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異邦人



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【この小説が収録されている参考書籍】
異邦人 (新潮文庫)
異邦人THE STRANGER (金原瑞人MY FAVORITES)

異邦人の評価: 4.43/5点 レビュー 223件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全223件 201~220 11/12ページ
No.23:
(5pt)

魅力的な主人公ムルソー

ムルソーの視点から見れば彼を取り囲む世界こそ不条理という感じがする。自分に全く正直な彼の言動は衝撃的だったりおもしろかったりする。自分の信念をどんな状況になっても曲げないところもいい。彼は既存の慣習に全く左右されないで、自分が正しいと思ったことだけ口にだすし行動する。こんな考え方できたらおもしろいと思わせる魅力的な主人公だ。
異邦人 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:異邦人 (新潮文庫)より
4102114017
No.22:
(5pt)

乖離

「あるべき」姿・「あるべき」行動をしていなければ
途端に異物・異端として排除される。異邦人にされる。
不条理なのはムルソーではなく、世界のほうだ。
他人事ではなかった中学時代以来、何回も何十回も読んだ本。
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4102114017
No.21:
(5pt)

乖離

「あるべき」姿・「あるべき」行動をしていなければ、
途端に異物・異端として排除される。異邦人にされる。
不条理なのはムルソーではなく、むしろ世界の方である。
他人事ではなかった中学時代以来、何回も何十回も読んだ本。
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4102114017
No.20:
(5pt)

異邦人

本を読み終え最初に感じたことは「ムルソーはいったい何がいけなかったのか」ということだ。
 彼は自分の思ったよう行動しただけだ。それが他の人には奇異に映ったために異邦人とされてしまった。
 何かが起こった時、こうしなければならない、ということは無いのではないだろうか?親が死んでも悲しくないかもしれない。偽りの涙を流すのならばむしろ・・・
 あまりに自分に正直に生きることも罪なのか?
 欲望を肯定する訳ではないが、倫理的なものに束縛されなくても良いのではないか?人間はロボットではない。ゆえに常識に雁字搦めになる必要もない。人はある程度、自由に生きても良いと思う。
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4102114017
No.19:
(5pt)

今まで読んでなくて…

この文庫を買ったのは高校生の頃でした。タイトルの「異邦人」という響きが気に入って。
しかし、読む時に最初のページの「ママン」(フランスだからね…)、裏表紙の解説による、主人公ムルソーの書かれ方(ただの狂人)に興味が出ず、そのまま数年ツンドク…

最近になって手に取ってみた、私は十分社会人になっていました。
この作品は1940年代はじめ頃に発表された作品ですが、古さを感じませんでした。読むにつれてムルソーという人物に興味が出、周辺の身近な人物たちにも心が動きました。特に最後の司祭とのやり取り、ここで涙が出て止まらなかったんですが…読んだ他の方々はどうなんだろう?

死刑が決まってからの彼は恐怖に怯えていました、それを自分の考えで感情を軌道修正しようとする心の葛藤、なってしまった事に対して人を恨むでもなく、何とか今をやり過ごすことだけを考えるさま。彼は他人に依存しません、だから冷たい人にも見られる。でも、それがどれくらいのものか?

高校生の頃に読んでいたらどう感じれたのか、それが気になりますが、今はただ、読んで良かったと思うだけです。
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4102114017
No.18:
(4pt)

あらゆる意味での不条理

善意思を持たず、正義という感覚も持たず、人間らしい悲しみや喜びを持たないムルソー。それ故に彼は異邦人なのだ。彼がアラビア人を殺した理由を「太陽のせい」としたのは彼の内面を見ればまったく理論的である。この本が不条理であるのは、正当防衛で人を殺したムルソーが死刑になったからでも、異邦人であるムルソーがまったく他人から理解されないからでもない。人間として生まれた彼自身に、他人から理解されたいと思う欲望どころか、自分自身の生きる目的や自己を探し求める意思が欠如している事が不条理なのである。
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4102114017
No.17:
(4pt)

実は結構読みにくいので注意

名作として名高い本書ですが、冒頭からしばらく退屈します。養老院にいた母親が死んだという電報を受けて、それから葬儀をしたりするのですが、そこらへんは多少きついものがあります。老人たちの描写とかが気色悪かったりで。
それからマリイ(女)と再会して、以後楽しい生活?に向かうあたりからは開放感もあるし読みやすくなると思います。非常に名高い名作であるので是非読んでみて欲しいです。
カミュが本作を解説しているという「シーシポスの神話」は少し難しいですので、(例えば、ドストエフスキー「悪霊」の脇役キリーロフへの言及や、普通にカフカ論とかがあります。)ある程度の知識が要求されます。
本作と同時期に執筆された「カリギュラ」の方は戯曲ということもあり、またストーリー自体は単純ですので楽しく読むことができると思います。おすすめです。
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4102114017
No.16:
(5pt)

