■スポンサードリンク
八日目の蝉
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
八日目の蝉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全425件 381~400 20/22ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サスペンスと期待していると、初めは少し肩すかしをくらいます。 初めはテンポがあまり良くないので、この調子で進んでいくのかな〜?と 気持ちがだれます。 この人の作品には同じように感じることがよくあり、純粋にのめりこんで読んだという感覚がありません。 なんというか、吉本ばななの本のような、言葉の使い方とかが、たまにアングラっぽいというか、そういう所に気持ちが引っかかってしまうので、なかなか入り込んで読むことができない… のですが。 中盤あたりから、作品に引き込まれるようにして、最後はずっと泣きながら読み進めました(笑) 誘拐した子供を自分の子として愛せるのか。 そこはいまだに疑問に思うところですが、大きな罪を犯して、自分自身が罪から逃れるための逃亡ではなく、 ただただ一日でも薫と一緒にいたかった希和子の気持ちが切なくて涙が止まりませんでした。 もし時間を戻せたとしても、また何度でも薫との人生を選ぶ、というような表現があるのですが、もうそこにはただ、“母の愛”しかないのだなと強く感じ、共感しました。 そして、被害者である、成長した恵理菜にたいしては、なんだか親戚のおばさんのような気持ちで読みました(笑) あらあら、あの子がこんな大きくなっちゃって!という感じで。 希和子とすごした日々を思い出し、どうしようもなく母親だったのだと、気づくところは もう、何度読み返しても泣けます。 ラストは予想できるものではなく、どう終わらせるのだろう、というところも気にしながら読みました。 ラスト前で大号泣したので、安っぽく終わってほしくない(薫と希和子が涙の再会とか) と不安だったのですが、切なさは残るものの、気持ちのいい終わり方だったと思います。 なんだかんだと、この人の作品はまた読みたくなってしまう、それをまた再確認した作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語は、不倫の末に堕胎し、子どもができなくなった女性・希和子が、 不倫相手の子どもを衝動的に誘拐するところから始まる。 まだ乳児だった子どもは「薫」と名付けられ、そのまま数年の時を誘拐犯である女性と、 そうとは知らずに暮らすことになる。 しかし、平和な日々は長くは続かず・・・。 後半は、誘拐された少女が親元に戻って、大学生になってからの話が展開される。 実の親の元に戻ったものの、ある日突然「私が本当のお母さんよ」と言われても馴染めない娘。 一方で、不倫をしていたことが世間にも知れてしまった父親と、 そんな夫を持ったことに苦しむ母・・・。 うまく行かない現実に「なんで私が」と誰もが苦しみながら生きてく・・・というお話。 誘拐犯である希和子は、自分がやっていることが犯罪であるとわかっていながらも、 子どもを「薫」と名づけて精いっぱいの愛情をかける。 「ただ薫と暮らせさえすれば、それでいい」。 そう思っている希和子の姿は、母親そのもので。 読んでいるうちに「つかまらないで」と思ってしまうほど。 でも、この事件で一番戸惑ったのは「薫」こと恵理菜だったのでしょう。 大人になってからの彼女は、ことあるごとに事件を思い出し、 「私がこんなことになっているのはあの女のせい」と苦々しく思う毎日。 でも、一方で、家庭を上手く愛せない両親への苛立ちも隠せない。 愛されたい。愛したい。家族って何?母親って何?愛情って何? 誰かにその答えを返してもらいたがっているように思えました。 人は子どもを育てながら「親」になっていくけれど、 すべての親が上手に「親」になれるわけでもないし。 「親」になりたかったけれどなれなかった人が、 自分のできうる限りの精いっぱいで「親」であろうとした。 それが、悲しくて切ない小説だったように思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子供を奪っい逃げ続けている彼女へ、もう逃げないで楽になりなよ、と言う気持ちと、早く逃げてと思うとき、誘拐してきた好きな人の子供を逃げ切る気持ちが強くて、逃げる手段はいくつも使い母性愛も交えながら別れの日が来て長い年月が過ぎ、もう過去の記事だけが残り、その過去に引かれる子供と、過去を引きずり執着する犯人の引かれあって それを互いに知り得ずすれ違う無情とは なんとも言いがたい。感無量で何回も泣きました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私にとって、角田光代さんの初めての作品が、『八日目の蝉』。 前半部はストーリーが淡々と展開されていて、ちょっとかったるい。 後半部も大きな展開があるワケではなく、淡々と進むが、母と娘の心のやり取りはしっかりと描かれていて、ちょっとした感動。 ラストも現実的な終わり方でしたけど、もし映画化するときは感動のラストにして欲しいな〜。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
