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マチネの終わりに
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マチネの終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全387件 341~360 18/20ページ
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長い間、恋愛小説を読んでいなかった。気分にぴったり合うものがなかったから。 10代・20代のころは、王子様お姫様願望を満たしてくれる恋愛小説はたくさんあったし、読んで「切なさ」に酔えれば十分だった(切なくなりたい願望を満たしてくれる小説やマンガは、日本にはたくさんある)。 でも30代も半ばを過ぎると、恋愛に対するスタンスが大きく変わる。 仕事上のポジションだったり、家庭や地域の中での役割がある程度確立されたうえで人とかかわるので、「恋愛」という要素が入ることはむしろリスクになる。経験を積んで、相手の感情の流れや立場を踏まえた付き合いもできるようになるので、多くの場合、「あえて踏み込まない」態度を取る。 『マチネの終わりに』は、こういう30代半ばを過ぎた、難しい年齢の男女の恋愛小説だ。 設定は才能ある2人(しかも女は美しい)で、自分とはかけ離れているが、だからこそ空想の世界にどっぷり浸ることができる。 小説ならではの美しさを維持しながら、キャリアを積み、自分なりの価値観を培ってきた人間同士が深いところで理解し合い、時間を共有することの尊さを描いている。 きれいごとばかりでもない。 ある程度モノを知り、相手を思いやるがゆえに行動できないもどかしさも描かれていて、年をとるってこういうことだなと思う。 恋愛が若さゆえの特権だとしたら、中年以降の人生は本当につまらなくなってしまう。 この小説は、年齢を重ね、経験を積んだうえで人間関係を築くことがいかに美しいかを教えてくれる。 それはつまり、成熟の素晴らしさを知るということでもある。 女子高生だとかアイドルだとか、コドモ文化全盛の日本でこういう小説が読めるなんて奇跡みたいだ。 もっともっとこういう、「成熟した小説」を読みたい。同年代の男女に強く薦めます。 | ||||
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美しい恋愛の物語なだけでなく、人間の一瞬の魔で起こす過ちや、それに対しての後悔や罪悪感の抱え方、誰しもが経験のあることだと思います。美しい恋愛の物語だけでなく、そういった人間の弱いところの描写もリアルで、いろんな感情が沸き起こります。余韻が残り、心に残る作品です。 | ||||
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内容が、どうしても少女漫画のよう。 大人の純愛ということで、心の葛藤や、立場での不条理を想像していたけれど、小説のために出会うべき二人が出会わされたように感じる。 惹かれ合う過程が見えない。 こんな綺麗事では終わらない。 男性作家のいいところ、女性作家のいいところを使おうとして、非常に中途半端な作品になっているように思う。 | ||||
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初めて平野さんの小説を読みました。2人はいったいどうなっていくのだろう、と展開が気になってどんどん読みすすむことができて楽しかったです。これほどの小説をkindle unlimited で読むことができて、満足です。 | ||||
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あっさりして、サクサク読めた。作者と年齢が同じだからなのかw | ||||
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とても美しく、洗練された大人のための恋愛小説。彼らにとって、愛は単に欲求を満たしたり、社会的地位を得たりするためのものではない。その人間性を深く尊敬し、満ち足りた時間を共有しながら、時に過去の意味をも塗り替えつつ、歳月を共有していければいい。ただ、そんな二人であっても、恋愛は恋愛だから、相手のことが不安になったり、隠し事をしたり、時に仕事や人生の問題と綯い交ぜになったりする。そんな二人に揺さぶられて、私は中盤で読み進めなくなってしまった。 それでも迎えたラストの、マチネーの終わり。子供も仕事もあるのにどうするの、と極めて女性的な心配をする人もいるのだろうけど、私は、二人はこういう時間を共有して、魂が触れ合っていればそれで十分なんじゃないかと思った。 | ||||
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Kindleアンリミテッドで読みました。描写もしっかりしてますし、胸が痛くなるような展開なのにグイグイ読ませるパワーがあります。 ラスト以後が気になりますが、それを書くのは野暮でしょう。 | ||||
