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涙香迷宮
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涙香迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 21~40 2/3ページ
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初めての作家の初めての作品を読了。暗号ミステリーとのことですが、最初から最後まで、パズルやコトバ遊びや暗号をこれでもかって紹介して、結局、殺人事件の動機やトリックに斬新さは無く、作者の自己満足のような作品でした。残念。 | ||||
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破格のデビュー作「匣の中の失楽」以降、これと言った作品の発表がなかった作者の久々の傑作という噂を聞いて手に採ったのだが、全くの期待外れだった。一応、暗号解読を中心としたミステリなのだが、自作の<いろは歌>を創作した作者の労力は買えるものの、ミステリと言うよりは"パズル雑誌"と言う趣きが強く、無味乾燥という他はない。 日本における暗号ミステリと言えば、柿本人麻呂論(ただし、梅原猛氏「水底の歌」からの借用が多い)及び(本作同様)<いろは歌>の謎に迫って歴史ロマンを感じさせる井沢元彦氏「猿丸幻視行」がまず想起されるが、本作の対象の黒岩涙香と柿本人麻呂とでは格が違い過ぎて(涙香が近代人という影響もあろう)、物語に求心力がない。また、本作において、(涙香が残したとされる)暗号を解く事が大した意味を持っていない点も本作のインパクトを弱くしている。また、暗号ミステリにおいては、暗号を提示する側の作家が圧倒的に有利で、読者はどのようなポイントが暗号解読のキーになるのか予測する術がなく、ただでさえ求心力が落ちがちである。そこを読ませるのが作者のテクニックなのだが、この点でも工夫が見られない。語られる薀蓄の何処かにキーがある点は分っても、上述した通り、具体的に予測する術がない上に、何の工夫もなく解決を提示されても読者が感心・感動する訳がない。ミステリとしての体裁は初期の「囲碁」シリーズと同様だが、暗号解読を抜きにしても、ミステリとしての出来もお粗末である。 本作を読んで改めて思ったのだが、作者は破格のデビュー作「匣の中の失楽」でミステリ作家としての能力を使い果たしてしまったという感が強い。本作に関しては期待値が高かっただけに誠に残念である。 | ||||
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「このミス一位」と「いろは歌に掛かるトンでもない暗号ミステリ!」との前宣伝に魅かれ読破。 感想として…ほとんど読み飛ばした斜め読み…。 端的に言って「暗号部分は凄いと思うんだけど絶望的なまでに話が面白くない」。 むしろ読んでいてイライラしてくる始末。 前半はミステリオタクたちが集まっての黒岩涙香談義(何でもこの人は日本ミステリの先駆けらしい)。 薀蓄全開でオタクは読んでて嬉しいのかもしれないが、一般人は黒岩なんとかなど興味ないのでは? 自分もそれほど黒岩某に興味が惹かれなかったので、この人物の薀蓄を何百ページも最初から読まされてまず辟易。 中盤は真夏に茨城県の山中の地下で中年男達が集まっての「暗号読解会」。字面だけで頭が沸騰しそう。 この中盤の何が凄いって「いろは歌」が五十首以上ダラダラ書いてあること(マジに書いてある)。 自分は、あの有名な「いろはにほえど~」の歌に重大な暗号が隠されていて、それでお宝とか重要機密とか 探して日本全国を回ったりするのかな?面白そう!と読む前は思っていたのだが、全然違った。 マジで山中の地下で会話するだけ。しかもこの五十首全部について…。 そもそも暗号解読の対象が多すぎて、暗号もこじつけ気味で専門知識が無いと絶対に解けない。 まともにこの本読んで謎解きしてる人は居るのだろうか?って思うくらいダラダラダラダラ…。この辺からもう斜め読み開始。 後半になって取ってつけたような殺人事件勃発。事件が遅すぎんよ。しかも雑。 だって発生から解決まで百ページくらいしかない。これじゃ短編やん…。 何より読んでいて苦痛だったのが執拗なまでの「主人公上げ」「天才イケメン高校生棋士探偵上げ」。 この作品は天才高校生イケメン囲碁棋士(笑)が主人公兼探偵役なのだが、何が可笑しいって この主人公が発言するたびに、周りが「流石天才!」「こんなこと私達では思いつかない!」「考える姿に華があるわ!」