚するはずなのに、ほぼ同時期に妻は妊娠し
女の子が生まれる。そのような赤子を見て、衝動的に誘拐し逃避行をする
ところから話は始まります。不倫相手との複雑な思い、それ以上に
誘拐で手に入れた「二度と味わえない愛」に対して慎重にそして大胆に
大切にしてゆく話が前半になっています。
 後半は、その誘拐された子供が大きくなり、自分の過去、そして
本来の家族へのギャップ、違和感から大学で一人暮らしをする設定から
始まります。そんな彼女の元に、誘拐時代に特殊な環境を共有した
人がやってきて、少しずつそして大きく彼女の心の中のもやもやの
原因がわかってくる内容になっています。

 こんな薄っぺらな表現しか出来ない自分がもどかしいのですが、
1粒で2度おいしいというか、いろんな側面、そして複雑でもありがちな
事情が絡み合って、すごい作品に感じました。
 前半は、子供をさらって逃げる緊張感、臨場感、そして仮初めでは
あるものの、成長してゆくにつれ発見する大きな喜び、この幸せが
続いていって欲しいと思う主人公、希和子の心情に大きく共感しながら
読み進めることができました。
 後半は誘拐された子供、秋山恵理菜が大学生になり、誘拐されていた
時の自分(薫)と現在の自分とのギャップをまだ整理し切れていない
自分さがしに共感を覚えながら読み進めました。
  私は男性なので、この不倫相手の男性(希和子の不倫相手、恵理菜の不倫相手)
の取る態度に、あぁ申し訳ないなぁなんて思いながら自分も同じ立場なら
多分このような対応をしてしまい、傷つけてゆくのだろうなという反省も
混じり、一気に、そして衝撃を持って読んでしまいました。

 映像は残念ながら私は見ていないので比較は出来ないのですが、
確かに、心情と情景がクロスして映像にしやすいだろうし映像にしたら
これまたすごい作品になるのだろうなと思いました。

 題材が重い内容なのですが、この作者の特徴なのでしょうか、
テンポ良く情景と絡み進めてゆく手法はすごいと思いました。
また、題材は重いものの、かすかなる希望に向かってつきすすむ
この作品、久しぶりに良いインパクトを受けました。とてもおすすめです。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.238:
(5pt)

見事な長編

相手の既婚男性から、
おなかの子供を堕せといわれてそうせざるをえなかった希和子。
しかし今度は、その男性と妻の間にできた赤ん坊を誘拐する。
そして、はじまった逃避行。。。

なんという小説だろう。
ページをめくりながら、ため息をつき、
何度もやりきれない気持ちになった。
こういう作品は、読み手も結構エネルギーを使う。
だが、読みはじめると止められない。

大きくは2章構成になっている。
特に前半の展開は素晴らしく、息がつまりそうだった。
後半は視点が変わる。
そして、エンディングは静かで深い余韻が残る。
傑作である。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.237:
(3pt)

後半…

前半はこの話の軸である場面設定、社会的背景に、主人公とその周りの人々の言動が合うように描かれており、面白かった。
しかし、後半、視点が薫のものに変わったあとは、どうも感情の描写が直接的すぎると感じた。地の文、それも結構長い文章で、薫が思ったことを「…は○○なのだ」と書き連ねられると、前半のノリで読んできた私は気圧されてしまう。前半にもこういう直接的な表現が少しあって、なんとなく嫌だな、と思っていたが、後半はそれがかなり多くなっている。所によってはそれが二、三段落連続で書かれている。こんなに多くの、説明文のような感情描写を読むとなると、いくら考えさせられる内容とは言え、困惑し、興ざめしてしまう。
情景一致や薫のそれとない行動で、説明調の文で表されてきた心情をより間接的に表せないか。そう感じた。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.236:
(4pt)

