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OUTの評価: 4.10/5点 レビュー 291件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全291件 121~140 7/15ページ
No.171:
(3pt)

黒い幻

深夜の弁当工場で働く4人の女がバラバラ殺人を犯すという話。

雅子は元銀行員で、家族を見捨てた夫と、高校を退学して口を利かなくなった息子をもち、
弥生は才色賢母だが、賭博と女遊びで貯金を使い果たした夫に暴力を振るわれ、
ヨシエは寝たきりの姑の介護と反抗期の娘の板挟みに合い、
邦子は車やブランド品で多額の借金を抱え、内縁の夫に夜逃げされる。

そんな不幸の象徴とも思えるような4人の女達の人生が描かれており、
上巻では、そういった下層社会に生きる人間の醜さや寂しさなどに焦点が当てられている。
ストーリーも全体として場当たり的な展開が多く、先が読めてしまう感が否めないが、
逆にそういった低俗さが登場人物達の人間味を際立たせている。

上巻では、この小説の魅力はまだ発揮されていないので、
下巻への布石と考えて読むことが賢明かもしれない。
黒い幻とは何なのか。
そこがこの小説の主眼であるともいえる。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
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No.170:
(4pt)

「底辺」の人のどす黒い生活がたまらなくリアル

(別に他意はありませんが)登場人物がことごとく「底辺」の方ばかり。そこでの思考や生活などがものすごくリアル。全編に漂うこの雰囲気が実にいい。殺人や死体隠匿が全くもって自然な風景として受け入れられる雰囲気(笑)。
出てくる人の誰もが善人でなく、幸せにならない。みんな「その場しのぎ」の「刹那的」な人生。登場人物の誰にも感情移入ができないという稀有の作品。このどす黒さ、う〜ん、実にいい。
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.169:
(4pt)

「底辺」の人のどす黒い生活がたまらなくリアル

(別に他意はありませんが)登場人物がことごとく「底辺」の方ばかり。そこでの思考や生活などがものすごくリアル。全編に漂うこの雰囲気が実にいい。殺人や死体隠匿が全くもって自然な風景として受け入れられる雰囲気(笑)。
出てくる人の誰もが善人でなく、幸せにならない。みんな「その場しのぎ」の「刹那的」な人生。登場人物の誰にも感情移入ができないという稀有の作品。このどす黒さ、う〜ん、実にいい。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.168:
(5pt)

再読しても凄い

最近になって読み返し、やっぱり凄い作品だと思いました。弁当工場の雰囲気や働いている女性たち、海外から来てホステスとなった女性や工場で働く男性、息苦しいほどにリアルで血が通った登場人物たちによって、迫力のあるストーリーが展開され、引き込まれます。異常な行動なのかもしれませんが、主人公の置かれた立場に深く共感もできました。描写も丁寧で、著者の気合いのようなものが伝わってきます。桐野さんのその後の作品も読んでいますが、やっぱりこれがダントツでナンバーワンです。
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.167:
(5pt)

再読しても凄い

最近になって読み返し、やっぱり凄い作品だと思いました。弁当工場の雰囲気や働いている女性たち、海外から来てホステスとなった女性や工場で働く男性、息苦しいほどにリアルで血が通った登場人物たちによって、迫力のあるストーリーが展開され、引き込まれます。異常な行動なのかもしれませんが、主人公の置かれた立場に深く共感もできました。描写も丁寧で、著者の気合いのようなものが伝わってきます。桐野さんのその後の作品も読んでいますが、やっぱりこれがダントツでナンバーワンです。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.166:
(5pt)

フジテレビのやってたドラマ版はクソつまらなかったなぁ…

大抵の男性作家が尻尾巻いて逃げ出す大人の為のブラックメルヘンですね。実際に読んだのは十年くらい前ですがこれ以降何を読んでも生温く感じてしまいました。そういう意味では非常に罪深い作品でもあります。
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
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No.165:
(5pt)

フジテレビのやってたドラマ版はクソつまらなかったなぁ…

大抵の男性作家が尻尾巻いて逃げ出す大人の為のブラックメルヘンですね。
実際に読んだのは十年くらい前ですがこれ以降何を読んでも生温く感じてしまいました。そういう意味では非常に罪深い作品でもあります。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
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No.164:
(5pt)

