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マチネの終わりに
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マチネの終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全387件 301~320 16/20ページ
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平野啓一郎さんのことは芥川賞受賞作『日蝕』のときから注目していましたが 『葬送』等を読んだ後は『透明な迷宮』を除けば新作に接することもなく来てしまっていました。 この『マチネの終わりに』は平野さんの資質が充分に発揮された素晴らしい作品だと思います。 世界的なギタリスト薪野聡史とジャーナリスト小峰洋子。 聡史のコンサートの後に会った彼らは急速に惹かれあいますが 40歳前後という人生の倦怠が忍び寄る年齢である二人の恋は 洋子にアメリカ人のフィアンセがいることも手伝って複雑な様相を帯びます。 現代における芸術家の苦悩(商業的な成功を求められ、 レコード会社と衝突する聡史の精神的葛藤が綴られます)、 バクダッドに駐在してテロに遭遇した洋子の苦しみなど 時代の諸相を盛り込みながら、愛や孤独、嫉妬といった感情に翻弄される登場人物たちに 読み手もいつしか感情移入してしまいます。 トーマス・マンの『ヴェニスに死す』やリルケの『ドゥイノの悲歌』への言及や引用のあたりは ヨーロッパの思想や文学に詳しい平野さんらしく, 洋子のフィアンセとその周辺は、現在の格差社会の元凶とも呼ぶべき 浅薄かつ利己的な人々として巧みに描き出されています。 残酷な世界。ささやかであってもそれに立ち向かおうとする芸術家聡史と洋子の、苦しい試練を経たのちの愛。 昨今の何とも悲しい世界情勢のなか、一筋の光のような希望を与えてくれる美しい小説です。 | ||||
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芸人さんがお勧めしていたので買ってみました。 切ない内容だったけど共感できるところもたくさんあって面白かった。 | ||||
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過去は変えられる、という言葉に、私自身も少し救われました。変えてもいいんだ...と。 二人の恋愛のことを思うと、ちょっと苦しさが残りました。お互いを思うが故にすれ違いかあったり、結ばれないこと...実際にありますよね。でもその方がもしかしたらギターリストとして成功できたのなら、それも正解だったのかな?とか、もしも二人が結ばれていたら、生活していく上ですれ違いがあってお互いを嫌いになったかもしれないし。 プラトニックな関係だったから、妄想で美化されている部分は、そのまま温めるほうが良かったのかもしれないし。と思うことで納得することにしました。やっぱりモヤモヤするし。 現実では、結ばれなかった人の方が記憶に残っていたりしますよね... 最後は、最高の親友になれたのかな? 私は音楽や文章の美しさなどはあまり知識がないので評価は難しいです。 | ||||
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前評判が良すぎて、そこまで良いとも思えなかったです。 途中まで良かったのにな、、 すれ違うとこはアンジャッシュのコントみたいだし。早い段階で誤解を解いて欲しかった、諦めずに。 お人好し過ぎないか?と思いました。 早苗とくっつくのも???だし。 せっかく主人公の二人が素敵なのに、もったいないなぁという後味の悪さを感じてます。 | ||||
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30代40代になってひとりでいる。人生を楽しんで ると宣う、可哀想な♀のための話。チョンのドラマでも見て涙流してればいいのに(笑)さもなくば同じ境遇の恩田でも読んでろ。という位の愚作。平野啓一老先生もここまでジゴロ作家に,,,文章は流石にうまい、でもそれだけ | ||||
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絶妙なスレ違い。 噛み締めながら読んだ。 美しい文体。 ラブストーリー。 | ||||
