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流浪の月



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【この小説が収録されている参考書籍】
流浪の月
流浪の月 (創元文芸文庫)

流浪の月の評価: 4.09/5点 レビュー 591件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.09pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全591件 581~591 30/30ページ
No.11:
(5pt)

居場所を求めて。

ページをめくるごとに、こころは揺らいでいく。
切なくて、涙がこぼれてしまう。
いくら説明しても理解してもらえないきもち。
こころのかげり。
悲しみのなかで寄り添っていく。
心の声に引き寄せられる。
世間の目はこころの中までみえてこない。
「事実と真実はちがう」
心の拠りどころを見つけてほしいと願う。
そばにいたい、その世界。
もうこれ以上、追い詰めないで。
求めていく旅は続く。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.10:
(5pt)

残酷でとても優しい物語。

この話は更紗という布が1つのキーワードになるのですが、その布のように自分の弱いところを優しく包み込んでくれようなお話でした。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.9:
(4pt)

よかった!

三分の一を過ぎたくらいから、ページをめくるのが止まらなかったです。二日くらいで読んでしまいました。読んで良かったなぁと思える作品でした。
ストーリーは全然違いますが、根底に流れるメッセージみたいなものが、「そしてバトンは渡された」と似ているような感じがしました。‥違うかもしれませんが‥。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.8:
(5pt)

活字が苦手な人でも引き込まれます。

読みやすい文章に反して内容が濃い。
話の展開、人物像が惹き付けられるのはもちろん、情景の描写も美しかった。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.7:
(1pt)

ただただ流されるメンヘラ主人公のお話

大好きだった父が病死し、破天荒な母は男を作って蒸発。
引き取られた叔母夫婦の家庭ではいとこに性的嫌がらせを受ける。
なんてかわいそうな主人公の女の子。

・・・と同情できるのはここまで。

その後は主人公にいらいらする展開が続きます。
何といっても人に不誠実すぎるからです。

この主人公、助けてくれたロリコンが捕まっても、周囲に助けてもらったと一言も言えず大迷惑をかけます。
それは彼女が少女なので仕方ない部分もあるわけですが、その後に帰った叔母夫婦の家で再び性的嫌がらせを受けかけて相手の頭をかち割る展開が来ます。

「おっ、ここから成長して反撃か?」と思いきや、事件をもみ消そうとした叔母夫婦に対して何も言えず施設送りに。

大人に成長してからも、気にかけてくれる人は優しいけどうっとうしいと切り捨て、結婚を申し込んでくれた彼氏には確かに彼の無神経な部分もあったにしろまともに向き合わず内心で文句タラタラ。

「いや一言言えばいいだろ」

というエピソードが続いていきます。

で、そこにロリコンと再開するという流れになるわけですが、ここまでだけでも主人公が主体性を持って何も行動してないのが伝わるでしょうか。

「私の生き方は理解されず息苦しくてかわいそうなの。ほっといてほしいのだけど。」

という彼女の自分勝手な気持ちは次々と炸裂してくるんですが。

だったらそもそも人と関わるなと言いたい。
誰かと付き合うなんてもっての外ですよ。

今の彼氏の前にも付き合ってた男がいて、その彼とも別れた話がちょっとあるんですが、そりゃ前の彼も別れたくなるでしょう、こんな女。
ロリコン事件のことがちらつくから別れたいなんてセリフ、彼のお題目ですよ。

・・・とまあ、厳しめに書いてしまいましたが文章の空気感や雰囲気は悪くありません。
主人公が不快なのもそういう人間をある意味リアルに書き上げてるからです。

私の個人的に、主人公の女の子の自分がとにかく悲劇の主人公というか斜に構えてて他人と向き合わない感じが既視感があったので何だったかなと思い返してみたんですがわかりました。

村上春樹の主人公に非常によく似てます。

村上春樹が好きな人には刺さるんじゃないですか。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.6:
(5pt)

