■スポンサードリンク
家守綺譚
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
家守綺譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全148件 121~140 7/8ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本を手に取り、最も注目したのは独創的な文章でした。たださらりと読むだけではこの本の内容は掴めません。それだけ面白みに溢れているのです。純粋に「世界」を感じることを教えてくれる本だと思います。最終的な終わり方がどちらかといえばはっきりとはしていず、今からまた何かが始まりそうな予感を感じさせてくれるところも魅力の一つだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この著者の作品は始めてである。今まで名前も知らない。とあるいつもの書店で放つ気を感じた。本の名そのもの、百年云々という帯。そして見返しの影絵に。高堂はその用があって彼岸との行き来をする。ボートに乗せたのはうまいところである。これで市民権を得る。草木の精の出没は fairy tale である。雨月物語の執着はない。聊斉志異の世界である。自身十坪の庭に小宇宙を見ようとしている。春に土山をつくりヘパテイカの遺伝子をいっぱい播いた。この本を読みながらここを高岳親王ノ丘と名づけた。そうすると実のなる木は不相応である。柿の木をさるすべりに代えようと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ほのぼのとしました。ちょっとマンガ「百鬼夜行抄」や小説「しゃばけ」を思い出しましたが、この二作よりもほのぼのとファンタジーです。私もこんな家に住んでみたい。そしてボートでどかんと現れて欲しい!現在私の中で是非続きを読みたい、書いていただきたい本です! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恋愛もサスペンスも冒険もない。ないけれど、どこかワクワクするような感じがある。今度は誰が尋ねてくるのだろう?どんなことが起こるのだろう?もしかしたら、ほんの100年ほど前にはこんな風だったのかもしれないな、と夏なら、風通しのいい部屋で木々の葉を揺らす風を感じながら、団扇片手に寝転がって読むのもいいと思った。冬なら、こたつで丸くなるのも悪くない。もしかしたら、木々が話しかけてくれるかも知れないから。繰り返し読むわけじゃないけど、疲れた時にはふと手にとってしまうようなそんな気がする一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ここに出てくる情景は見知った土地の情景に似ているせいでしょうか、祖母の家に植わっているざくろや金木犀など思い出します。ふと、月明かりのよい晩など散歩に出かけるのですがそのときの心地に似た読書感。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
梨木香歩さんのいろんな引き出しの中のひとつからまた楽しい世界が出現しました。こんなことを体験しているはずもないのに、不思議ななつかしさがあります。子供のころの夢のなかで出会っているのかもしれませんね。著者の温かいまなざしを感じます。読んでみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
波津彬子さんの「雨柳堂夢咄」を彷彿とさせる物語でした。なんとなく雨が似合うというか、雨の夜更けに読むのが合うというか。舞台が古い時代(明治とか大正とか?)の日本なので、文体も古めかしく、出てくる漢字も古めかしく(読めなくて辞書を引くこと多数あり。)、不思議な雰囲気の作品です。こういう「不思議な」ものが、身の回りにごく普通にあって、人も皆それをごく普通に受け入れていた時代が確かにあったんだろうなぁ…。ちょっとうらやましくもなってしまいました。本棚において、気が向いたときにいつでも読みたい、そんな本です。ゴロー。飼いたいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公が行方不明になった友人の家で起こった不思議な日々。ごく短い話がいくつもかかれています。たまに妖怪とか、お化けも出てくるんだけど、そこにおどろおどろしさはまったくないです。むしろほほえましくかわいらしく描かれていて好感が持てます。たまに出てくる人間の方がちょっと不気味だったりいい味出してたりします。夢か現実か、あいまいなところが好きです。山あり谷あり、というお話ではないのだけどなんとなく好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
四季折々の自然の「気」たちと、文明の進歩に今ひとつ乗り切れない新米精神労働者の「私」との、のびやかな交歓を綴った1冊。植物に好かれたり、狸に化かされたりと、ほんの少し昔の日本ならば、あったかもしれない不思議な話で溢れています。死んだはずの友人が訪れたり、拾った犬がなんだか尋常でなかったりしても、大して驚くこともなく日々を送る主人公。派手ではないですが、おかしくもあり、切なくもある、心和む一冊です。和布のような紺の表紙と帯の文句も内容と合っていて素敵でした。素直に、あっ、日本ていいな…とそんなノスタルジックな気分になれます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時間の流れをゆったりしたものに変えてしまう一冊河童やら狸やらが出てきても、この間河童が遊びに来てね~と何でも無いことの様に会話が出来てしまう世界ちょっと不思議な空間に紛れ込んだ感じで季節の移り変わりがゆっくり堪能出来るそんな時代があったのよね、と感じられるただ恐ろしく漢字が難しいルビを最初だけでもふってください | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだ日本人が、移り変わる季節を感じつつ、自然と対等なおつきあいをしていた頃のノスタルジックな雰囲気がとてもよく描かれている。