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(短編集)
街角の書店 (18の奇妙な物語)
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街角の書店 (18の奇妙な物語)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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アンソロジーの評価は本当に難しいものです。殊にジャンルが曖昧なものばかり集めた、こういうのは。 この本も面白いと思うもの、好みじゃないけど、よく出来てるなと感心させられるもの、ちょっとこれは…と感じるもの、とりどりですが、全体としては後味悪いのが多くて、失敗したかなぁ…と、これは17作目までの感想。 ところが18作目で、そう、最後の最後で食らってしまいました、カウンターパンチを! あるいは、私の心の隠し扉を開けるコードを見事に当てられてしまった、と言うべきでしょうか。 真っ赤な他人の編者さんがそんな物知ってる訳はないのですが…でも恐らく中村氏は、誰かの心をそんな風に揺さぶることを意図して、この小編をこの本の一番最後に入れたのでしょうし、この小編のタイトルをアンソロジー全体の表題としたのも、意図してのことなのでしょう。誰かにメッセージとして届けばいいな…と。 ちゃんと届きましたよ、それもかなりの衝撃を伴って。 | ||||
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昔からの奇譚集の構成で物語が集められています。確かに、乱歩、ポーでありそう。 違いは、20世紀後半のSF作家の作品で構成されている点。 私は、ゼラズニーに惹かれてきました。ゼラズニーの話の短編としてありがちな背景の作品で楽しめました。 デビルマンで、歴史的な出来事をモチーフにした作品にも繋がって面白いです。 一部の作品は面白いけど、一部は今からするとトリックがクラッシックで途中で話がばれてしまう。 | ||||
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非常に奇妙な短編集。 結末が凄く気になるのがチャド・オリヴァー「お隣の男の子」「赤い心臓と青い薔薇」の2作品。物凄い余韻を含んで物語が終わってしまう為、 一体この後はどうなるのかと想像を巡らせる。ジットリとした心地悪さを味わえた作品。 | ||||
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ユニークな本だ。気に入ったもの、読みたくないものがこもごも。いかにもアンソロジーだった。 | ||||
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ジャック・ヴァンスの短編目当てに購入したのですが、いやいやどうして、評価はほかの方々と重複しそうなので、あくまで個人的な感想を。以下、私が選んだ収録作のベスト5です。 第5位:ジャック・ヴァンス『アルフレッドの方舟』 世紀末的題材の小説は多数ありますが、この短編もそのひとつ。題名通りですが、最後のひとひねりが実に素晴らしい。 第4位:ジョン・スタインベック『M街七番地の出来事』 「こんな(ヘンテコな)小説も書いていたのか!」。著名な作家との新たな出会い。笑える。でも、文学的でとてもいいです。 第3位:ネルスン・ボンド『街角の書店』 (敬意を払いつつ)編者である中村融氏の思い入れが感じられるけど、3位でごめんなさいって感じです。 第2位:ブリット・シュヴァイツァー『旅の途中で』 ああ、コンセプトは人生なのかな。このアンソロジーを購入しなかったら、一生知らずにいたかもしれない無名作家とその作品。 第1位:ハリー・ハリスン『大瀑布』 黒沢明監督の映画を見ているような(わけのわからない表現ですが)、映像的なすごい短編だと思います。5回くらい読み返した。映像的、そして黙示録的な作品。この作家のほかの小説をぜひ、新訳で読んでみたいのだけど。 こうしたアンソロジーは自分好みの作家、作品を探す(あるいは、自身の趣向、好みが明確になったりする)のに役立ちます。ハリー・ハリスン、いいかもしれない。まぁ、ほかにも秀作がズラリ、なので超おススメです。 | ||||
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「奇妙な味」は普通の味の中に2,3混じっているから滋味を感じるのであって、それだけだと胸焼けしかねない、と考えて手を出さずにいたアンソロジーですが、いざ読んでみたらあにはからんや。 作風のバリエーションが豊富なので、全く飽きさせません。 「胸焼け」を一番起こしそうな作品を冒頭において、その後背筋に寒いものを感じさせたあと、今度は温かい寓話のような佳品を配するといった並び順も大成功だと思います。1編読む毎に次はブラックなのか、ほのぼのさせるのか、作品傾向そのものを想像しながらページをめくっていけるので、その分楽しみが増します。 中村融さんは翻訳される作品に好みのものが多いと思っていたのですが、アンソロジストとしても信頼に値します。テーマに関心がないため読んでいなかった他のアンソロジーもこれなら期待できそうです。 | ||||
