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狩人の悪夢
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狩人の悪夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1~20 1/2ページ
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京都府亀岡市の郊外、落雷による倒木で道路が塞がれてしまった夜、2件の殺人事件が起きます。たまたまそこにあるホラー作家のうちに招待されていたアリスが居合わせ、後から火村教授が合流するといういつものパターンです。クローズドサークルとなった現場、カチカチとパズルをはめていくような推理がいかにも新本格らしい作品に仕上がっています。 個人の好みですが、結論から言うといまひとつでした。 他の方のレビューを読んで興味深いと思ったのは、前作「鍵のかかった男」を評価されない方はこちらの評価が高いことです。私は逆に「鍵のかかった男」の方が好きでした。 これはたぶん自分が犯罪に至る動機を描いた人間ドラマや情緒的な面を重視した作風が好きだからだと思います。ロジックと謎解き重視のミステリはどうしても非現実的になり理屈っぽい感じがしてしまいます。いかにも新本格が好きな方はそのあたりの理系的なクールさがたまらないのだと思います。 登場人物があまり好きになれなかったのも一因でした。ホラー作家の白布施は気取ったアクの強さが鼻につき、オーベルジュ経営者夫妻は古いタイプの保守的な親みたいで、夢遊病のような夢中歩行の症状があるイラストレーターもあまりお友達になりたいタイプではありません。彼らの言動がなんだか気に障るので、読んでいてあまり楽しい感じがしなかったのだと思います。 まったく個人的な好みということで、すみません。 あとに「インド倶楽部の謎」と「カナダ金貨の謎」が控えているので読み続けていきたいです。 | ||||
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様々な可能性のひとつを前提において次の論理を展開することを繰り返しているだけ。その他の可能性もたくさんあるじゃない、なぜその可能性だけを大前提におけるの?そして、その極めて怪しいたった一つの可能性だけを唯一の正解として、そこから論理を組み立てる。それも一回や二回ではなく、すべてがこのやり方。また、これはいみじくも作中の登場人物も言っていたのだが、物証ゼロ、ロジックも無理筋(その可能性だけが残るわけではない)で、犯人が自供するって。探偵さんの論理に対して「そんなのは屁理屈だ」と「犯人」が言ってましたが、読みながらこちらもそう思いました。これをミステリと言ったらアカンと思います。私が読めていないだけなのか??? | ||||
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2017年に出た単行本の文庫化。加筆修正されているという。 火村英生と有栖川有栖のコンビが活躍する長編推理小説だ。 あくまでも論理だけで犯人を絞り込んでいく過程がよくできている。 それから、火村の悲哀と、それに対する救いのようなものも読みどころ。 探偵小説としては、しかし、それほど傑出したものではないように感じた。 | ||||
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著者が得意とする論理で徹底的に犯人を追い詰めていくスタイル(短編「スイス時計の謎」や「モロッコ水晶の謎」など)を、長編としてさらに磨き上げています。 ほんの些細なことで申し訳ないですが、那須与一が老武者を射たのは本人の意思ではなくて源義経の指示ですね。義経は元服まで大和や京で過ごしたと言われているので、厳密には東国人というわけではないかなと思います。 | ||||
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他のレビューにもある通り、大音量で音楽をかけておき、自身はその部屋を出るのがなぜ有り得ないのか?有り得るでしょ。 作者が火村のキャラに甘えてる感が強い。先に犯人は○○だと名指しし、その後にそうである論理的根拠を述べるなら納得できるが、そうはせずに当人の眼前でネチネチと論理(上記もあるので100%論理的とは言えないが)を展開し、自分はお前を狩っていると言う火村は不快なだけで共感しづらい。火村のキャラに寄り掛かり過ぎじゃないかな‥ | ||||
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雷で大木が倒れ道路が不通となった結果のクローズドサークル物。 状況がちょっと特殊だが、こうしないと犯人が絞れないからそこは仕方ないところ。 犯人の設定や動機はなんとなく分かるし、事件を入り組ませる●の切断も、なんかあまりにも強引なロジックで作り物っぽい。 とはいえ、話はスムーズだし最後まで一気に楽しめた。 このシリーズは探偵役の氷室と助手役の有栖川の会話がメインになるが、初期の作品に比べて会話もずっとこなれてきて違和感なく読めるようになってきて、安定のシリーズとなっている。 | ||||