ラストでみんなが救われた

二人の母親とも子の幸せをねがってはいるのだけど、自分も弱く救われたいものだからドラマになる。
悪いのはそりゃきわこだけど全てを投げうって腹をくくってしたことに説教しても無駄。
それよりえりこは自分の子供なんだからもう少し子育てを頑張って欲しかった。被害者になるのは簡単だけど事件やきわこに負けたことになる。旦那の責任は自分の責任くらいいうとかっこいいな。世の中お妾さんの子を大事に育てた人だっているんだから。
その二人を見事に救ったのがえりなの全てを良かったんだ、と思った瞬間。
愛された事だけを思い出す事ができた時。
人の弱さ、醜さはどうでもよく、自分の弱さだけを恥じ愛された事だけを記憶できたら幸せになれるんだろうな。
仲間に置いていかれたことではなく見たい景色を見られると思う蝉のように。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.235:
(4pt)

これから、DVDを見ます。

DVDも発売され、まず先に本をてにとりました。
すでに、映画の宣伝もあり、登場人物は自ずと俳優さんの顔になってくるのは仕方がないことです。

勝手なイメージですが、もっと暗く重いものだとおもていましたが、
とっても読みやすく引き込まれていくものでした。

小豆島へ行ってみたくなるような気にもしてくれます。
ラストはあっけない感じで、誘拐犯の母親との再開があるのでは・・・と期待していましたが、
それが、なかったのが残念でした。

これから、DVDを見ようと思います。
果たして、どのようにこの本を映像化しているのかとっても楽しみです。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.234:
(5pt)

ハードカバーが手に入り、うれしかったです

欲しかった本が、綺麗で、低価格で手に入り
満足です

この後、DVDも見ましたが
内容は、ともかく、いい話だと思いました
生みの親より、育ての親
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.233:
(5pt)

続編はないが、「その後」が気になる。

前半(第1章)はスピード感と焦燥感溢れる、誘拐犯が被害者(子)との刹那的な幸せを求めた逃避行、
後半(第2章)は一転鈍重とした雰囲気で、しかし淡々と大学生となった被害者の事件後から現在までの
葛藤と裁判を通した客観的な事件の真相が展開される。

前半は逃避行の行方が気になり、後半は事件の真相が知りたくてページを繰る手が止まらない。

「八日目の蝉」とはそういう意味だったのか。

ラストは主人公たちの「その後」を読者に想像させる終わり方。
続編はないと分かっていても、続きが気になる。
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4120038165
No.232:
(4pt)

テレビを観て。

先日再放送されたテレビを観て、原作が読みたくなり購入しました。あっと言う間に読破しました。
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4120038165
No.231:
(4pt)

小豆島は再訪できない彼女

小豆島を訪れる予定があり、気になっていたこの作品を読みました。
角田光代さんの小説を読むのは初めてですが、さすがです。文章の上手さ、構成力であっという間に読み終えました。
でもこれはたぶん「最高傑作」ではないんだろうなとも同時に思いました。
なぜなら、夕刊という決められたスパンの中で書かれた小説であり、いくらか間延びしたような箇所があること、そしてテーマが偏りすぎている、言い換えれば万人受けするものすぎるきらいがあるように思ったためです。
誘拐犯がその子を育てる、そしてその子が不倫してまた妊娠...なんて面白いに決まっています。

それでも、文章の中にちりばめられた珠玉の言葉、希和子や恵理菜の心の動き、小豆島の情景が美しく伝わってきて、陳腐な表現ですが...何度もグッときました。
ラストの数行はこれまた素晴らしい。

映画、ドラマ両方あとで観ましたが、どちらも希和子の芯の強さが描かれきってないような気がしました。
どちらも良質な作品だとは思います。そして優しさだったり、弱さは上手く演じられていたし演出されていたと思いますが。
小説の彼女はまだ小豆島に再訪できないんです。希和子は自分の行為を誰かのせいにしたり(それが裁判に際してであっても)、誰かに心を完全に許したりできない人なんだろうと思いました。
それが小説を崇高なものにしているのだと思います。

