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涙香迷宮
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涙香迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 1~20 1/3ページ
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ミステリーというか、推理小説の体を成してはいますが、いろは暗号も事件も牧場さんが最初から最後まで全て解く物語。黒岩涙香さんという傑出した人物を活用し、いろは暗号を作り上げ、推理小説風の物語に編み上げることが目的であって、最初から読者への謎解き挑戦を目論んでいないと思われます。仮に、いろは暗号を解くとなると、作者がこの暗号を作り上げるのに要した時間は最低限必要でしょうから、おそらく、通常読み下す読書時間では到底解けないと思われます。いろは暗号をいかに鑑賞するかが、この物語を楽しめるかどうかにかかってくると思います。 ミステリー的といえば、秋水のクイズの解答は明かされなかったけれど、おそらくは・・・・・だと思います。 | ||||
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囲碁やいろは歌や黒岩涙香のうんちくが凄い。このあたりのネタが好きな人はたまらないのでは。 だけど私はその辺りの知識も興味もさほど無いので、延々と続くうんちくがきつかった。 ミステリーとしては、目新しさもあまり無く、殺人の動機も弱い。 | ||||
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読む巻措くをあたわずというような、ぐいぐいと読者を引き込み、次はどうなるのだろうとページを繰る手の止まらないミステリーが傑作であるのは言うまでのないところでありますが、本作はそれらの作品とは趣きを異にします。 端的に言えば、本作は読者に立ち止まることを要求するミステリーなのです。 ページをめくろうとはやる気持ちをぐっと抑え、手を止め、日本語の奥深さをいかんともなく発揮する目くるめく暗号の数々をとくと味わってもらう、Googleで言葉の意味を逐一調べるのもいいでしょう。つまりは読者に酩酊感、作者と相互的な没入感を持ってもらう、そのことこそが本作の目論見なのです。 芳醇、濃醇な美酒をたっぷりときこしめされた酔客が車を走らせて場をそうそうに立ち去るのがもってのほかの如く、迷宮に放り込まれたものが方角もわからぬまま闇雲に進むのがいかにも浅薄な行動であるが如く、読者は立ち止まって、紙面から滲み出し溢れんばかりの、魅惑的な言葉を杯で掬い取り傾ける、その時間を意識的にでも持たなけれはばならない、その読者の姿勢こそが本作を空前絶後の暗号ミステリーの傑作にまで昇華させるのです。 親切ではないです。言うなれば、竹本健治氏が読者に期待した、頼むぞと願いを込めた、あるいはごめんなさい、なんてお茶目な気持ちも見え隠れする、そんな作品ではないでしょうか。 終盤に智久の涙香分析で、「意味が通じて綺麗にできあがっている作品よりもむしろ遊戯的技巧の極致のような作品の方がむしろ自慢だったのでは」と涙香についての的を射た見解を述べる箇所があります。 これにはまさに竹本健治と『涙香迷宮』の関係性が表わされているのと思います。綺麗に纏められた破綻のないミステリー作品に仕上げることはもちろん竹本健治氏の経験、技術をもってすれば容易かったはずですが、そこにあえて重点を置かない意識的にずらそうとする竹本健治氏の創作への遊戯的意識(趣味?)を、智久に代弁させたかのような智則の涙香考察が竹本健治氏が『涙香迷宮』の創作において暗号(遊戯)を散りばめることに徹した、必然性とも言わないまでも動機が垣間見え、いくらかは得心できるのではないでしょうか。 それとまあ、これは蛇足ですが、智久シリーズであるゲーム三部作などでは当時幼き智久はまるで見当違いの推理などを披露して、事件解決どころか、逆に犯人に追い詰められてしまう始末で、脳生理学者の須藤信一郎がもっぱら事件を解決していたのですよ。ようやく彼も成長してやっと周囲から手放しで褒められるようになったので大目に見てあげてください笑。 | ||||
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この作品がこのミス1位であり、その栄誉をもって今後も継続して読者を誘い、金と時間を浪費させることに怒りを表明したい | ||||