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ここまでレビューが高評価なものばかりで驚きです。純粋な方が多いんですね・・・。 既視感のある陳腐なストーリー展開、全編に流れる自己陶酔的な雰囲気・・・。 とても最後まで読み切ることができませんでした。 | ||||
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そもそもなぜギタリストの男とジャーナリストの洋子がこれほどまでに惹かれ合うのか、まったくもって分かりません。薄っぺらい会話、ぎこちない地の文・・・。純文学を装った醜悪な何かとしか読めません。技術的にもストーリー展開にも稚拙な代物です。 | ||||
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最初から最後まで、繊細で美しい文章に感動しました。 こんな小説があったんですね。 | ||||
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ギターの音だけでなく、雨の匂いまで漂ってくる細やかな情景描写で、映画をみてるように引き込まれた。 天才といわれる人は、その圧倒的な才能から、関わった人の達の人生を少なからず狂わせてしまう力があるんだろうと思うと、それがある種の代償かもしれないと感じた。 偶発的にみえる一つ一つの出来事の裏には、いろんな人の想いが作用していて、それも時間の経過とともにあたかも必然であったように見えてきたり、、、人と繋がって生きてる以上、自分自身もそんな不思議な世界を生きているんだなぁと思った。 良作に出会わせてくれたKindle unlimitedに感謝。 | ||||
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恋愛小説というよりも、現在、未来によって過去に意味を与えられることへの希望を感じさせるふたりの生き方に感動しました。 何故、と泣きたくなるような事も、後から振り返れば、「あの時の壮絶な苦しみのがあったからこそ今の自分がある。」という価値を見出だして、感謝の気持ちにも変えていける。 これまで自分が漠然と信じてきた「ムダなことなんてひとつもない」というのは、そういうことなのだと繋がった気がします。 生きる意味と向き合い続けた蒔野と洋子が美しかった。 蒔野のスランプとその後のより色彩豊かな人格、音楽へのステップアップは、今の自分の闘病生活とも重なり励まされるものだったし、洋子の視点での蒔野のニューヨークでの演奏の描写には思わず涙が出ました。 大げさかもしれないですが、 私自身、こうやって生きる意味を考えていける歓びに涙が出て、まさに心が震えるほどの感謝を感じました。 | ||||
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なぜ別の人生を歩むことになったのか、君は冷たい、マリアとマルタ、これらの語句が私の現実をゆさぶります。 | ||||
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ちょっとありえない想定(特に、コンサートのチケットを買っていたら、演奏者の妻と遭遇の場面)が気になりましたが、重厚な筆致で楽しめました。 | ||||
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大人の恋愛ノベルです。 キメ細かい表現から、漂う雰囲気から、丁寧な描写から、大人っぽい香りがします。 主人公のギター奏者は子供っぽいのですが…まわりが洗練された重厚な空間を作り上げることで、風景が違ってみえてきます。 いろいろな偶然と非日常と作為が入り乱れながら、前進していきます。 作り物なのですが…現実に起こりそうなストーリーになっています。 ラストでこれから新しいステージにつながるぞ!としていきます。 だから・・・続編があっても良いのでは? 少し期待しています。 | ||||
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中古品といっても、帯がほんの少し破れている程度でした。中身に汚れもありませんでした。 | ||||
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帯には「結婚した相手は、人生最愛の人ですか?」と ずしっとくるコピーが書かれているが、 内容は、違う意味で、ずしっと深い世界観があり、 ずしっとしたストーリーだった。 主人公の洋子と私自身の年齢が重なり、 彼女の気持ちや仕事に対する姿勢、 あらゆるテーマが胸に深く刻まれた。 今も、ずっと頭の中でギターの音色が響いている。 続きが読みたい気持ちになり、 もう一度、序章に戻ってみたり、 行き来しながら1日で読みきってしまった。 夢中になれた小説。 | ||||