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乱歩の造語と言われる<奇妙な味>の18の短編を収録したアンソロジー。この手のアンソロジーには失望させられる事が多いのだが、本作はそれを覆す佳作揃いの逸品である。<奇妙な味>の嚆矢と言えば、ダンセイニ「二瓶のソース」、バーク「オッターモール氏の手」辺りだと思うのだが、本作に収録されている諸短篇は、私が考える「ミステリにおける<奇妙な味>」とはやや趣きが異なるものが多い。しかし、それを補って余りある作風の多彩さである。ブラック味を強調しているもの、舞台設定や構成の妙が光るもの、ドタバタ・ミステリに近いもの、SF風のもの、怪談風のもの等、作風は様々だが、どれも一定以上の水準を保っている点が本作の魅力であろう。 特に印象に残った短編を幾つか挙げてみると......。<奇妙な味>というテーマとそのタイトルから、ある程度オチが読めると思っていたら、それを遥かに凌ぐドス黒いオチが待っていたウェスト「肥満翼賛クラブ」。リドル・ストーリーであり、全編に鬱々とした雰囲気が漂うクリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」。神と悪魔とを対比させ、サンタクロースの存在を扱って途方もないアイデアを披歴してくれるウェストレイク「ナックルズ」。子供向けラジオ番組とSFタッチという異色の組合せで、恐怖と緊張感とがジワジワと浸透して来るオリヴァー「お隣の男の子」。掌編ながら、オチが鮮やかで空恐ろしいゼラズニイ「ボルジアの手」。綺想とユーモア味とが混淆した異色のホラ話であるハリスン「大瀑布」。そして、創作家にとっては夢の様な目くるめく幸福感と恐怖感とを同時に味あわせてくれる表題作のボンド「街角の書店」。 勿論、読者の好みによって、惹かれる短編は様々であろう。例えば、ユーモア味・家庭風味を好む方はジャクスン「お告げ」を推奨するかも知れない。多様な読者の期待に応える優れたアンソロジーだと思った。 | ||||
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すでに優れたレビューをお書きになっていますから最小限にとどめておきます。 まず訳がいいです。中村融氏ほか数名によって翻訳されていますが読んでいても引っ掛かりがないです。 お勧めは、ロナルド・ダンカンの「姉の夫」ですね、やはり。最後のとりを務めるネルスン・ボンド「街角の書店」も奇怪で味があります。 残念なのは活字が小さいこと。文庫本の体裁を保つにはこれより小さくは出来ないくらいのサイズです。 創元推理文庫を読み慣れている人には普通に読み飛ばせるでしょうが、歳をとって老眼になってしまった私には読むのに時間がかかりました。 | ||||
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【収録作品】 ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」 シャーリイ・ジャクスン「お告げ」 ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」 ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」 ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 ロナルド・ダンカン「姉の夫」 ケイト・ウィルヘルム「遭遇」 カート・クラーク「ナックルズ」 テリー・カー「試金石」 チャド・オリヴァー「お隣の男の子」 フレドリック・ブラウン「古屋敷」 ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」 ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」 フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」 ハリー・ハリスン「大瀑布」 ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」 ネルスン・ボンド「街角の書店」 創元推理文庫の中村融氏によるアンソロジーはテーマ性と収録作品の質、希少さのバランスが絶妙で常に敬服する。本書も期待に違わぬ内容だ。乱歩曰くの《奇妙な味》を漂わせた、黒い哄笑が聞こえてくるようなユニークな短編が揃う。 一見典型的なアメリカン・ユーモアの「肥満翼賛クラブ」のグロテスクな結末に思わず仰け反る。有名な「くじ」の作者らしからぬ心暖まる「お告げ」、本好きの究極の夢を叶えたような表題作、以上の三作品を改めて紹介するのが本書を編む主因であったそうだが、いずれも読後強烈なインパクトを残す名編で納得。 ウォーの英国人らしい取り澄ました顔で見せる底意地の悪い残酷さ、唐突な結末に慄然とするヴァンス、ゼラズニイの見事なアイデアの掌編、ドナルド・E・ウエストレイクの別名義によるビザールなクリスマス・ストーリー「ナックルズ」、ヒュー・ヘフナーをモデルにしながらも余りの奇想に言葉を失うライバー、不吉な寓話のようなハリスンなど有名作家のレアな作品が並ぶ中、最大の驚きは文豪スタインベックによるとは思えぬ、唖然とするほど愉快な法螺話。 読み手も凍てつきそうな極寒の描写のリアルさと幻想が見事に交錯する「遭遇」も素晴らしいが、個人的なベストは「姉の夫」だ。玄妙な筆致の中にアンモラルな感情と冷ややかな恐怖を忍ばせた英国怪談の傑作。 | ||||
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