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罪と罰
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【この小説が収録されている参考書籍】
罪と罰の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全425件 341~360 18/22ページ
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第4部から始まる下巻の圧巻は、スビドリガイロフという悪魔の本領が発揮される場面です。 ドストエフスキーは「罪と罰」の詳細な創作ノートを残していますが、それを見ると、当初はスビドリガイロフという人間は、ラスコーリニコフの別の一面として思案していたところがうかがえます。つまり、スビドリガイロフはラスコーリニコフの影であり、両者がピーンと張りつめた空気の中で対話する場面こそ、この「罪と罰」のクライマックスではないかと思わされます。 「あなたはなんだか私とあい通じる共通点があります」と言うスビドリガイロフに、こいつはただものではない、と直感するラスコーリニコフの心理。天国というものは皆が想像するような楽園ではなく、風呂場にクモの巣がはったような陰気なものかもしれないと言い切る場面。 もうこれは人間の尋常な心理を超えています。ドストエフスキーは「お前の心にも似たようなものはないか。日々の単調な生活の中で、わざと直視しないように避けているだけじゃないのか」と、読者に挑戦状を突き付けてくるような表情さえ見せます。人間とは何か。人間にとって、幸せとは何か。それに対する答を、作者は「罪と罰」では用意してくれていません。 「罪と罰」には、「白痴」のムイシュキン、「カラマーゾフの兄弟」のアリョーシャなど無垢な魂に発展する道と、「悪霊」のスタブローギン、「カラマーゾフの兄弟」のイワンのような無神論、虚無、を体現するような悪魔的人物に育っていく道の両極端の萌芽がみえてきて、非常に深い小説であることを改めて感じさせられます。 | ||||
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ロージャへ 今、君の物語を読ませてもらった。もう4回目か5回目かな。君と同い年のころに読んだときには、君の「凡人、非凡人」論に感心した。だけど、僕はもう、君を生んだ頃の作者の方に近い年齢だ。あれは君が君自身を納得させるために取って付けた理論に過ぎないってことがよく分かった。君だって信じちゃいなかったはずだ。 それよりも、今読み返してみて、君の青春がなんと暗いものか、改めて思い知ったよ。君はただただ悲しかったのだ。孤独を求めたくせに、マルメラードフなんかほっといたらいいのに世話をしたりして、ついに孤独になり切れない自分がやりきれなかったんだね。孤独は青年の特権だからね。そういう意味じゃ、君は本当に若者らしい若者だよ。 だけど、君の母さん、妹、ソーニャ。君の周囲は無償の愛で尽くしてくれる人がたくさんいるのを知っていたのに、君は殺人を犯す前に、その愛をなぜ素直に受け入れることができなかったのか。それが残念でならない。だって、そういう人たちに囲まれていることで十分幸せじゃないか。バカだよ。 ニコラエフスキー橋から眺める寺院のドーム。それを映すコバルト色のネヴァ河。青い空。君がほどこしを受けた20コペイカを投げ捨てて、一切の世間ときっぱり縁を切ったあの場所を、僕はいつか訪れてみたいと思っている。たぶん泣いてしまうかもしれない。そんな男が、140年後の日本にいることを知ってくれたらなあ。 | ||||
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あまりのお金の無さに精神に異常をきたし、自分に都合のよい理論を作り、犯罪を犯す。 その事によって追い詰められた精神状態、苦悩を永遠と書き続ける物語。 僕には少々長すぎました。 | ||||
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P453〜の偉大な人間と犯罪者、凡人と非凡人についての考察が、実に考えさせられます。ドストエフスキーは文学史上の偉人といわれているけど、コイツは相当な食わせ物だな・・・この人はすさまじい煩悩と精神世界内で猛烈に格闘して、その格闘の結果がすごい文学作品になったんだろうな・・・と思っています。この人、一歩間違ったら凶悪犯罪者になってたかもしれませんよ・・・ 村上龍氏も、「ドストエフスキーは不良の読む本だ」と書いています。 | ||||
