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ジェリーフィッシュは凍らない
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ジェリーフィッシュは凍らないの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.52pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 21~40 2/5ページ
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| 今まで何人に「十角館」を勧め、プレゼントしてきたかわかりません。 でも「ジェリーフィッシュ」を勧めることはまずありません。 本棚にしまったまま、二度と開くこともないと思います。 綾辻作品を引き合いにした帯のコピーの罪深さといったら、もう… | ||||
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| ホームズとワトソン役のキャラクターにしても、U国という設定にしても、必然性がまったく感じられませんでした。 クローズド・サークルものであれば、一定以上の評価をえられるはず、と思って執筆したのであれば、余りにも推理小説ファンを馬鹿にしているのではないでしょうか。 | ||||
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| 近未来的な世界観があるややSFチックなミステリー。 ジェリーフィッシュという架空の飛行船を舞台に繰り広げられるクローズドサークル系の本格ミステリー。 犯人が用いたトリックが秀逸です。 綾辻行人さんの「十角館の殺人」や米澤穂信さんの「インシテミル」などが好きな人は楽しめるのでは。 | ||||
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| こういう面倒な設定にする必要があったのだろうか?設定よりも登場人物にもっと深みがほしい。 半分ぐらいまでは退屈な流れなので前半で読むのを止めた人も多いと思う。 ストーリーを確認するために何回か読み返したが、設定に意味がない箇所やどう考えても無理だろという場面がいくつもあるように思う。特に専門家が読めば、それはあり得ない と思うところがいくつかあるんじゃないかな。厳しすぎて申し訳ないが、一番気になるのは犯人の動機があまりにかるすぎること。よほど時間のある人でない限りオススメはできない。 | ||||
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| 飛行船もの・・・という事で、なかなか手がでませんでしたが、年末・年始の暇つぶし用に購入し読みました。非常におもしろかったです。過去・飛行船内・刑事、それぞれのパートが交互に切り替わり物語は進んで行きます。それぞれの登場人物達に意味深な思考や発言があり、どういう意味なんだろう?と引きつけられながら読む事ができました。少し化学の話が出てきますが、話が難しくなりすぎると読者が離れていく事を踏まえ、私のような一般人でも理解できる内容にとどめてくれています(ありがとう)。この人が犯人なんだろうなぁと思う人が犯人だし、動機も、えっ、それだけ?と若干もの足りなく感じた所もありましたが、そういえば名作「そして誰もいなくなった」もたいした動機じゃなかったような気がします。 この手のパターンの話だと、きっとあのトリックだなぁ~と思っていると良い意味で裏切られました。マリアが犯人に言う1個だけの質問は、「えっw」となりました。 ミステリーをワクワクしながら読めたのは久しぶりで、非常におもしろい作品でした。 | ||||
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| この間、あまりにも疲れているのか、推理小説を読みたい気分だ。とりあえず、医師の知念実希人を2冊読んだので、市川憂人を読んでみようと思って読んだ。ふーむ。ジェリーフィッシュという飛行隊の乗組員6人が、全員死んでいたのである。『そして、誰もいなくなった』ということだ。 設定は、1980年代で、U国で、事件は起こる。時代設定がうまい。インターネットが発達していないといのが、ミソだ。インターネットが発達してしまうと、登場人物は簡単に情報を集めることができるからだ。フィリップ教授とその研究員たちの研究グループが「真空気嚢」を生み出したことが始まりです。この技術によって航空機の可燃性ガスは不要になり、四十メートルにまで小型化することにも成功。