角田さんは女性の心理描写がとても上手で、読んでいてうそ臭くないところが一番好きです。 この本は、何度も読んだけど読むたびに胸がギュっとしますね。 あー切ない。 私は娘がいるので、当たり前の生活をもっと大事にしたいなって 思えました。 私たちが当たり前と感じている生活を 心から願って、何よりも欲して、それでも叶えられない人が いるんだから、と。 個人的には、ずっと薫と暮らし続けて欲しかったですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「母と子供」という一心同体のような結びつきに魅せられました。 自分の母性を否定されたことで深い傷を受けた希和子。他人の子供をさらって自分の子として育てる希和子の姿には母の神々しさ、強さ、凄みがあります。 薫が、自分の故郷の美しさを話す場面はぐいぐい引き込まれました。魂を取り戻すように方言がどんどん混じってきて、薫が前の母親も今の家族も認めたとき、私にも瀬戸内の景色がぱーっと見えるみたいな気がしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
しかし、何か釈然としない、と読んでいる間中感じた。 それは恐らく、子供を掠って逃げた希和子の愚かさに対する矛盾だろうと、気づいた。 人間は矛盾だらけ、愚かであるとは思うが、でも、この愚かさには筋が通っていないのでは? 堕胎をしたことによっていきなり母性に目覚めてしまったと言うことなのだろうか?もう産むことができないと知った途端・・。 不倫相手とその妻が産んだ子供に対してこれほどの愛情を抱けるものなのだろうか・・。 私なら不倫相手にも、その妻にも、その間に生まれた子供に対しても嫌悪しそうだけれど。復讐心からこういう行動に出て、次第に愛情が湧いてしまったと言う心理ならまだ理解出来そうな気がするのだが・・。 この希和子という女性には、そういう嫉妬心や最低限のプライドがもともと欠如しているのだろうか・・・。 あと、四千万円ものお金を持っていながら、新興宗教団体にすがるしか手段はなかったのか、とか。 その当たりがずっと引っかかって、感情移入や共感を妨げる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みかけのとき夢を見た。瀬戸内のきらめく光、そしてこの幸せが続くようにという切ない想い・・・。そして読み終わって、五歳の娘がたまらなく愛しくなった。 希和子は堕ろした子どもをどうしても取り返したかったのだろう。それはだから薫でなければいけなかった。その点は犯罪だしあまり共感できないのだが、希和子の追い詰められた最低限の生活、財産も何もかも捨て、何の楽しみもなく、警察に追われ・・・その中で必死に子どもとの生活を守ろうとした姿があまりにせつない。まるで聖母か求道者のようだ。この子にすべての美しいものを見せてあげたい、そう願う希和子の気持ちはどんな母親にも共通だ。なのに、希和子から薫を奪った実母はひどい。ほとんどネグレクト。家事も育児も、親としての態度もまるで失格。法とはいえ、なぜこんな女に権利が?と思うくらいだ。その姿に腹を立てながら、親としてぎくっとする。自分はどちらに近いのだろう?子どもとの毎日を、きちんと大切にしているといえるのだろうか?子供はあっという間に大人になってしまうのに。いつ奪われるかわからないものだったからこそ、希和子にはその一瞬の輝きがはっきり見えていたのだ。 ラスト近くは確かに舌足らずな感が否めない。もう少しカタルシスを味わいたかった感じだ。語りすぎも困るけれど。ひとつ気になるのは、あの日、希和子が薫を連れださなかったらどうなっていただろうということだ。不注意な母親がつけっぱなしたストーブが原因の火事で、赤ん坊は死んでいたのではないのか?だれも気付いていないけれど。作者はそこまで実母に意地悪な設定をしている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子供を誘拐した「犯罪者」であるはずの主人公の気持ちについ同化してしまい、彼女が歩いた場所の一つ一つが、なんだか自分が実際に歩いた場所だったかと勘違いしてしまうほどのリアリティ。 人気のない住宅街、外界から隔離されたコミュニティ、光あふれる小豆島の坂道。 赤ちゃんと一緒に行った公園、一緒に逃げた暗い山中、引き離された港。 すべて、すぐに頭の中に景色が浮かんでくる。 まるで、なんだか長い夢を見ていたような読後感だった。 一応、最後でカタルシスが得られるとはいえ、ストーリー自体はある意味救いのない話だ。 ちょっと重い作品だが、読み応えということでは超一流。 秋の夜長とかに、お勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