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有栖川有栖の作家アリスシリーズの長編である。 1年ほど積読になっていたのをこのほどようやく読了。 ちなみに帯紙には火村英生シリーズとあるが、まあ確かに探偵はこちらなのでこの呼称のほうが正しいのかも。 今回の舞台は京都府亀岡市のとある別荘地。作家アリスシリーズでは、有栖川有栖は事件が起きてしばらくしてから臨場、というのが常だが、今回はなんと殺人事件の第一発見者になってしまうという趣向。おっとり刀で京都府警の面々、そして火村が登場という流れだ。ちょっと面白い。 事件はというと、とある偶然から非常に範囲の狭いクローズドサークルものということになってしまい、操作が進むにつれいろいろ過去のいきさつが明らかになってきて、そして火村の推理が・・・というかたちになるのだが・・・。 論理的に可能性をつぶしていって最後に1つだけが残ったのなら、如何に非現実的にみえても、それが真実である、とは誰の言葉だったか。まさにそれを地で行く感じの推理劇で、いやちょっとえぇーと思う。しかし犯人はついに白旗を掲げ・・・ええっとですね、最後に明らかになるこの動機、なんだか既視感があるのです。のどに何かが引っ掛かった感じでとても気持ち悪い。単なる勘違いなのかもしれませんが、どうも読後感が悪かった。 いえもちろん、面白いミステリ作品なのは間違いないです。しかしなんなんだろう。 | ||||
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火村英生と有栖川有栖の会話がとても面白かったです。楽しそうでした。2人の主人公が生き生きしてる文章がとても好きだと感じました。 犯人の動機が共感出来ないからか弱く感じてしまいマイナス1ですが、読後感に不満足はありませんでした。 | ||||
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ずっと積読で読めずにいたがドラマ化の話を聞いてドラマを見る前に読まねばと一気読み。 素晴らしいの一言である。 作家シリーズの傑作であるスイス時計に匹敵するロジックが展開される。 今作はフーダニットでよくある手がかりを一つ一つ分析して犯人である人物の条件を導く手法とは少し違い、全ての手がかり--落雷で倒れた木、現場に残された手形、切断された手首、死体と一緒に置いてあった荷造りの紐、ベートーヴェンの音楽etc.--を有機的に結合させて犯人にたどり着いているのがたまらない。 特に切断された手首のロジックには舌を巻いた。 フーダニットのロジックは犯人の行動の合理性の保証によって成り立っているとあらためて思った。 シリーズから25年以上経ち、作者もそれなりの年齢を重ねているが衰えるどころか進化すら感じる1作だった。 未読の方はロジックの矢で犯人を射抜く狩人火村英夫の技をぜひ堪能していただきたい。 | ||||
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ハードカバー版も読みましたが、文庫版で再読。ひとつひとつ推理を積み重ねて犯人を追い詰めていく過程が存分に味わえる。 シリーズを追ってきた人にはお馴染みのある人物に関するちょっとしたサプライズも良かった。 映像化されるとのことで楽しみにしてます。 | ||||
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最後まで読んでみて、うーんと声が出てしまいました。 ちょっと期待し過ぎたなというのが印象です。 20年火村アリスの活躍を楽しみに追い続けて来ましたが、序盤は読みづらく、また犯人を追い詰めるまでに相当長く同じところを行きつ戻りつしたような印象でした。 火村とアリスの会話も、他の作品に比べて情緒が安定していないイメージで(火村が他作品より一人にして欲しがったり、かと思えばアリスを頼りにしていると言ったり、心理的に不安定で。またそれを狙った描写ではなく思いついたときにそう書いているような散漫な印象が・・・)先生自身もしかしてお疲れなのか?それとも日にちをあけて書いているから火村とアリスの言に一貫性がないのか?とミステリとは別のところが気になりました。 20年火村の秘密が明かされていない作品ということで、まだ続きが出るなら読みますが、そろそろ本質の一端でも見えないと辛くなってきたような気がします。もう火村の謎も生半可なものでは納得できない。火村が悪夢で常に殺している相手がアリスぐらいでないと驚かないような気がします・・・ ※※ネタバレになるのでここから未読の方は読まないでください・・・※※ キリの良いところまで読むつもりで、「あんたが犯人だと思っていた」と火村が言うキャラクターが犯人と思いきやそうではないところに「ええ?」と思わずにいられませんでした…。犯人だと告げたAが犯人ではなく、Bが犯人って…共犯でもないし完全に関わりのないAの背後にBを見据えて言った言葉(その場にBはいません)というのはちょっとヒキにしても無理あるんじゃないのか?と……。このヒキはどうなのか、意味がないばかりか探偵が犯人を間違えた(か絞れないからとりあえず言ってみた)のように受け取られる可能性もあるので悪手のように感じます。 真犯人も予想通り。(この人じゃないと話に華がないだろうな~と思わせる展開で)しかも真犯人唯一の取り柄すらもなく、この犯人が見事な完全犯罪を成し遂げてはいけない、タイプだったために全体的にスケールが小さくなった印象でした。(この人を頭良く見せてはいけないというキャラでしたので) もう読むのをやめる!と思うほどではありませんが、いつもの~火村アリスのパワーダウン版と考えた方がいいかもしれません。 | ||||
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優しいミステリーという感じでした。 先生の作品は10冊以上読んでいますが、次の出版がいつも楽しみになります。 | ||||