今更書く必然もないけど

多くの方がレビューされていますので、今更書いてもどうかと思いますが・・・
「フィクション」として読めば最高です。細かいところを「なんで?」って考えてしまうと
楽しさ半減ですね。
作り話なんで「そういう世界」って思えばいい とは、村上春樹氏の言葉です。
少なくとも、我々には体験するはずもない事象を、著者なりの解釈で書き上げた筆致は
「興奮した」というほかないと思っています。
この作品に憑りつかれて、桐野氏の最近の作品が「納得いかない」「物足りない」という方が
多くいるのを考えれば、この作品の面白さが伝わるのかもしれませんね。
「心の醜い部分を書ききる」という、桐野氏のテーゼの元になった作品だと自分は思っています。
それが故に、ミステリーを離れても、同じテーゼの桐野氏なので「魂萌え!」「東京島」「IN」なども大好きです。
ミステリーを読む方で、この「OUT」を読んだことのない方は、一度読んでみる事をお薦めします。
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.163:
(5pt)

今更書く必然もないけど

多くの方がレビューされていますので、今更書いてもどうかと思いますが・・・
「フィクション」として読めば最高です。細かいところを「なんで?」って考えてしまうと
楽しさ半減ですね。
作り話なんで「そういう世界」って思えばいい とは、村上春樹氏の言葉です。
少なくとも、我々には体験するはずもない事象を、著者なりの解釈で書き上げた筆致は
「興奮した」というほかないと思っています。

この作品に憑りつかれて、桐野氏の最近の作品が「納得いかない」「物足りない」という方が
多くいるのを考えれば、この作品の面白さが伝わるのかもしれませんね。

「心の醜い部分を書ききる」という、桐野氏のテーゼの元になった作品だと自分は思っています。
それが故に、ミステリーを離れても、同じテーゼの桐野氏なので「魂萌え!」「東京島」「IN」なども大好きです。

ミステリーを読む方で、この「OUT」を読んだことのない方は、一度読んでみる事をお薦めします。
OUT(下)-日本推理作家協会賞受賞作全集(90) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(下)-日本推理作家協会賞受賞作全集(90) (双葉文庫)より
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No.162:
(3pt)

一気に読みました

次々に展開されるストーリーに引き込まれて一気に読めます。
3人称の叙述がそれぞれの登場人物の視点から交互に展開されるのは、数人の手記の形をとる「グロテスク」に繋がるものがあります。
人物の造形、描写、プロットの構成、全てが素晴らしく、物語の世界に読者を引き込んで放しません。話が進むにつれて次第に主人公の心の奥底の世界が深く展開され心理小説の様相を呈してきます。あくまでも心の深部にフォーカスしていく進行は素晴らしいです。ただそのぶんラストの話の展開のリアリティーが弱くなっているのが残念でした。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
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No.161:
(3pt)

一気に読みました

次々に展開されるストーリーに引き込まれて一気に読めます。
3人称の叙述がそれぞれの登場人物の視点から交互に展開されるのは、数人の手記の形をとる「グロテスク」に繋がるものがあります。
人物の造形、描写、プロットの構成、全てが素晴らしく、物語の世界に読者を引き込んで放しません。話が進むにつれて次第に主人公の心の奥底の世界が深く展開され心理小説の様相を呈してきます。あくまでも心の深部にフォーカスしていく進行は素晴らしいです。ただそのぶんラストの話の展開のリアリティーが弱くなっているのが残念でした。
OUT(アウト)Amazon書評・レビュー:OUT(アウト)より
4062085526
No.160:
(4pt)

上巻のみの感想〜人間心理の闇を抉った快作

「本格ミステリの枠は窮屈で」と中間小説に転向した作家の作品には見るべきものがない、と言う私見を覆した秀作。冒頭に、夜勤の弁当作りのパートに嫌々携わる主婦達の姿を持ってきた事で、「これは倦んだ主婦達の物語」と宣言する堂々とした構成。事件に係る主婦4人の性格設定も良く考えてある。全員、家族や自分の見得のため、生活に困窮しているのはご都合主義かとも思ったが、そうではなく、社会の<OUT>で生きる人達を対象とした物語なのだ。
殺人を犯したお嬢様キャラ弥生より、死体の始末を"仕事"と捉えて引き受け、淡々とこなす主人公役の雅子は底抜けに不気味でクール。殺人後、その弥生の精神が鈍磨して行く様も、また不気味。私はまだ下巻を読んでいないが、お邪魔キャラ邦子はいずれ殺されるのであろう。"師匠"ヨシエは寝たきりの老姑を看ているが、作者は介護問題を語ろうとはしない。あくまで、人間の心の奥に潜む悪意・不可解さを描こうとしているのだ。私は新聞の記事で、作者が家に篭りっきりで執筆していると聞いたが、弁当工場の描写や死体解体の場面、特に人体を解体するとポリ袋幾つになるとかの描写などは取材や調査が行き届いていると感心した。全体として、あり得ない設定なのだが、場面毎の状況設定や心理描写が巧みで、読者を物語に惹き付ける筆力にも感心した。女性の男・人生に対する鬱陶しい感も良く出ているが、返す刀で女性心理の闇も氷の刃で刻んでいる点にも好感が持てる。主婦4人が"連帯感"ではなく"壁"を持っている点にも着目すべきであろう。
犯罪捜査の過程のサスペンスで読者を惹き付けるタイプの小説ではないので、結末がどう転んでも良いようなものだが、やはり展開は気になる。下巻を楽しみにしたい。下巻のキーは佐竹の復讐譚と宮森の純愛、そして猫か。
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.159:
(4pt)