と ヤンヤヤンヤと持ち上げまくる。冗談ではなく、一つの台詞を喋るごとに誰かが太鼓持ち発言をする様式美! まるでどこかのライトノベルのようだ。流石お兄様! さらに何が酷いって、これを70近いおじいちゃんが書いているって事! 作中には主人公のイケメンだけでなく美人女子高生(主人公の彼女)笑 が出てくるが、この女の口調がもうだめ。笑える… 若者を描こうと「スマホ」や「ツイッター」なんかの今時言葉も出てくるが、それがまた無理してる感出しすぎ。 最後に何が言いたいかって、「創作の評価はまず第一に面白さ」でしょ! トリックが凄い、ギミックが凄い、薀蓄が凄い、世界観がすごい どれもミステリ創作に大事な要素だけど、その各要素が個別に優れていても作品全体が面白くなければ何の意味も無い。 この基本に立ち戻って、大御所にこびへつらうのではなく、本当に面白い作品を今後選んでください 「すごい」だけで「面白くない作品」ばかり選んでいくと、どんどん信頼されないランキングになるよ >このミス選出に携わっている人達 | ||||
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初めて竹本健治作を読みました。読みやすい文章でサクサクいけました。 これから買う人が注意すべき点はオビやランキングで謳われる「暗号ミステリ」と「殺人事件」は別物という点です。 「暗号ミステリを解いて殺人事件を解決する」を期待して読むと肩透かしをくらいます。無関係とまでは言いませんが別物です。 良かった点 ☆若いイケメン探偵が活躍(恋人?はでてきますが恋愛要素は描かれていません) ☆サクサク読める ☆いろは歌や涙香にまつわるウンチクも適度に楽しめました 悪かった点 ★シリーズの最初巻ではないせいか探偵と助手?の人物像について客観的な説明がほぼないので年齢や関係性が分かりにくく感情移入しにくかったです ★3分の1を読んだ位で読者には「なんとなく」犯人の検討はつくけど探偵が最後に犯人当てをしても「なんとなく」のレベルだった ★ある状況下における前提条件にムリがあるだろと複数箇所でツッコミたくなる ★高校生は借りたスマホをシャットダウンして返したりはしない 以上のことから「読みやすい本だけど殺人ミステリとしてはうすーーい、けどイケメンなんで許す」というのが私の感想です。 殺人事件はオマケです。暗号はへ~すごいふ~んです。イケメン万歳で読みやすいのがいい方だけにオススメします。 | ||||
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きっちり時間掛けて読めば、また評価違ったのかなぁ…なんでこの本読んだんだっけ?と思ったら、このミス1位でメモしてたんだった。さて肝心の中身ですが、正直、ミステリーとしてはどうかなぁ…天才高校生を保護者抜きで穴蔵に連れてって周りのほぼ初対面の大人達が唯々諾々と従うとか、どこの金田一少年ですか。殺人事件としても、殺人未遂を防ぐにしても、ベタで、実際に起きても地方紙に小さく載る程度…コナンか金田一少年を見習って頂きたい…とこき下ろした後で。日本語で書き下ろす本だと、文書のレイアウトで遊ぶ、韻を踏む等で遊ぶ、珍しい手法がありますが、これがまさにそんな本です。美しい?日本語を見られるという点ではすごいです。思い出したのですが、読むの自体には苦労しなかった。その意味では良書ですかね、私の感覚に合っただけかも知れませんが。このミス1位を期待して読まず、日本語でイロハと暗号で遊ぶ本と考えれば、読めるかも。 | ||||
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このミスで1位だったので購入しましたが、ホント買わなきゃ良かった。 ただの作者の自画自賛。 ミステリーとしては布石もトリックも動機もひどいものです。 物語の〆も釈然としない。 暗号が好きな人なら楽しめるかも… | ||||
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うーん、このミス一位にこれかー 読むのがしんどい一冊でした。 ほんと褒めあいといろは歌だけって感じ。 もうこの人の本は読まないなあ、、、 久しぶりにがっかりでした。 | ||||
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出てくる謎の大半は主人公の天才的閃きで解決するため、読者にはヒントになる情報がほとんど提供されません。 人間レベルの人が読むと確実に置いてきぼりを食らうので、自分は謎解きの超人だと思う人だけ読むといいと思います。 | ||||
