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羽衣伝説の記憶
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羽衣伝説の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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この作品は、『北の夕鶴2/3の殺人』のその後、つまり吉敷の妻だった通子とのその後を書いたもので、作者も絶対に書き上げたかった作品だったのだろう、と思う一方で、『毒を売る女』・『幽体離脱殺人事件』・『見えない女』などで様々な女性を登場させてきた次の作品ということを考えると、島田荘司の作品の中で最も重要な『女性』はこの通子であることが感じられる。 『羽衣伝説の記憶』の場合、本編のミステリーよりも、並列してサブ・ストーリーのように描かれている吉敷の通子への思い、そして最後に解く通子自身の謎の方がメインであることが解る。このあたりにも、島田荘司の様々な作品の構築の実験が繰り返されていることが解る。 多くの島田ファンにとって、ミタライの影に隠れてしまっている吉敷の存在がいかに島田荘司にとって大切かが、ここまで時系列に読んできて、よく解った。そして、この熱いデカ魂の塊のような探偵がぼくの中で、どんどん好きになっていったのである。 | ||||
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ゴールデンウィーク明けから、在宅テレワークのお仕事が始まる。 今のところ、独居老人、蟄居する...である。 読書とDVD観賞の日々が続く。なんだか、自閉症になったような気分だ。 島田荘司さんの『羽衣伝説の記憶』を読む。 銀座の西5番街のことが描いてあった。導入部の添景だ。 ああ、ボクは暮れかけているこの裏通りをそぞろ歩きするのが、好きだった。 晴海通りを曲がって、新橋方向へ歩き出すと、陽が傾いて、まだネオンが輝きだすかどうかのひと時は、わりとひっそりとしていた。 落ちついた通りだった。 過ぐる日、暮れ方に週に1度は、銀座に出掛けた。 水曜日が多かった。勤務時間が過ぎると、早々に退社した。 6時を少し回ったころに、友人と並木通りの三笠会館で、よく待ち合わせをした。 そんなある日、若い女性から背後から呼びとめられた。 並木通りの小さな、古びた画廊から出てきたらしい。 渋谷の公園通りの坂道あたりで、よく見るような装いだった。 大学時代に、ほんのわずかな間、家庭教師をした女の子だった。 友人と待ち合わせの約束があったので、後日、会う話をして別れた。 友人とは、この地に越してからも、長門峡、津和野、萩に旅をした。 長門峡の入口の橋を渡った先の割烹で、天然鮎を食した。 青空には積雲がゆっくりと流れ、トンボが舞った。 青楓が繁り、川は、中原中也の詩のように、川床をさらさらとさらさらと流れていた。 友人とは、ずいぶん、旅をしたが、たぶん、これが最後ではなかったか。 友人と銀座であった時は、桜、満天星、ユキヤナギのこの季節だと、三笠会館の近くでは、つくりはオコゼ、城下カレイ、東銀座よりの割烹では、鰺のなめろうやサヨリなど食した。 好物なのに、不思議とカツオを食した記憶がない。 なぜだろう。 暮方、空きっ腹に、枝豆もつままずに、水代わりのビールはさっさと切り上げた。 熱燗の日本酒を飲む。 2~3杯飲んで、つくりを食す。 山葵や生姜の香りが口にひろがり、また杯を干す。 まったりと飲んだシアワセな時間は、水の流れのように過ぎて行った。 あんな贅沢な時間は、もう2度とないだろう。 本当は、酒の味などはわからなかった。 けれど、あの頃、背中を染める日暮れの匂いには、1人ぼっちの怒りを癒す希望のようなものがあったのかもしれない。 深夜の終電近い時間に、友人とは新橋駅で別れ、山手線に乗った。 深夜の山手線はさみしかった。 ああ、やっぱり昔は遠くて、それでも、いつものように春は闌けていく。 | ||||
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島田荘司氏の吉敷刑事ものの長編作。 今回はミステリー的な趣向はそっちのけで吉敷と元妻通子との再会と恋模様を描いた恋愛ストーリーだ。 一応殺人事件と通子の過去に関するミステリー的な趣向はあるが、あくまでオマケといった感じ。 吉敷刑事の人生を深く味わいたいコアなファン向けの一編と言えよう。 ミステリーとしては地味過ぎるが、それなりに読ませる。 | ||||
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これは、吉敷と通子のラブストーリーです・ いちおう、事件を絡めてますが、クソみたいな事件で 通子のいる天橋立に、吉敷を生かせるためだけのキッカケにすぎないの! ようは、吉敷と通子のデートが、ここでの題材です! いい年こいた中年カップルの、加齢臭が漂い始めてるデートですけどw さすがに島田なので、それなりにおもろい! この2人に興味ない人はスルーで!! | ||||
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特に事件はなく加納通子との関係に一石を投ずるだけの一編だろう。「涙流れるままに」につながる連絡通路。 | ||||
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吉敷竹史シリーズを読んでいて、わかれた通子の生い立ちが気になっていたが、これを読んで、吉敷と通子がより一層人間味を持った存在となった。 | ||||
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