上巻のみの感想〜人間心理の闇を抉った快作

「本格ミステリの枠は窮屈で」と中間小説に転向した作家の作品には見るべきものがない、と言う私見を覆した秀作。冒頭に、夜勤の弁当作りのパートに嫌々携わる主婦達の姿を持ってきた事で、「これは倦んだ主婦達の物語」と宣言する堂々とした構成。事件に係る主婦4人の性格設定も良く考えてある。全員、家族や自分の見得のため、生活に困窮しているのはご都合主義かとも思ったが、そうではなく、社会の&lt;OUT>で生きる人達を対象とした物語なのだ。

殺人を犯したお嬢様キャラ弥生より、死体の始末を"仕事"と捉えて引き受け、淡々とこなす主人公役の雅子は底抜けに不気味でクール。殺人後、その弥生の精神が鈍磨して行く様も、また不気味。私はまだ下巻を読んでいないが、お邪魔キャラ邦子はいずれ殺されるのであろう。"師匠"ヨシエは寝たきりの老姑を看ているが、作者は介護問題を語ろうとはしない。あくまで、人間の心の奥に潜む悪意・不可解さを描こうとしているのだ。私は新聞の記事で、作者が家に篭りっきりで執筆していると聞いたが、弁当工場の描写や死体解体の場面、特に人体を解体するとポリ袋幾つになるとかの描写などは取材や調査が行き届いていると感心した。全体として、あり得ない設定なのだが、場面毎の状況設定や心理描写が巧みで、読者を物語に惹き付ける筆力にも感心した。女性の男・人生に対する鬱陶しい感も良く出ているが、返す刀で女性心理の闇も氷の刃で刻んでいる点にも好感が持てる。主婦4人が"連帯感"ではなく"壁"を持っている点にも着目すべきであろう。

犯罪捜査の過程のサスペンスで読者を惹き付けるタイプの小説ではないので、結末がどう転んでも良いようなものだが、やはり展開は気になる。下巻を楽しみにしたい。下巻のキーは佐竹の復讐譚と宮森の純愛、そして猫か。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.158:
(4pt)

閉ざされた自由

普通の主婦が抱える深い闇が、これでもかこれでもかと読者を襲ってくる。
介護、借金、夫のギャンブル、不倫、どこにでも転がっている現実が、不幸にも4人の主婦にぴったり重なったために、彼女らはありえない残虐な行為に手を染めていく。
犯行が警察に知れるとかいったサスペンスとは違うところで、恐ろしい敵が彼女たちを苦しめ、破滅へと導いていく。
何が起こるかわからない展開に、あっという間に読めてしまう。
桐野氏の一番桐野氏らしい作品であろう。
OUT(アウト)Amazon書評・レビュー:OUT(アウト)より
4062085526
No.157:
(2pt)

読後に残る猛烈なメランコリー

凡庸な主婦が夫を殺し、それを知ったパート仲間達が彼女に協力して、その死体を損壊し遺棄する。しかし、不幸にも、これによってとばっちりを食らったとあるサディストの男の私憤で、彼女達は命を狙われる羽目に…。流石は桐野夏生だけあって、はりつめた空気を醸し出す乾いた文章には唸らされる。修羅場や猟奇の描写には二の句が継げない。だが、洗練されたセンテンスはともかく、肝腎の作品の内容自体には大いに首を傾げてしまう。強烈な違和感を禁じ得ないのだ。 単なる職場の友達同士という関係だけで、それも女性達が、死体をバラバラに切断するなどという、男でも戦慄く様な凶行にスムーズに及べるものだろうか?なぜ、四人もいて、自首や退職に走る者が一人もいなかったのか?浴室で人体を解体してクレンザーくらいで汚臭を隠蔽できるものなのか?疑問を並べ出せばきりがない。極めつけは主婦達の豹変ぶりである。如才なく仕事を成し遂げると、これに慣れて死体解体のバイトまで開始するときたものだ。パズラーならともかく、これはあくまで犯罪心理を題材とした社会派であり、最低限のリアリティが求められる筈なのに、こうした突拍子もない展開は、全く以て理解に苦しむというより他にない。 狂気や野性的欲求といった普段は秘匿されている人間の本性を見せつけてくれたことについては、このクライムノベルは極めて評価に値するだろう。だが、それを踏まえた上でも、私はどうしても最後まで溜飲が下がらなかった。
OUT(アウト)Amazon書評・レビュー:OUT(アウト)より
4062085526
No.156:
(5pt)