鍵は窒化炭素という特殊な素材で、これを合成に使うことによってダイヤモンド以上の硬度と樹脂の割れにくさを併せ持った軽量の気嚢が実現できた。 6人の死を操作するのが、マリアと九条漣の刑事コンビ。マリアは、ナイスバディなのだが、ぼさぼさの赤髪、くたびれた服、泥が付着した靴など、姿を構わない。とにかく、朝寝坊のようで、事件が起こるたび、部下の漣がマリアを電話で叩き起こして現場まで引っ張っていくという。朝食は九条漣が用意する。餌付けされている。それに、マリアは、天然ボケ的なところがあり、基礎知識があまりない。部下の九条漣は、冷静沈着で鉄面皮で慇懃無礼。マリアをいつもたしなめる。 しかし、マリアの推理力と交渉力は抜群で解決に導く。このコンビが、ジェリーフィッシュ6人死者事件を解明する。問題は、窒化炭素の開発技術なのだが、フィリップ教授が開発したというのだが、どうも、実験がうまくいかず、Rにもっと聞いておくべきだったなどとメモをしている。 Rとは、レベッカという名前で大学1年生で、とても優秀な学生で、父親が化学者で、子供の頃から、化学実験に親しんでいた。実験の最中に青酸ガスを吸って死んでしまうのだった。それに、レイプされた跡もあり、殺されたのかもしれない。でも、その実験室は密室だった。 結局は、「真空気嚢」の技術は、レベッカが開発したのだった。レベッカが死んだ後、フィリップ教授チームが、特許を申請したのだった。レベッカの実験ノートが見つかって、特許の無効を訴えるって、無理があるなぁ。それは、先願主義という原則の意味は間違えて理解しているのではないかな。 実験ノートで、特許は成立しない。まぁ。 結局は、レベッカが復讐したように交錯した犯人がいたのだが、ステルス機能を持ったジェリーフィッシュが並走していたということだけど、ふーむ。無人飛行が可能なんだね。犯人の告白も説明があるので、物語は重層的ではある。まぁ、刑事マリアはちゃんとカラクリを見抜いてしまうのだが。 結末は? この物語を作り上げたことに、作者の想像力があるんでしょうね。 Audibleで聞いたのだが、ふーむ。リンダのギャーギャーがうるさすぎる。 | ||||
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| 面白く読んでいたんですが、女警部さんのこの(タイトルの↑)台詞にはびっくりしました。 この台詞はないでしょう。 漫画か?? この女警部さんのキャラだけ少し浮いていたような… お話はさくさく読めました。 でも、予想通りのところもあり、それほど心に残る感じではなかったかな。 シリーズもののようですが、これで満足しました。 | ||||
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| 最初にお断りしておきます。21世紀の「そして誰もいなくなった」?そうですか、読んで無いんですね、分かります。読んでてまだそんな戯言を言ってるのなら、その方は相当の悪党でしょうね。まず本書はクローズドサークル作品ではありません。私の多少なりの良心からネタバレは致しませんが、最後まで読めばクローズドサークルっぽく書きました騙されたでしょうアハハという作者の小馬鹿にしたような笑い声が聞こえてきそうで逆に「じゃあ貴方は何が書きたかったの?」と小一時間問いたくなります。いや、止めておきましょう、このタイプの人間には何を言っても無駄でしょうから。読み始めて100ページ未満で犯人が読者に分かる本格ミステリ作品を私は他に読んだ事が無い様に思います。いや、近い作品が有りましたな。京極夏彦先生の「絡新婦の理」が。ただし、京極夏彦先生の名誉にかけて断言しますが、あの作品は傑作でした(ただし1回しか使えない手だったのが唯一の欠点でもありました)。話が逸れましたが、脱線ついでに日本にはSFマニアもミステリマニア同様に数多く存在する、という事実はご存知でしょうね。まあ海外のヒューゴー賞だのネビュラ賞だのという御大層な賞は置いておいて、我が国にも細やかながら優れたSF作品に贈られる賞がございます。星雲賞というヤツですがね。「ジェリーフィッシュは凍らない」がまるでコレに引っ掛からなかった、という事実は何を示しているかと申しあげますと要するに『ごめんなさいね、貴方の小説にはセンスオブワンダーの欠片すらありません』と宣告されたも同義な訳です。最後に、このミステリでもSFでも無い無味乾燥で海月以下の値打ちも無い作品を出版された東京創元社に敬意を評してこのレビューを締めたいと思います。ああ、一言だけ付け加えておきます。1983年1月、Apple Computerが製造・販売したオフィス向け16ビットパーソナルコンピュータがありました。名称はLisa。当時としては先進的なGUI機能と操作性を持っていましたが動作の遅さや価格の高さ(当時の価格で1万ドル、日本円で約100万円)などの理由で商業的には大失敗でした。このコンピュータをアメリカ空軍が軍事目的で購入したかどうかは知ったことではありませんが、およそ使い物にならなかっただろう事だけは明言しておきましょう。 | ||||
