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ジェリーフィッシュは凍らない



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ジェリーフィッシュは凍らないの評価: 3.58/5点 レビュー 83件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.58pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全83件 21~40 2/5ページ
No.63:
(2pt)

実験ノートで、特許を無効にするって無理がある。

この間、あまりにも疲れているのか、推理小説を読みたい気分だ。とりあえず、医師の知念実希人を2冊読んだので、市川憂人を読んでみようと思って読んだ。ふーむ。ジェリーフィッシュという飛行隊の乗組員6人が、全員死んでいたのである。『そして、誰もいなくなった』ということだ。
設定は、1980年代で、U国で、事件は起こる。時代設定がうまい。インターネットが発達していないといのが、ミソだ。インターネットが発達してしまうと、登場人物は簡単に情報を集めることができるからだ。フィリップ教授とその研究員たちの研究グループが「真空気嚢」を生み出したことが始まりです。この技術によって航空機の可燃性ガスは不要になり、四十メートルにまで小型化することにも成功。鍵は窒化炭素という特殊な素材で、これを合成に使うことによってダイヤモンド以上の硬度と樹脂の割れにくさを併せ持った軽量の気嚢が実現できた。
6人の死を操作するのが、マリアと九条漣の刑事コンビ。マリアは、ナイスバディなのだが、ぼさぼさの赤髪、くたびれた服、泥が付着した靴など、姿を構わない。とにかく、朝寝坊のようで、事件が起こるたび、部下の漣がマリアを電話で叩き起こして現場まで引っ張っていくという。朝食は九条漣が用意する。餌付けされている。それに、マリアは、天然ボケ的なところがあり、基礎知識があまりない。部下の九条漣は、冷静沈着で鉄面皮で慇懃無礼。マリアをいつもたしなめる。
しかし、マリアの推理力と交渉力は抜群で解決に導く。このコンビが、ジェリーフィッシュ6人死者事件を解明する。問題は、窒化炭素の開発技術なのだが、フィリップ教授が開発したというのだが、どうも、実験がうまくいかず、Rにもっと聞いておくべきだったなどとメモをしている。
Rとは、レベッカという名前で大学1年生で、とても優秀な学生で、父親が化学者で、子供の頃から、化学実験に親しんでいた。実験の最中に青酸ガスを吸って死んでしまうのだった。それに、レイプされた跡もあり、殺されたのかもしれない。でも、その実験室は密室だった。
結局は、「真空気嚢」の技術は、レベッカが開発したのだった。レベッカが死んだ後、フィリップ教授チームが、特許を申請したのだった。レベッカの実験ノートが見つかって、特許の無効を訴えるって、無理があるなぁ。それは、先願主義という原則の意味は間違えて理解しているのではないかな。
実験ノートで、特許は成立しない。まぁ。
結局は、レベッカが復讐したように交錯した犯人がいたのだが、ステルス機能を持ったジェリーフィッシュが並走していたということだけど、ふーむ。無人飛行が可能なんだね。犯人の告白も説明があるので、物語は重層的ではある。まぁ、刑事マリアはちゃんとカラクリを見抜いてしまうのだが。
結末は? この物語を作り上げたことに、作者の想像力があるんでしょうね。
Audibleで聞いたのだが、ふーむ。リンダのギャーギャーがうるさすぎる。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
448802551X
No.62:
(3pt)

『ちょっとジョン、何よこれ!最初からさっさと出しなさいよこの腐れ軍人!』

面白く読んでいたんですが、女警部さんのこの(タイトルの↑)台詞にはびっくりしました。
この台詞はないでしょう。
漫画か??

この女警部さんのキャラだけ少し浮いていたような…

お話はさくさく読めました。
でも、予想通りのところもあり、それほど心に残る感じではなかったかな。

シリーズもののようですが、これで満足しました。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.61:
(1pt)

で、何を書きたかったの?

