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八日目の蝉



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【この小説が収録されている参考書籍】
八日目の蝉
八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉の評価: 4.06/5点 レビュー 425件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全425件 261~280 14/22ページ
No.165:
(1pt)

私。。。この本を読んで後悔しています

本作は2章構成ですが、私は2章まで読んだところ諦めようと思っています。
「つまらない」です。1章で約200ページもありますが、本当は10ページでも十分ぐらい内容が薄いです。

情景描写が凄くリアルに書いてあるのに人の心がありません。
出てくるキャラはすべて都合主義の為のもので全く感情移入ができません。

不倫相手の子供を誘拐して京都に逃げて、都合よくおばさんに拾われる。
このおばさんの母子手帳を見て、娘とのやり取りを聞いておばさんの何かを言おうと期待したが、
結局おばさんは都合よく泊めてくれるためのキャラに過ぎなかった。

ばれたくないので逃げる。

都合よく世間を嫌う女ばかりのエンジェルホームに拾われて、子供を取られた久美に出会う発想まではよかったのだが、
子供を取られて悲しむ久美を見て希和子は何も考えず、感じずに過ごしていた!!!
結局ホームもまた都合よく泊めてくれる場所に過ぎなかった。

ホームに警察がくるので、ばれたくないので逃げる。

小豆島に流れつく。解説に小豆島の平和に感動するみたいなことを書いてあったが、
小豆島の部分が一番つまらなかった!何も起きなかったからです。何も感じさせてくれなかったからです。

顔写真が新聞に乗ったので、ばれたくないので逃げる。

捕まる。

一番納得行かないのは希和子の感情に同感できないからです。
「不倫で孤独し、育児して生きがいを感じた、ばれたくないので逃げた。」
最初はよかったのだが、その後は単なる凶悪犯罪者しかありません。

育児の快楽、誘拐したことで感じたこと、不倫相手へ思うこと、子供を取られた母親を見ての葛藤など全く触れず、
犯罪したので、ばれたくないので逃げるの繰り返し。
希和子の心の葛藤は?薫への愛は?育ち母としての快楽は?

一体この本は何を言いたかったのか?子供が育ち親の二の舞を踏むということを言いたかった。
前に発生することはどうでも良かったのです。前のことは結論に合わせるための存在だから面白く無いです。
それはセットされた舞台で育ち親がそのほど子どもが不倫の心理になるように誘拐を演じたようなものです。

この本には心がありません。でもサスペンスでもありません。

何でもないから不愉快です。読んで後悔しています



八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.164:
(2pt)

なんなんだろう?

1章と2章にわかれているが、1章でこの作品は終わっている。
1章はなかなか面白い。だが、2章には内容がない。すでに1章で表現したことを視点を変えて描いただけであり、読む楽しさを全く感じなかった。
これからどうなるのかと期待しながら、結局何もない。残念である。

八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.163:
(5pt)

原作が最高

NHKのドラマもよかった。映画もよかった。でも原作が最も良かった。
2ページ目から泣ける本はなかなかない。
希望かあるエンディングもいい。
もっと読んでいたかった。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.162:
(5pt)

男性にはわからない?

生まれて間もない赤ん坊には、人を癒し幸せな気持ちにさせる力があると思います。希和子は赤ん坊の恵理菜を見た瞬間「この子さえいれば、あんな男なんかいなくても生きていける」と本能的に感じたのではないでしょうか。血のつながりがなくても必死で育てれば、子供に情が移るものです。希和子が逮捕された時に叫んだ言葉には泣かされます。本文中には描かれていませんが、成長し、やはり妻帯者の子を身ごもった恵理菜が小豆島を訪れた後、自分が希和子に間違いなく愛されて育ったのだいう事実をきっと知ることでしょう。
 しかしこういう嘘つき男は結構いますよね。秋山の妻を憎む気にもなれず、むしろ同情してしまいました。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.161:
(5pt)