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言語遊戯に徹した労作であることは認めるが、小説としてはリアリティに乏しく、失敗作の部類に入ると思う。 たとえば、殺人事件の被害者となる女性の名前は「榊美沙子」で、「四十代にはいったばかりということだが」「ずいぶん若く見える」とあるところで、この小説の作品内世界での現在時点はいつなのか、と疑問を感じた。 というのは、「沙」や「紗」は、1976年7月30日付で「人名用漢字追加表」に追加されたのであり、それ以前には、戸籍名としては使えない漢字だった。女優の紺野美沙子の「美沙子」は芸名で、本名の漢字表記は「美佐子」だ。山村美紗も筆名だったから「紗」の字が使えたのだ。 『涙香迷宮』の初版発行は2016年3月9日だから、作品中の事件は2015年8月に起こったのだろうか。それとも近未来の2016年8月に起こるとの想定で書かれたのだろうか。 「美沙子」という名前が戸籍名として使えるようになったのは1976年7月30日からなのだから、2015年8月の時点では、「四十代にはいったばかり」は成立しない。 2016年8月に起きた事件なら、ギリギリのタイミングである。「四十代」というより「四十歳になったばかり」と書かねばならない。 てっきり私は、「ずいぶん若く見える」が伏線で、「榊美沙子」を名乗っている人物の実年齢がもっと若いのではないか、それが真相となにか結びついているのでは?と考えた。違っていた。 作者は黒岩涙香については色々調べたのであろうが、「人名用漢字追加表」などには無頓着だったのではあるまいか? そして、こうした点には無頓着な執筆態度なればこそ、リアリティに乏しく説得力のない小説に終わってしまったのではないか? | ||||
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私は囲碁愛好家で竹本氏の「囲碁殺人事件」がとても面白かったので本書も手に取ってみた。 また囲碁に関する蘊蓄が色々読めるのかと思って楽しみにしてたのだが、本書では囲碁についての記述はほとんどなく連珠についての話が中心だった。 他のレビュアーの方で 「囲碁のルールの知識がないとわからない」とか「囲碁に関する部分がつまらなくて読み飛ばした」とかの意見が散見されるが、それは囲碁と連珠を混同している意見。 本書では囲碁についてはほぼ書かれていない。ゲーム殺人事件シリーズ風のタイトルをつけるなら「連珠殺人事件」である。 私のような囲碁愛好家でない普通の読者にとってみれば囲碁も連珠も同じに見えるんだなという事がわかったのは収穫。 私も連珠に関する知識は皆無に等しく、本書では連珠に関する膨大な蘊蓄が語られるのだが、それでもその部分は楽しく読めた。 ま、こういうボードゲームに全く興味がない人には読むのが辛いとは思うが…。 黒岩涙香に関する蘊蓄も楽しく読めた。 私は江戸川乱歩の大ファンなので、乱歩作品の元ネタの小説を多数書いてる(翻案してる)涙香にも興味を持っていた。 問題はいろは歌だ。 いろは歌に関する歴史だとか蘊蓄はまだいい。 しかし、作者自作の大量のいろは歌を長々と書き連ねるのはいただけない。 暗号に関わる部分ではあるのだが、さすがに私もこれは読み飛ばした。 大半は小説のストーリー進行上全く必要がなく、作者の自己満足にすぎない記述だと思う。 この部分が私の本書への評価としては大きなマイナス部分である。 それと、本書が読みづらかったもう一つの理由は登場人物のわかりづらさもある。 事件が起こる涙香の隠れ家には多くの人間が集まるのだが、人物の区別がつきづらかった。 よりわかりづらくさせているのは、地の文で主人公以外の男は苗字で書いてるのに女はなぜか名前で書いている点。 例えば、榊美沙子という女性は会話では「榊さん」と呼ばれてるのに地の文では「美沙子」と書かれているし、菱山弥生という女性は会話では「菱山さん」なのに地の文では「弥生」と書かれている。 だから、余計にややこしくなって誰が誰やらわからなくなる。 男は主人公の智久以外は地の文でも会話でも全て苗字なのに女は名前で書くって何か合理的な理由があるのだろうか? 登場人物の区別がしづらいので、登場人物の一覧表が欲しかった。 評価が分かれる作品だと思う。 これを高く評価する人もいるとは思うが、私は面白くなかった。 | ||||
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このミステリーがすごいの一位だからこの本を手にとった人は多いでしょう。私もそうです。先日、購入して三年近く経って読了。理由は何度も挫折し、読み終えられなかったから。いろは歌を絡めた頭脳戦、暗号ミステリーを期待したが、なんと肝心の事件とは全く無関係…。いろは歌も囲碁のくだりも面倒で読み飛ばしたが全く影響なし。殺人の動機やトリックはお粗末そのもので、むしろ不要。古典やいろは歌、囲碁に興味がなければ厳しい作品。退屈。 | ||||