あまりにも熱い希望のメッセージ

中学か高校のときに一度読み、大学1年の終わりに読み返した。
二度目でやっと理解できたような気がした(というか一度目は「太陽が眩しいのか」という印象くらいしか残らなかった)。
舞台はアルジェリアで、淡白な文章からはまさに、ぎらぎらとした苛烈な太陽が目に浮かぶようである。
世の中にはいかなる条理もなく、生にはいかなる意味もない。
だからこそ、生という大いなる徒労を喜びを持って肯定しなければならない。
このパラドックスが、終わりにある主人公ムルソーの言葉と、「自分が幸福であったし、今もなお幸福である」(127ページ)という感情によって、説得力を持った熱いメッセージとなっている。
これが正しいか否かは問題でなく、これを人生に対するひとつの考え方として持つことが、ある種の積極性を身につけることになるのではないだろうか。
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4102114017
No.15:
(5pt)

誠実な故、異邦人

「太陽が眩しかった」という理由で人を殺したムルソー。不条理な犯罪。しかし、殺意も計画性も意味も無い行動を罪といえるのか?罪と言うならばどう反省すべきなのか?
人は全ての事象に意味を付けたがる。自然にも無意味なことにも。
ムルソーは弁護士の的確な意見も受け入れずに自分を貫き通す。このようなムルソーは誰よりも誠実だと言えるだろう。
謝罪という行動さえとれば減刑される。母親が死んで涙を流さなければ冷酷とされる。
この小説は私たち人間の抱える欠点を鋭く批判しているように思えた。
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4102114017
No.14:
(5pt)

Outsider

皆さんは自分の心にどれだけ素直に行動できるだろうか?どれだけ過不足無く、等身大の自分を表明しているだろうか?自分の心の中にある真実のみを信じることができるだろうか?たとえそれが、自分を処刑台に登らせることになってもである。これを成し得た男、それがムルソーである。また、我々は、他人の優しさや同情をどれだけ信用しているだろうか、これらの問いかけの答えが意味するところは、我々がは自己に対して如何に不誠実に生きているかということである。限りなく己に誠実であった男ムルソー。彼は、この飼いならされた世界の異邦人(Outsider)にして、我々の英雄である。
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4102114017
No.13:
(5pt)

10代のうちに一度は読んでおきたい

自我が強くなって社会との摩擦が一番つらく強くなっている
(世の中不条理だらけで、どいつもこいつも本当のことを
わかっていない。と悩んでみたりする)十代に読んで
カタルシスを得てほしいような小説です。
太陽がまぶしかったから殺したというのは全然的を射ていない
引用なのではないかと私はおもうのですが、有名なフレーズに
なってしまってますね。
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4102114017
No.12:
(5pt)

読まれるべき本

この小説には、特に二つの良い点がある。一つは、物語の最後のくだりの、独特の鮮やかさだ。そのくだりでの主人公ムルソーの叫びが、それまでの物語全てを新たに蘇らせる。様々なエピソードやそれまでのムルソーの振る舞いが、強く読み手に迫ってくる。そして最後の数行において、明るさも安らぎもないのに、鮮烈な(解放感に似た)感覚が湧き上がる。このような素晴らしい終幕は、ジャンルを問わず探してもそうはない。
 もう一つの良い点、それはこの本を読んで感銘を受けたとき、何かを語ろうとする意欲が強く湧いてくることである(それはこの本についての各レビューに何より素晴らしく表されている)。それはおそらく、常に何かを語ろうと試み続けたカミュから伝わってきたものなのだろう。ここには、安易ではない不思議な勇気づけがある。
 明るさを越えた鮮やかさ、何かを語ろうとすることの勇気づけ。どちらも、現在では得ることの困難なものだ。だからこそこれは、今こそ読まれるべき小説である。
 (理屈っぽい意見を並べたが、そんなものを除いても、描写の鮮やかさや筋立ての上手さなど、良い点には事欠かない)
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4102114017
No.11:
(5pt)