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この巻のはじめから、ルージンが伏線を今後の ために用意してきます。 それを破ることが出来るのかワクワクしながら、 読破しました。 ルージンの悪の手からソーニャを援護したのは、 手塚 治虫さんの"罪と罰"と違う人物でした。 それでも、ラスコーリニコフが最後にバシっと締 めたので一件落着です。(たぶん) 人間の心は繊細に出来ている。 スヴィドリガイロフの言葉を信じ、私も現実の世 界で頭に来ているときは何もしないようにします。 それにしても、手塚 治虫さんの漫画化された「罪 と罰」と全然違うことにかなり驚きます。 この本を最後まで読んで理解した。 正確に説明すると、理解できないことを理解したと いうことである。 というのも、P373からエピローグが始まるのだが、 それは違うと思う。 P372までがプロローグであり、P373からが本編のよう な感じがするからである。 この物語は読まなければ損である。 | ||||
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ポンポン話が進んでいく。 おもしろい。 見ていて(読んでいて)非常におもしろく すぐに残りのページが無くなっていきます。 ドゥーニャとラズミーヒンが恋に落ちるの かと思いましたが、勘違いでした。 心理戦は、荒木 飛呂彦さんの漫画(スト ーリー)と同じ。 ジョジョの奇妙な冒険が好きだから、この 本も途中で挫折せずに、読み進めることが 出来るのだと思っています。 (他の漫画にも心理戦はありますが、陳腐 なので・・・) 次は、(下)を読まねば!! | ||||
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さすがドストエフスキーと言いたくなるような力強く読みやすい文体にぐいぐいと引き込まれ、いっきに読んでしまった。サスペンス、恋愛、ミステリーといったあらゆる要素が凝縮されていて、とてもひとくくりにはできない奥深さがある。 第1巻の本書は話の軸となる殺人事件と直後のラスコーリニコフの病的苦悩が描かれている。殺人を決行するまでの苦悩もさることながら、実際に犯行を犯す場面は息つく暇もないほど引き込まれる。ザメートフとの駆け引きも推理小説さながらの緊迫感があり、非常に面白い。 ドストエフスキーという文豪の多才な情景描写が楽しめる一冊である。 注釈なども非常に詳しいので新潮版よりはこちらの岩波の方がおすすめ。 | ||||
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さすがドストエフスキーと言いたくなるような力強く読みやすい文体にぐいぐいと引き込まれ、いっきに読んでしまった。 サスペンス、恋愛、ミステリーといったあらゆる要素が凝縮されていて、とてもひとくくりにはできない奥深さがある。 第2巻の本書はラスコーリニコフの苦悩、次第に周囲の目が自分に向きつつある中でのポルフィーリとの緊迫した駆け引きが描かれる。 ポルフィーリとの心理戦もさることながら、ルージンとの縁談における強烈なまでの非常に人間臭いやりとりも見ものである。 | ||||
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手塚 治虫さんの漫画化された「罪と罰」を読んでいくうちに、活字本にも挑戦しようと思い、この本を選びました。 主人公の精神状態が理解できる組み立て方になっているので、続きが気になりながら読み進めることが出来ます。 犯行前からそして、犯行後までのいきさつは偶然が重なっのだろうか。 それとも、運命だったのだろうか。 それはこれからわかる物語。 そして、P.386 で潤んできました。 訳注があり、かなり詳しく説明しています。 全巻で3冊もありますが、すべてを読み進めるとたったの3冊だと感じてしまいます。 3冊という巻数だからあんばいよく読めたの かもしれません。 | ||||
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「罪と罰」もー何回読み始めたか分らない。やっと上巻終了。明日から下巻にいきます。200ページまではガマンの連続ですね。その後面白くなってきます。やっぱ本書は若いうちに読むに限ります。この種の作品は読書に体力が必要です。その意味で若いうちに読む必要があります。 ラスコーリニコフの思想は若いうちには誰でも一度は思い浮かべるものであります。自分が他人と違う「非凡人」であると思ってしまうことはいくらでもあるでしょう。そんなことを思ってしまう青くさい時代に本書を手に取る価値があるのです。まだ上巻だけなのでなんともいえませんが、若いと思う皆様、未読の人はチャレンジする価値がきっとあります。 | ||||