風景と心理とを交えた描写が極めて秀逸

「八日目の蝉」とは何だろう。作者は、主人公の恵理菜と一緒に小豆島に向けて旅をする千草の口を通してこう語らせている。“「七日で死ぬより八日目に生き残った蝉の方がかなしいって、あんたは言ったよね。私もずっとそう思ってたけど」千草は静かに言葉をつなぐ。「それは違うかもね。八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。見たくないって思うかもしれないけど、でも、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと、私は思うよ」”

 主人公の恵理菜は、生後間もないころに、父親の不倫相手であった希和子に誘拐され、四年近く、薫という名前で育てられ、希和子とともに日本各地を放浪した。その記憶は恵理菜にとっては、決して思い出したくない忌まわしい記憶として心の奥底に閉じ込められている。誘拐から解放されて戻ってきた実家でも、実の両親と親子の関係をうまく築くことができず、全て自分を誘拐した希和子を憎むことでしか心の平安を得ることができなかったのである。まさしく、目を固く閉じて悲しみの中で生きている八日目を迎えた蝉のように。

 しかし、恵理菜も希和子と同じように妻子ある男性と恋に落ち、妊娠した。胎児を堕ろそうと思って産婦人科を訪れた恵理菜だが、老いた産婦人科医の“緑のきれいなころに生まれるねえ”という言葉を聞いたときに、突然、“生まれてくる子どもに生い茂った新緑を真っ先に見せてあげたい”という強い衝動に駆られ、一人で子どもを産むことを決意した。いや、同時に自分は一人ではないと強く自覚するのである。

 恵理菜の心象風景にある“新緑”は、まさに幼いころに希和子に連れられて過ごした小豆島の自然そのものであり、そこには希和子から実の娘のように深く愛された思い出が分かち難く結びついている。老医師の言葉は、恵理菜がその記憶の奥底に無理やり閉じ込めていた、希和子から受けた母の愛を呼び覚まし、目を閉じた「八日目の蝉」であった恵理菜の目を開かせるためのキーワードとなったのだろう。

 その後、記憶を確かめるかのように千草と一緒に、希和子と放浪した地域を次々と訪れる恵理菜だが、小豆島にわたるフェリー乗り場を訪れた時に、突然、強烈な既視感に襲われ、全てを思い出す。憎しみの感情が押し流され、心がどんどんと解放されていく。風景と心理とを絶妙のタイミングで交差させながら描写していく作者の力は圧巻としか言いようがない。恵理菜ははっきりと思い出したのだ。警察に捕まった時に、希和子が叫んだ言葉、愚かしいほどに母としての愛に満ちた言葉を。

 読了後、既に一週間以上経つが、いまだに余韻が残っている。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.160:
(5pt)

この小説は「名前」の話だと読んだ

この小説は「名前」の話だと読んだ。

 主人公は「薫」「リベカ」「恵理菜」という3つの名前を持ってしまうことになる。第一章は、突き詰めると主人公が3つの名前を持つ経緯だ。

 名前とは何か。考えて見ると、「名前を付ける」という風習は人類に古来から普遍的に存在する奇妙な習慣と言える。動物たちが名前を持っているとは思えない。名前が出来た瞬間に「個人」というものが誕生したのだと思う。
 従い名前とはアイデンディティである。我々が初対面の人にはまず名乗るのもそれがアイデンディティだからだ。


 3つの名前には、それに絡む社会関係がある。「薫」とは誘拐犯にして育ての親との親子関係、「リベカ」とはエンジェルホームという閉鎖された社会、「恵理菜」には産みの親との家庭関係である。主人公の悲劇は、そのような3つのばらばらなアイデンディティを抱え込まされた点に尽きる。


