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義経はここにいる



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義経はここにいるの評価: 4.25/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(4pt)

義経の行方

1989年に出た単行本の文庫化。
 名探偵・南条圭が活躍する長編ミステリだ。
 平泉で義経は本当に死んだのか、という問題を現代に起こった殺人事件と重ね合わせながら追求していく趣向である。
 ミステリの部分は、よく練られていておもしろい。死体の発見という点で工夫があり、ぐいぐい読ませる構成だ。真相も悪くない。伏線もしっかりと張られており、納得の結末であった。
 義経に関わる部分は、それなりに説得力はあるものの、こちらは納得させられるというほどのものではなかった。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.7:
(4pt)

怨霊発生のメカニズムがポイント

著者の歴史ミステリー小説は何冊か読んでいますが、上位に入る良質の作品だと思います。
ミステリーと歴史へのアプローチとが混ざり合っている構成で、カトリックとプロテスタントの違い、仏像の儀軌とは何か、といった宗教の初歩的な知識を得られますので、読後の満足感があります。また、「逆説の日本史」で著者が主張されている「怨霊の発生メカニズム」が本作品では大きなポイントになっていますので、「逆説の〜」を読んだことのない読者には、その辺りが新鮮に感じられるのではないでしょうか。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.6:
(1pt)

また怨霊説かと思ってしまいます。

また怨霊説かと思ってしまいます。推理小説しては全く面白くないうえに判官贔屓を義経の怨霊を鎮めるためと言ったり、この著者は怨霊説が好きなのはわかりましたが、歴史はそんなに単純なものではないと思います。逆説の日本史とかは割と面白く読みましたが、何でもかんでも怨霊とかたたりとか持ち出してくるのでもう飽きました。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.5:
(5pt)

歴史の謎と殺人事件の2本立て

隠れた本格ミステリの名手・井沢元彦先生の職人芸が光る一作であります。
デビュー当初の井沢先生は歴史モノばかりを書いていたわけではなく、ミステリから伝奇小説まで幅広く手がけておられました。読者のニーズか出版社の要請か、いつしか歴史モノ一辺倒となってしまい、作品の幅を狭めることになったのが実に惜しまれます。
本作は歴史の謎と殺人事件の2本立てですが、本作ミステリとしてのクオリティがとても高い。
さらに「中尊寺金色堂」をめぐる推理も、地味ながら堅実で、井沢先生の売り物が決して突飛な奇説ばかりではないことを教えてくれます。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.4:
(5pt)

頼朝の心中を思うとうすら寒い

十代のころ、高木彬光の「成吉思汗の秘密」を読んで胸おどらせていた私は、当然「義経」のその後に大いに関心があった。
これは小説であるが、怨霊史観で鳴らすわが井沢先生の、「義経のその後」に対する回答となる作品である。いつものようにキザで嫌味なインテリ主人公がウルサイ感じがするというのは置いといて、その「回答」についてのみ味わうのが正しいだろう。
義経は衣川の館で死んだのか死んでいないのか、ここのところは非常に興味深い。個人的には「影武者」というか側近が自害してみせた、というのもアリのように思うが、それでも逃避行中に野垂れ死にしたとしたら、衣川で死んだのとあまり変わりはないことになる。
井沢は、どこでどう死んだかということより、「平泉の戦いで滅ぼされた」という事実を重要視する。
そして、「滅ぼされた」ことは「正史」にも載っているが、怨霊史観的には、一字金輪仏の存在により確定される、と新たな説を出してきた。攻め滅ぼした相手でないのなら、怨霊封じのために祀る必要などないからだ、という逆説である。
これには、「一字金輪仏が頼朝の意向により作成された」ことと、「一字金輪仏が義経を表すものである」ことと、「頼朝は一字金輪仏により義経の怨霊封じをしたことを隠そうとした」の3点の立証が必要となる。
このうち「頼朝の意向」が絡む事項については立証が困難であり、著者も具体的な証拠を挙げることはできないから、「頼朝の暗黙の了解なくしては成立しない」というこれまた逆説でまとめるしかなかったようだ。
藤原泰衡の首桶については北条方子の「夢」からヒントを得て解き明かした著者であるから、「頼朝の思惑」についても、ぜひともなんらかの傍証が欲しかったところだが。
それにしても一字金輪仏。兄頼朝は、こんなもので弟の恨みを封じることができると思ったのか、それとも何もしないよりマシと思ったのか。頼朝の心中を思うと、うすら寒い風を感じる。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.3:
(5pt)

慧眼とはこういうことをいうのだ

 俗伝、巷間、源義経の墓と称される場所は幾つかありますが、いずれも伝承の域を出ません。
 という訳で、本作ですが、勿論、本作で語られる根拠も、当然ながら、作者である井沢元彦氏の推論でしかない訳ですが、これが案外、説得力があり、学者さんや中尊寺関係者の方が書かれた書籍より、はるかにスッキリと納得のいくものがあります。
 義経の墓がどこなのか、という以上に在りし日の平泉中尊寺の堂塔伽藍の配置や、金色堂ってそもそもなんの為に建立されたの?〜奥州藤原氏が泰衡の代で滅びていなかったら、それ以降の当主はどうするつもりだったのさ?〜という判ってそうで判っていない部分にまで推理を展開しておりますので、推理小説というよりは、作者お得意の歴史ノンフィクションとしても充分堪能できます。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.2:
(5pt)

歴史観を変えた一冊

1989年にこの本を読み、ミステリーの出来は別として歴史にはこの様な見方があるのかと気づかされた本である。言霊を一般に広めた井沢氏だけに、歴史的解釈も納得するばかりであった。歴史の見方が180度変わってしまった。歴史研究者では発想すら出来ないであろう。その前年?に忠臣蔵元禄十五年の反逆を書かれており、これも名著である。その後、井沢氏の著書は全て読んでいる。元々歴史は好きであったが、ますます興味を持たせてくれた井沢氏に感謝したい。井沢氏の本に出会えた事は他の歴史物を読む上でも大いに参考になっている。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698
No.1:
(5pt)

隠れた歴史ミステリの傑作

義経北行伝説の真相と、現代に起きた殺人事件の謎を解く歴史ミステリ。怨霊&鎮魂という井沢歴史観を軸にメジャーな謎を明かす手腕は『逆説の日本史』でお馴染みのもの。今回も鮮やかに、解説の高橋克彦もうならせる説(真相)を展開してくれます。もうひとつ特筆すべきは、殺人事件の必要があまり感じられなかった『忠臣蔵 元禄十五年の反逆』と異なり、歴史の謎と殺人がうまくリンクしていること。このバランスに関しては数ある歴史ミステリ中でも屈指だと思います。
義経はここにいる (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:義経はここにいる (講談社文庫)より
4061852698

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