最初にお断りしておきます。21世紀の「そして誰もいなくなった」?そうですか、読んで無いんですね、分かります。読んでてまだそんな戯言を言ってるのなら、その方は相当の悪党でしょうね。まず本書はクローズドサークル作品ではありません。私の多少なりの良心からネタバレは致しませんが、最後まで読めばクローズドサークルっぽく書きました騙されたでしょうアハハという作者の小馬鹿にしたような笑い声が聞こえてきそうで逆に「じゃあ貴方は何が書きたかったの?」と小一時間問いたくなります。いや、止めておきましょう、このタイプの人間には何を言っても無駄でしょうから。読み始めて100ページ未満で犯人が読者に分かる本格ミステリ作品を私は他に読んだ事が無い様に思います。いや、近い作品が有りましたな。京極夏彦先生の「絡新婦の理」が。ただし、京極夏彦先生の名誉にかけて断言しますが、あの作品は傑作でした(ただし1回しか使えない手だったのが唯一の欠点でもありました)。話が逸れましたが、脱線ついでに日本にはSFマニアもミステリマニア同様に数多く存在する、という事実はご存知でしょうね。まあ海外のヒューゴー賞だのネビュラ賞だのという御大層な賞は置いておいて、我が国にも細やかながら優れたSF作品に贈られる賞がございます。星雲賞というヤツですがね。「ジェリーフィッシュは凍らない」がまるでコレに引っ掛からなかった、という事実は何を示しているかと申しあげますと要するに『ごめんなさいね、貴方の小説にはセンスオブワンダーの欠片すらありません』と宣告されたも同義な訳です。最後に、このミステリでもSFでも無い無味乾燥で海月以下の値打ちも無い作品を出版された東京創元社に敬意を評してこのレビューを締めたいと思います。ああ、一言だけ付け加えておきます。1983年1月、Apple Computerが製造・販売したオフィス向け16ビットパーソナルコンピュータがありました。名称はLisa。当時としては先進的なGUI機能と操作性を持っていましたが動作の遅さや価格の高さ(当時の価格で1万ドル、日本円で約100万円)などの理由で商業的には大失敗でした。このコンピュータをアメリカ空軍が軍事目的で購入したかどうかは知ったことではありませんが、およそ使い物にならなかっただろう事だけは明言しておきましょう。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.60:
(2pt)

男女の扱いに差がある

文章は上手く読ませるものがあるが、序盤数ページ読み進めるたびに女キャラを見下すような発言がある。
主人公と死んだジェリーフィッシュ内のキャラもどちらもナチュラルに落とすので、キャラ性というよりは作者の考え方だろうか。あまりに回数が多く、くどいので苦痛になる。
女キャラもスペックは優秀なはずだが、昭和にいそうなステレオタイプで、仕事中であろうと感情的になったり男を誘惑する。
設定は面白いがキャラクターが20年くらい前の小説のようで古臭すぎる。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.59:
(5pt)

真剣に読みました

最初から真剣に読みました。
仕事をしながらの執筆、すばらしいですね。
内容は真剣に読めば大丈夫です。
気を抜いて読んでいたら、最後にやられた感が残ります。
すごくおもしろかったです。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.58:
(3pt)

果敢に挑戦する勇気は買う

私の購入した版の帯には綾辻行人の言葉として「『そして誰もいなくなった』への挑戦であると同時に
『十角館の殺人』への挑戦」という文が掲載されいるが、確かにその系譜を持つ作品ではある。

本格推理ではお決まりのクローズド・サークルに叙述トリックが展開され、全員が他殺―。
手垢にまみれたジャンルに果敢に挑戦した作品と言えるが、「挑戦」であり「成功」とは言い切れない。

本作の優れているところを挙げるなら、「ジェリーフィッシュ」の設定と世界観が
変に縮こまっておらず、伸び伸びと描けていることくらいか。

前半である程度犯人は予想できるし、全員他殺のトリックも中盤には読めてしまう。
論理的にトリックが読めると言うより文章の書き方でバレる感じが残念でならない。

また、全体に登場人物に深みが無く魅力的でない。
ここ20年くらいで日本文学、特にミステリを含む大衆文学は登場人物のキャラクター化
(漫画化・アニメ化・テンプレ化と言い換えても良い)がひどく、本書もそれに類する。