残念ながら私は希和子には不倫のゴタゴタに関しては同情する部分はあっても、たとえ希和子と薫の生活の光景が温かであっても、何も知らない子供を一時の感情で大人の不倫のゴタゴタに巻き込んだ行為は好ましいとは思えず、0章、1章で読者を希和子に感情移入させるかのように描かれているのがどうも気に入りませんでした。 結局その子供:恵理菜は成長する過程で自らが巻き込まれた事件に苦しめられることとなります。 2章で、成長した恵理菜が苦しみつつも事件と向き合い受け入れようとする姿は素晴らしいと思いました。 しかし、フェリーに乗る部分での恵理菜の心理描写は、彼女が事件と向き合ってきた結びの部分として重要であるにも関わらず、やや描写が粗く、急ぎ足のようになっていたのが残念でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「そのときのことを私は覚えている」で始まる2ページでスピード感溢れる前半はゆっくり締めくくられ、後半は関係者の内面がじっくり描かれ、ページをめくる指が頻繁に止まってしまいます。 多くの著名人が絶賛する角田光代著「八日目の蝉」ですが、確かに素晴らしい作品でした。「空っぽのがらんどう」と罵られて犯罪者となった前半の主人公に対し、不思議と責める気持ちが持てません。謝罪を求めた裁判官に対し、「子育てという喜びを味あわせてもらった」と感謝の言葉で返した彼女に共感すら覚えてしまいます。 「今までどうもありがとう、本当にありがとう」と言って最愛の恋人と別れた後半の主人公、彼女の再生の過程に痛々しさを感じながらも、同時に強さを感じます。この小説で著者が描きたかったことの1つのは、女性が母親になる瞬間ではないでしょうか。「私は、何をも憎みたくなかったんだ。」と気付き、「母」の最後の言葉「その子は...」を思い出す所は、穏やかな瀬戸内海の映像と共に心に沁み渡ります。 そして、最後の数ページ。著者はあるラジオ番組で最後のシーンに関して「最後は悩みました」と答えていました。せつなさの中にほんの少しだけの希望。希望なんて呼べない位の出来事ですが、穏やかな気分で読み切らせてくれます。忘れかけていた色んな感情を呼び覚まさせる作品でした。 (http://shuzlog.jugem.jp/?eid=85) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なぜこの小説がサスペンスといわれるのか理解できないのですが、それはまあ置いといて、 作者の意図が理解しがたい小説である。 希和子は妻子ある男性との不倫騒動の果てに、男性の娘、恵理菜(薫)を誘拐する。でも彼女は逮捕されるまで、薫にたっぷり愛情を注ぎ、薫も幸せだった。 だがその恵理菜もまた、まだ大学生だというのに妻子ある男性の子を妊娠してしまう。 たぶん両親の援助も相手の援助も受けられないだろうに、何故か医師の「緑がきれいなころに生まれるねえ」の一言だけで、産む決心をする。 絶賛しているレビューが多い中、批判を承知で書きますが、不倫を美化しているとしか思われない。 父娘2代にわたる不倫。 角田さんが、こういう小説を書く人とは思いませんでした。 ラストシーンが恵理菜と希和子の感動の再会、でなくてまあよかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新生児誘拐事件を被害者と加害者の両側から描いた作品。犯罪を起こしてしまう心理、逃亡生活、宗教とセクシュアリティ、犯罪被害、トラウマ、報道…これでもかというほど多くのテーマが含まれています。途中まで犯人の視点に引き込まれてどんどん物語に入っていきますが、後半になって、被害者の眼から事件が語られていきます。ラストは被害者と加害者がある意味交錯(敢えて再会とは言いません)する場面で終わっていますが、最後に全てのテーマを無理に収集したような印象もあり、胸に迫る、というほどではありませんでした。ただ、後半、事件の背景が語られると、数年前実際に起こった、女性が不倫相手の自宅に放火した事件を思い出し、何とも言えない気持ちになりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この物語の持つ深い情感は、普遍的な名作のものであるが、 そのモチーフは、今の時代を切り抜いている。 強く感じたのは、吉田修一の「悪人」との対称性である。 犯罪、逃亡、道連れ、希薄な人間関係、 他者との邂逅、豊かではない生活感、 そして善悪の真偽と世間、別離と再会への希望。 それらが、男女の性別を軸にして、 ロールシャッハテストのように左右に広がったようだ。 似たような時期に同じように新聞連載で、それぞれの話が別々に展開され、 またそれぞれに代表作となったのは、なんとも象徴的な気がする。 それは、文学、善悪、世相といった広い範囲に、 多くのもの、重いもの、を投げかけたと思える。 