 名前は自分で付けるものではない。他者から付けられるものである。3つの名前も全て付けられたものだ。つまり、3つの社会関係は他者から押しつけられたものである。その中で主人公はどれが自分の「本名」なのかも分からない。つまりどれが本当の自分なのかが解らない。これは考えて見ると怖ろしい話だ。


 自分が解らない主人公は妊娠という形で、更に体内に他者を抱え込むことになる。この他者を認めることで主人公は漸く「自分はこの子の母親である」というアイデンディティを獲得することになると僕は思う。「自分の母親が誰なのか解らない」という不安定な状態から「自分はこの子の母親である」であるという確固たる状態に移るという予感が本書のラストを飾る。それこそが蝉にとっての「八日目」なのだろうか。


 本書を、母親になることが出来ない男性が読むことは本来難しい。そう思いながら読み続けたが、「名前」という切り口で考えた場合、すとんと腑に落ちる思いがした。

八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.159:
(5pt)

アイデア、構成だけでなく、描写力もすごい。

角田光代のうまさは、この作品に至ってほとんど神がかってきてしまったので、もう論評するという段階にはありません。
 すごいなあと伏し拝むばかり。

 ただ、この小説で描かれた時期のちょうど翌年から三年、わたしも小豆島に住んでいたので、小説と現実の小豆島との相違を述べておきます。

 まず、岡山弁と小豆島弁はぞっとするくらい正確です。わたしはここまで正確に小説に書かれた岡山弁と小豆島弁を読んだのは初めてです。
 似ている岡山弁と小豆島弁を、関東出身の人間が聞き分けるにはよほど耳が良くないとならないので、もしかしたら現地の人に校閲してもらったのかもしれません。
 しかしそれにしては、小豆島の人間が本来使わない「天使の散歩道」とか「秋祭り」という言葉が採用されています。これらは小豆島の人間が外部に通じやすいようにつかう観光用語で、「シシガキ」や「農村歌舞伎」など、小説で描かれた場所とは矛盾があるけれど小豆島の観光で売りになる物が出て来るところから、観光局などを通した取材によって得た知識であることが想像されます。
 現地の人間と会話して、その言葉をそのまま書き取ったのかもしれません。
 登場人物などの苗字も小豆島独特のものが含まれており、著者が実際に小豆島に足を運んだことは間違いないでしょう。ただし、小説に描かれた時代ではなく、執筆直前に短期間です。

 また、景色に関する描写も、びっくりするくらい適切、正確です。
 間違いなく小豆島だとわかります。
 わかるだけに、異様に良いところと描かれていて、ちょっととまどいました。そんな地上の楽園だと思われても困るんですが。小豆島観光を予定されている方は、この小説を読んでからでかけると面白いかもしれません。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.158:
(5pt)

これは誘拐事件ではない。

今までの「誘拐事件」を扱った作品とは明らかに違うもの。
生まれたばかりの娘を奪って逃げた。そして心からその娘を愛し育てた。娘を奪って逃げた希和子を「犯人」とは言えない。彼女は加害者でも被害者でもない。ただ、その娘と一緒にいたいだけ。そばにいたい。成長していく過程を見守り続けたい。本物の母親のように。
あえて言えば主人公。

作品自体も、事件とその後の時間を、誘拐した希和子からの視点、誘拐された娘からの視点、彼女たちを取り巻く人たちの視点、と1つの事件を様々な角度から見つめている。そのことが作品に奥行きを持たせている。いろいろな視点で見れば見るほど、やはり誰が罪人で何が罪なのかが分からなくなる。

作品の結末が予想していたものを見事に裏切られた。ページは終わったが、作品は終わらず、物語は終わらない。
作品に登場した人たちが生きている限りは終わらない物語になっている。
事件に関わった人たちは、それぞれの人生を懸命に生きてきた。そしてこれからも生きていくだろう。
男にも女にも読んでほしい作品です。久しぶりにいい作品に出会えた。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.157:
(2pt)