異邦人とはだれか

これほどコンパクトな作品に重いテーマがいくつも込められていることがすごい―肉親に対する愛情・肉親の死、殺人という行為、人が人を裁く裁判・死刑制度の是非、信仰など、切り口はこの他にもまだあると思う。あっという間に読めたが、その後何日も考えさせられている。
「太陽のせい」で人を殺した主人公はたしかに不条理だが、では母の葬式で涙一つ見せなかったからといって、冷酷非人間→有罪と決めつけてしまう周囲は一体何なのか?愛情という最も主観的な事象を短絡的に定義して、そこに殺人との因果関係を見ること、そもそも人が自分の不完全は棚に上げて、あたかも神のごとく人を裁くこと、裁判・断罪という名を借りた殺人行為(=死刑制度)こそが究極の不条理ではないだろうか。
断っておくが、私は主人公の殺人を肯定しているわけでは毛頭ない。主人公が被害者を1発だけなく何発も撃つくだりにはショックを受けた。ムルソーの無関心、冷淡、投げやりな態度など他のすべては理解できても(だれでも愛する人を亡くしたとき、多少ともヤケにならないか?)、この一点によってすべてが帳消しにされたような後味の悪さはまだ消えない。
タイトルの「異邦人」とは主人公を指すのだろう。しかし主人公に言わせれば、この矛盾だらけの人間社会こそ、彼には相容れられない「異邦人の集まり」と映ったに違いない。
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4102114017
No.10:
(5pt)

生きることへの違和感に素直に生きる男の話

異邦人を読んでいると、あることに気が付く。どこか、世界とムルソーとの間に隔たりがあるように思われるのだ。ムルソーは身に起こる多くのことに対し無関心である。ただ、淡々と目の前の問題に対処をしているだけだ。その代わり、彼は些細な自分の嗜好にとても実直である。彼は、よく眠り、よく食べ、よくタバコを吸う。隣人の恋のトラブルに対し興味を抱き、老人の小さな孤独の物語に同情をする。太陽に心地よさを感じ、そして、恋人との情事を喜ぶ。しかし、恋人が彼に自分を愛しているか。と聞かれると彼はわからない、と言い、結婚を求められてもお決まりの文句、<Cela m'etait egal.(どちらでも同じさ)>と受け流してしまう。彼は自分の人生に対する関心に欠けている。
シャンピニーは「異教徒の英雄論」の中で主張する。一方に、偽善的慣習や約束事によって成り立つ社会や宗教の「芝居的世界」があり、これはアンチ・ピュシス(反自然)でり、また一方では本来的な自発性に属するピュシスの世界があり、ムルソーはそれに従って生きている。「芝居的世界」を受け入れることを拒否するムルソーはそのために異邦人とみなされ、罪人の烙印を押されて死刑を宣言される。
物語のクライマックスであり一番の盛り上がりの部分である、アラブ人殺人の場面はあえて語らず、他のレヴュアの方に任せようと思う。フランス語の原文で読むとねちねちと皮膚に張り付いてくるような文体がこの場面の緊!張感をひしひしと高める。
私はカミュの特徴はその精緻な描写だと思う。読者は物語の始まりの部分からその孤独な老婆たちの描写に驚かされることであろう。この本は私がフランス語で読んだはじめての本であるが、フランス語で読むとまた、違った面白さが発見できると思う。作品自体そう長くはないし、フランス語も簡単なので試してみる価値はあると思う。
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4102114017
No.9:
(4pt)

不条理とは?

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4102114017
No.8:
(5pt)

愛すべきムルソー

初めてこの本をめくったとき、なんと陰気くさい物語だろうと思った。この無感動な主人公の生き方こそ不条理で理解しがたい。。
しかし、2回、3回読み返すうちに、私は主人公・ムルソーの恋人、マリイになった。彼が側にいたら、きっと愛せずにはいられなくなるだろう。
「そんなことはどうでもいい」「意味がないことだ」「自分には関心がない」etc・・とムルソーは口癖のように言う。世間の喜びや哀しみ、感動に背をむけて、ただ淡々と生きている。刑務所に入っても斬首刑が勧告されても動じず、処刑されることを幸福にさえ思う。彼は生きていることに、そんなに投げやりだったのだろうか? 
いや、本当は彼こそ、真剣に誠実に人生を生きていたのだ。あるがままの人生を受け入れ、自分の心に響く真実のみに生きようとしていた。彼はいつも今の生活が不幸ではないと思っていた。転勤で華やかなパリに行くことに興味も野心もない。そして数ヶ月の刑務所くらしの退屈さも、記憶を回想することで苦ではなくなった。彼は気が付く。「たった1日だけこの世で生活した記憶だけでも、100年はゆうに刑務所で暮らしていける」と。この感性の豊かさこそがムルソーなのだ。
感動を強要し、固定概念に凝り固まった集団心理が、彼を裁く。司祭の前でムルソーは神を否定するが、真実を語るものが集団によって裁かれる最後は、キリストをも思わせる。残念ながら、最後に彼がぶちまける真実の意味が、まだ私には咀嚼できないが、何度が読み返すうちに、また新たな発見があるに違いない。
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4102114017
No.7:
(5pt)

