■スポンサードリンク
凶鳥の如き忌むもの
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
凶鳥の如き忌むものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刀城言耶シリーズは何作か読んだ。どれも面白いものだった。しかしこの作品は途中から興味を失った。というのは、半分以上が謎解きに費やされるのだ。それで、飽きてきて疲れてしまった。前半、それも最初の方は、このシリーズの特徴である民俗学的な要素がいろいろと語られていて面白かったのだが…。事件が起きてからの謎解きの場面、あんなにページを費やす必要があったのだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
土着信仰の凄まじさを味わえます。真相解明の部分は息を呑む思いでした。他の刀城シリーズと比べてテンポが幾分ゆっくりな気がしますが、じっくりと話を理解する事が出来たので良かったと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
土着信仰の凄まじさを味わえます。 真相解明の部分は息を呑む思いでした。 他の刀城シリーズと比べてテンポが幾分ゆっくりな気がしますが、じっくりと話を理解する事が出来たので良かったと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
十八年ぶりに鳥坏島で行われる“鳥人の儀”。 前回の儀式では、島に行った八名のうち、儀式を 行う巫女を含め、七名が行方不明となっていた。 そして今回も、巫女の朱音が、密室 状態の拝殿から、姿を消してしまい……。 〈密室からの人間消失〉がテーマの本作。 特に「第十章 人間消失の分類と方法」では、現場となった拝殿と消えた巫女を、 それぞれ「場」と「駒」に抽象化した上で、想定できる全ての可能性を検討していく 緻密な議論が行われています。 ただ、いかんせん、本作の真相自体は、結構多くの読者が、直感的に思い浮かべる ものだと思うので、それが判明した際に、若干拍子抜けに感じてしまうのが残念です (「宗教儀式」、「影禿鷲」、「消失」といったキーワードから類推できますよね)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
■「凶鳥の如き忌むもの」 十八年ぶりに鳥坏島で行われる“鳥人の儀”。 前回の儀式では、島に行った八名のうち、儀式を 行う巫女を含め、七名が行方不明となっていた。 そして今回も、巫女の朱音が、密室 状態の拝殿から、姿を消してしまい……。 〈密室からの人間消失〉がテーマの本作。 特に「第十章 人間消失の分類と方法」では、現場となった拝殿と消えた巫女を、 それぞれ「場」と「駒」に抽象化した上で、想定できる全ての可能性を検討していく 緻密な議論が行われています。 ただ、いかんせん、本作の真相自体は、結構多くの読者が、直感的に思い浮かべる ものだと思うので、それが判明した際に、若干拍子抜けに感じてしまうのが残念です (「宗教儀式」、「影禿鷲」、「消失」といったキーワードから類推できますよね)。 ■「天魔の如き跳ぶもの」 先輩の阿武隈川烏とともに“天魔”という奇妙な屋敷神 を祀っている武蔵茶郷の箕作家にやって来た刀城言耶。 そこの裏庭にある竹薮では、近所の子どもが足跡だけ を残して消えてしまう、という奇怪な事件が起きたらしい……。 刀城言耶が、学生時代に遭遇した事件。 「凶鳥の如き忌むもの」同様、《人間消失》がテーマとなっていますが、 あちらが凄惨でグロテスクなテイストだったのに対し、こちらはちょっと おバカなほんわかテイストといった感じで、決して笑いごとにはできない 事件が扱われてはいるものの、絵ヅラを想像すると、思わずププッ、と なってしまいます。 また、シリーズものとしての読みどころは、阿武隈川の強烈なキャラも さることながら、犯人に父親である名探偵・冬城牙城の名前を出され、 挑発された言耶が、普段ののほほんとした雰囲気を一変させ、真相を 導き出すというツボを押さえた描写がなされているのも見逃せません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刀城言耶シリーズの2作目となる本作。 文庫化を機に購入した1作目(「厭魅〜」)がホラーとしてかなり面白かったので期待して読んだのだが… 正直、作者が本シリーズをどうしたいのか悩んでしまう内容。 18年前に7名の行方不明者を出した奇祭、鳥人の儀。 