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罪と罰



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罪と罰の評価: 4.34/5点 レビュー 425件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.34pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全425件 421~425 22/22ページ
No.5:
(5pt)

ドストエフスキーを読む醍醐味

「辛うじて意識を保ちながら、ほとんど力もいれず機械的に、斧の背を老婆の頭に振り下ろした。そのとき力というものがまるでなかったようだったが、一度斧を振り下ろすと、急に彼の体内に力が生まれた」(本文より引用)驚くべき描写である。しかもこのときラスコーリニコフは斧の刃ではなく背を振り下ろしたという。この正常から悦脱した瞬間の彼に必要だったのは、刃の「鋭さ」ではなく斧の「重さ」だったのだろう。だが、次に老婆の妹を殺害するとき、彼は今度は斧の刃を彼女の頭上にまともに振り下ろす。この結果、彼女の頭蓋骨はほとんど耳の上まで断ち割られる!ドストエフスキーを読む醍醐味のひとつは、その粘着的ともいえる細部描写だ。そもそも物語自体がとても長いのに、そのいちいちがとても詳細に描かれている。生命の危機的状態で時間はスローモーションに流れるというが、ドストエフスキーの時間はまさにそれで、とても濃密で、ゆっくりと動く。だから、彼の小説を充分に理解するのはまったく容易ではない。それでも、一度この魔力に魅せられると、彼の呪縛から逃れるのは難しくなる。どうしても再読したくなる。一度目はストーリーを追いかけるのが精一杯だった、だが今回は、という具合に。そしてもちろん、ドストエフスキーからは何度読んでも新しい発見ができる。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.4:
(5pt)

罪と罰

個人的な意見では、物語は終り方によりそれ以上に素晴らしくなったり、それまでの感動を無にしてしまったりすると思っています。<罪と罰>の終り方は実に無心論者のドストエフスキーらしいものだった。決して”罪を犯した人間も祈れば許される”とかいう類ではなく、最後の3行のあたりの”彼を救ったのは・・・だった”という表現。この最後の3行が素晴らしく、それ以外の長いストーリーが全て<伏線>のように感じた。読んだことのない人には是非お勧めしたい作品です。罪を犯し罰を受ける。しかし罰を受けても罪は消えない。罪を背負い続けて生きる人間を救うものはなんなのか?
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.3:
(5pt)

とてもポップな作品だと思いました。

 この本の本質とやらはどこにあることだろう。古来からさまざまな批評・批判を受けたこの作品に、小林秀雄や江川卓が出した結論は「批評をしている人たち。あなたたち作者にからかわれているんですよ」ということのように思う。 例えば、ある人は志村けんが好きだし、ある人は合わないと言う。それは自分の中に持っている「志村けん幻想」の比重に過ぎない。そんな人間の性質をすらとかわした傍観者(作家)がドストエフスキーだ。 裏返せば、あなたの好きなように読める作品である。負けず嫌いの人は「こんな作品つまんない」と言っておいた方がいいだろう。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.2:
(5pt)

面白いドストエフスキー

ドストエフスキーの初期の作品。全作品中、最も分かりやすく、読みやすい。そのため、ドストエフスキーって何と思う人は、この作品を最初に手に取るだろう。作品の内容は、刑事コロンボのような構成を取っている。まず、最初に、主人公の紹介が行われ、その心理が説明され、犯罪が行われる。その後、犯罪者となった主人公の心理的変化や行動が微細に描かれる。その中でも、担当刑事に追い詰められていく様子は、最も興味深い。最終場面も、他に類を見ない独特の結論である。読者は、この小説で、ドストエフスキーって、面白いなと思い、次の小説に手を伸ばすだろう。そのとき、次に書かれた作品ではなく、彼の最後の作品である「カラマーゾフの兄弟」をお勧めしたい。この作品もまた、父親殺しの真犯人は誰かが主題となっている、面白い作品だからだ。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.1:
(4pt)

最後に待つものは、、、

検察官に、老婆の殺害を見抜かれ、追い詰められるラスコーリニコフ。下巻の中心は、検察官とラスコーリニコフの心理戦である。主人公の追い詰められる様、理論武装が崩壊していく様、そして消耗して、崩れ行く様がリアルに描かれる。上巻同様、読者の心理に迫るリアルな表現、緊張感、圧迫感。上巻のように、物語の内容は、やはり暗く、多少狂気がかったものである。しかし、その主人公を立ち直らせようとする弱き少女そーね地下の存在が一つのカギとなる。上巻から続く、暗い世界。暗く、鬱した主人公の世界観、これが物語りの空気を作り出している。しかしそこに最後の最後の部分で変化が訪れる。長いくらい物語の果てに訪れる主人公の世界観の変化。たった最後の数ページだけでありながら、物語!の印象をガラッと変えてしまうほどのインパクト。この部分のために今までの長く暗い物語があったのだと分かる。たった最後の数ページであるが、その部分を是非感じて欲しい。そのためにもこの長い物語を読んで欲しい。素晴らしい出来だと思うけど、長すぎるし、登場人物の名前(とその活用)が複雑なので、星はマイナス。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211

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