謎の館へようこそ 白
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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なんと言っても青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」と周木律「煙突館の実験的殺人」が素晴らしい。特に「煙突館」は実に周木律らしいトリックが炸裂している。「硝子屋敷」は青崎の短編集「11文字の檻」に収録されたが、「煙突館」は現状(2024年6月)このアンソロジーでしか読むことはできない。しかしこの短編のためだけにでもこの本を買う価値はあるくらいのぶっ飛んだ作品である。他の短編はやや印象が薄いが。 | ||||
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コテコテのいわゆる「館もの」から、館がストーリー上のガジェットに過ぎないもの、果ては館関係なくない?というものまで、かなりバラエティに富んだアンソロジー作品集です。そのなかでミステリーとして「ん?」と思うところはあるもののトリックの面白さを感じたのは、青崎有吾氏の「噤ヶ森の硝子屋敷」と周木律氏の「煙突館の実験的殺人」、純粋に予想を超えていて楽しめたのが澤村伊智氏の「わたしのミステリーパレス」でした。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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うーん | ||||
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書き下ろしのアンソロジー。 「白」に収録されているのは、東川敦哉「陽奇館(仮)の密室」、一肇「銀とクスノキ-青髭館殺人事件」、古野まほろ「文化会館の殺人-Dのディスパリシオン」、青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」、周木律「煙突館の実験的殺人」、澤村伊智「わたしのミステリーパレス」。 メタ的なミステリが多い。縛りのない書き下ろしということで、実験的なミステリに大胆に挑戦したのだろうか。その意味ではおもしろい。ただ、ミステリとしてはイマイチなものが多かった。ただ、東川「陽奇館(仮)の密室」のくだらなさはさすが。周木「煙突館の実験的殺人」のトンデモ設定も強烈。 また、各著者のシリーズものの1話として書かれており、本書を読んで興味を覚えたら、ほかのものにも手を出すといいだろう。 | ||||
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館を題材にしたミステリーで、作家6人によるアンソロジー。ミステリー×館といえば、本格ミステリーを想像しますが、各短編とも作家それぞれの個性を活かした話で、お得な作品集と言えると思います。 本格寄りなのは、東川篤哉氏の『陽奇館(仮)の密室』と青崎有吾氏の『噤ヶ森の硝子屋敷』で、短編ながらしっかりと館を活かしたミステリーです。気になる作家の作風や文体を知りたいと思ったときに、本書で手軽に知ることが出来ます。 | ||||
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まず最初に書いておきますが、星2つというのはいわゆる古典本格推理小説(パズラー)に親しんできた私のようなオッサンにとっての評価であって、 初めて推理物に手を伸ばしてみた方やライトノベル好きの方にとっては楽しく読める本なのかも知れませんしそれを否定するつもりはありません。 ただ、くどいようですが、少なくとも古典本格推理に親しんできた方には絶対におすすめしません。そういう皆さんにとって読むに足る作品は、収録6作中に1作もありません。 試しに読んでみた本でこんなにガッカリしたのは久しぶりです。 以下、はっきりネタバラしするつもりはもちろん無いのですが、推理物のレビューの常でネタバレにつながってしまうことがあるかも知れませんのでご注意下さい。 作品1:終盤のあれあれー、ええー、っていう破滅感を楽しむということなのだろうが、本文や台詞の無用な軽薄さは空回り、キャラクター設定も何の意味があるのかよく分からない。 このプロットで読ませるなら、分量を5分の1ぐらいにしてショートショートにした方が良い。 作品2:あれこれ気取ってもったいぶった割に、かなり早い時点で予想できる通りの種明かしで、まるきり何の意外性も無い。この内容で80ページも使われて、読後の倦怠感もひとしお。 作品3:吹奏楽部あるある、だけで読者をくすぐろうとする姑息な作品で、ストーリーには何の中身もない。6作品中でも最も推理興味から遠い作品。吹奏楽部あるあるが欲しい方はどうぞ。 作品4:このトリックでここまで引っ張るのは無理でしょう。これもショートショートならありかも。あるいは推理クイズなら。小説の体にするのは矛盾やボロをごまかし切れない。 作品5:よく練られた作品のように見えて、実は終盤に種明かしされる1点の仕掛けだけに依存した物語。作者は思い付いた時にこれぞ!と思ったかもしれないし、それをよく小説に仕上げてはいるが、読み終わってみると単なる子供の科学クイズ。しかも(ネタバレ注意)これは理系の人ならたぶん割と早い時点で容易に予想できてしまうが、逆に予想できなかった人にはおそらく面白くも何ともないトリック。最後のオチはいかにもありがちで苦笑。 作品6:種明かし以降の部分が、冗長で退屈。(そもそも半分より前のところでかなり明確なヒントが出されてしまっているし。)種明かししたところですっきりテキパキ収束した方が、読後感も良かっただろう。作者は種明かし後のところこそ書きたかったのだ、というかも知れないが、この文章のままの終盤では自己満足の域を出ない。 6作品全般を通じて、必然性のない無意味なキャラクター設定が多い。流行なのかも知れないが、小説でお金を取るというのなら(つまりプロなら)、破茶滅茶な登場人物だろうが全てのキャラクターには必然性がなければいけない、と私は思います。もちろん推理物だけでなくあらゆる小説の話。 それができなければ素人の趣味、自己満足に終わってしまう。 | ||||
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新本格30周年記念でリリースされた2部作の白編。 作家陣は新本格ムーブメント以降の新しい作家が手掛けており、館のミステリーというテーマで腕を競っている短編集アンソロジーだ。 作家陣的には黒よりも白の方が売れ線か・・・・。 東川篤哉氏は今回はユーモア度は控えめで初期の頃の本格テイストで勝負しており、トリックはややありきたりながら館の密室殺人という王道路線で楽しめる。 一肇氏は本格路線の館ものミステリーではないが、サスペンス路線の青春ものとなっている。 古野まほろ氏はまず文章が読みにくい(この作家の特徴でもあるのだが)上に本格ものではあるが、館ミステリーとは言い難いし、細かいロジックが展開する割りに分かりにくい。はっきり言ってこの作品集の中では一番つまらないだろう。 青崎有吾氏はまさに特異な館の構造を活かしきったアイデア重視の一発作品。幕切れのトリックが見事だ。 周木 律氏は館ものの専業だけに、今回も驚天動地のアイデアとトリックがさく裂する。館もの本格ミステリーという趣旨に最もストレートに応えた作品であり、個人的には一番面白かった。 澤村伊智氏は本格ミステリーではなく幻想サスペンス調だが、なかなか印象深いストーリーである。 古野まほろ氏の作品以外は全て標準以上の出来で、充実した館もの短編ミステリー集になっている。 | ||||
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