18年ぶりに行われる祭の噂を耳にした刀城言耶が立ち会う中、 儀式を執り行う巫女が密室から姿を消してしまう… とストーリーだけ見ても1作目よりかなりミステリ寄りな設定になっている。 作中にもホラー要素は皆無と言っていいほど乏しく、 「ミステリとホラーの融合」を信じるとがっかりさせられる。 だが、ミステリとして捉えても(つまり登場人物に迫る脅威が実体的なものとしても)、 緊迫感がまるで感じられないためスリラーとして成立していないうえ、 18年前と現在の両方の失踪のタネがかなり納得しがたいためミステリとしても消化不良に感じる。 以下、ネタばれ気味----- さらに極めつけはラスト1pで、それまでのすべてを吹っ飛ばしてしまう碌でもなさ。 いやいや、それって超常的でもないし、単に推理が間違ってました、ってことですよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刀城言耶シリーズの2作目となる本作。 文庫化を機に購入した1作目(「厭魅〜」)がホラーとしてかなり面白かったので期待して読んだのだが… 正直、作者が本シリーズをどうしたいのか悩んでしまう内容。 18年前に7名の行方不明者を出した奇祭、鳥人の儀。 18年ぶりに行われる祭の噂を耳にした刀城言耶が立ち会う中、 儀式を執り行う巫女が密室から姿を消してしまう… とストーリーだけ見ても1作目よりかなりミステリ寄りな設定になっている。 作中にもホラー要素は皆無と言っていいほど乏しく、 「ミステリとホラーの融合」を信じるとがっかりさせられる。 だが、ミステリとして捉えても(つまり登場人物に迫る脅威が実体的なものとしても)、 緊迫感がまるで感じられないためスリラーとして成立していないうえ、 18年前と現在の両方の失踪のタネがかなり納得しがたいためミステリとしても消化不良に感じる。 以下、ネタばれ気味----- さらに極めつけはラスト1pで、それまでのすべてを吹っ飛ばしてしまう碌でもなさ。 いやいや、それって超常的でもないし、単に推理が間違ってました、ってことですよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先日、第5作が発売されたばかりの『如き』シリーズ。 その第2作『凶鳥の如き忌むもの』がハードカバーになって再発売。 推理作家にして名探偵・刀城元哉が、 怪鳥伝説の伝わる孤島で起きた殺人事件を 明晰な推理と民俗学的ウンチクをもとに解決します。 映像化不可能なシリーズ最大の問題作。 まだ読んだことがない方は、この機会にぜひご一読ください。 さらに本書には(さすがに気がとがめたのか) 阿武隈川先生が大活躍?する短編『天魔の如き跳ぶもの』を同時収録。 文庫で発売すればいいのに 『密室の如き〜』もハードカバーになるんじゃないの? 様々な思いが頭をよぎるけれど、買わずにいられない!! あるいは、本棚の見た目を良くしたい ―そんな方にのみおススメです☆ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先日、第5作が発売されたばかりの『如き』シリーズ。 その第2作『凶鳥の如き忌むもの』がハードカバーになって再発売。 推理作家にして名探偵・刀城元哉が、 怪鳥伝説の伝わる孤島で起きた殺人事件を 明晰な推理と民俗学的ウンチクをもとに解決します。 映像化不可能なシリーズ最大の問題作。 まだ読んだことがない方は、この機会にぜひご一読ください。 さらに本書には(さすがに気がとがめたのか) 阿武隈川先生が大活躍?する短編『天魔の如き跳ぶもの』を同時収録。 文庫で発売すればいいのに 『密室の如き〜』もハードカバーになるんじゃないの? 様々な思いが頭をよぎるけれど、買わずにいられない!! あるいは、本棚の見た目を良くしたい ―そんな方にのみおススメです☆ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