タッチは単調な線で書いた淡いペン画といった風(倉田江美のマンガみたいな感じ、私が思うに)、だから初めは「なんか、いつもの梨木香歩の迫力がないな」と思っていたけど、じわりじわりとその世界に引っ張り込まれてしまった。読んでいるうちにだんだん、植物や妖怪が妙に人間ぽく、逆に人間が妖怪ぽく思えてきて、ああそうかも知れない、みんな一つのものなんだ、という気持ちになる。そして、生と死、夢と現実の境さえもあやふやなものなんだと気付く。何か、夏目漱石の「夢十夜」や「永日小品」に連なっているとさえ感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の作品は、初めて読みました。全体に淡々とあっさりしていて、河童だの幽霊だの小鬼だのが出てくるのに、しっとりしているのが好感持てました。心穏やかに読み終えることができます。各章ごとにタイトルの植物が絡んでいるストーリーなのも面白いと思いました。他の作品も読んでみようと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どっぷり夢心地な時間を過ごしました。登場人物は人外の雰囲気を持っていて、どちらが現か幻か、迷ってしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今年の収穫の一冊でしょうね。行方不明の親友が掛け軸の中からボートに乗って尋ねてきたり、庭の百日紅から思いを寄せられたりする主人公の日々の営みがつづられております。などと聞くとファンタジーなのね。と言われそうですが、ちと、違う気がしました。確かに描かれている世界は現実や日常から逸脱したものであるにはあるのだが不思議と「ファンタジー」として構える必要もなく染み込んでくる。このさりげなさこそこの物語の最大の魅力だと思いました。淡々とすすむ物語は「面白い」というより「心地良い」というのが実感。好き嫌いが分かれる作品かも知れませんが、これは是非続きを読みたいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
家守という単語に、どこか「りかさん」や「からくりからくさ」との関連があるかと期待して、読み始めました。(りかさんは出てきませんでしたが)昔の、知らないはずの時代であるはずなのに、この物語は、どこかなつかしい気がします。まだ闇があって、人ならざるもの、精霊と呼ばれるような存在の息吹が感じられたような、そんな時代。たとえば、トトロのような存在がどこかにいるのではないかと思うような空気が感じられます。睡蓮をみるたび、ダリアを見るたび、四季折々の草木を見るたび、この物語を思い出します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
100年ほど前の日本を舞台にした、物書きを本分とする綿貫征四郎の物語。綿貫の亡くなったはずの友人、庭の植物、動物、妖怪・・・と、あらゆるモノが登場し、読んでいると現実と非現実の境が曖昧になってくる。それぞれ植物にかかわる小さな日記のような章が、いくつもかさなって出来ている物語。この物語の中で語られる植物、とくにサルスベリ、がとても印象深く、今までほとんど興味をもたなかった家の庭で咲いているサルスベリを改めて眺めて、この物語の中のサルスベリがそのまま目の前に現れたかのような、不思議な錯覚を覚えたりした。植物に詳しい人にはイメージが沸きやすいだろうが、私のようにあまり植物を知らないものにとっては、この本で出てくる植物を改めて図鑑や植物園で調べるというのも楽しいかもしれない・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の事を何も知らずに手にした本ですが、小説の舞台が滋賀県の大津市近辺で、自分の住んでいる所の近所の事なので、興味深く読みました。同地は、現在はベッドタウン化が進み、今や見る影もありませんが、信楽や宇治の近隣で、琵琶湖や山々に囲まれた独特の雰囲気のあるところで、話を読んでいると、昔にはこんなことが本当にあったのかもしれないと、不思議なリアリティを感じました。何と言うのか、関西で言う、ほっこりとする、とてもいい小説だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時間にゆとりがある時に読んで欲しい。できれば、草木のざわめきや虫の声が聞こえる場所で。インターネットで植物を検索しつつ読んだところ、想像が膨らんで楽しかった。怪しの世界は、すぐ近くに広がっているのかもしれない。目に見えるものだけが、全てではない。感じたものは、確かにそこにある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初は犬を飼うことに前向きでなかった主人公が「犬は飼い主ににるのだ。」と自分の犬を自慢したり、 獣や妖怪、誰もが犬に一目置くこと嫉妬するのは笑える。 会話や情景描写に緩急をつけて一気に読ませるのは相変わらずで、この作者ならではのユーモアがある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
またもや、梨木さんにしか描けないであろう素敵な作品が出ましたね!現実と神秘の世界が絡み合った、ちょっと奇妙だが温かで静謐とした物語です。今を遡ること100年ほど前の話ということで、ちょこっと昔話っぽい雰囲気が漂っています。主人公は夏目漱石の物語に出てきそうな趣深い様子。登場人物には、色々な奇怪な生き物が目白押しです☆梨木さんの吟味された優美な文章で狸とか河童とか人魚とか描かれると、もう参っちゃいます!うつくしぃ~そしていつものように装丁も美しい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!