捜査を担当する刑事2人は、この後シリーズ化される主人公格だが、
大雑把だが勘は鋭くて美人の上司と、真面目でツッコミ役の部下は、そのイメージを超えてこない。
シーンや状況がいくら変わっても、2人のアプローチ・物言い・行動は同じで、
まるでRPGでプレイヤーが動かす無個性な主人公のようだ。
最近はこういう「お決まりの行動」を早めに出して、キャラ付けさせる傾向にある作品が多いが、
そういうのはシリーズを重ねるうちに染み出してくるもので、安売りするものでないと思う。

謎解き自体も、決められたゴールに向かうような流れで、警察と軍の協力が妙にスムーズだし、
犯人の計画・準備・行動も割と都合良く進む。
勿論、現実の犯罪も「運」という要素はあるだろうが、作者が持っていきたい方向の邪魔になる要素を
除外している印象があり、一歩間違えればご都合主義となりそうだ。

それでも最後まで読ませる力は持っていると思うので、☆3くらいが妥当ではないだろうか。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.57:
(4pt)

満足

満足しています
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No.56:
(5pt)

次作にも期待が持てる

いささか行動原理が極端なキャラクターが多いようにも思いますが、楽しく読ませていただきました。
「そして誰もいなくなった」のパターンを踏襲する作品で、閉じ込められた人たちパートと、外部パートが交互に語られる形式は、「十角館の殺人」を思い出します。しかしそのような先行作品を連想させる外枠を持ちつつも、中身はしっかりとオリジナリティがあり、もっと早く読んでおけばよかったと思います。
シリーズものということで、本作では今一つ活かしきれていないように思えた時代設定(1980年代をあえて舞台に選んでいる)も今後活かされていくのでしょうか。
探偵役の二人の役割も単なるホームズ(考える人)、ワトソン(聞き手、開設者)の関係を超えた面白さを見せてくれる予感もします。
続編も2冊出ているようなので、早く読んでみたいと思います。
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No.55:
(5pt)

惹き込まれた

第26回鮎川哲也賞受賞作。その年のミステリーランキングに上位入賞し、21世紀の「そして誰もいなくなった」と言われるほどの評判の高いミステリー。

てっきり小型飛行船の船内だけで展開されるクローズドサークルがメインと思っていただけに、女性警部とその部下が事件を捜査するという警察小説のような展開に意表を突かれました。

作り上げられた世界観がリアリティを持たせ、小型飛行船という舞台装置も魅力的な謎としてしっかりと活かし切られた、作者のミステリー熱が感じられる一冊でした。
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No.54:
(4pt)

不思議な清涼感が…

字が小さくて化学用語が多くて、なかなか読み進まない?のが、逆に楽しくなってきて、いつもでも謎解きを一緒に楽しんでいたいような気持ちになりました。読後に、不思議な清涼感があり、やられたな、と。
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No.53:
(5pt)

ノスタルジーな美しい光景が浮かびました。本格好きには堪能できます。

前半は途中でやめようかと思うくらい退屈でしたが、後半、見事本格らしくなり、堪能させていただきました。
口数の多い探偵、突っ込み役のワトソン、死体のトリック、軸となるトリック、もうおいしくおいしくいただきました。ごちそうさまです。
図面もあったし、最&高。
探偵役が巨乳美女のツンデレとか、動機が薄いとか、本格ならトリックさえよければどうでもいい派なのでOKです。
中心のジェリーフィッシュのトリックは、「なにこれ、ありなの? 都合よすぎない?」と思いましたが、理由付けが良い。ああありありだわ、と一発で納得。
やっぱり本格は良き良き。鮎川賞は裏切りませんな。

ジェリーフィッシュが空を行く美しい光景が所々にちりばめられているのも良きかな。
飛行船やら気球などが浮かんでいる世界に行ってみたくなりました。
ジェリーフィッシュっていう名前も良い。凍らない、っていうのはヒロインなのか、ヒロインへの主人公の思いなのか。などと読後もロマンチックにいろいろと考えていましたが、なるほど!
タイトルの妙が過ぎます。いやあ、深い深い。

ラスト、墓所にジェリーフィッシュが浮かんで消え去っていく場面、主人公のヒロインへの思い、など、美しい情景が浮かんできました。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.52:
(4pt)

密室内殺人、見つかるのは被害者のみ。犯人は?そして大きなトリックは?