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このミス1位ということを聞き、購入しました。 感想は暗号がすごい!という感じです。正直ミステリー的にはあまり面白みを感じず、暗号も予想がつかない答えだったため、あまり考えずに読み進めていきました。いろは歌の暗号トリックのすごさを体験したい方にはオススメです! | ||||
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本作品は、各出版社主催の2016年に刊行されたミステリのランキングで、上位にランキングされている作品であることと、著者が1978年に「匣の中の失楽」という傑作をひっさげてデビューした実力派であることから興味を持ち、読んでみることとしました。 結果は、評判どおりの良作で、大変に満足しています。 明治時代の傑物・黒岩涙香を研究する人たちが、多芸な涙香のある趣味の中に暗号と思われるものを見いだし、茨城県の山中に、涙香の隠れ家(廃墟の地下遺構)を発見する。 その建造物の中の12の部屋には、いろは48文字を一度ずつ使って作られた「いろは歌」が併せて48首散りばめられていた。 それらの歌に隠された暗号に、天才囲碁騎士・牧場智久が挑む、というストーリー。 まず圧倒されるのは、48首も、いろは48文字を一度しか使わずに構成された歌が、もちろん別々の内容で、しかもきちんとした日本語の文章になっているということ。 これを著者が自分で創作したのであれば、大変な苦労があったであろうし、驚嘆せずにはいられません。 さらに凄いのは、この歌に暗号が隠されていて、ある手法を用いると、涙香の遺した「宝物」が示されるということ。 この暗号が解かれていく過程は大変スリリングであり、この仕掛けを作り上げた著者の才能には脱帽します。 しかも、最後に明かされる「宝物」は、意外かつ驚愕必至の内容となっています。 「匣の中の失楽」を執筆した時の実力が、数十年を経た今も、衰えていないことを実証していると思います。 私自身は、暗号小説を沢山読んでいるわけではないのですが、恐らく日本の暗号小説の傑作のひとつと言える、江戸川乱歩賞受賞作「猿丸幻視行」(井沢元彦著)を読んだ時の感動に近いものを味わえました。 本作品は、文句なしの暗号ミステリの傑作です。 ミステリファンなら、必読の一冊と言えるのではないでしょうか。 | ||||
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このミス1位なので買ってみましたが、あまりに訳わからん内容なので投げ出しました。 このレビューの少なさがこの本の評価なんでしょうね。 久しぶりの 買ってはいけない でした... | ||||
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本書の圧巻は、言うまでもなく「いろは」に「ん」を含めた48文字の並べ替えで作られた、50首以上のいろは歌だろう。それらはほとんどが黒岩涙香の作という設定になっているが、実際はもちろん竹本健治の偽作。 1首、引用すると、 ケンタウロスよ 星降らせ けんたうろすよ ほしふらせ 琴座のベガも 笑み送れ ことさのへかも ゑみおくれ 天ぞ指にて 螺子廻る あまそゆひにて ねちまはる 夜話を紡ぎぬ 営為なり やわをつむきぬ えいゐなり 登場人物の1人が「ちょっと宮沢賢治を先取りした感じ?」などと評していて、涙香の天体趣味も まことしやかに語られてるが、まあ明治の感性ではない。 しかし、ほかにも花鳥風月や妖怪尽くし、虫尽くし、ミステリいろは… と趣向をこらしているので、これは読んでみる価値がある。 作中で「どうしてこんなふうにうまく作れるのかしら」と賛嘆したり、最後のほうで明らかにされた秘密についても「こんなこと、人間にできるものなのか?」と驚いているが、そう書いている竹本氏自身が考え出したことなんだから、自画自賛も極まれり。作者のドヤ顔が鼻につくとの意見もあるようだが、ここは愛嬌と受け取って置きたい。 ただ、いろは歌の暗号は感心する人も多いようだが、私はあまりいいと思わなかった。ふつうの いろはに謎が込められてるのなら感心するのだが、暗号のいろはは一見意味不明の文章で、これだったら何とでもつくれるという感じ。 殺人事件の謎と、いろはの暗号が全く別物なので、読後の快感が少ないという問題もある。 まあ謎解きに到る過程のうんちくは堪能できたが、これも読むのがシンドいという人には逆効果だろう。 うんちくと言えば、遊芸百般の黒岩涙香についてはあまり知らなかったぶん、ちょっと詳しい評伝を読むような感じで私には愉しめた。