■スポンサードリンク
濡れた心
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
濡れた心の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
遥か昔、文庫で読んだ時には、その時代の自分の感受性に訴えかけるものがありましたので何度か読み返しましたが、いつの頃からか全く読まなくなってしまい、三十数年ぶりにkindle化されたのを期に読み返してみました。歳くった分、当時私への訴求力は無くなってましたが、懐かしく読まさせてはいただきました。ミステリーとしては凡庸ではありますが、元々、そういう読み方をする作品ではありませんね。普通小説でもよかったかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩賞受賞作品。最初から最後までとても興味深い内容です。多少日焼けしていましたが、中古の割には表紙各ページともにきれいでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
思春期の少女の恋愛の葛藤を巧妙な叙述技巧で描き、読者に驚くべき罠を仕掛けた心理ミステリ、乱歩賞作品屈指の傑作「濡れた心」(1958年) 出島を舞台にした巧妙なフーダニットにして、鎖国と身分制という究極の閉塞状況から脱出する主人公を描いた爽快な時代青春小説の名作「異郷の帆」(1961年) 多岐川恭を代表する必読の二大長編を収録。 他にも風変わりで知的な犯罪小説『氷柱』(1958年)、フランスミステリ風にエレガントで残酷な味わいの『お茶とプール』(1961年)、異様な犯人当て小説『変人島風物誌』(1961年)など傑作揃いの多岐川恭作品は更に再評価されるべきだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩賞は、第1回と第2回が推理小説界の顕彰的なものだったので、公募となってからは第3回が初めてです。 その実質上「第1回・江戸川乱歩賞受賞作品」が、仁木悦子氏の「猫は知っていた」 ……作者と同姓同名のヒロイン・悦子が、兄の雄太郎と共に、下宿先の病院で発生する奇怪な連続殺人事件に挑むライト・ミステリー。 後の赤川次郎作品にも通じるテイストの物語ですが、あえて「秘密の抜け穴」を舞台にするというミステリー・タブーを打ち破ったニヤリとさせられるストーリー展開や、あっと驚く機械トリック(ちょっと可能性に頼り過ぎかな?)も楽しめます。 余談ながら、作者の仁木悦子さんは身体が不自由だった為、ご自分の人生では決して実現出来なかった「飛び跳ねて・走り回る」という健常者からすれば「当たり前の幸せ」を、作中のヒロイン・悦子に投影していたのかな……と考えながら読むと、奥深いものがあります。 「濡れた心」は、同年に引きこもり男性の鬱状態の心理を描いた「落ちる」で直木賞も受賞した(Wの快挙!)多岐川恭氏による青春ミステリー。 福岡県北九州市の女子高校を舞台に、美しくも儚い少女たちの愛と嫉妬が、悲しい殺人事件を生みます。登場人物全員が日記を書いている(そんな馬鹿な)という無理や、トリックがアンフェア過ぎるなどの問題点もありますが、いち文学作品としてはかなりの名作。 その為か、審査委員達が受賞作を出すことに難色を示したとか(苦笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者と同じ名前な上に、主人公の兄の名前が偶然にも息子の名前。 何だか、運命的な物を感じる作品です。「猫は知っていた」の方です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第4回 江戸川乱歩賞受賞作品。 女子高生 御厨典子に魅せられた、南方寿利は、愛を告白し相思相愛の仲となるのだが、典子は英語教師 野末兆介の執拗な誘惑に抗うことができない。母賎子、寿利、典子に想いを寄せる盾陸一、典子の親友小村トシが、彼女を護ろうと奔走するなか、野末の射殺死体が発見される。 ・・・ 乱歩賞選者のコメントにあるように、推理小説としてはいまいち。が、典子を中心に、男女問わず愛の虜になっていく様が、日記という形態をとって、実に巧みに描かれている。当時としては、女性の同性愛を男性作家が題材として扱っている点が、画期的だったのだろうとは思う。純愛と情欲のはざまでゆれる典子の心情が印象的。結果、典子に想いをよせる男女が、破滅的な行動にでるようになるんだが、ドロドロした、嫌な感じはしない。 文学よりの作品としてみた方がいいんだろうなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
■猫は知っていた 仁木雄太郎・悦子兄妹の下宿先 箱崎医院で、当主 兼彦の義母の扼殺死体が発見される。犯人と目された入院患者 平坂は、病人から忽然と行方くらましたまま。雄太郎と悦子は、持ち前の推理と行動力で、真相を究明しようとするが、第2の殺人事件が発生し ・・・ 個人的に好みの昭和の良き本格探偵小説。殺人事件を扱っているものの、悲惨さを感じさせないので、乱歩が、日本のクリスティと評したのも頷ける。トリックの道具立てはさすがに古いんだけれど、探偵(たち)が、思考錯誤しながら、論理的に犯人を追いつめていく様が面白い。伏線も気がきいていると思う。が、さすがにデビュー作だけあって、ミスリードの仕方がいまいち。登場人物とそのサイドストーリーが過剰にしか見えなかったりして。そのへんの粗さを含めて、十分に楽しめた。 ■濡れた心 女子高生 御厨典子に魅せられた、南方寿利は、愛を告白し相思相愛の仲となるのだが、典子は英語教師 野末兆介の執拗な誘惑に抗うことができない。 母賎子、寿利、典子に想いを寄せる盾陸一、典子の親友小村トシが、彼女を護ろうと奔走するなか、野末の射殺死体が発見される。 ・・・ 乱歩賞選者のコメントにあるように、推理小説としてはいまいち。が、典子を中心に、男女問わず愛の虜になっていく様が、日記という形態をとって、実に巧みに描かれている。