飛行船、という密室内で起きる殺人事件。
それを、事件の動機につながる過去、飛行船内での殺人と人々の混迷、事件後の捜査、三つの時系列で描くという凝った構成。
これはこれで緻密に組み上げられていて「そして誰もいなくなった」調の話の展開をうまく最後まで引っ張っている。たただし、犯人やそのトリックは分かりやすいのでは?

しかし、この小説の大きな骨組みである”ジェリーフィッシュ”の描きこみは見事で、架空とは思えないレベル。ここまで必要かと思われるほど描きこまれていて、作者は理科系の人だろうか?

残念なのは、キャラ造形にあまり魅力が無いこと。魅力的に描こうとしてい入るが、凡庸だしセリフも上滑りしている。

構成はしっかりしているし、トリックもよく考えこまれているので今後に期待かな。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.51:
(4pt)

美品

美品で良かったです
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No.50:
(1pt)

綾辻行人やアガサクリスティと比較するのは…

「十角館の殺人」や「そして、誰もいなくなった」と比較する書評が散見されるが、それはあまりにも酷だと感じた。
何より読んでいて苦痛なのが、ホームズとワトソン役として出てくる刑事2名のステレオタイプなキャラクター造形だ。
このキャラに関してはまるでライトノベルを読んでいるような気持ちにさせられる。(また、女性キャラクターのみ執拗な容姿解説がなされているのも気になる)
閉鎖環境での殺人トリックや、犯人の動機等は、納得できるものであったが故に、上述の表現が残念に感じた。

この作品が1990〜2000年代に発表された、というものであれば納得がいくが、2016年発表である事実からするに、作者のジェンダー観が昭和からアップデートされていないのがうかがえる。

世間で人気の作品が優れているとは限らないということを再認識させられた。この作者の本を再度手に取ることはないだろう。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.49:
(5pt)

雪山に墜落炎上した飛行船という単純で不可解な密室殺人

これは面白かったです。
 それほど推理小説は読み漁ってないけど、自分の知る限りではたしかに「そして、誰もいなくなった」(以下「誰も」と略)を意識してるんだなと思えました。「誰も」に比べると、推理パートが充実しているのが大きな違いですが、後書きによると、当初は推理パートがなくてより「誰も」に近い構成だったようです。

 まずは本筋にもネタバレにも関係ない部分から。
・時代は80年代。自動操縦装置のRAMが「大容量256キロバイト」(!)だとか、修正ソフトのインストールに「フロッピーディスク」が使われているのも時代に合わせたためでしょう。8801が81年だから、当時としては256KBは間違いなく大容量だ。5インチフロッピーもビジネス用途限定の高級品。
・携帯電話やインターネットはない。アマチュア無線はあるだろうけど、普及率は低い。今のように「ネット経由でPCにハッキング」や「携帯電話で911に電話する」のような手段は議論の対象にさえなりません。ジェリーフィッシュの自動操縦装置も、今のドローンより遙かに原始的なものだし、もちろんGPSなどはない。
・架空のU国とかA州とか出てくるけれど、ほぼUSAのArizona州フラグスタッフ周辺を想像すれば良いでしょう。人口密度が低い砂漠地帯。J(apan),C(anada)、R(ussia)の各国家も同様。
・主人公の女性警部は、有能だけど素行に問題があって僻地に飛ばされた感じ?パトレイバーでいう後藤隊長みたいな人だな。田舎警察にしてはかなりの切れ者。
・ジェリーフィッシュとは真空気嚢を使った、画期的に小型化された新型硬式飛行船。しかしこの真空気嚢に関しては …… 仮に中を真空にしても飛躍的に小型化するのは理論上不可能です。ここはスチームパンク的なガジェットとしてスルーしましょう。