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| 文章は上手く読ませるものがあるが、序盤数ページ読み進めるたびに女キャラを見下すような発言がある。 主人公と死んだジェリーフィッシュ内のキャラもどちらもナチュラルに落とすので、キャラ性というよりは作者の考え方だろうか。あまりに回数が多く、くどいので苦痛になる。 女キャラもスペックは優秀なはずだが、昭和にいそうなステレオタイプで、仕事中であろうと感情的になったり男を誘惑する。 設定は面白いがキャラクターが20年くらい前の小説のようで古臭すぎる。 | ||||
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| 最初から真剣に読みました。 仕事をしながらの執筆、すばらしいですね。 内容は真剣に読めば大丈夫です。 気を抜いて読んでいたら、最後にやられた感が残ります。 すごくおもしろかったです。 | ||||
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| 私の購入した版の帯には綾辻行人の言葉として「『そして誰もいなくなった』への挑戦であると同時に 『十角館の殺人』への挑戦」という文が掲載されいるが、確かにその系譜を持つ作品ではある。 本格推理ではお決まりのクローズド・サークルに叙述トリックが展開され、全員が他殺―。 手垢にまみれたジャンルに果敢に挑戦した作品と言えるが、「挑戦」であり「成功」とは言い切れない。 本作の優れているところを挙げるなら、「ジェリーフィッシュ」の設定と世界観が 変に縮こまっておらず、伸び伸びと描けていることくらいか。 前半である程度犯人は予想できるし、全員他殺のトリックも中盤には読めてしまう。 論理的にトリックが読めると言うより文章の書き方でバレる感じが残念でならない。 また、全体に登場人物に深みが無く魅力的でない。 ここ20年くらいで日本文学、特にミステリを含む大衆文学は登場人物のキャラクター化 (漫画化・アニメ化・テンプレ化と言い換えても良い)がひどく、本書もそれに類する。 捜査を担当する刑事2人は、この後シリーズ化される主人公格だが、 大雑把だが勘は鋭くて美人の上司と、真面目でツッコミ役の部下は、そのイメージを超えてこない。 シーンや状況がいくら変わっても、2人のアプローチ・物言い・行動は同じで、 まるでRPGでプレイヤーが動かす無個性な主人公のようだ。 最近はこういう「お決まりの行動」を早めに出して、キャラ付けさせる傾向にある作品が多いが、 そういうのはシリーズを重ねるうちに染み出してくるもので、安売りするものでないと思う。 謎解き自体も、決められたゴールに向かうような流れで、警察と軍の協力が妙にスムーズだし、 犯人の計画・準備・行動も割と都合良く進む。 勿論、現実の犯罪も「運」という要素はあるだろうが、作者が持っていきたい方向の邪魔になる要素を 除外している印象があり、一歩間違えればご都合主義となりそうだ。 それでも最後まで読ませる力は持っていると思うので、☆3くらいが妥当ではないだろうか。 | ||||
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| 満足しています | ||||
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| いささか行動原理が極端なキャラクターが多いようにも思いますが、楽しく読ませていただきました。 「そして誰もいなくなった」のパターンを踏襲する作品で、閉じ込められた人たちパートと、外部パートが交互に語られる形式は、「十角館の殺人」を思い出します。しかしそのような先行作品を連想させる外枠を持ちつつも、中身はしっかりとオリジナリティがあり、もっと早く読んでおけばよかったと思います。 シリーズものということで、本作では今一つ活かしきれていないように思えた時代設定(1980年代をあえて舞台に選んでいる)も今後活かされていくのでしょうか。 探偵役の二人の役割も単なるホームズ(考える人)、ワトソン(聞き手、開設者)の関係を超えた面白さを見せてくれる予感もします。 続編も2冊出ているようなので、早く読んでみたいと思います。 | ||||