連珠のルールを定め、正調俚謡を広め、競技かるたを創始し、闘犬、囲碁、ビリヤードでも通人の域に達していたことなど、一般の人にも伝わるようになかなか巧く語られている。 天才囲碁棋士の主人公に、囲碁にも何にも詳しくない女子高生の彼女を配することで、知識のない読者にも入りやすくしているのは、よくある手法だが悪くない。 笑ったのはTwitterで、主人公はロリコンと呼ばれてるだろうな、などとつぶやいた人がいたことで、確かに『涙香迷宮』本文中には説明がないものの、主人公も高校生なのは巻末著作リストの解説を読めば分かるだろ。 まあ高校生の言うことに対して大のおとなが称賛してばかりで、唯々諾々と従っているというのも奇妙な図だが。工藤新一かよ。そう言えばヒロインの女子高生は剣道2段で、空手少女の毛利蘭を思わせるが、前者は1992年には作品に登場している(『凶区の爪』)から1994年スタートの『名探偵コナン』よりは早い。 そういうわけで、うんちく部分を除けば、ものすごくベタな推理小説なのだが、この小説での殺人の動機は多くの人がクサしているものの個人的には納得できた。 犯人が「世界の中心に…」という少し前の流行語を口にするのは減点だが、ゲーム性にのめり込んだこの小説だからこそ許される動機づけだろう。 すでに多くの人のレビューがあるのに、つい語ってみたくなる作品ではある。 | ||||
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最初っから延々続く、登場人物同士の褒めあいとそれを上回る主人公賛美がすごい。 ハイハイ天才なのはよくわかりましたよ…と思ったとたん今度は涙香作とされるたくさんのいろは歌を、 登場人物が粋だ上手いと延々褒めるという褒めスパイラルで閉口。 作中では涙香作ということになっていますが、結局これ作者の方が作ったものでしょ? 自分で作ったいろは歌を自分のキャラクターに褒めさせているという構図が最高に気持ち悪くて、 何度かギブアップしようかと思いましたが、読了したら印象が変わるかもしれないと思い、 なんとか読み終えました。 うーん厳しい。でもこれシリーズなんですよね…?僕は竹本さんの本を読むのが初めてだったのですが、 こんな毎回延々「天才!」「いやいや偶然ですよ~」のようなやりとりをしているんですか?正気ですか? 途中から褒めるのにも飽きたのか事件が展開しはじめるのですが、 少なくなったとはいえ「さすが天才」「かなわないな」のような言葉が合いの手のように入り、 なんだか最後のほうは面白くなってきました。ですがそういう面白さはいらんのです。2000円以上するんやぞ! あれだけのいろは歌と暗号、さぞかし大変だったでしょう。すごい。 すごいけどこんなもやもやした本はないです。 褒められたさすぎでしょ… レビューなど書いた事はないのですが、思わず書いてしまう程に主人公が天才かつハンサムでした。 というかその印象しかもはやありません。厳しい!ここ10年ぐらいの読書で一番厳しい。 天才ハンサムと碁といろは歌が好きな方はどうぞ。 ミステリとしては他の方も指摘しておられますが、「何故外部犯だと最初思い込んだのか理解に苦しむ」以外は普通です。 | ||||
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他の方のレビューに、小説中のいろは歌は作者自身の作とあり、こんな凄い人がいるんだと本当に驚きました。 小説中で解かれなかった涙香と秋水の謎については、 秋水が当時の世論に反する過激な非戦論を展開していたという前提と、 この物語の展開を合わせて考えると、涙香は秋水に「命を狙われている」くらいの立場だということに気づかせたかったのかなと思いました。 だから牧場さんも答えを言いたくなかったんじゃないかなぁ。 間違っているかもしれませんが。 | ||||
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パズル的には、良く出来てるんだろうけど、小説としては、疑問です。読むのが、中々辛かった。読み終わった満足感はあるが、面白かったとは、正直思いませんでした。後、文章も「うへっ」、「ピシャリと膝をうつ」などなどちょっと古い感じで、登場人物皆んなが、主人公リスペクトし過ぎで、嘘くさすぎて、イマイチ入り込めませんでした。このミス1位は無いでしょう。 | ||||
