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家守綺譚
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家守綺譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全148件 141~148 8/8ページ
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ぽつぽつとエッセイみたようなのを書いている物書き、綿貫征四郎が記録した和モノ幻想異界譚。季節の移ろいとともに、花々や草々、異界の者たちとが触れ合う様子を綴っていった掌編集。最初の話「サルスベリ」をひもといて、これはいいのに出会ったなと嬉しくなりました。読み進めながら、気持ちがほっこりしてくる安らかさ、ほのぼのとしたあたたかさが胸の中に広がってくるような読み心地。語り手の私と言葉を交わし、心を通わせ合う人たち、犬や狐、狸たち、花や木や草たち。その風景、心と心が触れ合う様子が、そっと掌ですくい上げるように描かれていたところがとても素敵でした。ほうっとため息を吐きたくなる、そんな心なつかしさがあって、やわらかな気持ちになりました。装幀も風雅な味わいがあって、いいですねぇ。本の見返しの「白鷺」の絵も素敵です。梨木さんの作品に一層の彩りを添えています。一冊の本として、とても奥床しい雰囲気を感じました。続編が出ないかな、出たらいいなと、そう思わせてくれる作品でした。 | ||||
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いくつもの短編で出来ていますが、すべてつながっていてとても美しい世界でした。こちらとあちらの世界の境界線がはっきりとしていないようで、している・・。こちらの世界に住む主人公が、自然にあちらの世界を見、共存している様を、淡々と書かれています。一昔前の日本では、当たり前の世界だったのかも・・。と思わずにはいられません。 | ||||
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中国の妖怪ものってこんな感じなのかな。とか日本のお化け話。「あそこの川で河童が出たって」って本気で話しているような。「ああ、鬼ね」っていうような。もしかしたら今でも日本のどこかにこんな空間があるのではないかしら。家の前を散歩している犬は何か面白い情報を持ってきているのではないかしら。真っ暗闇とか不思議なものはなくなってはいけないものなのでしょう。 | ||||
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梨木香歩の新刊を待ちわびていました。期待を裏切らない出来。異界との交信が綴られるのだけど、怖くない。文章は、引き締まって静かである。短い章立ても一役買っている。知らぬ間に和尚に化けた狸にしてやられたり、主人公に懸想するサルスベリに気を遣ったり、・・・でも事件は何も起こらない。梨木という人はよく植物を描くが、この本も章毎に植物の名がつけられている。主人公が飼っているゴローという犬も随所で効果的な働きをみせる。外界との交流が自然に異界と繋がって、読み手まで引きずりこまれてたゆたって、ひとときの夢をみました。 | ||||
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このところ絵本づいていた梨木香歩の久々の小説です。定職を持たずにのんびりと季節の中で時間を送る主人公と彼岸から訪れる行方不明になった親友のさりげないやりとりが秀逸です。坂田靖子の「村野」などの短篇や、今市子の「百鬼夜行抄」などを彷彿させる優しい物の怪たちと時間におきざりにされたような男たちの関わりが心に残ります。ひとつひとつの章の終わりが、静かに後を引く読後感でページが終わるのを残念に思いながら、ゆっくりと読みたい本です。 | ||||
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とても短い話がいくつも重ねられてゆく。とても淡々として、古い昔話を読んでいるようだ。昔、こんな話を読んだなあ、となつかしくなる。春に読むのにいいかもしれない。舞台は京都だが、はっきりとは語られない。ただ、その土地が思いの外、心に染みる。いい話だと思う。誰かにすすめたくなる。 | ||||
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時間の流れがゆるやかだ。ほんの百年すこしまえの日本。見たような家。懐かしいような庭。彼方と此方の交流も、営まれるのが自然なほど。「南天」の項。この間が節分で、まさしく今日は当地も雪景色となった由、まるで予言されていたようである。今日この本が届くなり無性に読みたかったのは、きっとそのせいだろう。虫の知らせを運んだのは、狐か小鬼か。不可思議なばけもの全てが、いとおしく感じられる。四季折々に、庭の草木を眺めつつ開きたい本だ。ひとつひとつの話に、酒井駒子さんあたりに挿絵を描いてもらいたいなあ。いえいえ、ここは大御所太田大八さんが得意とするところか。蔵を開けて、古い柳行李をほどいたような装丁が上質。 | ||||
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去年は絵本が3冊で、早くなが~い文章が読みたいと思っていたらなんだか不思議な本が出た。本の帯には「庭池電燈付二階建・汽車駅近接・四季折々草花鳥獣河童小鬼人魚亡友等々豊富」とある。 主人公は亡き友の家の守を引き受けるのだが、いろいろ起こる話が集まったうちのひとつがその庭の百日紅の木にほれられる話。それを教えてもらう状況もさることながら、すんなり受け入れるのはいいのかと突っ込みを入れたくなるがそこはそれ、許してしまえる雰囲気があるのだ。 表紙もなんとなく古い和書のようで手元においてながめたい。 | ||||
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