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| 第26回鮎川哲也賞受賞作。その年のミステリーランキングに上位入賞し、21世紀の「そして誰もいなくなった」と言われるほどの評判の高いミステリー。 てっきり小型飛行船の船内だけで展開されるクローズドサークルがメインと思っていただけに、女性警部とその部下が事件を捜査するという警察小説のような展開に意表を突かれました。 作り上げられた世界観がリアリティを持たせ、小型飛行船という舞台装置も魅力的な謎としてしっかりと活かし切られた、作者のミステリー熱が感じられる一冊でした。 | ||||
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| 字が小さくて化学用語が多くて、なかなか読み進まない?のが、逆に楽しくなってきて、いつもでも謎解きを一緒に楽しんでいたいような気持ちになりました。読後に、不思議な清涼感があり、やられたな、と。 | ||||
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| 前半は途中でやめようかと思うくらい退屈でしたが、後半、見事本格らしくなり、堪能させていただきました。 口数の多い探偵、突っ込み役のワトソン、死体のトリック、軸となるトリック、もうおいしくおいしくいただきました。ごちそうさまです。 図面もあったし、最&高。 探偵役が巨乳美女のツンデレとか、動機が薄いとか、本格ならトリックさえよければどうでもいい派なのでOKです。 中心のジェリーフィッシュのトリックは、「なにこれ、ありなの? 都合よすぎない?」と思いましたが、理由付けが良い。ああありありだわ、と一発で納得。 やっぱり本格は良き良き。鮎川賞は裏切りませんな。 ジェリーフィッシュが空を行く美しい光景が所々にちりばめられているのも良きかな。 飛行船やら気球などが浮かんでいる世界に行ってみたくなりました。 ジェリーフィッシュっていう名前も良い。凍らない、っていうのはヒロインなのか、ヒロインへの主人公の思いなのか。などと読後もロマンチックにいろいろと考えていましたが、なるほど! タイトルの妙が過ぎます。いやあ、深い深い。 ラスト、墓所にジェリーフィッシュが浮かんで消え去っていく場面、主人公のヒロインへの思い、など、美しい情景が浮かんできました。 | ||||
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| 飛行船、という密室内で起きる殺人事件。 それを、事件の動機につながる過去、飛行船内での殺人と人々の混迷、事件後の捜査、三つの時系列で描くという凝った構成。 これはこれで緻密に組み上げられていて「そして誰もいなくなった」調の話の展開をうまく最後まで引っ張っている。たただし、犯人やそのトリックは分かりやすいのでは? しかし、この小説の大きな骨組みである”ジェリーフィッシュ”の描きこみは見事で、架空とは思えないレベル。ここまで必要かと思われるほど描きこまれていて、作者は理科系の人だろうか? 残念なのは、キャラ造形にあまり魅力が無いこと。魅力的に描こうとしてい入るが、凡庸だしセリフも上滑りしている。 構成はしっかりしているし、トリックもよく考えこまれているので今後に期待かな。 | ||||
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| 美品で良かったです | ||||
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| 「十角館の殺人」や「そして、誰もいなくなった」と比較する書評が散見されるが、それはあまりにも酷だと感じた。 何より読んでいて苦痛なのが、ホームズとワトソン役として出てくる刑事2名のステレオタイプなキャラクター造形だ。 このキャラに関してはまるでライトノベルを読んでいるような気持ちにさせられる。(また、女性キャラクターのみ執拗な容姿解説がなされているのも気になる) 閉鎖環境での殺人トリックや、犯人の動機等は、納得できるものであったが故に、上述の表現が残念に感じた。 この作品が1990〜2000年代に発表された、というものであれば納得がいくが、2016年発表である事実からするに、作者のジェンダー観が昭和からアップデートされていないのがうかがえる。 世間で人気の作品が優れているとは限らないということを再認識させられた。この作者の本を再度手に取ることはないだろう。 | ||||