時代の産んだ双子の名作。 子供を誘拐した直後の、やわらかく、重みや体温を感じさせる描写 それを慈しみ、世話をし、抱いて逃げていく主人公のくだり。 自分もまた、だれかに愛され育てられたのだ、という感慨が沸いた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わった後、説明使用のない安堵感に包まれた。私は私らしくそれでいいのだという自尊感情が芽生えた。 子どもを持ち母となり、その責任と役割に時折押しつぶされそうになる、今のままで良いのだろうか、私は良い母だろうか。そんな漠然とした悩みを抱えている方にぜひ読んで頂きたい。内容そのものよりも、読後の不思議な感覚を味わっていただきたいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人の弱さを描き出しながらも、 同時にあたたかさを感じる作品でした。 しばらくしてまた読み返したい、 そう心から思える作品です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私がちいさな子供をもった女でもなく、警察に追われる犯罪者でなくても、 主人公が逃げまくる様に強烈な共感をおぼえるのは、 私も同じように、向き合わなければならない某かの現実から逃げ、 「この平穏な日々はいつまでつづくのだろう。 毎夜、私は考える。 そんなにうまくいくはずがないと思う日と、 いつまでも続くに決まっている、私と薫は何ものかに強く守られているのだからと 確信するように思うときもある」 と、調子良くのうのうと生きているからではないか。 「蝉はずーっと土の中におって、出てきたらすぐに死んでしまうんで」 だから、犯罪者である主人公にいつか必ず訪れるであろう、破滅を 先延ばしに、一日でも先延ばしにと切実に願う。 八日生き延びた蝉のように。 描写に不足な所もあるが、切実に訴えかけてくる疾走感とも感じられるものがある。 いい、作品だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
愛人だった男の赤ちゃんを奪い、逃亡しながら、その子を自分の子として育てる4年間の生活が第一章。犯人の女性の視点で第一章が描かれる。事件が解決して17年後、成長して大学生になった「盗まれた赤ちゃん」自身、いつまでも違和感を拭い去れないでいる当事者の視点で描かれる第二章と、この小説では二人の女性が主人公である。 昨日、第一章を読んでいる最中は、眼が涙で曇ってしまい、そのたびに読み留まって、なかなか先に読み進むことができなかった。それくらい、この小説の題名にもなっているエピソードを含む瀬戸内、小豆島で描かれる瑞々しい描写がすばらしい。 読みながら、高橋和巳の『邪宗門』や平山秀幸監督の映画『愛を乞う人』を想い出していた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第一章が素晴らしい。いずれは捕まるだろうと思っていても、展開が気になるし、スピード感がある。しかし、第二章の最後が物足りないのだ。角田さんが書きたかったのは、突然の出来事によって不幸にされた人達(犯人も含めて)の心の描写とその再生ではないかと私は思った。その再生のためには誰かが八日目の蝉になって仲間とは違う光景を見つめ、伝える必要があるのだ、と。しかし肝心の家族一人ひとりの描写が足りない。大きくなった恵理菜が恵理菜として生きるには家族の痛みを理解するのが不可欠だからだ。また希和子と会うことの意味も上記のことから理解出来るのだが、紙面が足りないために、結果メロドラマ風になってしまったのが残念。リアルな人物像だっただけに本当に残念だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
簡単に言うと、不倫相手の子供をさらって逃げる話。 そう聞いてしまうと、ものすごい酷い女が主人公なのかと思ってしまうけど、 多分読んでそう思う人はいないんじゃないかな。 勿論、決して許される罪ではないのだけど、気がつくと彼女の気持ちに寄り添ってしまっているという、そんな描き方。 物語は、1章と2章に大きく別れているんだけど、2章への転換が「お!そう来たか」という感じ。突飛ではないけど予想外。 前半もいくつかに別れているのだけど、それも丁度良く出来ている。 飽きさせず、書き足りなさも感じさせず、程よいサイズにきっちり納まってる感じ。 ミステリーというわけじゃないけれど、そういう要素もあってスリリングな気持ちにさせつつ、 登場人物の気持ちをすごく大切に描いている。 全体に、とても完成度の高い作品という印象。 読後感も○。決してハッピーエンドではないのに(あ、ネタバレか?) なんだか穏やかな気持ちになれる。 手放しで「良かった!」と言える作品だ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!