素晴らしい表現力

いつももったいないと思いながら読み始めるのですが、この作品も途中で止まることができず一気に読んでしまいました。何度でも読み返す数少ない本です
沢山の人に読んでもらいたいです
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.5:
(5pt)

下らないルールを善意と共に押し付けてくる世間から「わたし」と「居場所」を奪還した女性の物語

作者である凪良ゆうに関して言えば以前講談社タイガから刊行された「神さまのビオトープ」で描かれた「愛の形」に胸倉を掴まれる様なショックを受けたのだけど、今思えばあれは「愛の形」というより「関係の形」と称するべきだったのかなと思ったりもする。そしてその確信を深めたのがこの一冊。

主人公は家内更紗という一人の女性。「やばいぐらいにマイペース」な母親とそんな母親を愛する父親によって世間の枠には縛られない育ち方をした彼女が父を失い、母に捨てられた果てに息苦しい世間に放り出され「わたし」を取り上げられるのが導入部分。

「なんで晩御飯にアイスクリームを食べちゃいけないの?」「なんでお気に入りの空色のカータブルを背負って学校に行っちゃいけないの?」という「世間ではそれが普通だから」としか答えられない決まりごととそんな世間に生きる事を疑わない親戚の家で息が詰まりそうになった更紗の運命は公園で出会った青年・佐伯文の家に付いて行った事で動き始める。

この文という青年、育児書に縛られた母親によって「正しい生き方」から一歩も外に踏み出る事が出来ない性格。そんな文は奔放そのものの更紗によって少しずつ「正しい生き方」の外に踏み出し始めるのだけど、やっている事は未成年者略取。やがて二人は引き離され、親戚の家にも居れなくなった更紗は施設で育ちやがて社会へ。「少女誘拐事件の被害者」として世間からレッテルを貼られたまま息を潜める様に生きる羽目になるが、ある日同僚に連れていかれた「calico」というカフェで文と再会する事に……

読んでいる間中感じ続けたのは「人間って空気がある所でも魂の方が窒息死しそうになるんだなあ」という徹底した息苦しさ。世間という奴が押し付けてくる善意に満ちた「レッテル」で圧し潰されそうになる「わたし」という存在の掛け替えの無さ……そんな所だろうか?

世間的には更紗は「ロリコンの変態青年に攫われて酷い目に遭った可哀そうな少女」なんだけど、更紗自身にとっての文は「つまらない世間の常識で圧し潰されそうになっていた私を取り戻してくれた人」。このどうしようもなく埋めがたい齟齬が更紗に付きまとう。その世間の象徴が同棲相手の会社員「父権主義・男尊女卑精神の象徴」DV男の亮であり、「可哀そうなお前は黙って俺に庇護されていれば幸せになれるんだ」という呆れるほどの傲慢な思いやりだったりする。

身寄りのない女性が一人で生きていくのが難しいこの日本の社会状況で更紗も否応なしにこのどうしようもない齟齬を「作り笑いばかりしている」と揶揄されながら飲み込んでいる姿が描かれるのだが、まことに遣り切れない。「ほんとうの私」を取り戻してくれた唯一の人である文を表立って肯定する事を世間が許してくれない=「ほんとうの自分」を解放した状態を肯定できない、この作品の辛さはそこにある。

「神さまのビオトープ」でも世間の理解が得られない「愛」を様々な形で描いてみせた凪良ゆうだけど、愛と言うのが世間から突き放されても、理解が得られなくても切り離すことが出来ない「私自身の形」だとするのであれば、本作も間違いなく「愛」の話なんだろう。更紗は文を求めるのだけど、文を求めた先にあるのは「そのままの自分」に対する肯定であって文自身では無い。極論してしまえば「お前はお前のままであれば良い」という存在であれば別に文でなくても良いのである。