none

もどかしいまでに淡々と語られる一部は読んでいて疲れる。しかしそれは2部へと続く重要な布石。1部でのムルソーの目が見る、断片化された絵画のような描写は、彼の確実な“個”としての存在を祝福するかのように詩的だ。物語の中盤で描かれる、社会や世間の恐ろしいまでの一面性、そこにはかつての、率直でシンプルな喜びに満ちた色、や手触りは存在しない。すべてを剥奪された人間の限界と可能性が率直に描きだされる二部では文学が宗教を超越した瞬間を垣間見る事ができる。カミュは物語の終わりに、我々が未だに答え得る事のできない素朴な疑問を投げかける。その疑問の純粋な意味に、はっ、と気づいた瞬間、読者はムルソーと同化する。
異邦人 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:異邦人 (新潮文庫)より
4102114017
No.6:
(5pt)

天才

最初の一文を読んだだけで鳥肌が立つ。
この作品を初めて読んだのは、10代の頃。そのときに受けた鮮烈な感覚は、今読み返しても、未だ鮮やかなままよみがえってくる。その当時、読み、感動したはずの作品のほとんどが、その感覚の断片程度しか思い出せないというのに。
これを書いている今は、眠れない夜の闇の中で「もしこのまま二度と太陽の光をみることなく死んでしまうのなら・・・」と考えていてカミュの「異邦人」の書評を書くことに考えが行きつきベッドがから抜け出して書いている。
無学な私にはカミュの背景を語れるほどの知識もこの作品の比喩を分析することもできない。が、それでもこの作品を「感じる」ことはできると確信している。何よりも、この書評を書かせるモチベーションを高めたのは、この本の裏表紙にある、作品紹介の偽善だ。
私は、主人公ムルソーは非常に純粋な人間だと感じる。
私はアナーキストでも司法制度と戦おうとしているわけでも母親に対して愛情を持つ人間を否定しているわけでもない。が、物事を一面からしか判断せず、自らの基準からそれているというだけで否定するのが正しいことなのか?80対20の法則の発見、相対性理論やカオス理論、認知心理学の導く"Critical Thinking"などの法則性や科学の示すメッセージを無視し、決まりきった生活を乱すものを「悪」とすることが。
この作品は、その裏表紙のような意見や、人を見下しその価値観を押し付ける「裁判官」「陪審員」「牧師」「大衆」などのような、自ら型に入り考えることをやめ楽のみを求める生き方に対する痛烈なアンチテーゼではないのだろうか?
最後に、もう一言、私は、ムルソーはマリィのことが本当にいとおしく感じていたのだと思う。
異邦人 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:異邦人 (新潮文庫)より
4102114017
No.5:
(5pt)

事実をありのままに受け入れるムルソー

人生楽しいことばかりではないし、生きていれば納得の行かない不条理なことも、いくらでも起きます。生きている中で起きるさまざまな事象に意味を付与するツールとして、宗教があり、太古の昔から、人はそうして無慈悲な世界と折り合いを付けてきたように思います。
しかし、「異邦人」の主人公ムルソーは、この意味を付与する行為を徹底して拒否します。在るのは現在と自分だけ。彼の行為には、自分がやりたいと思った、以上の理屈付けはなく、また彼は、そうした自分の在りように忠実です。結果、死をもって贖わなければならなくなるとしても。キリスト教的な哲学を持つ人々には、それは俄かには受け容れがたく、彼が「異邦人」理解不能な人、と呼ばれる所以でしょう。
ムルソーの虚無感を通して、逆的ですが、生の意味を考えさせられる、そんな素晴らしい一冊です。
異邦人 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:異邦人 (新潮文庫)より
4102114017
No.4:
(5pt)

傑作

最初は何となくつまらない、と思うかもしれないが、第二部に入って、一気に展開が変わる。いや展開が変わると言うのも少し変な言い方だが、・・・最後まで読むと何かちょっとシンミリした気持ちになりすぐにもう一度読みたくなる。間違いなくカミュの最高傑作。
異邦人 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:異邦人 (新潮文庫)より
4102114017

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