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その昔、小生が探偵小説ファンにデビューしたとき、涙香が日本探偵小説の元祖であると知った。やがて、60年安保闘争を経て日本の社会主義運動は社共の対立、全学連分裂から新左翼諸派の発生へ向かった。その過程で小生は幸徳秋水や堺利彦を学び、彼らが「萬朝報」で日露戦争反対の論陣を張ったが社主の涙香と対立して社を去り、日本社会主義運動黎明期の一翼を担ったことを知った。 したがって、小生にとって涙香、秋水等が登場する本書はまことに興味深いものであった。また、未完の坂口安吾「復員殺人事件」を高木彬光が書き継いだくだりは思わずにんまりであった。乱歩編集の「宝石」へ「樹の如きもの歩く」と題されて連載され、これをリアルタイムで読んだが、いまいち納得できなかった記憶があるからである。ラストに出てくる連珠の棋譜も面白く思わず丹念に一手一手を追ってしまった。いろは歌を50首考え出したのも只々驚嘆するのみである。 と、いうわけで本書はアイドル探偵のとってつけたような犯人捜しよりも、その薀蓄を楽しむことに価値がある。よって星三つ。 辞表を出した秋水の喉元へ涙香が匕首を突き付け、秋水がお礼を言って社を去る。これはどういうことかと言う謎かけで本書は閉じる。正解を知るにはどうしたらいいのか、どなたかご教示を。小生の死滅寸前の脳細胞には「泣いて馬謖を斬る」ぐらいしか浮かばないのだが。 | ||||
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このミス1位ということで手に取ってみました。 いろは歌、暗号、連珠、黒岩涙香この中の二つぐらいは興味がなければ面白く読めませんね。 トリックはないに等しいし、せめて小説として面白ければなあ。 殺人の動機もなんだかな。 女の人が三人風呂なしじゃきついだろ。 タイトル戦控えた囲碁棋士がこれでいいんか? 突っ込みどころも満載。 いろは歌にエネルギー注ぐのはいいがそれでガス欠になったのかな。 これが一位となると今後のミステリーの売れ行きに響いちゃうかもね。 マニアックな投票者が多いせいか今年の一位にはついていけませんでした。 | ||||
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毎年このミス1位は読んでいて、期待が大きすぎたのかもしれませんが、私としては拍子抜けの内容でした。 確かにいろは歌と暗号はすごいです。こんなことどうやったら思いつくの、と感嘆します。でも、全体を通して著者のドヤ感が透けて見えるというか。。 気になった点としては、 ⚫︎主人公に感情移入できない。高校生はあんな喋り方しない。というか、主人公は智久なの?類子なの?主語がブレ気味で、どちらの話か分からない。 ⚫︎会話のセリフで誰が話しているか、よく読まないと分からない場面が多い。 ⚫︎囲碁、連珠を知らない読者は置いてきぼりになる。 ⚫︎犯人を推測した理由も「それだけ?」と驚くレベル。犯行の動機もあまり納得できない。もやもやが残る。 といったところ。 ミステリーらしく、散りばめられた伏線が見事につながって、「やられた!」と思うところは一切なかったです。どなたかがおっしゃってましたが、最後まで読めば何かがあるのかと思って頑張って読んだという感じです。残念。 日本語の暗号が好きな人、黒岩涙香が好きな人、古文や歌が好きな人は、楽しめるかもしれません。 | ||||
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謎解きというよりは暗号解きの一作。確かにここまでの「いろは歌」の創り込みと解読方法の案出はスゴいが一面では、スゴいんだぞ見てくれよというか、暗号のための暗号という感じもする。極論かも知れないが、登場人物の人物造型も浅く、犯人像もえっそんなんで人を殺すのかというのが第一印象。大体、あそこまで来たら、すぐに犯人は此処にいるに違いないと誰でも思うはず。途中までとはいえ、どうして外部犯人説が前提で話が進んだのか、はなはだ疑問に思ってしまった。最後の「涙香と秋水」問題の回答がないのも読者サービスに欠ける。個人的には、(生意気ではあるが、正直申して)残念ながら探偵(推理)小説としての面白さのレベルは低いと云わざるを得ない。 | ||||
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黒岩のウンチクとか 古語の深い知識とか いろは歌の扱いは物凄い。 ただ、ひとつの小説としては 凡作としか言いようがない。 トリックが安易とか 何よりも動機が安直すぎる。 そういった欠点あるけど、それを補う日本語の不思議さを追求してる点で空前の作り込みだ。 少し辛めの3点。 | ||||
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