都合ええわあ、、、

やっぱりね、リアリティさが大切やと思うねん。こういう小説て。SFやったら
好きにしてくれたらええねんけど、この手の小説はご都合主義で進めたら
絶対にアカンと思うねん。

不倫相手の子供を誘拐して、まではオッケー。でも逃走しっぷりがちょっと
ないわな。名古屋の街をフラフラ歩いてたら、頭の少しおかしくなってる
オバさんに偶然声かけられてその家に招かれて生活できてしまうとか、、、
そういう逃走のできる可能性は100万回の逃走のうち1回。つまり100万分の
1やろう。

さらにそこを離れてから、社会とかい離した生活を送る集団に潜り込んで
数年を過ごすことができる、、、まあこの可能性は皆無とは言わんけど、
それでも1万分の1くらいの可能性とちゃうか。

100万分の1×1万分の1=100億分の1です。100億分の1の可能性を達成して
しまった人間の話なんて、SFなみに荒唐無稽やわな。

さらにその娘がまた不倫してってか、、、救いようのない人間のお話を
いつまでも読まされるのもなあ、、、

ちなみにこの本に出てくる男は極端に少ないですが、揃いも揃ってクズ
ばっかり。ここに作者のトラウマが垣間見えるのか?

筆力のおかげで星1つは免れたって感じです。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.156:
(4pt)

母ってなんだろう

本屋で映画のCMが流れており、興味を持って読んでみました。

不倫相手の子供を誘拐して、逃亡していく第1章と、
その後、誘拐された子供が大人になってからの第2章とで構成されています。

第1章では、誘拐という犯罪を犯している希和子ですが、
どうにか逃げてのびて、子供と幸せに暮らして欲しいと
思える程、子供に対する愛情が感動的でした。

しかし、第2章では、希和子の行った行為が、どんなに
人の人生を狂わせてしまったかを痛感しました。

血が繋がっていなくとも、ただひたすら子供のために生きた希和子、
急に戻ってきた娘に戸惑いを隠せず、母らしいことが出来なかった実の母。
どちらも一種の母親ではあるが、本当の母ってなんなんだろうと
考えさせられました。(答えは未だに分かりませんが…)

文章でもぐいぐい読み進めていけるような感じで、とても良い作品だと思いました。

八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.155:
(4pt)

泣けます。


テレビドラマや映画では伝えきれない感情が原作本にはあります。

映像で見ていない方はもちろん、見た方ももう1度泣けます。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.154:
(2pt)

期待外れ・・・。

もうちょっと深みのある一冊、言い換えれば後味の悪いタイプの一冊かと思ってました。
登場人物の心の深さまでなかなか読み込めないタイプの本でした。

評価が軒並み高くて驚きです。
図書館で借りて読んだらいい一冊。身銭切るならセカンドハンドで十分かと。
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4120038165
No.153:
(1pt)

「よく わからない」が正直な感想。

映画館で働く人たちが映画作品を絶賛。

会社の先輩が原作を絶賛。

という期待感が高すぎたせいか、
感動することができませんでした。

感動どころか、ハラハラもあまりせず…。

母性がテーマなのかな?と思いましたが
そのわき上がる愛情とか愛しさが
共感できませんでした、

これって、子ども苦手だけど
子ども生んだら子どもの愛しさがわかる、
けど生んでないからわからない

みたいなもんですかね?

まあ、絶賛の意見多数なので
良い作品なのかもしれませんが
期待していただけに評価を1つ星と
させていただきます。
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4120038165
No.152:
(3pt)

ダメ男少々、ドロドロの女性ワールド

男女間の問題が物語のきっかけとなる。ただ登場人物には、女性が殆どを占める。
出てくる男は、生々しいほどダメ夫君。こんな男がモテるのだろうか?