驚愕のラスト、脱出不可能な空間からの人間消失の謎が明らかになる。 で、その回答なのだが、ハゲワシによってわずか数十分で、成人女性の遺体が骨だけになるって無理がないか。エグイ話で恐縮だが、内臓の一部くらいは残るだろう。 いやこれ、あくまで小説なんですけど。 こうした疑問に応えるように「鳥葬では15分ほどで骨だけになる」との補足説明が入っているものの、それはあくまでそうなるように適切な処理を施した状態(ようするにバラバラ)での話であって、関節をはずしたくらいじゃどうなのかなあ。 これまで森博嗣の「屋敷が丸ごと回転しちゃったトリック」とか、島田荘司の「事件現場が実は日本じゃなくて海外だった」とかとんでもない「回答」には慣れていたが、さすがにこれは納得できなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリとホラーが見事に融合した 「刀城言耶」シリーズの第2作です。 2009年2月現在、第4作まで出ていますが、 一番構成がストレートな作品です。 【怪異譚を求め日本中をたずねる小説家・刀城言耶は 瀬戸内にある鳥坏島の秘儀を取材しに行く。 島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる <鳥人の儀>とは何か? 儀礼中に消える巫女!大鳥様の奇跡か? はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか? 本格ミステリーと民俗ホラーを融合させた高密度推理小説。】 ・・・そんな作品紹介が 本の裏面に記載されていますが、 本作は正に人間消失の謎オンリーで、 直球勝負をしてきます。 人間消失が起き、 その謎を刀城言耶が解く。 この作品はそれに尽きると言えます。 他の3作のように 複数の謎が提示されたりすることはなく、 人間消失の謎のみが語られていきます。 また、章ごとに描写の視点を変えるようなこともなく、 ずっと刀城言耶の視点で語られていきます。 その点では、構成がすっきりして 読みやすい作品になっています。 ホラー色は他の3作より薄いですが、 その分、ミステリ色の強い作品に 仕上がっていると言えるでしょう。 人間消失のトリックが最後に明かされますが、 衝撃度はなかなかなものです。 思う存分、驚いてみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリとホラーが見事に融合した 「刀城言耶」シリーズの第2作です。 2009年2月現在、第4作まで出ていますが、 一番構成がストレートな作品です。 【怪異譚を求め日本中をたずねる小説家・刀城言耶は 瀬戸内にある鳥坏島の秘儀を取材しに行く。 島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる <鳥人の儀>とは何か? 儀礼中に消える巫女!大鳥様の奇跡か? はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか? 本格ミステリーと民俗ホラーを融合させた高密度推理小説。】 ・・・そんな作品紹介が 本の裏面に記載されていますが、 本作は正に人間消失の謎オンリーで、 直球勝負をしてきます。 人間消失が起き、 その謎を刀城言耶が解く。 この作品はそれに尽きると言えます。 他の3作のように 複数の謎が提示されたりすることはなく、 人間消失の謎のみが語られていきます。 また、章ごとに描写の視点を変えるようなこともなく、 ずっと刀城言耶の視点で語られていきます。 その点では、構成がすっきりして 読みやすい作品になっています。 ホラー色は他の3作より薄いですが、 その分、ミステリ色の強い作品に 仕上がっていると言えるでしょう。 人間消失のトリックが最後に明かされますが、 衝撃度はなかなかなものです。 思う存分、驚いてみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
民俗学的怪奇譚と本格ミステリ味の融合を持ち味とする作者の特徴が良く出た作品。時代は戦争直後、舞台は瀬戸内の漁村。この時代設定に伝奇ロマンを活かそうとする意図が感じられる。海岸から少し離れた島に守護神社があり、そこでは代々の巫女によって秘儀が行なわれる。この秘儀が物語の中心である。 前半は鳥を絡めた島の妖異性と巫女の秘儀が語られる。特に18年前、当時の巫女が秘儀を行なった際、立会人を含めて巫女の子供を除いた全員が行方不明となる事件が聞かせ所である。生き残った子供が現在の巫女である。巫女は18年振りに秘儀を行なおうとする。怪奇譚収集家で探偵役を務める主人公は立会人となる事を請われる。前半は、民俗学や宗教、海難等に基づいた怪奇譚が中心なので、もっとオドロオドロしい描写であっても良かったのではないか。主人公の性格と共にアッサリし過ぎている感がある。もっとも、主人公は合理主義者に設定されているのだが。後半、主人公の目の前で密室状態での拝殿の中で秘儀中の巫女が消失すると言う事件が起こる。ここからは本格ミステリの路線を進む。主人公の合理主義が活きるのだが、ここでも事件の特異性、妖異性の書き込みが淡白のような気がする。 巻末の参考文献にあるように、作者が民俗学を勉強している事は明らかなのだが、その学究肌が邪魔をして、ストーリー展開や結末の理が勝ち過ぎている気がする。もっと題名にふさわしく、禍々しい怪異性に満ちた物語にした方が魅力が増したのではないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