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好きな人には、唯一無二の名作になるかもしれませんが、私にはいまひとつでした。 黒岩涙香の残した暗号を解読するというのが話の核で、恐らくそれだけではミステリ小説として弱い(売れない)ので殺人事件とその犯人探しを付けた足したのではないでしょうか。そう思うくらい暗号の提示と謎解きにかける熱量と、殺人事件に関するそれとの差が激しいように思います。 肝心の暗号も作者の努力と工夫には頭が下がりますが、根本的に暗号への興味が薄く、”ゑ”だの”ゐ”が出てくる文章になじみも興味が無いので、残念ながら楽しむことができませんでした。 また、嵐で閉じ込められた中で殺人が。。。という点も取って付けたような感じが強く、サスペンスに乏しく、ほとんど区別がつかない登場人物たちとあいまって、ミステリとしても面白く読めませんでした。 暗号や古文が好きな人には、類例の無い名作になるのかもしれないのですが、私には合いませんでした。 | ||||
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推理小説を読んでいるというよりも、黒岩涙香という人物に関する研究結果を聞かされているような気分でした。 著者自身が涙香のファンなのか、それとも今作を書くにあたって研究したのかはわかりませんが。 どちらにしろ、涙香についてかなりの時間と体力をかけて調べたのは伝わります。 でもこれが小説か?と言われると…。 正直『黒岩涙香について』みたいな研究本を出版された方がよかったのでは?と思うほど。 よく小中学生向けの歴史漫画や資格漫画であるじゃないですか。 登場人物達がある題材に関して、一応キャラクター設定もありつつ、紹介していく。 あれを難しい小説にしたような感じですね。 とにかく、登場人物達が涙香について意見交換や知識披露する場面が多く、また台詞も長い。 最早学会で論文発表しているレベルです。 作中に出てくるいろは歌も、いろは歌だけで何ページあるの?ってくらいのページ数。 そして囲碁。 この作品は囲碁のルールがわからない人が読んでも、全く面白くないと思います。 私もその一人です。 囲碁の細かいルールがどんどん出てきて、これ事件に関係ないよね?と思うようなルールまで。 この小説を読みながら推理をしようと思うと、紙とペンを引っ張り出して来て、いろは歌や囲碁について書いて熟考しながらじゃないと無理だと思います。 それもかなりの時間を要するかと。 正直この本は、作者が「涙香についての研究結果と、囲碁についての知識を、誰かに披露したかったが為に書いた」ようなものでは? 登場人物に魅力が無く、作者が「動かしている」感がすごい。 それと、いかにもシリーズもので前作から登場人物が同じような雰囲気で書かれてるのですが…これシリーズものなんですかね? それにしても…この作者『狂い壁狂い窓』の人だったのか~!! 狂い壁~を読んだ時に、随分哲学的な言い回しばかりする作家さんだなぁ…苦手。と思ったんですよねぇ…。 私は読書記録なるものをつけているのですが、面白かった本は水色、面白くもつまらなくもなかった本は白、つまらなかった本はベージュで欄を色分けしてるんですよ。 狂い壁~は、ベージュで塗ってますね…。 作家さんの名前を覚えておらず、またもやこの作家さんの作品に手を出してしまった…。 でももうさすがに覚えました! もう二度とこの作家さんの本は読まない。 | ||||
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綾辻行人、恩田陸、京極夏彦絶賛! 空前絶後の謎解き!暗号ミステリの到達点! このミス1位!!本格ミステリ大賞!文春ミステリ3位! 天才から天才への挑戦状! …ジャロ?ジャロに連絡すればいいですか?? ちなみに付録の冊子には、「ぼくのかんがえたちょうかっこいいてんさいたんてい(あいきゅー208 !)」が「ぼくのかんがえたちょうぜつぎこうのあんごう(いっぱい!)」を解く、「ぼくのかんがえたちょうおもしろいほんかくみすてり」が収録されていました。 ミステリとか本格ミステリとか言える厚顔無恥さに☆1つです! 綾辻先生や京極先生がどのように絶賛されたのかが、読後に残る極上の謎です。 | ||||
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皆様で、もう「暗号はすごいんだけど…」的なレビューは出揃っているので、それ意外でキツいと思った点を。 主人公の17歳の天才少年を、周りの大人がよいしょし続けるのが、たまらなく虫酸が走る。 「さすが天才!!」 「いやいやそれほどでも…」 「まったくご謙遜を!あなたと一緒の空間にご一緒出来て感動です!!」 このようなやりとりが全編に渡って延々と続きます。 昔いた会社の、社長の息子にへーこらする役員達を思い出しました。 | ||||
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この蘊蓄は展開できるでしょう。もう少し命の大切さを考えてください。 くそみたいな しようせつや 糞みたいな 小説や これがこのミスで高評価? この国の読書力は、想像力は、羞恥心は、この程度の小説で喜ぶ恩田陸は、大丈夫か? | ||||