しかし時代は厭らしいことにデジタル時代。風化しても良い筈の事件がデジタルの世界には生き続け悪趣味な「少女誘拐事件の記録」が「犯人と被害者のその後」は更新され続ける。知る権利やら社会正義という聞こえの良い「悪意」そのものが文のもとに辿り着きたい、「ほんとうの私」に居場所を与えたい更紗を世間に、「可哀そうな被害少女」に縛り付けようとする。何より不愉快な事に男と女の関係を押し付けてくる。更紗も文も性からは一番遠い存在だというのに下世話な同情を押し付けてくる……正直、この辺りを読んでいて「世間なんか滅びてしまえよ」と胸がむかつきまくって仕方がない。

ある意味更紗も最後の方まで文の真実には気付けずにいたのだけれど、その上で「噛み合った」というかやはり更紗自身にとって文の傍が一番「わたしらしく」あれるのだという救いはあった。

最終的に更紗と文が辿り着いた関係に名前は無い。少なくとも世間が認める様「恋人」やら何やらという俗な形ではない。でも世間によって押し付けられた関係や「正しい生き方」みたいな下らないものから解放されたという清々しさだけは間違いなくあった。

なんとなれば再会の過程で知り合った更紗の同僚の娘・梨花も含めて冒頭で失われた更紗の「本当に在るべき家族の形」すら取り戻せた、そんな印象すら受けた。世間は相変わらずクソ下らないし、しょうもない常識や好奇の視線ばかり押し付けてくるけど、そんな物はどうでも良いと言える「わたしの居場所」を更紗が得られた安らぎすらある。

相変わらず同調圧力からくる世間的常識という奴ばかりが幅をきかすこの社会でどうにも「ほんとうの私」に居場所を与えられない人が多く、その鬱憤を他人に「常識」を押し付ける事で晴らす風潮がまかり通る時代だけど、そんな時代だからこそ「本当に望む関係に名前は無い」と訴えるこの一冊には読む価値があるのだ、と言いたい。これはそんな下らない世間から「ほんとうのわたしの居場所」を取り戻した一人の女性の奪還の物語である。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.4:
(4pt)

出版社が推していたので

昨今は本が売れなくて、こういう本は尚更売りにくいと思いますので、感想を書くのに躊躇しました。
こういう本に売れてほしいのでネガティブな事は書きたくありません。
ただ、書かずにはいられませんでした。
題材がセンシティブなものなのですが、少女漫画を読んでいるような錯覚に途中で陥りました。相手役の造形が美青年だからだと思います。生々しい題材で性的な問題も扱っているのに、世界観がとてもはかなげで美しいです。
この世界観を是とするか非とするかで評価も分かれそうですし、自分は非と感じてしまったので、★をひとつ減らしました。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.3:
(5pt)

文句無しの星5(100個付けたいくらい)

著者の力量に唖然としてます。読んだ後の読了感は本当に凄いです、こんなに余韻が抜けなかった作品は他に無いです。今まで読んできた小説の中で間違いなく五本の指に入ります…。次回作が本当に楽しみです。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.2:
(4pt)

読むことを止められなかったです

小児性愛を軸に物語が綴られる小説としたら、同じくBL出身の実力派作家で他作品もありますよね。

一括りには出来ませんでした。さすがは凪良ゆうです。醜悪でもなく悲嘆過ぎず、世間の酷さを押し付けがましく描いてもいない。静かに希望が胸に拡がる…、良作です。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020
No.1:
(5pt)

圧巻の筆力

久しぶりにページをめくる手が止まらなかった作品だった。
彼女と彼の両視点で綴られる物語は、穏やかながらも気がつけばじわじわと小さなトゲが刺さってくる。
あらすじを読んでもよく分からなかったという人にこそ、真っさらな状態で出来れば1人でゆっくりと時間の取れる時に読んでほしい。

世の中の「普通」とは一体何なのか、そして彼らの関係性を正しく表す言葉が私には見つからない。
愛や恋ではない。
世間から理解されなくても、普通じゃなくても良い。ただ2人で生きて行くだけ。
読み手によって感想が異なる作品だと思う。
読後に彼らへ共感や理解が出来なくても、確実に何かあなたの中に残るはず。
今年1番の作品となりました。
流浪の月Amazon書評・レビュー:流浪の月より
4488028020

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