民俗学的怪奇譚と本格ミステリ味の融合を持ち味とする作者の特徴が良く出た作品。時代は戦争直後、舞台は瀬戸内の漁村。この時代設定に伝奇ロマンを活かそうとする意図が感じられる。海岸から少し離れた島に守護神社があり、そこでは代々の巫女によって秘儀が行なわれる。この秘儀が物語の中心である。 前半は鳥を絡めた島の妖異性と巫女の秘儀が語られる。特に18年前、当時の巫女が秘儀を行なった際、立会人を含めて巫女の子供を除いた全員が行方不明となる事件が聞かせ所である。生き残った子供が現在の巫女である。巫女は18年振りに秘儀を行なおうとする。怪奇譚収集家で探偵役を務める主人公は立会人となる事を請われる。前半は、民俗学や宗教、海難等に基づいた怪奇譚が中心なので、もっとオドロオドロしい描写であっても良かったのではないか。主人公の性格と共にアッサリし過ぎている感がある。もっとも、主人公は合理主義者に設定されているのだが。後半、主人公の目の前で密室状態での拝殿の中で秘儀中の巫女が消失すると言う事件が起こる。ここからは本格ミステリの路線を進む。主人公の合理主義が活きるのだが、ここでも事件の特異性、妖異性の書き込みが淡白のような気がする。 巻末の参考文献にあるように、作者が民俗学を勉強している事は明らかなのだが、その学究肌が邪魔をして、ストーリー展開や結末の理が勝ち過ぎている気がする。もっと題名にふさわしく、禍々しい怪異性に満ちた物語にした方が魅力が増したのではないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三津田信三は、私が最も新作を望んでいる作家の一人である。彼の作品はミステリとホラーの両要素を併せ持っているが、作品によってその着地点はミステリ寄りだったりホラー寄りだったり様々である。しかし、その作品群はいずれも間違いなく一級のエンターテーメントの性格を持っている。着地点が自由であるがゆえに、読者はこの作品がいったいどこに向かって進んでいくのだろう、というリアルなスリルを体験することになり、それもまたこの作家の作品を読む大きな魅力である。逆に束縛の緩さを感じるかも事があるかもしれないが、概して再読してみると意外といえるほどいわゆる“本格ミステリのルール”を遵守していることに気付くだろう。 民間伝承の興味深い引用も巧みで、よく設計されている。「蛇棺葬」では葬儀に関わる民俗的な儀礼の引用も見事だったが、本作品では、集落の形成形態と信仰の係わりが巧妙なエッセンスとして効いている。作品中で紹介されている、例えば「共潜き(ともかずき)」のエピソードのように、語り継がれる伝承は妙に暗示的で不気味なものが多い。そのような歴史の中で刻まれた「畏れ」の有り様を用いて、作者は作中の登場人物と読者の心理に鮮やかなトリックを仕掛けてくる。それが読み手の悦楽となる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三津田信三は、私が最も新作を望んでいる作家の一人である。彼の作品はミステリとホラーの両要素を併せ持っているが、作品によってその着地点はミステリ寄りだったりホラー寄りだったり様々である。しかし、その作品群はいずれも間違いなく一級のエンターテーメントの性格を持っている。着地点が自由であるがゆえに、読者はこの作品がいったいどこに向かって進んでいくのだろう、というリアルなスリルを体験することになり、それもまたこの作家の作品を読む大きな魅力である。逆に束縛の緩さを感じるかも事があるかもしれないが、概して再読してみると意外といえるほどいわゆる“本格ミステリのルール”を遵守していることに気付くだろう。 民間伝承の興味深い引用も巧みで、よく設計されている。「蛇棺葬」では葬儀に関わる民俗的な儀礼の引用も見事だったが、本作品では、集落の形成形態と信仰の係わりが巧妙なエッセンスとして効いている。作品中で紹介されている、例えば「共潜き(ともかずき)」のエピソードのように、語り継がれる伝承は妙に暗示的で不気味なものが多い。そのような歴史の中で刻まれた「畏れ」の有り様を用いて、作者は作中の登場人物と読者の心理に鮮やかなトリックを仕掛けてくる。それが読み手の悦楽となる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!