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自分は冷めてるから、蒔野と洋子が初めて会って、惹かれ合うのはまだしも、そこからまあ、何度スカイプで語り合ったかも分からないけど、2回目に会っていきなり愛の告白もすっ飛ばして結婚?みたいな話になった時には、あー、ハイハイと、没入できずに少し離れたところから観察みたいに読みました。 そんな圧倒的な愛って、想像つかないんで。しかもお互い、純粋に人間性だけってわけじゃなくて肩書きとかバックボーンに惹かれた感じがまた。有名監督の娘だから〜天才と謳われたギタリストだから〜3割増しに惹かれたみたいな。 まあ、そこが闇雲に惹かれ合うワカモノと違いオトナの恋愛ってとこなんでしょうけど。 でも、そこはキャリアのある小説家。綺麗にまとまっているし、物語の構成の見本みたいに、読ませる仕掛けがそこかしこに。 ともすれば陳腐なトレンディドラマの恋愛物語で終わりそうなところ、哲学的な問いだとか、世界情勢やらのこれは平野氏の意見なのかな、知的な意見なんかも盛り込まれ、割と楽しく読めます。ちょっとリベラルで善人過ぎる洋子のキャラには微塵も同調できなかったけど、まあ、そうありたいとは思いますけどね。 彼の美しい文章はデビュー時変わらず健在だが、耽美過ぎるデビュー作に比べ、円熟して、上手く読者に歩み寄る術を獲得したのだなぁ。彼の知的レヴェルについていけない私のような一般読者を獲得することにも成功しているなぁ。と、ちょい意地悪な上から目線で言うとそんな感想。 感動はしませんでしたが、興味深くは読めました。心揺さぶられたとか、そんな大げさな!平野氏の仕掛けにハマっただけだと思います。 | ||||
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繊細かつ読みやすい表現の心理描写が良かった。 憧れとか嫉妬とかという意味で感情移入することは私はなかったが、第三者として見たうえでの共感する心理がすごくあり、心を動かされた。 | ||||
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「恋愛モノ」という、文学の一番のテーマを主題に扱いながら、ある種の嘲りの対象にもなる作品。 しかしながらこの作品は、紛れもない「恋愛モノ」ながら、悲恋や結ばれるとい「恋愛モノの結末」では終わらず、残酷なる現実の方法論で「恋愛モノ」ではない「恋愛」の終わらなさを表現している。 物語に魅了され読み進めさせられながら、ずっと読んでいたいと心の奥が願っているという感覚は、過去にも十数冊程度でしか体験したことがない。 | ||||
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お互いを想う気持ち、切なさの余韻が続く素晴らしい作品でした。 各々の人々に、その瞬間の決断があり、それらが連続しており、 意味があること、正負の両方があることを考えさせられます。 小説としては、薪野と洋子の感情が主題と捉えられそうですが、 三谷早苗、リチャード、ジャリーラ、フィリップ、洋子の父母、 ケン、優子、の人生の決断と意味について考えさせられます。 そして、それらを達観した二人のニューヨークでの再開、 いつまでも見ていたい、圧巻のラストでした。 | ||||
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久しぶりに平野啓一郎作品を読みました。お気に入りの一作になりそうです。 お互いに忘れることができない存在と、年齢が手に入れさせてくれたあれこれを受け止めながら進める人生に共感し続け一気に読みきりました。時間も空間もスケールが大きい点も心に残った要因の1つだと思います。 人間の感情に結び付けられた思考にフォーカスする描写に、初期作品で特に感じられた、三島由紀夫の作品のような視点を感じました。 | ||||
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本文中に何度と出てくるこのフレーズは、自分自身のこれからの生活の支えになりそうだ。 ”未来は常に過去を変えているんです” うん。過去への後悔はあるけれど目の前のことに向き合って丁寧な一日一日を過ごそう。 そうすればきっと過去の出来事への解釈が変わるかも知れない。 本書を読み終わった今そんな気持ちです。 | ||||
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サンプル版から読み始めました。 久々の恋愛小説にドキドキしてます。 二人はまだ出逢ったばかり。 早速Kindle版ダウンロードして、続きを読みます! | ||||
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あらすじだけ読むと、江國香織・辻仁成コンビの『冷静と情熱のあいだ』のような濃密な大人の恋愛物語を想起します。 しかし、その内実は、哲学的な詩句と流れるような文体に彩られたど真ん中の純文学。気を衒った性描写があるでもなく、かといって悪い意味で鳥肌が立つような寒いトレンディドラマでもありません。 私がこの本を推す一番のポイントは、「偏り」の無い物語であるということ。 政治、経済、戦争、震災etc…さまざまな方面でデリケートなトピックが描かれていますが、作者の顔が透けて見えるような、思想の押し付けがありません。 それこそ薪野が愛するような「静寂」のなかで、人は何を大事に温め、どこへ向かって歩むべきなのかを、自分のペースでゆっくり考えさせてくれます。 こういう静かなスペースを用意してくれる本はなかなかありません。良い読書でした。 | ||||