恵理菜(薫)の心情も見事に描かれています。
本当に悪いのは確かに希和子、しかしどうやっても憎みきることができない、このあたりの心の葛藤が読み手には痛いほどです。母親や父親の何ともいえない関係も...なぜだかみんなに同情してしまう。

善悪ではなく、人ひとりの中にある弱さ強さが見事に描かれていて圧倒されました。
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4120038165
No.230:
(5pt)

読み継がれて欲しい名作

テレビでこの作品の映画を観て、原作が読みたくなり、購入しました。希和子の様々な感情や、その日に起こった出来事などが日記のように綴られた書き方に切迫感を感じながら、母性と不条理と、人間のどうしょうもない感情に深く深く感銘し、どこかしら宗教的な感銘も受けました。
娘にも是非読んでもらいたい作品です。
解説も大変良かった!
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.229:
(5pt)

面白い小説

面白い小説でした。さらさらと読みやすく、内容もイメージしやすかったです。最後どんな風に終わるのかなとドキドキ期待しましたが、意外とさらっという感じでした。だからなのか読後の気分も悪くなかったです。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.228:
(2pt)

不倫、子持ち経験者向け

すみません、主人公や話の展開に魅力を感じず入り込めませんでした。自分が独身だからということが大きな原因ですが。
全体的に凄く読みやすかったんですが、無計画、自己中心的な考えの主人公にひたすら苛々していました。誘拐も突発的だから仕方ないかもしれませんが、その後も計画せず、都合悪いことからはとりあえず目を背け、周囲に助けられても感謝してるのかしていないのか…。
展開もご都合主義…。主人公は中盤から(何かに救われてる気がするから大丈夫)などと考えるようになるし。希和子は周囲に助けられて当然☆だって悪意からくる誘拐じゃないし希和子はこんなに子供愛してるから☆みたいな作者の甘えが伝わってきたみたいでした。
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4120038165
No.227:
(5pt)

誘拐犯に思わず共感してしまうのは筆者の力量によるものです

誘拐犯・犯罪者に共感したり感動したりするのが信じられないというようなレビューが散見されます。

しかし「見下げ果てた人間も文学的には生きる価値がある」という今東光の言葉を借りるまでもないですが、犯罪者は絶対悪なのだから必ず糾弾の対象として描くべきである。犯罪者への同情を誘うようなのはもっての外・・・という意見には同調できません。
レ・ミゼラブルなどもそうですが、古くから犯罪者に共感し感動させられる名作はいくらでもあります。
見下げ果てた犯罪者も一個の人間であり感情も愛情も持ち合わせている。
それを描けば同じ人間としての共感も感動もあって当然です。

私も子を持つ親なのでもちろん現実の乳幼児誘拐などに共感できるはずはありません。
しかし現実には共感しえない誘拐犯の立場でものを考えたり、逃亡者の心情や誘拐した子供に対する母性愛などを感じ取ることができるのが文学作品の良さだと思うのです。

そういう意味でこの作品は「上手い」です。

第一章の主人公は不倫相手の子を乳児期に誘拐して自分の娘として4歳ごろまで育て、逮捕されても被害者家族に謝罪もしない。
普通に考えればとても身勝手な誘拐犯の女性にすっかり感情移入して泣かされてしまいました(私は男性です)。
絶対逃げ延びることはできないと思いつつ、少しでも長く逃げ延びて欲しいと願いました。

第二章で誘拐犯を”母”として幼児期まで育てられた女の子が成人して後、”母”の最後の言葉を思い出すシーンは号泣ものでした。

すっかり作者の術中にはまってしまいましたが、私は幸運な読者だと思います。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.226:
(5pt)

最高傑作です!!

私はちょうど恵理菜と同じぐらいの年齢で娘視点の気持ちしかわかりませんが、こんなにみんなに愛されている恵理菜はうらやましいです。
絶対に良いお母さんになれると思います。

誘拐は犯罪で、みんなを不幸にしたけれど、一番不幸な目にあった恵理菜が最後幸せになって良かった。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165

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