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ナーバスな青年がとある独自の思想に駆り立てられ 事件を起こし、それに絡み合って物語が進む。 スリルとサスペンスが難しさを緩和。 ミステリのはしりと言われてますが、 そんなことよりも精神的な面を重視して読んでみましょう。 人物が多いのでこれも一気読みをおすすめ。 | ||||
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何たる冗長さ。 主人公が人を殺した後に内なる地獄を体験する、という一文をここまで引き伸ばせる著者の能力は大したものだと思う。 いや、これは少し言い過ぎた。 その中でいろいろと寄り道をしている。 実はその寄り道のほうが多い。 ところで、小説に限らず、文章というのは人に読まれなければ意味がない。 どうも著者はその基本的なところを理解していなかったか、あるいはひどく軽視していたかのような感じがする。 | ||||
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なぜ人を殺してはいけないのか? 果たしてこの問いに答えはあるのだろうか? 答えがあったとして、それは正解なのだろうか? ドストエフスキーはこの問いに答えを出さない。 代わりに、殺人を犯した人間の苦悩、葛藤、憔悴といった心理状態を執拗なまでに描写してみせる。 難関な哲学的言説で根拠不明な答えを示すのと、答える代わりに、覚めることのない悪夢のような心理描写を連ねるのと、どちらが人の心に多くのことを訴えかけるだろうか? 罪とは何か? また、罰せられるとはどういうことなのか? 自分自身で答えを出すためにこの本は読まれなければならない。 | ||||
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カバーには文学の最高峰とか書いてありましたけど大部分ははっきりいって長くてつまらなかったです。とても単調で眠くなる・・・・ところが、たまにびっくりするくらいにすばらしい文章がでてきます!数百ページあるなかでたった数ページだけど、その数ページのためだけに他の長く単調な文章が存在するんだなーと、こんな経験は初めてだったのでびっくりしました。僕はこの本は、クラシックに似ていると思いました。モーツァルトのピアノコンチェルトにも似た曲があって、その曲はすごく単調でつまらないのだけど、曲中に2回だけびっくりするほどすごい部分があって12分の間にたった数十秒だけ。その数十秒のためだけに他の12分を聞く楽しさ、そんな印象をこの本にも感じました。あまりの単調さに挫折しそうな方はがんばって最後まで読んでみて下さい!! プラスアルファとして、とにかく長いので、最後のあたりになると最初に読んだあたりが懐かしくなります。この感情はちょっと格別です。表現しづらいですが、単に長いという以上の感慨を抱かせてくれます。 | ||||
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・ 平凡な日常に飽き飽きしている ・ 自分自身に対して何かやるせない衝動にかられる事がある ・ 自分は他人とは違う類の人間だと思った事がある ・ 「飲んだくれる恥ずかしさを紛らわすために酒を飲む」心理に何となく共感できる ・ 一途な男の友情にほれ込みたい ・ 家族の愛に涙したい ・ 卑小でくだらない悪役に激怒したい ・ 一見まともなのにかなり異常な人間に出会いたい ・ 全てを受け入れる深い愛に感動したい ・ 詳しすぎる心理描写に辟易しつつもはっとさせられたい ・ 読めば読むほどはまりこめる主人公に出会いたい ・ 今はサスペンスより重厚な人間ドラマが読みたい ・ どうせなら登場人物は美形が多いほうがいい ・ 刑事コロンボが好きだ ・ 友人に「『罪と罰』って面白いんだよ」と言ってみたい ・ S潮社版とI波文庫版どちらを買おうか悩んでいるが読み比べられず困っている ・ エンタメ要素と人間の真理を平行して書ける作家に出会いたい ・ 長くてもいいから、とにかく面白い小説を読みたい | ||||