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牧場智久本因坊が主人公のミステリ。 直前に智久くんの恋人、類子ちゃんが主の"せつないいきもの"を読んだばかりだったので、これは... あちらはライトな推理ものだったのに対し、こちらは... 必要以上に黒岩涙香の功績がずらずらずらずら...いろは歌も盛り沢山で、何ページ使った? ミステリに必要あるのかこれは...と言った内容盛り沢山。 途中から飛ばし読みを開始。 匣の中の失楽を読んだ時を思い出した... ゲーム三部作、狂い咲く薔薇を君になどはまぁ良かったのだが。 純粋にミステリを楽しみたい人は止めておい方が良いかも知れません。 いろは歌、あれだけ作った労力には感嘆しますが、ミステリに対しては申し訳ないが徒労と言わざるを得ない。 文学作品、伝記を読みたいわけではない、ミステリのスリル、謎解きを楽しみたくて買ったのだから。 そして、確かに智久くん賛美が過ぎてシラケる。 匣の中の失楽を読み終えたときは、某かの達成感があったが、これはそれもない。 最後には謎を残して終了。 すっきりしない。 "この○○がすごい"シリーズはすごくないものが多いのか? 少し前にも別の作品でそんなレビューを書いた覚えがある。 あれは、このマンガがすごいだったか... | ||||
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匣の中の失楽といいウロボロス三部作といい、この人の小説は衒学趣味的なところが持ち味の一つなんだけど、 今作はそれが独りよがりで空回ってる印象を受けた。 自作のいろはかるたや複雑な暗号は確かに凄いけど、そんなものは誰も求めていないって分からないのだろうか。 主人公が一言喋るたびにやたら周囲に持ち上げる気味の悪いノリにもちょっとついていけない。 | ||||
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2015年度「このミス」のベストミステリーで、解説は恩田陸、書店でも平積みになっているので読んでみた。とにかく圧巻なのは、本書に出てくる暗号である。とくに、作者が暗号となるいろは歌をあれだけ作るには、どれだけの労力がかかったのか気が遠くなる。その意味で、本作は労作と言うに相応しい。 ただ、いろは歌や連珠の暗号、暗号、暗号に、食傷気味になったのは事実である。だから、いろは歌も10首もいかないうちに読み飛ばしたし、連珠が絡む暗号も読む気力がなくスルーした。暗号で埋め尽くされた「迷宮」の舞台設定はあまりに非現実的なので、作者がこの舞台づくりに並々ならぬ意気込みなのはよくわかったが、正直なところウンザリした。それに、中盤以降山の中にある「迷宮」は、荒天のために孤立した状況に置かれるわけだが、そうした設定にも、いかにも昔のミステリに出てきそうな古めかしさだとしか感じなかった。 本作の最大の問題点は、ミステリーの本筋であるべき殺人事件とその解明が、話の傍流にすらなっていないことである。一応なぞ解きはあるが、殺人事件の犯人の動機に現実味がまるでなく、トリックも貧弱そのもの。おまけに、読者が犯人を見つけるための十分な材料も提供されていない。要するに、天ぷらの大きな衣(迷宮)の中にあったのは貧相なエビ(殺人事件)だった、そんな感じがする。 人物描写も問題が多々ある。周囲の人間に深みはまるで感じられず、主人公の描写もほとんど完全無欠のスーパーマンである。作者自身が作った暗号を、これまた作者自身が作った主人公に解かせておきながら、その主人公をこれでもかと周囲の人間が称賛するのには、読んでいて辟易とした。 以上のことから、読んでいて感じるのはとにかく作者の自己満足である。もちろん、小説家として名を成す人は多かれ少なかれナルシストであるということは否定しないが、それがあまりに露骨になれば、ただ読者を閉口させるだけである。そうしたことから、ハッキリ言って本作は駄作であり、読んだのは時間のむだだったと思うので、作品の出来は☆1つである。ただ、作者が精魂込めた舞台づくりに敬意を表して、☆を1つ追加しておいた。それが、☆2つの理由である。 | ||||
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「このミス」では2015年のベストミステリーなんですよね、これ。期待して読みました。で、感想としては、「うーん、これが1位か」と。 確かによく出来てます。でも、所詮はパズルとしての面白さ。一応、小説なんですからね、ミステリーとはいえ。 囲碁にも連珠にもさして興味のない私は、パズル的な部分を逆にかなり飛ばし読みしました。そうすると、あとはスカスカ。 最後に犯人が特定され、登場人物たちの前で自ら嬉々と告白するなんていうシーン。余りに古臭くて。探偵小説か! ただ、涙香さんの色んなことを知ることが出来たのは収穫。いわゆる万能人だったんですね、彼。その点だけで星ひとつ+です。 | ||||