不幸な人は読まない方が良い、精神を痛めつける

自分の不幸を隠している人には、この本は毒だ。家庭の崩壊や、ストレス、閉塞感で、飲酒や買い物や、セックスで自分を傷つけ、何とか均衡を保っている人には、この本はキツイ。読後、自分が隠蔽していたことが全てさらけ出されたような敗北感にとらわれ、悪影響があると思う。幸せな人には、この本の持つ毒は及ばないだろうから、不幸と幸せを試すリトマス試験紙のような本かも。
OUT(アウト)Amazon書評・レビュー:OUT(アウト)より
4062085526
No.155:
(4pt)

妻に殺されない為に男性は必読w

年収200万以下のパートのおばちゃんが、
金ピカのロレックスをひけらかし、
ベンツ乗り回すヤクザを退治してしまう痛快なノワール。
魅力的なおばちゃんや婆さん描かしたら、
桐野夏生 は世界一ですな。
沈着冷静冷酷非情のヒロインの雅子様(43歳)に燃え萌えですぅ!
雅子様って、ネーミングやばくないか?w
さりげなく南京大虐殺批判もしているので、
将来発禁になると思うので、すぐ読めww
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.154:
(4pt)

妻に殺されない為に男性は必読w

年収200万以下のパートのおばちゃんが、
金ピカのロレックスをひけらかし、
ベンツ乗り回すヤクザを退治してしまう痛快なノワール。
魅力的なおばちゃんや婆さん描かしたら、
桐野夏生 は世界一ですな。
沈着冷静冷酷非情のヒロインの雅子様(43歳)に燃え萌えですぅ!
雅子様って、ネーミングやばくないか?w
さりげなく南京大虐殺批判もしているので、
将来発禁になると思うので、すぐ読めww
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
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No.153:
(5pt)

弁当工場、殺人、死体解体、ヤクザなどが盛りだくさんで怖い話だが、超お勧め

刺激が強すぎて、途中から読むのが怖くなるほどだった。雅子からの仕事を引き受けたヨシエ(師匠)と同じ気分で、やるべきか、やっぱり止めようか、(怖いけど読みたいし)読者の気持ちも揺れ動き、やがて、次の仕事もやらせてくれとヨシエが言う頃には、読者も耐性がついて何でも来いと思うのだが、それを上回る恐怖が途中で用意されている。この恐怖感には嘔吐感が伴う。
弁当工場に勤務する外国人労働者の過酷な生活をテレビで見たことがあったが、この「OUT」を読めばかなり詳細なことまで分かる。読者は主人公の雅子や、チームを組んでいるヨシエ、邦子、弥生たちの生活苦と、それぞれに崩壊している家庭を垣間見る。どうしようもない閉塞感の中で、雅子は弥生の窮状を助ける。助けた理由は、この生活からの脱出につながると直感が働いたからかもしれない。目次では最終章の第7章が「出口」である。OUTの意味はそれである。
素晴らしいエンターテイメントだ。人の心、工場や浴室などの描写は映像が頭に浮かんでくる。心から一読をお勧めする。
OUT 上  講談社文庫 き 32-3Amazon書評・レビュー:OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.152:
(5pt)

弁当工場、殺人、死体解体、ヤクザなどが盛りだくさんで怖い話だが、超お勧め

刺激が強すぎて、途中から読むのが怖くなるほどだった。雅子からの仕事を引き受けたヨシエ(師匠)と同じ気分で、やるべきか、やっぱり止めようか、(怖いけど読みたいし)読者の気持ちも揺れ動き、やがて、次の仕事もやらせてくれとヨシエが言う頃には、読者も耐性がついて何でも来いと思うのだが、それを上回る恐怖が途中で用意されている。この恐怖感には嘔吐感が伴う。

弁当工場に勤務する外国人労働者の過酷な生活をテレビで見たことがあったが、この「OUT」を読めばかなり詳細なことまで分かる。読者は主人公の雅子や、チームを組んでいるヨシエ、邦子、弥生たちの生活苦と、それぞれに崩壊している家庭を垣間見る。どうしようもない閉塞感の中で、雅子は弥生の窮状を助ける。助けた理由は、この生活からの脱出につながると直感が働いたからかもしれない。目次では最終章の第7章が「出口」である。OUTの意味はそれである。

素晴らしいエンターテイメントだ。人の心、工場や浴室などの描写は映像が頭に浮かんでくる。心から一読をお勧めする。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
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