 事件は新型ジェリーフィッシュがその実験中に開発者ともども山中に墜落炎上。現場にかけつけると、そこには6人全員の他殺死体が。雪の密室で殺したのは誰だ。一体なんのために、そしてどうやって。

 トリックとしては、「巧妙な不可能犯罪」というよりは「単純で不可解」。
 毒薬の入手、侵入方法、ジェリーフィッシュへの破壊工作、「密室」の構築など、一つ一つには十分に穴がある。ある意味ではその犯罪は誰にでも可能だった。だけど誰にもできない。一つ一つのピースは手に入るけれど、パズル全体として全てのピースをを一つに填めようとしても嵌まらない。
 例えば関係者全員が殺されるのは「誰も」と同じだけど、「島から出た者は一人もいないことが目的証言から明らか」だった「誰も」とは違い,ジェリーフィッシュに目撃証言はありません。極論すれば、十分な装備と経験と時間があれば、墜落現場からの脱出は徒歩ででも可能なのです。しかしそれは同時に非現実的でもある。ベテランの登山家でさえこの悪天候下では困難だし、そもそも周到に用意した犯人が、そんな不確実な手段に訴えるだろうか?まさか雪山に謎の七人目が隠れて待ち伏せしていたのか?(この気温でいつ来るかも分からない相手を?)ジェリーフィッシュの中に隠し部屋があって、そこにずっと隠れていた?(開発者にも秘密で水と食料も込みで?重量計もパスして?)空中で飛び移る?どれにしても不可能ではないにせよ、あまりに筋が通らない。真相はいったい?
 そもそも犯人はなぜ全員を明らかに他殺と分かる状況で殺す必用があったのか。目撃者のいない雪山なのだから、中の一人を機外に放置して凍死させたり、撲殺したうえで斜面を滑落させれば、ちょっとくらい不自然でも「仲間割れの末、犯人自信も事故死or自殺」でケリがつく話なのだ。なぜ犯人はわざわざ事故ではなく事件にしたがったのか?

 それだけに最期にパズルが嵌まる爽快感は良かった。一度読み終わってからもう一度読み返して、最初からはられていた多くの伏線がようやく理解できました。(まだ気づいてないのがあるかも。)

 にしても、あの質問に対してあの答は寂しいねえ。

 自動操縦装置回りの設定は少し不自然だった。
 8bitパソコンレベルのIT技術でも、飛行船用なら原始的な自動操縦装置は可能だろう。しかしおかしいのは、自動操縦装置が故障した際に「解除できなかった」という部分。このような装置を設計する時は、物理的に壊しても解除できないような設計にはしないだろう。ましてやこれは初飛行したばかりの試作品。しかも民間機用の後付けタイプなのだから、適当な工具があれば開発技術者である彼等に外せないわけがない。(あくまで試験飛行なのだから、必用なメンテナンス装備一式くらいは持参してるはず。)
 たとえソフトが書き換えられていても、なんらかの異常が認められた時点で持ってきた工具で装置を取り外し、手動操縦で雪山を脱出すれば良かったのだ。(むしろ技術者が同行する最大の理由がコレだろう。)自動操縦装置を壊してもいいなら、開発者に解除できないはずがない。
 これについては月並みだけど、「爆弾が仕掛けられていて、蓋をあけるとドカンだ」「設計図にはなかった分厚い鉄板で覆われていて、手持ちの道具では手が出せない」などの一言が欲しかった。
ジェリーフィッシュは凍らないAmazon書評・レビュー:ジェリーフィッシュは凍らないより
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No.48:
(5pt)

化学系学生なら疑問が沸く点が。

【ネタバレがあります】
《読み終わった人のみ読んでください!》

ストーリとしては、とても面白かったです。読み始めて2日で読破しました。コロナ対策で自宅待機中の自分にとっては良い暇つぶしでした。犯人がめっちゃ意外な人物で
「え?!そこなの?!」ってなりました。

