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OUT
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【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全291件 181~200 10/15ページ
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描かれている人間の描写がすごい、の一言。「これはミステリーだ」とか「これはサスペンスだ」という括りで語れない。人間の本質を表す道具として筆者は文字を使い、出来上がったのがこの作品であったのだと思う。奇抜なトリックを使わずとも、充分にミステリーであってサスペンスに溢れる作品。 負の力で引き寄せられてしまう怖さ。それが自分の欲望、しかも具体的でない欲望によるもので引き寄せられ、戻れなくなる。誰もが負の部分を持っていて、普段折り合いをつけて生きている。事実、登場人物である4人のパート主婦たちも、モヤモヤした欲望と現実の間で生きてきたにも関わらず、突如崩れていく。その描き方にとても説得力がある。 | ||||
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わたしは普段こんなに通俗的な作品は読まない。だから綿密な取材に裏打ちされたリアリティーにまず引き込まれ尊敬の念を抱いた。このリアリティーはヒロインと佐竹との相互関係に置いて破綻していると見る方もおられるだろうが、わたしはまったくそれを認めなかった。小説には必要不可欠なロマンへの出口であり、題名に込められた重要なテーマが必然的に約束する動力の源であると思える。 その意味でこの作品は構造的な破綻がどこにもない見事なできばえだと心から賛辞を送りたい。この小説は遠い未来にかけて末永く読み継がれていくことだろう。思想とは最も遠いところにあると考えられる残酷な日常の中に崇高な哲学が確かに存在することを見事な文章力で彫塑した日本文学の誇りとなる作品にいつまでも鳴り止まぬ拍手を送りたい。特に作中の暗喩の構成力は芸術そのものであった。 | ||||
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ドラマ化されたこの作品。ドラマは暗そうだったので見ませんでした。 原作は本当に面白い! 最近でた「リアルワールド」とおなじく、4人の女の人が出てきます。 それぞれ抱えている物はちがうけど、けど「それぞれの抱えている事情」というところで、共通する部分。 ストーリーだけで読むだけでもハラハラわくわく!ですが、 それぞれの心情が描かれているので、その人たちの心情をあてはめながら読むのも深い味わいを感じます。 事件だけのお話じゃないのが、とってもいいです。 最後はちょっぴり切なくなってしまいました。 雅子派なのかな?! | ||||
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ドラマ化されたこの作品。ドラマは暗そうだったので見ませんでした。 原作は本当に面白い! 最近でた「リアルワールド」とおなじく、4人の女の人が出てきます。 それぞれ抱えている物はちがうけど、けど「それぞれの抱えている事情」というところで、共通する部分。 ストーリーだけで読むだけでもハラハラわくわく!ですが、 それぞれの心情が描かれているので、その人たちの心情をあてはめながら読むのも深い味わいを感じます。 事件だけのお話じゃないのが、とってもいいです。 最後はちょっぴり切なくなってしまいました。 雅子派なのかな?! | ||||
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何でこの作品が直木賞を取れなかったのか、謎である。 重度のノワール。経済的にも社会的にも精神的にも外れてしまった女性たちが深夜の弁当工場で働く。仲間のひとりが夫を殺してしまう。それを手伝う主婦達。 自分がしたことの動機の解明。行き交い、交錯する登場人物たち。誰が味方であり、誰が敵かもわからない。展開はサスペンスあふれるものになっていて、ページをめくる手がとまらない。 人物たちがリアルで怖い。十万で人をばらばらにしちゃうんだけど、そこにいたるまでの描写がやたらリアルで、すごすぎます、この作品。 | ||||
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何でこの作品が直木賞を取れなかったのか、謎である。 重度のノワール。経済的にも社会的にも精神的にも外れてしまった女性たちが深夜の弁当工場で働く。仲間のひとりが夫を殺してしまう。それを手伝う主婦達。 自分がしたことの動機の解明。行き交い、交錯する登場人物たち。誰が味方であり、誰が敵かもわからない。展開はサスペンスあふれるものになっていて、ページをめくる手がとまらない。 人物たちがリアルで怖い。十万で人をばらばらにしちゃうんだけど、そこにいたるまでの描写がやたらリアルで、すごすぎます、この作品。 | ||||
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犯罪に手を染めることで、とめどなく転げ落ちてゆく人々を描いた作品である。 上下巻に及ぶ長編小説であって登場人物も多いが、それぞれ深い人物造詣ではっきりとした個性に色づけされている。 中盤までは物語りは、本筋と枝葉が並列で進行されるが、終盤にそれらがすべて線で結ばれるような絶妙な構成である。 最後の一線を越えることで、死に対して鈍化してゆく感性と、むき出しになる自己保全への執着心が、理性を欠いた人間の本質的な陰の部分を突いており、単にミステリ小説としての粋を超えている。 以降、著者は犯罪者の中に人の本質を探るような作品をつづけて発表しているが、この作品はそのさきがけであり、より独自色の強い作品の執筆活動への転機となった作品である。 | ||||