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近代の予言書といわれるこの本は、具体的な政治活動家や、戦時的英雄を主人公としていないところに、普遍的価値を持ち続けられたと言ってもいいと思う。 真の革命家にとって、既存の革命や、成功と武勇に彩られた伝記など、参考になるはずが無い。 革命の本質とは、未曾有の危機に瀕した社会や民衆の中から、それこそ手本の無い暗闇の中から奇跡的に光を、自らの決意と知恵で獲得する行為であるとおもう。その本質的で生々しい光は、一見どこにでもいる青年に、意外にオーバーラップすることが多い。 この本の上巻の巻末で繰り広げられる一見稚拙な選民思想は、先の大戦から現在実際に戦争を起している現代の指導者まで、まったく気味の悪い程オーバーラップする。 主人公のラスコーリニコフの持つ一見凡庸な殺人衝動と、ナポレオンの栄光と、アドルフ・ヒトラーの暴挙と、ブッシュ大統領の自由の名のもとの殺人と、・・・・そして我々自身の中に眠る一見凡庸な、取るに足らない苛立ちが、決して無関係ではないことを・・・・、この作品は黙示録的に示している。 そしてそれを救うことが出来るのは、呆れるくらい身近に存在する、ごくありふれた「愛」であるということも、嫌味無く切実な真実味を帯びて我々に突き付けられる。 | ||||
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ドストエフスキーといえば?と聞かれれば大半の人がこの「罪と罰」と答えることでしょう。しかし、それを読みきったという人はあまりいないようです。途中で断念したという声をよく聞きます。 上巻では主人公であるラスコーリニコフが自らの思想に従って殺害、そして偶然にも関係のない人間まで手にかけてしまいます。それによって深い苦悩しているような、また逆に納得しているような状態が続きます。むしろ苦悩しているのは周りの人間のように感じる。 何らかの確信を持って振舞っているようなポルフィーリィ、兄を気遣い続け、自分までを売ろうとするドゥーニャ、母親、ドゥーニャに心惹かれながら、ラスコーリニコフも慕うラズミーヒン。その他にもルービンやスヴィドリガイロフなどの人物たちもそれぞれの「生き方」を表わしていく。 そして、ソーニャの登場によってラスコーリニコフの精神が崩されていく。いや、崩れていたものが正しい形に戻っていっているのかもしれない。 この上巻だけでもラスコーリニコフとポルフィーリィのかけひきの面白さ、ソーニャとの精神的なやりとりとそれぞれの登場人物の哲学の深さに圧倒されるばかりです。 | ||||
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「自分は罪を犯したことがない」と自信を持って言える人は少ないのではないでしょうか。 我が身をふりかえっても、自分の態度や、無責任な行動で多くの人を傷つけたと思います。 この作品の主人公は、人として最も大きい罪の一つである「殺人」をおかすわけですが、上下巻通じて、主人公の絶望と、最終的には大きな希望が描かれています。 大罪を犯したものは、もう救われないのか? なぜ、社会には貧困があり、善良な人々が苦しまなければならないのか? 悪人の欲望によって弱者が搾取され、利用されるのは仕方ないことなのか? 読者は、殺人者である主人公を通して、さまざまな苦悩をともにします。 登場人物の息づまる対話、サスペンスフルなストーリー、感動的なエピソードのテンコモリで、娯楽作品としても大傑作です。 読まれていない方は是非! | ||||
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うちの母が「感動したよ」って言ってたけど感動はなかった。でもドストエフスキーの文章力はすごい。どこに継ぎ目があるかまるで分らないし、熱中すれば文字を読んでるの?って思う。 この作品が有名すぎることと、この作品が出されて時が経ちすぎたことを憎む。使いまわされてる表現があるし、なにしろ今とは時代が違うから。あぁあの時代のロシア人にはとんでもない小説だったんだろうな。 | ||||
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この本を読むと、180年も前に生きた人間に、自分の隠し持っている内面をえぐり出されたような気分になる。何人かの登場人物の内面が主人公を中心にじっとりと描かれていくが、内向的な面を持つ人なら、少なくとも一人、共感できる人物を発見できると思う。 読んだ後に自分の生き方について考えさせられる本。 | ||||
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