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竹本健治、久々にこの文庫版にて新作を読んだ。 思えば破格のデビュー作から40年。 「匣の中の失楽」はいまだ奇書?として ミステリファンがよく読むことになるらしいが 本作は作者のシリーズものとしては一番長く続く智久君の最新作、 ということになる。 本題。 この作品はミステリとしては明らかに駄作です。 何せ、犯人の動機から行動から杜撰極まりない。 勘のよい読者なら登場したときに、すでに怪しい、 と分かってしまいます。 本書の読み方。 暗号、もしくは暗号文が好きな方におすすめ。 作中の談義であげられる乱歩の諸作、海外の名作、 そして特に本作タイトルにある黒岩涙香の「幽霊塔」 などなどこれから読むつもりか既読の方が対象です。 あるいは言葉遊びの好きな方。 いろは歌や鳥啼歌といわれると面白そう、と思うような。 そのあたりの興味や知識を誘う作品です。 竹本健治、よくここまで作ったなと感心するか 呆れるか、で楽しむところが分かれるでしょう。 涙香について。 本作は良くも悪くもメタミステリとしての要素があるので 涙香の幽霊塔は読んでおくと格段に面白くなります。 そこで涙香の訳した暗号文が日本のミステリ史上、 最初にして最高に心躍るものであったとしつつ その上で迷い込んでいくのがひとつの読み方かと。 ただし、財宝とか衝撃の真相とかにはあまり縁がないので 好奇心を満たす類いのものと思いましょう。 幽霊塔の暗号の翻案の最たるものは 「光と影を結び、時告ぐる高き山羊の…」として知られてますよね?多分。 よろしくないところ。 智久君もはやラノベ主人公並みの扱い。 存分にIQ208のチート能力を発揮するのですが、 周りからさすが天才は!とおだてられても それ作者が仕掛けたものを解説してるだけですから! 個人的には楽しい読書でしたが 作者の作品は初めてとか 暗号ものは初めてとか、面白いミステリ読みたいだけ という方にはあまりおすすめではないかもしれません。 そもそもこのミス1位というのもミスディレクションですから。 最近のミステリに飽きた方、 探偵小説とか古いものが好きな方は楽しい読書になるのではないでしょうか。 | ||||
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買った本は必ず最後まで読むようにしていましたが、初めて挫折して途中から読みとばしました。しっかり読了していないのにレビューするのは心苦しいのですが、あまりにも読むのが辛すぎました。このミス1位ということで平積みされていたのを購入しましたが、正直がっかりです。 ・主人公礼賛が過ぎる。不自然なほど知識があったり観察力がある主人公を周りが持ち上げてる ・会話の言葉遣いが不自然すぎる。特に若者の言葉は年配の作者が無理してる感じが強すぎる。 ・一人のセリフが長すぎるのが多い。平気で10行以上のセリフを一気にしゃべってるところが多く出てきますが、普通そんなに一気にしゃべるか?と気になってしまう。 などなど、主に文体の面から全く好みに合わない作品で、ミステリ的な本題に行きつく前にギブアップでした。 このミス1位は必ずしも面白いわけじゃないということを教えてくれる本でした。 | ||||
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遅ればせながら、このミステリーがすごい!1位だったので読み始めましたが、囲碁の定石やいろは歌の著者自作が続くところは読み飛ばし、なにか素晴らしいストーリー展開を期待してエンディングまで。何じゃ、これ?自作のいろは歌の数に感心しなけりゃならないの?そこが書き上げて出版したポイント?暗号も難しすぎてつまらん。殺人事件の方も、犯人が殺意を覚えるのが探偵役と会ってから身の危険を感じたから殺意を覚えたはずなのに、じゃ毒薬を何のために持ってきてたの?等、説明がつかないところが多数。おまけに、会話が続く場面では誰のセリフかわからない箇所も多く、しかも口に出して「ひええ、ぶるぶる」なんて言う日本人いますか?高校生が活躍し大人に敬語で感心されてばかりというストーリーの少年少女向け小説かっ。なんでこれがこのミス1位?もうこのミスは当てにならないです。 | ||||
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ミステリのようですが、実際はそうではないので、ミステリを期待する人には勧められません。 | ||||
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