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一般的な定義では説明のできない経験や感情がある。それは決して一時的な状態や感情がいきなり現れるものではなく、互いのそれまでの経験と共に過ごした時間の積み重ねによって創出される。この小説は、最後の2ページの二人を表出するために書かれたものなのではないかと思った。著者は、そのためにその前の400ページを書いたのではないか、と。 正解など一人一人の人生にあるはずもなく、私たちは社会的に受け入れられるための正しい顔と、エゴともいうべき個人の欲求追求の狭間にいつも立たされている。それを改めてこのような形で突きつけられ、ただそうした瞬間の美しさと尊さに圧倒された。素晴らしい小説だと思う。 | ||||
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私は小説の主人公たちよりも一回りくらい年齢が下ですが、とても感動しながら読みました。 人物たちの切々とした気持ちが文章から伝わってくる、小説の醍醐味を存分に味わえる一冊だと思います。 読み終えてみて、ただただ「素晴らしい小説を読ませてくれてありがとう」という気持ちです。 | ||||
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ご無沙汰していた平野啓一郎さんの最新作は大人(40代)の恋愛小説ということで、どんな作品なのだろうかと期待して読ませていただいた。 実際、私も四十を少しばかり過ぎたアラフォー世代である。 そういう私にとって、この小説に出てくる主人公の二人の迷いや不安、プライドや感傷といったものは、身に染みるものがあった。 四十とは「不惑」と言うが、実際には惑わないということはない気がする。 むしろ、いろいろと惑う中で、もう後戻りもできないという諦念が先へと進ませるものなのかもしれない。 それなりに歩んできた道というものがあり、しかしそれで良かったのかという疑問はつきまとう。 それでも、時間は後戻りすることはない。だから先へ進むしかない。 その時、いったい何が自分を歩ませるのか。そんなことを考えながら、この作品を親近感を持って読んだ。 読み終えて、これは単なる恋愛小説ではないと感じた。むしろこれは、ある意味、平野啓一郎のひとつの集大成ではないかという気がした。 彼が歩んできた歴史、社会情勢、混乱した世界の流れ、そういうものを全て取り込んで、咀嚼し、じっくりと熟成させて、それを美しい物語という形で紡いで見せた。 今現代を生きる小説家が、今自分が為すべき事は何なのか、その正統な手段としてここに形作られた物がこの「マチネの終わりに」なのではないだろうか。 私の大切にしている小説家に中村文則氏がいる。 彼も、昨年、ひとつの集大成として「教団X」を書き上げている。 彼は「世界」のありのままを、包み隠さず書いた。それはありのままでありすぎるが故に、読者の一部に拒否反応をももたらしたようだ。 しかし、平野さんはそれを優しく白い布で包んで、人々が嫌がらないよう細心の注意を込めて、今ある「世界」を描いて見せた。 大きく違う感触を与えるこの2つの小説は、それでも「世界」のありのままを伝え、そしてそれでも人へ希望の光を与えて前に進めるよう後押しするという点では同じであると私には思える。 彼らは小説家として、自分のやるべき仕事を成し遂げたのだ。 私は、主人公二人の設定を一人は芸術家として、一人はジャーナリストとしたことに意味深なものを感じる。 この設定でないと、おそらく「今ある世界」を生きる人間を描けなかっただろう。 それぞれが辿る現実の世界で迎える困難、それに伴う思索、そして少ない接点によって繫がる二人の想い、その交流、これらを丁寧に描くことで、私たち読者に「今この世界にある自分」というものを考えさせてくれる。 芸術がもたらす癒やしと救済、ジャーナリズムがもたらす認識と判断、そのどちらも私たちには必要な糧だ。 そして、小説がもたらす物語はそれを統合して私たちに歩むべき道を指し示してくれる。 この小説が恋愛小説である意味は、別の人間である二人が、何を理解し、何を誤解し、何を許すのか、その関わり方を通して、人は人と接し本当の意味で「生きる」ことができるのではないか。 けっして、人は一人では生きてはいないのだという、その当たり前の重みを実感できるのだろう。 久しぶりに平野さんの小説を読んで、とても深い感銘を受けた。やっぱりこの人は、素晴らしい小説家だと想った。 時に頭が良すぎるのではないか、理論で考えすぎるのではないかと過去の小説で思ったこともあったが、それもこれもこの小説に辿り着くために必要な道程だったのかもしれない。 こういう読みやすくて、深くて、美しい小説もそうはないだろう。もしかしたら、これは今年何かの賞にノミネートされるかもしれない。いやむしろ、賞に値する作品だと思う。 多くの人がこの本を手にとって、いろいろ思索し、そして癒やされることを望む。 | ||||
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