当時としては、女性の同性愛を男性作家が題材として扱っている点が、画期的だったのだろうとは思う。純愛と情欲のはざまでゆれる典子の心情が印象的。結果、典子に想いをよせる男女が、破滅的な行動にでるようになるんだが、ドロドロした、嫌な感じはしない。 文学よりの作品としてみた方がよいだろうなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第四回江戸川乱歩賞受賞作。 女子高生の同性愛をテーマとした異色作です。 異色なのはテーマだけにとどまらない。 全編を通して、登場人物たちの日記と、刑事の手記だけで物語を進めるという構成。 登場人物が全員日記を書いてるなんて、昔の人はそんなに日記が好きだったのかと思ってしまった。 凝った構成だが、会話の羅列が続くなど、日記としてはいささか不自然。 銃の扱いにも疑問を感じた。 初めて銃を撃った人が、離れた場所から一発で被害者に命中させるなんて事は、まず不可能です。 刑事の銃や弾丸の管理も杜撰すぎます。 寄り添って立っている二人の人物に発砲し、片方を射殺するなんて事もしません。 普通は誤射を恐れて発砲をためらいます。 この作品は、あえて推理小説にする必要も無かったのではないかとも思います。 女子高生の同性愛というだけでも、それなりに読める物語になったのではないでしょうか。 ただ、こんな話を、いい年したおっさんがどんな顔をして書いたのかと想像してしまうと可笑しいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
【猫は知っていた】 乱歩賞が長編推理小説の公募になってから最初の受賞作です。 作者の仁木悦子さんは幼時から病気のため学校に行かず、兄の 雄太郎氏による家庭教育を受けて育ちました。 この作品は、作者と同姓同名の、仁木雄太郎・悦子兄妹が探偵役 として登場します。病身の作者を全く感じさせず、物語の中で実に 生き生きとした活躍を見せます。 扱っているのは殺人事件ですが、戦前の、おどろおどろした探偵 小説とは一線を隔する、爽やかな作品です。 【濡れた心】 女子高生の同性愛をテーマとした異色作です。 異色なのはテーマだけにとどまらない。 全編を通して、登場人物たちの日記と、刑事の手記だけで物語を進める という構成。登場人物が全員日記を書いてるなんて、昔の人はそんなに 日記が好きだったのかと思ってしまった。 凝った構成だが、会話の羅列が続くなど、日記としてはいささか不自然。 銃の扱いにも疑問を感じた。 初めて銃を撃った人が、離れた場所から一発で被害者に命中させる なんて事は、まず不可能です。 刑事の銃や弾丸の管理も杜撰すぎます。 寄り添って立っている二人の人物に発砲し、片方を射殺するなんて 事もしません。普通は誤射を恐れて発砲をためらいます。 この作品は、あえて推理小説にする必要も無かったのではないかとも 思います。女子高生の同性愛というだけでも、それなりに読める物語に なったのではないでしょうか。 ただ、こんな話を、いい年したおっさんがどんな顔をして書いたのかと 想像してしまうと可笑しいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
青春期のもどかしさ狂おしさつのる思いというものは誰でも通過儀礼として経験しているものである。恋愛にしろ、人間関係にしろ、一時期のそうした暗中模索の期間を経て人は成長していく。 子供から大人へ変わるイニシエーションとしての痛みを感じて傷つき、修復して大きくなっていくわけだ。しかし、そうした時期の痛み、苦しさというものは大人になってから振り返ってみれば甘美な郷愁を呼び起こす。死ぬほど苦しみ、悩んだ時期だったとしても過ぎ去ってしまえば懐かしい思い出として心に刻まれるのだ。 本書「濡れた心」は第4回江戸川乱歩賞受賞作である。ミステリとしては中くらいの出来だとおもうのだが、青春物として永遠に記憶に残る作品となりえている。 女子高生の同性愛という当時としてはかなり思い切ったテーマを扱っているのだが、本書で描かれる彼女たちの青春の日々は誰が読んでも共感をおぼえる苦悩に彩られた日々なのである。 本書は、すべて日記、手記、メモなどの記録された文章によって構成されている。本来日記というものは、プライベートな心情を吐露する場である。人に読ませるために書くものではない。それを読むのだから、それだけでも読者にとってはかなりおもしろい。まして、そこに描かれる世界は思春期の多感な女の子の彩り豊かな世界なのである。本書を読んだのはもうずいぶん前なのだが、その鮮烈な印象は少しも薄れていない。大傑作だとは思わないが、忘れることのできない佳品だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全編が日記、手記という形で表現されていますが、 奇をてらった感は薄く、 むしろ、この形式でなければ描ききれなかったと感じます。 ストーリーは、三角にも四角にもなる恋愛・嫉妬・憎悪がお互いの日記でくっきりと形づくられ、いつしか、主人公たちそれぞれの性格が理解できるようになるのです。 話中で起きる殺人事件の捜査にあたる刑事もまた、日記の一つを書き、心理を吐露します。 話は単なる愛憎劇に終らず、我々読者は ミステリーの輪の中に組み込まれていたことに 気づかされる。それも、始めから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全編が日記、手記という形で表現されていますが、 奇をてらった感は薄く、 むしろ、この形式でなければ描ききれなかったと感じます。 ストーリーは、三角にも四角にもなる恋愛・嫉妬・憎悪がお互いの日記でくっきりと形づくられ、 いつしか、主人公たちそれぞれの性格が理解できるようになるのです。 話中で起きる殺人事件の捜査にあたる刑事もまた、日記の一つを書き、心理を吐露します。 話は単なる愛憎劇に終らず、我々読者は ミステリーの輪の中に組み込まれていたことに 気づかされる。それも、始めから。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!