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犯罪に手を染めることで、とめどなく転げ落ちてゆく人々を描いた作品である。 上下巻に及ぶ長編小説であって登場人物も多いが、それぞれ深い人物造詣ではっきりとした個性に色づけされている。 中盤までは物語りは、本筋と枝葉が並列で進行されるが、終盤にそれらがすべて線で結ばれるような絶妙な構成である。 最後の一線を越えることで、死に対して鈍化してゆく感性と、むき出しになる自己保全への執着心が、理性を欠いた人間の本質的な陰の部分を突いており、単にミステリ小説としての粋を超えている。 以降、著者は犯罪者の中に人の本質を探るような作品をつづけて発表しているが、この作品はそのさきがけであり、より独自色の強い作品の執筆活動への転機となった作品である。 | ||||
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自信を持っておすすめします!「社会派」ミステリーにありがちな、薄っぺらい人物描写・軽薄な社会批評など、全くありません。本書の面白さは解説。評論などで言われているような日本社会に対する批評性ではありません。そうではなく、単純な娯楽性の高さにあるのだと思います。では、その娯楽性はどこから来るのか。リアリティーの高さ、とくに人物描写のすばらしさにあると思います。登場人物・場面設定など、すべて身の回りにいる、ないし私自身が当てはまるような錯覚すら覚えます。以前は金融機関に勤めていたのにあえて条件の悪い弁当工場の夜勤をする者寝たきりの母と娘の世話に疲れきって、自分は年だから他にもっといい仕事があるわけはない、とあきらめている者ローン地獄にはまっているのに全く無自覚な者世界と夫は自分のために尽くしてくれると勘違いしている者また、そんな妻の面倒を見ることもできない者金貸し・ホステス・出稼ぎの男・・・あえて言うなら、倒錯した性癖の佐竹だけが、現実に存在しがたいキャラクターでしょうか。ただ、その佐竹が現実に舞い降りてきたらどうなるのか?現実をちょっとずらすと、こんなに面白い世界になる。小説の醍醐味が味わえる作品です。☆5つ | ||||
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自信を持っておすすめします! 「社会派」ミステリーにありがちな、薄っぺらい人物描写・軽薄な社会批評など、全くありません。 本書の面白さは解説。評論などで言われているような日本社会に対する批評性ではありません。 そうではなく、単純な娯楽性の高さにあるのだと思います。 では、その娯楽性はどこから来るのか。 リアリティーの高さ、とくに人物描写のすばらしさにあると思います。 登場人物・場面設定など、すべて身の回りにいる、ないし私自身が当てはまるような錯覚すら覚えます。 以前は金融機関に勤めていたのにあえて条件の悪い弁当工場の夜勤をする者 寝たきりの母と娘の世話に疲れきって、自分は年だから他にもっといい仕事があるわけはない、とあきらめている者 ローン地獄にはまっているのに全く無自覚な者 世界と夫は自分のために尽くしてくれると勘違いしている者 また、そんな妻の面倒を見ることもできない者 金貸し・ホステス・出稼ぎの男・・・ あえて言うなら、倒錯した性癖の佐竹だけが、現実に存在しがたいキャラクターでしょうか。 ただ、その佐竹が現実に舞い降りてきたらどうなるのか? 現実をちょっとずらすと、こんなに面白い世界になる。小説の醍醐味が味わえる作品です。 ☆5つ | ||||
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桐野夏生の人間に対する洞察力に圧倒されました。サスペンスとして引き込まれる作品でありながら、登場人物の絶妙な設定!中流家庭だと思い込んで生きる私たち日本人のリアルな姿が描かれています!英語版も出たと聞いていますが、きっと日本映画をみるより、outを読むことが現代の日本を知ることができるtoolであると思う。 | ||||
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桐野夏生の人間に対する洞察力に圧倒されました。サスペンスとして引き込まれる作品でありながら、登場人物の絶妙な設定!中流家庭だと思い込んで生きる私たち日本人のリアルな姿が描かれています! 英語版も出たと聞いていますが、きっと日本映画をみるより、outを読むことが現代の日本を知ることができるtoolであると思う。 | ||||
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家族から孤立した雅子、一人で寝たきり老人と中学生の娘の面倒を見るヨシエ、夫から暴力を受ける弥生、内縁の夫に逃げられ借金が雪だるま式にふえる邦子。行き場を失った4人の中年女性が、弥生の犯した殺人事件から、あらぬ方向に転がり始める。 今の自分は最悪な状態ではない、でもこれ以上良くなる事などありえない。その閉塞感からか、雅子はこの世界からの出口(OUT)を無意識に探し、危険な選択を行う。 この物語は、実際に桐野さんと出版社との間で関係が拗れ、まだ新人だった桐野さんが行き場を失ったときに書かれた。だから次から次えと危ない選択をしていく雅子は、桐野さん自身で、その時の心情を雅子に映したと思う。 追い込まれた、先のない人間を著した秀作だと思う。 | ||||