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先日、TV番組で又吉さんが評価していたので購入しましたが高評価を得るわけだと思いました。 | ||||
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平野氏は、飯田橋文学会の文学LIVE!で以下のことをおっしゃっていたのが印象的だった。 これを聴いたのは、「マチネの終わりに」を読む前だ(興味のある方は、youtubeで飯田橋文学会で検索してみることをおすすめする)。 「僕自身の読書体験として、やっぱり1ページ目を開いたときと、最後のページを閉じたときに 自分の中に何の変化もなかったら、どんなに面白い小説でも僕は何かむなしいんですよね。 読んでいるときは面白かったけど、結局全部知っていることだったし、自分は何も変わらない、と。 僕自身が本を読んだときに満足を感じるのはやっぱり 読んだことによって読む前の自分とは何かが変わったということです」 *** 本書で、とても印象的なシーンがある。 それは、パーティの際、洋子の実家にある大きな平べったい石の話をしているときのことだ。 彼女にとって、その石は幼いころにテーブル代わりにしておままごとをした思い出深い石だった。 きっと、それを見るたびに今までは胸の中が懐かしさで暖かくなるような石だったのだろう。 だが、彼女の祖母が転倒してそれに頭をぶつけて亡くなってしまってからは、その石が持つ意味が変わってしまった、と。 蒔野はそれを、その後に起こってしまった出来事のために過去は変容する、と表現した。 この場面を読んでいるとき、周りの人々がモノクロで、彼ら二人だけがカラーになっているように感じた。 洋子と蒔野の気持ちが通じ合った、美しいシーンだった。 それだけに、(物語なのだから)このあとに「転」すなわち何らかの別れが待っていることが予想できて、余計に悲しかった。 本書を読む前は、過去というものは変わらないものだと思っていた。 しかし、現在に起こる出来事によって変わりうるのだ(良くも悪くも)、という新しい感覚を 「マチネの終わりに」を通して獲得することができたように感じる。 飯田橋文学会の文学LIVE!は2013年で、本書が出版されたのは2016年だ。 自分の理想とする小説を公言し、自ら作り出すよう努力し実現する、というのは まさに小説家としてあるべき姿であり、とても素晴らしいと感嘆した。 | ||||
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純文学系というのでしょうか。男女の恋愛小説なのですが30ページほど読んでギブアップしました。話ではなく美しい文章を楽しむことに重点を置いた小説は本当に相性が悪いなと再認識しました。芥川賞を受賞したことのある作家さんということで「ああー…」とちょっと納得。 評価は☆1です。文体は合わない、ストーリーは退屈、これからの展開が見え透いていて読み進める意欲がまったく湧かない、ざっと一気に流し読みして最後までまともに読めなかった小説はこれで三冊目です。 文体に関しては好き嫌いがあると思いますが小説にある程度の起伏と意外性、面白さを求める方には本作はお勧めしません。 | ||||
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前半は良かったが、途中で出てくる女があまりにも卑劣で、結果的に後味の悪い終わり方だった。 | ||||
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単なるおとなのラブストーリーと片づけてしまうのは勿体ない秀作だと思います。 音楽一筋ゆえのギタリスト蒔野の純粋さと不器用さが感情移入させてくれます。 著者曰く「知っている人が聞けば物語の本人がばれてしまうので実名は出せないが 氏のよく知る人物の実話に多少のアレンジを加えた物語」だそうで、それを知ると なおさら心動かされるものがあります。 文章がとても美しく、速読してしまうと一瞬意味を見失いそうになりますが 噛みしめて読んでみると何て素敵な表現なんだ、と感心してしまいます。 平野啓一郎さんが別著書「スロー・リーディングの実践」を書いているのも なにか納得させられてしまいました。 酷評されてる方も散見されますが、まあ好み、相性の問題もあるのでしかたないと思います。 しかし、ふだん恋愛小説というと真っ先に敬遠してきた私も本作には感動させられましたので 「甘ったるい恋愛ものなど読めるか」と思っている方、ぜひ読んでみて下さい。 | ||||
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『空白を満たしなさい』や、『日蝕』も見させていただきましたが、今回の作品は、恋愛ものだったので、これまで見た作品と違い、また違う面白さがありました。村上春樹の『国境の南 太陽の西』のように、30代から40代位の方は、共感することの多い内容ではないかと思います。大満足です。 | ||||
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