渡された場面
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「犯人捜しを楽しむのがミステリー。犯人は既知で、その犯人をどう追い詰めていくかがサスペンス」という一つの定義がある。 それでいえば、この作品はサスペンス。 蟻の一穴天下の破れ、という言葉の通り、ほんの些細なことからアリバイが崩されたり、犯意が明らかにされる。これがサスペンスの本領。 「霧の旗」で初めてその面白さを知り、以来、清張作品を読み続けてきた。構成上の必要性・重要性はもちろんだが、どのように緻密な犯罪であっても、彼の犯罪小説の根底に「悪は許さない」「悪事は暴かれるべき」という清張の信念を感じる。 渡された場面とは象徴的なタイトルである。 「渡された場面」のようなことが起こるか、という議論はあるにせよ、こうした展開が異なる場所で起きた事件を結びつけ、解決に導くというプロットを思いつくのは流石である。作品としては言葉足らずな点も感じられるが、面白い作品だと思った。 昭和51年に書かれた本作だが、スマホなどを使ったやり取りがない点を除けば、古さを感じない。ただ、最後の下坂の尋問調書はカタカナ書き。戦前ならともかく、当時もこの書き方が公式だったのか?と思った。 余談だが、本書購入と前後し、たまたま再放送された本作のTVドラマを見た。 ストーリーが整理され、文字の不足部分も上手く補われ楽しめる良作と感じた。 下坂との将来に淡い期待を持ちつつも薄幸な人生を送る哀しさを、真野信子役の高岡早紀が好演している。 | ||||
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清張のスト-リ-には、感心させられることが多い。良くぞ、まあ-、こんな設定を考えたものだと つくづく感心させられることが多い。この本の内容も然り。しかし、本が古いな。 | ||||
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うな丼に「しのび」というのがあって上にのっている鰻を食べていくと まん中へんにもう1枚うなぎが入っていてびっくりさせるものらしいですが この作品はそんな感じです。 邪魔になった女を始末するといういつものテーマと、 もう一つの事件は犯罪実録風強盗殺人で そこから急にモノクロになったみたいな暗い陰惨な雰囲気が漂う。 事件と6枚の原稿とのつながり方が巧みでじわじわときたし 登場した子犬の運命も印象に強かった それしかないだろうな、と。 メインのストーリーの方は、冒頭から文学的香気が感じられる というのもこの作品は文学志望の青年や林芙美子を愛好する女中、 旅の純文学の中堅作家、文学愛好家の捜査一課長などが登場し 著者の文学論や、さすがプロ作家の力量を示す6枚の原稿 も公開されるので しっかりと大作家の実力を示さねばならぬ立場だからだろう 佐賀県が舞台で、 清張の本物の九州弁が味わえるのも見どころだ 献身的に尽くしながら殺される信子さん 同人仲間の漁師の古賀、 妻の座におさまったキャバレーの景子さん 登場人物が皆、良い人で 犯人の下坂でさえちょっと可愛げがあり 読んでいて楽しさも感じさせるのは 九州弁の会話の妙味かもしれない 近頃の小説は 登場人物の誰にも感情移入ができない というのが多いが そういうのに当たりたくないものだ 小説はやっぱり愛でしょう、共感でしょう と この「渡された場面」を再読して思った。 | ||||
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松本清張の長編推理小説の中では比較的短い作品。あまり古さを感じさせない。 四国と九州で起きた別々の事件が絡み合い、「渡された場面」によって終盤へ埋まっていく。日常的ないくつものディテールをうまく活かした展開や結末は、さすがに松本清張。 前半の佐賀の小さな港町での描写がとくに印象深かったです。 | ||||
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私が購入した新潮文庫版ですと全部で250ページくらいあるのですが、 下坂が「盗作」したとされる肝心の原稿の内容が明らかにされるのが だいたい140ページ目くらいです。 そこにたどり着くまで弁論要旨とか捜査記録とか裁判記録などの記述が だらだらと(笑)続きます。 もちろんストーリーに関係する話なので読んでも無駄ではないのですが なかなか原稿の内容が明らかにされないので、イライラしてきて、 危うく途中で脱落しそうになりました(笑)。 清張の作品には、よくこういう手法が使われますね。 大好きな「砂の器」でも、急に音楽評論の話になったり 音響機器とか音の周波数の話になったり。 また「遠い接近」でも印刷技術の話が長々と続いたり、 ストーリーに関係する話なので読み飛ばすわけにもいかず なかなか我慢を要するのですが でもそれを乗り越えれば、後は怒涛の展開で、一気に引き込まれます。 この「渡された場面」もそうです。 あと以前飼っていたペットの犬と同じ名前の犬が出てきて 懐かしいなあ、と思いながら読み終えました。 | ||||
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