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展開、構図は作中人物のセリフにもある 「手垢まみれで、世間の皆さんが飽き飽きしている陳腐な設定だ」 という表現そのままです(笑)。あまりにもひねりが無いので 「終盤で大どんでん返しがあるに違いない」と期待していたのですが 火村が揚げ足取りを繰り返して犯人を自爆させるだけでした。 あとがきを読むと当初は倒叙物として想を練っていたらしいのですが…… 「自然現象によって犯人の予定が狂い、ボロがでる」という 故・鮎川哲也氏が嘆くような出来の作品になっていたと思います。 | ||||
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「火村英生」シリーズのフアンで、いつも短編集を楽しく読んでいますが今回の長編には新しい魅力を感じました。さらに今回はちょっと猟奇的な雰囲気がしてより楽しめました。 | ||||
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最近は火村シリーズの長編が立て続けに出版されて嬉しい限り!読み応え十分な内容!! | ||||
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ホラー作家・白布施に招待された有栖は、殺人事件に出会う。 白布施の別荘で殺されていた女性は、首を矢で貫かれ手首が切断されていた。さらにもうひとつの死体が発見される。 ある意味で古典的な「嵐の山荘」だが、作者が今さら容疑者を限定する目的だけでそんな設定を用いるわけがない。 実はこの設定こそが犯行のキモであって。ああ、ネタバレするから書けないな。 支離滅裂で無意味な犯人の行動は、ちゃんと意味があった。 人を殺して動揺している人間が右往左往するのは当然だ。 背景に横たわる重い秘密と犯人のリアルな造形に舌を巻いた。作家アリスの最高傑作かもしれない。 | ||||
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最後まで面白く読めました。 会話のテンポもいいし、謎解きもとても丁寧で分かり易く、すんなりと納得できたという感じです。 あまりにも難解な謎解きや奇抜なトリックは読んでいて疲れるので、この作品のようなちゃんと納得のできる丁寧な謎解には好感がもてます。 | ||||
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有栖川氏の火村シリーズの長編である。 前作の鍵の掛かった男が東野圭吾が書くような被害者の背景をメインに描く情緒的な作品だったのに対して本作は本来のクローズドサークルもののロジック本格推理に戻っている。 後書きを読むと、本作は当初は倒叙形式で構想されていたが、途中で本来の本格構成に戻して書いたとある。 本作がもともと倒叙形式で構成されていたと踏まえると、最後の犯人を追いつめるトリックが刑事コロンボの旧シリーズの第三の終章の作家の原稿のトリックと非常に似ている事が分かるが、それも納得である。 本書の本格ミステリーとして見た場合の弱点である、犯人に意外性がないことと、犯人と青年の関係性から犯人が隠匿したかった秘密と動機がかなり類推しやすい点が、それらは本来倒叙だとすると最初に明らかにする事柄だからであるから、いわば当然である。 火村と犯人との一騎打ち推理対決を描く倒叙形式で描きたかったが、そうすると短編程度のボリュームにしかならないので、関係者の過去と人間関係を描きこもうとすると、倒叙形式では不可能なので、長編としてのボリュームを天秤にかけて、関係者の人間関係や背景を描く事に向いた本格構成をとったという事だろう。 倒叙で犯人以外の登場人物を詳しく書いても全く無意味だが、犯人が分かっていない本格形式なら絞込みの過程として多くの犯人以外の人物の背景が描きこめるからである。 ゆえに、本作は本格推理として構成されていながら、倒叙としての面白さが同時に入っているというなかなかの異色構成となっているのである。 火村の最後の決め手が状況証拠でしかないのにその後犯人が自供するのは倒叙のトリックがメインになっているからであり、決して本格として詰めが甘いという事ではないのである。 | ||||
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スイス時計ばりの強靭なロジックの組み立てで、終盤は一気に読み進めました。 前半~中盤がちょっとテンポ悪いのも、結末の収束のいいエッジ。 欲をいえば犯人に意外性があれば、尚楽しめる。 | ||||
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新本格派と呼ばれる作家も次々に力が衰える中で、数少ない壮健な生き残り。 刑事のロベール・ルドリュ(Robert Ledru)は千八百八十七年に、ルアーヴル海岸でのアンドレ・モネ(André Monet)の射殺事件を捜査するように命ぜられましたが、検証の結果、自分自身が夢遊病で殺害したことをつきとめます。空砲入りの銃を与えられて牢に入れられ、夢遊病下で発砲した事で有罪が立証されました。パリ近郊の農場で、死ぬまで24時間監視下に置かれたそうです。 江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』のローズ・ドラクール事件はひどく眉唾ものですが、こちらは実際に起きた事件のようです。 | ||||
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