前半は、お母さんが中心で、後半は娘(薫)が中心。
後半の状態が有るべき状態なのに、幸せ感は前半の誘拐している状態が高いのが人生の矛盾を表しているようだ。

映画化すると言う事で手に取ったが、ストーリが作りやすそうだ。
でも少し暗い内容ですね。テンションが低い時に読んではだめかも知れません。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.151:
(5pt)

八日目の蝉の先へ

妹に「八日目の蝉」プレゼントされて読みました。その日は第一章だけ読んで翌日に続き読むつもりでしたが、本を開いたら世界観に引き込まれて最後まで読みました。
『第0章 第1章』不倫相手の娘誘拐した主人公の物語では逮捕されるまでの彼女の葛藤、次第に親子になっていく過程、当時の社会背景など描かれていて感動しました。
『第2章』娘の物語により謎が埋めらていき判明する全貌に脱帽。何故タイトルが『八日目の蝉』知り関心しました。その先に意味がある事。私が私である意味。これから産まれる子への誓いなど多くのセリフが心に響きました。
ラストでお互いそこにいて気配感じる場面は素晴らしいです。再会はしませんでしたが『八日目の蝉』の先での物語は読者に委ねてるように感じました。
今度は映画版やドラマ版見て感動を味わいたくなりました。角田光代さんへ素晴らしい作品をありがとうございます。
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4120038165
No.150:
(5pt)

切ない...

愛する人の赤ちゃんを誘拐。
決して許される事ではない。
しかし、大きな愛情で子供と過ごす日々は決して捕まってはいけないと思わずにはいられない。
家族がいる自分にとって深く考えさせられる1冊でした。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.149:
(5pt)

引きこまれました

たまたま手に取った本でしたが読み進めるうちに止まらなくなり
一気に読んでしまいました。感情の描写が多いので好きなタイプの小説です。
映画も見てみたいと思いました。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.148:
(4pt)

賛否両論あるようですが

以前NHKでドラマ化されたときに、何回か断片的に見ました。暗い感じだったので結局全部は見ず仕舞いだったのですが、最近映画化もされて話題の書になっていましたので、手に取ってみました。

読みやすい平易な文章と軽快なストーリー展開もあり、あっという間に一気読みでした。読んでみて賛否両論あることは納得がいきました。
私も、主人公の一人である誘拐犯の女性には、その行動を行った動機や心情というものについて、根本的な部分で賛同することも共鳴することもできませんでした。端的に言えば、考えのない愚かな女性だとは思います。しかしながら他方、彼女の、というか、人間というものの、哀しさ、愛情、母性といったものが、それをもたらしている人物の人間性評価とは全く別に、読む者に強く訴えかけてきて、それがある種の感動を生むことも事実だと感じました。

私がこの作品について秀逸だと感じたのは、誘拐された娘のその後(第2章)の部分です。このような犯罪被害者の家庭の様子、娘のその後の人格形成の過程等についての描き方は、随所に見られる瑞々しい表現とも相俟って、読み応え十分と感じました。

総合的に見て十分に満足できる一冊でした。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.147:
(4pt)

母親という生き方

読んでいて「mother」を思い出した。
ただ、こちらの誘拐犯は生まれたての赤ん坊を育てる。
母親が赤ちゃんを育てるというのはこういうことなのか。赤ちゃんに対する愛情に圧倒された。

ただ、それ以外はあまり印象に残らなかった。
ストーリーは置いておいて、母親という生き方を魅せつけるというのがこの本の価値である気がする。
八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165
No.146:
(5pt)

幸せの形


1章は子供を誘拐してしまった女性、2章は誘拐されてしまった子供が主人公です。

1章はあまり共感できなかったのですが、2章は想像以上に主人公の苦悩や葛藤に心が打たれて、最後はとても感動できました。

幸せの形がたくさんあることに改めて気付かされる。そして人はやっぱり強いということも。

小豆島の景色が美しく、感動をさらに盛り上げています。


八日目の蝉Amazon書評・レビュー:八日目の蝉より
4120038165

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