さて、疑問点です。海月内での殺人が起こる原因となった「レベッカの自殺」についてです。ウィリアムにレイプされてたレベッカはファイファー研でウィリアムに殺されてしまいます。クリス達の手によって、レベッカの遺体を理学部研究室まで運び、そこで「実験中の事故で死んだ」ように偽装されます。
この偽装に疑問が湧きました。

電源が入ってないドラフト内で、ビュレットを用いた【中和滴定】が行われていたそうです。ビーカーの中に青酸Na溶液、ビュレット内に強酸を入れて滴定し、中和反応により青酸ガスが発生していました。このガスが部屋を充満している設定でした(国際学会から帰ってきた院生がガスマスクをする程なのでかなり高濃度)。

ドラフトの扉が開かれていたとは言えドラフトの扉は、家の窓のように、完全に開いてもその空間の半分は扉が占める構造になっています。ドラフトの中で作業すると、作業空間の上半分は遮られ、中に器具を入れるのも大変です。

中和滴定により、「部屋に充満」させ、入口の樹脂を硬化させるためのガスの量は、相当多かったと予想されます。入口で立っている人間に検知されるくらいは必要です。(空気より重いため床から充満すると思います。)
この量のガスを発生させるには、
●青酸Na溶液、強酸の濃度を限界まで高める
●両者溶液の量を増やす
が考えられますが、ドラフト内で作業していることと、ビュレットに入れれる溶液の量は多くないため、必然的に前者に絞られるのですが、濃度を高めると言っても「溶解度」の問題があり、溶かせる量には限界があります。

簡単な実験装置で、立つか座るかしていたレベッカを中毒死させ、かつ合成樹脂を硬化させるのに十分な青酸ガスを発生させることが出来たのでしょうか?
化学系の実験室なので、そこそこの広さ
換気してなかったにせよ密閉まではできなかったと思います。

この点に、ちょっと疑問が湧きました。
マジレスするのは良くないんだけどね…。
エドワードの約10年越しの復讐は凄かったです。レベッカも死ぬ前にノートを託してて
ナイスでした。
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448802551X
No.47:
(5pt)

綾辻行人にカーを足したら、こうなるのかも

文庫版を手にして「創元推理文庫なのに登場人物一覧が無い」ことが気になった。
ということは、登場人物の一人、おそらくは犯人が、身分を偽り、偽名を使っていて、一人二役か何かのトリックなのだろう、と推測した。
登場人物一覧に嘘を書くわけにも行かないし、ネタを割ることも出来ない。だから、登場人物一覧が無い。
そうに違いない。となれば犯人の、おおよその見当は・・・そう思いながら読んだのだが。
こちらの想定を超えた、もっと意外な犯人像であった。
結末では水谷準の短編「お・それ・みお」を思い出した。
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No.46:
(3pt)

保守的な路線

某有名作家のトリックのブラッシュアップ版(もちろん十角館ではない)と言って間違ってはいないと思うが、
向こうがラストの展開が不評なのに対して、こちらは確かに切れ味鋭く決まっている。
ただ、クローズドサークルのパートと警察コンビの捜査パートが交互に描かれるが、
捜査パートの方が時系列では後になるため、謎は増すが緊迫感に欠けてしまう。
「そして誰もいなくなった」の終盤の展開をより効果的に魅せるという狙いもおそらくあるのだろうが、
それは納得できるものの自分には合わなかった。
デビュー作にして既に完成されている感があり、最近の新人ではめずらしく質実剛健な作風で一般受けもしそうだが、
この路線でより突飛なトリックをかましてくることを期待。
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448802551X
No.45:
(5pt)

面白かったです

王道ミステリーなのかな、とても面白かったです。
設定が非常にしっかりとしていて架空の世界の違和感を感じませんでした。
捜査官二人のキャラは私は嫌いです。設定と組み立てが面白いのに変なキャラを付けなくても良かったのでは。
最初の無線交信が既にヒントだったんですね。
ラストの舞い上がっていった後はどうしたのでしょう。地球を見て全てを閉じたのでしょうか。
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No.44:
(4pt)

面白かった

最後まで一気に読めた!!
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