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家族から孤立した雅子、一人で寝たきり老人と中学生の娘の面倒を見るヨシエ、夫から暴力を受ける弥生、内縁の夫に逃げられ借金が雪だるま式にふえる邦子。行き場を失った4人の中年女性が、弥生の犯した殺人事件から、あらぬ方向に転がり始める。今の自分は最悪な状態ではない、でもこれ以上良くなる事などありえない。その閉塞感からか、雅子はこの世界からの出口(OUT)を無意識に探し、危険な選択を行う。この物語は、実際に桐野さんと出版社との間で関係が拗れ、まだ新人だった桐野さんが行き場を失ったときに書かれた。だから次から次えと危ない選択をしていく雅子は、桐野さん自身で、その時の心情を雅子に映したと思う。追い込まれた、先のない人間を著した秀作だと思う。 | ||||
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ドラマを見て読んだので、筋が分かっていたけど楽しめました。ドラマよりも救いがないけど、ドラマの何倍も濃いです。色んな意味で。この小説の面白さは、女性のドロドロした部分の生々しい描写にあると思う。それに尽きるといっても良いくらい。主人公をかなり持ち上げて描いてあるので、それが鼻につくんですけどね。彼女に自分を重ね合わせられる人には気持ちいい話ですね。身近な舞台設定の、斜に構えたハーレクインロマンスSM風味ってところでしょうか。しかし読んでる時は面白いものの、読み終わってから「オイオイこれでいいのか?」というか、「そりゃないだろう」って気分になりました。なので、映画を見た時「うわ~気分良い!」って感動しました。小説のテーマから何から全部逆手にとって真逆の話になってたから。小説のテーマは「女の敵は女」映画のテーマは「女の友情」ってところかな。(小説の話からそれちゃって失礼(^^;)とにかく、好き嫌いがはっきり分かれる話だと思います。 | ||||
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ドラマを見て読んだので、筋が分かっていたけど楽しめました。 ドラマよりも救いがないけど、ドラマの何倍も濃いです。色んな意味で。 この小説の面白さは、女性のドロドロした部分の生々しい描写にあると思う。 それに尽きるといっても良いくらい。 主人公をかなり持ち上げて描いてあるので、それが鼻につくんですけどね。 彼女に自分を重ね合わせられる人には気持ちいい話ですね。 身近な舞台設定の、斜に構えたハーレクインロマンスSM風味ってところでしょうか。 しかし読んでる時は面白いものの、読み終わってから「オイオイこれでいいのか?」というか、「そりゃないだろう」って気分になりました。 なので、映画を見た時「うわ~気分良い!」って感動しました。 小説のテーマから何から全部逆手にとって真逆の話になってたから。 小説のテーマは「女の敵は女」映画のテーマは「女の友情」ってところかな。 (小説の話からそれちゃって失礼(^^;) とにかく、好き嫌いがはっきり分かれる話だと思います。 | ||||
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イメージを固定して自分の中に収めるのは楽なことだ。それに疑問を感じないならば・・・。桐野作品が臨場感に溢れていると私が感じるのは主人公の主観だけでなく、他の登場人物の視線からも綿密に語られているから。多面体のガラスでできた立方体をそれぞれの面から覗き込んでいるようで目を逸らすことができなくなる。その他大勢として括られる「主婦」という代名詞。軽んじられているイメージに打撃を与えたのは爽快にも感じる。家族の中にあって孤高である。ふとした時に思い知らされる現実。結末はここまでしなければならないのか?とも感じたが、「佐竹」の存在の意味をまだ私は本質まで理解できていないのかと今も思いに囚われることがある。 | ||||
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自分の主人を殺害してしまった主婦と、その犯罪が世間に知れないよう協力するパート仲間の主婦たち。その目的はさまざまなれど、登場人物たちの個性・人柄に一分の隙も無く、情景の描写も恐ろしいほどパーフェクトです。死体をのこぎりで切断する場面なんて、自分では到底想像できないが、不思議と頭の中にその様子を思い浮かべることができてしまい、「人を殺すのって案外簡単かも」と恐ろしいことを考えてしまいました。決して真似してはいけませんっ! | ||||
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イメージを固定して自分の中に収めるのは楽なことだ。それに疑問を感じないならば・・・。 桐野作品が臨場感に溢れていると私が感じるのは主人公の主観だけでなく、他の登場人物の視線からも綿密に語られているから。 多面体のガラスでできた立方体をそれぞれの面から覗き込んでいるようで目を逸らすことができなくなる。 その他大勢として括られる「主婦」という代名詞。軽んじられているイメージに打撃を与えたのは爽快にも感じる。 家族の中にあって孤高である。ふとした時に思い知らされる現実。 結末はここまでしなければならないのか?とも感じたが、「佐竹」の存在の意味をまだ私は本質まで理解できていないのかと今も思いに囚われることがある。 | ||||
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自分の主人を殺害してしまった主婦と、その犯罪が世間に知れないよう協力するパート仲間の主婦たち。その目的はさまざまなれど、登場人物たちの個性・人柄に一分の隙も無く、情景の描写も恐ろしいほどパーフェクトです。 死体をのこぎりで切断する場面なんて、自分では到底想像できないが、不思議と頭の中にその様子を思い浮かべることができてしまい、「人を殺すのって案外簡単かも」と恐ろしいことを考えてしまいました。 決して真似してはいけませんっ! | ||||
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