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神と野獣の日
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神と野獣の日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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○臨場感があり、一気に読みました。 ✖本を配達袋から出したとき、左上部辺りが3/1ほど折れ曲がっていました。 もっと丁寧に取り扱って頂きたい。これまで多くの商品の注文をしてきま したがこんないい加減なことは初めてでした。 | ||||
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※削除申請(1件)
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Masculin:松本清張はお好き? Féminin:なあに、サガンのタイトル?特に好きってこともなかったわね。映画化されたものはいくつか観たけど、ちゃんと読んだのはさあ何があったかしら、「点と線」と「砂の器」くらいね。貴方と一緒であんまりミステリーが好きじゃないし。そうそう、前にどこかのバーで「誰でも出来る松本清張」って顔真似したでしょ?下唇突き出して(笑)。私よりバーテンダーさんにウケてたわ…。 M:妙なこと覚えてますね(苦笑)。あのバーテンダーが清張ファンだったんでちょっとした座興に。まあ僕も似たようなものですね。読み手としてはお互いに疎遠だったわけで、清張氏とは。で、これですけど最近偶然存在を知ったんですよ…。 F:ええ、清張氏ほとんど唯一のSF的作品なんでしょ? M:まあそういうことらしいですね。あとはパンデミックを扱った「赤い氷河期」くらいだと。発表は‘63年で時あたかもキューバ危機の翌年だからタイムリーでもあり、発表誌も女性週刊誌だから作者としても冒険が可能だったのかも。まあ今日ではSFというよりPF=ポリティカル・フィクションに近いかな。 F:でも例によって編集者の人が下調べに追われたんでしょうねぇ、あれやこれやと…。 M:想像に難くないですね。でもネヴィル・シュートの「渚にて」は映画化も含めて既に紹介されてたし、スタンリー・キューブリック「博士の異常な愛情」の原作のピーター・ジョージ「破滅までのニ時間(赤い警報)」は‘58年、E.バーディック&H.ウィーラー「フェイル・セーフ」は‘62年だから、もしかしたら知ってらしたかも。 F:でも「渚にて」は核戦争後の世界が舞台だし、後の2作はどっちも核兵器を搭載した爆撃機のソ連への誤爆とその顛末よね。これは同盟国による日本への核ミサイルのまさかの誤射だから…。 M:ユニークな設定ではありますね。でも爆撃機の誤発進命令以上に百万が一にも起こり得ない事態だからそもそもの発端にいささか無理があるかなぁ…。でもとにかく発射されてしまったわけで。 F:それからのすったもんだがキモなわけだけど、防衛省が出来てたり一応は迎撃システムが存在していることも含めて当時としてはSF的かも知れないけど半世紀以上経った現在では却ってリアリティがあるわね。ミサイルの発射国を別にすれば。 M:その間の展開や描写はいかにも清張的ですけど、当時からその後のSF御三家だったら、どう描いたかなぁ。星新一ならあっさり皮肉な結果で空虚な結末となるし、小松左京だったらミサイル着弾まで延々と微に入り細を穿つ展開に持ち込むだろうし、筒井康隆なら当然ドタバタの限りを尽くしたろうなと…。 F:清張って人は信条的には代々木に近かったんでしょうけど、これでも東京のまん真ん中にある施設とそこにお住いの方々についての言及は無いわね。その代わり政権幹部のあたふた振りは恐らく現在でも同じじゃないかなって考えさせられるわ。それは震災からコロナまでのこの十年を生きて来た私達がイヤってほど痛感したことよね。あと、最期の刻を静かに迎えようとする若いカップルやその他の一部の人々の「神性」と、大多数の顕にした「獣性」の対比が作者の狙いだったんでしょうけど…。 M:まあ、作者唯一に近いSF「的」作品としては貴重でしょうね。それと、この前年に三島由紀夫が「美しい星」を発表してるのも関係してるのかな? F:犬猿の仲に近かったんでしょ? M:三島は清張を毛嫌いしてたみたいですね。当然清張も同じでしょうから、観念的な「美しい星」に対抗して現実を踏まえたこれを執筆したのかも。それと筒井の「大いなる助走」で清張がモデルと覚しい「社会派推理小説の大家」が文学賞のSF畑作品のノミネートに 「僕の眼の黒いうちは…」 と圧を加える場面がありましたけど、むべなるかなで。あ、そう言えば筒井の「家族八景」が直木賞有力だったのが落選しましたけど、面白いことに気づいたんですよ…。 F:なあに?清張さん絡みで? M:えぇ。ほら何度もドラマ化された「家政婦は見た!」の原作は清張の「熱い空気」ですけど、同じく家政婦が主役の「家族八景」とどっちが先だったかって。「大いなる助走」の選考会の場面で、その大家が主人公の候補作の描写をうっかりパクってしまったことに気づいて、前言をひっくり返し授賞に猛反対するくだりがあったんで…。 F:へえ、ホント?で、どっちが先なの…。 M:残念ながら「熱い空気」はこれと同じ‘63年4月から7月の連載で、十年近く先でした。ちなみにこれは2月から6月。でも家政婦が仕事先の家族の実像を暴くのは一緒で、ヒロインがテレパスであるってSF的設定を除けば筒井の方が影響を受けた可能性無きにしもあらずかなぁと。でもそうなると当時選考委員だった清張にオレの作をSFにしちまったって反発があったのかなあ。選評では無論触れてませんでしたけど。 F:でも、ほぼ同時期に核ミサイルが東京に飛来するのと、家政婦が仕事先の家庭の内実を覗き見るのと、およそ真逆の内容の小説を同時進行で執筆してたのねぇ、マクロとミクロの世界の。それってある意味やっぱりスゴいことなんじゃない? M:…確かに「巨人」と称されるだけのことがありますね。今やってる「日本沈没」の妙な改悪バージョンなんかより、いっそこれを映像化したら面白いんじゃないかなあ。発射国は原作通りってわけにいかないから、最近花火ごっこにご執心の近隣某国で。あ、でもそれじゃ到達時間が早過ぎるし、またぞろ文句付けてくるのは確実だから、やっぱりムリですかね…。 | ||||
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隠れた名作と言われるので買ってみました。なるほど深い内容ですっかり引き込まれて一気に読みました。おすすめです | ||||
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