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| これは面白かったです。 それほど推理小説は読み漁ってないけど、自分の知る限りではたしかに「そして、誰もいなくなった」(以下「誰も」と略)を意識してるんだなと思えました。「誰も」に比べると、推理パートが充実しているのが大きな違いですが、後書きによると、当初は推理パートがなくてより「誰も」に近い構成だったようです。 まずは本筋にもネタバレにも関係ない部分から。 ・時代は80年代。自動操縦装置のRAMが「大容量256キロバイト」(!)だとか、修正ソフトのインストールに「フロッピーディスク」が使われているのも時代に合わせたためでしょう。8801が81年だから、当時としては256KBは間違いなく大容量だ。5インチフロッピーもビジネス用途限定の高級品。 ・携帯電話やインターネットはない。アマチュア無線はあるだろうけど、普及率は低い。今のように「ネット経由でPCにハッキング」や「携帯電話で911に電話する」のような手段は議論の対象にさえなりません。ジェリーフィッシュの自動操縦装置も、今のドローンより遙かに原始的なものだし、もちろんGPSなどはない。 ・架空のU国とかA州とか出てくるけれど、ほぼUSAのArizona州フラグスタッフ周辺を想像すれば良いでしょう。人口密度が低い砂漠地帯。J(apan),C(anada)、R(ussia)の各国家も同様。 ・主人公の女性警部は、有能だけど素行に問題があって僻地に飛ばされた感じ?パトレイバーでいう後藤隊長みたいな人だな。田舎警察にしてはかなりの切れ者。 ・ジェリーフィッシュとは真空気嚢を使った、画期的に小型化された新型硬式飛行船。しかしこの真空気嚢に関しては …… 仮に中を真空にしても飛躍的に小型化するのは理論上不可能です。ここはスチームパンク的なガジェットとしてスルーしましょう。 事件は新型ジェリーフィッシュがその実験中に開発者ともども山中に墜落炎上。現場にかけつけると、そこには6人全員の他殺死体が。雪の密室で殺したのは誰だ。一体なんのために、そしてどうやって。 トリックとしては、「巧妙な不可能犯罪」というよりは「単純で不可解」。 毒薬の入手、侵入方法、ジェリーフィッシュへの破壊工作、「密室」の構築など、一つ一つには十分に穴がある。ある意味ではその犯罪は誰にでも可能だった。だけど誰にもできない。一つ一つのピースは手に入るけれど、パズル全体として全てのピースをを一つに填めようとしても嵌まらない。 例えば関係者全員が殺されるのは「誰も」と同じだけど、「島から出た者は一人もいないことが目的証言から明らか」だった「誰も」とは違い,ジェリーフィッシュに目撃証言はありません。極論すれば、十分な装備と経験と時間があれば、墜落現場からの脱出は徒歩ででも可能なのです。しかしそれは同時に非現実的でもある。ベテランの登山家でさえこの悪天候下では困難だし、そもそも周到に用意した犯人が、そんな不確実な手段に訴えるだろうか?まさか雪山に謎の七人目が隠れて待ち伏せしていたのか?(この気温でいつ来るかも分からない相手を?)ジェリーフィッシュの中に隠し部屋があって、そこにずっと隠れていた?(開発者にも秘密で水と食料も込みで?重量計もパスして?)空中で飛び移る?どれにしても不可能ではないにせよ、あまりに筋が通らない。真相はいったい? そもそも犯人はなぜ全員を明らかに他殺と分かる状況で殺す必用があったのか。目撃者のいない雪山なのだから、中の一人を機外に放置して凍死させたり、撲殺したうえで斜面を滑落させれば、ちょっとくらい不自然でも「仲間割れの末、犯人自信も事故死or自殺」でケリがつく話なのだ。なぜ犯人はわざわざ事故ではなく事件にしたがったのか? それだけに最期にパズルが嵌まる爽快感は良かった。一度読み終わってからもう一度読み返して、最初からはられていた多くの伏線がようやく理解できました。(まだ気づいてないのがあるかも。) にしても、あの質問に対してあの答は寂しいねえ。 自動操縦装置回りの設定は少し不自然だった。 8bitパソコンレベルのIT技術でも、飛行船用なら原始的な自動操縦装置は可能だろう。しかしおかしいのは、自動操縦装置が故障した際に「解除できなかった」という部分。このような装置を設計する時は、物理的に壊しても解除できないような設計にはしないだろう。ましてやこれは初飛行したばかりの試作品。しかも民間機用の後付けタイプなのだから、適当な工具があれば開発技術者である彼等に外せないわけがない。(あくまで試験飛行なのだから、必用なメンテナンス装備一式くらいは持参してるはず。) たとえソフトが書き換えられていても、なんらかの異常が認められた時点で持ってきた工具で装置を取り外し、手動操縦で雪山を脱出すれば良かったのだ。(むしろ技術者が同行する最大の理由がコレだろう。)自動操縦装置を壊してもいいなら、開発者に解除できないはずがない。 これについては月並みだけど、「爆弾が仕掛けられていて、蓋をあけるとドカンだ」「設計図にはなかった分厚い鉄板で覆われていて、手持ちの道具では手が出せない」などの一言が欲しかった。 | ||||
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