北海道の北浦市市長春田は、陳情上京中に失踪、数日後に武蔵野林で絞死体となって発見される。

設計士の板垣貞夫は地元の有志から、石見銀山跡を観光地にしたいと、設計の構想、工費の見積もりの依頼を受ける。

東都相互銀行の若手常務、野心家の夫塩川弘治との結婚生活に心満たされぬ信子は、独身助教授浅野を知る。

小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。

雨の夜、市議会議長が殺害された。

夫を裏切り、妻を捨てた不倫の愛の逃避行―広漠たる砂漠に死を求めて彷徨う女と男の愛の無常を描く長篇。

科学知識を駆使したミステリを描いた、日本SFの先駆者・海野十三。

不動産ブローカーの粕谷為三は、すし屋で元愛人の霜井登代子と再会する。

救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。

選挙に出馬する義弟の不透明な資金三千万円を持ち逃げした木谷省吾。

もう耐えられない―画家の矢沢辰生は、異常なほど嫉妬深い妻の暴力に苦悩していた。ときには死の恐怖すら感じるほどだった。

会社員の青年・梅木隆介はある夜、夫婦と名乗るヒッチハイクの男女を車に乗せた。

若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。

神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。

前衛水墨画の旗手として、一躍脚光を浴びた久井ふみ子は、ライバル滝村可寿子を蹴落とし、画壇の頂点を目指す。

九州落ちして印刷屋に勤めた笹井は、計画遂行のため主人の妻滋子を籠絡し、さらに2号の藤子を誘惑。

雨の港で海中へ転落した車。妻は助かり、夫は死んだ―。

過去の徴兵検査で第二乙種不合格、そして三十二歳となった今、兵隊にとられることはないと確信していた山尾に、召集令状が届く。

「屍体の重量がずしりと腕先にきたとき、はじめて私に任務らしい感情が充実しました」――。

欲望渦巻く文壇で闘う女性を描いた、巨匠・松本清張による傑作ロマン長編! 井沢恵子は姑との不和が原因で夫と離婚した。

エリートコースの販売課長が社員旅行の晩に行方不明となり、惨殺死体で発見された。

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、 偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。 だが翌日、翠は事故死する。

不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。

松本清張原作の傑作映画と、解説本を組み合わせたシリーズの第7巻。

女性限定の25日間ヨーロッパ・ツアー旅行「ローズ・ツア」が企画された。

白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。

脱税や贈収賄にからまる連続殺人事件。若い新聞記者が腐敗した組織の内情糾明に挑む長篇推理。

南北の朝鮮に抹消された悲劇の詩人。彼が追い求めたものとは何だったのか。

ミステリには「清張以前」と「清張以後」があるー。巨匠の凄みを凝縮した初期の傑作８編。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

深夜、東京の閑静な住宅街に一台のトラックが突っ込んだ。やがて起きる二つの殺人事件。

銀行員安田信吾は行金五百万円を持ってキャバレーのホステスと共に逃走した。取引先の隠し預金を裏付ける極秘メモが決め手だ。

昭和8年。東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。

大屋圭造は三流経済誌の記者。企業の提灯記事を書いては広告料を取る「トリ屋」である。

東京近郊に広大な敷地と白亜の近代校舎をもつ私立女子大学・若葉学園。

利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。

銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。

遠沢加須子は、夫の遺した中部光学というレンズ製造会社を諏訪で経営している。

中島さおりは“影”に憑依された幼児に襲いかかられる。堀江果歩のマンガには、描いた覚えがない黒髪の女が現れる。

新聞社の文化部で各界の著名人たちと交流し、活躍していた姉信子に憧れていた妹の笠原祥子。

八月十六日、京都・五山の送り火の夜。興奮にざわめくホテルの屋上から、情事の相手が姿を消した。

日本列島を北から南へ連続して起った6つの変死事件――奇妙な新婚旅行の男の変死と花嫁の失踪。

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。

日本史教科書編纂の分野で名を馳せる島地章吾助教授は、学会で変わり身の早さと女癖の悪さで名を知られていた。

殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。

松山地検庁舎の怪火で事務官が焼死、事故として処理された。

神奈川県警が劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。 巻島史彦警視は、誘拐事件の捜査を任された。

浦島・羽衣伝説をめぐる取材旅行の先々で起る奇径な事件。民俗説話や古代史と今日的犯罪を結びつけた長篇推理。

北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。

貧しく孤独な生い立ち、失意の青春時代、そして作家としてデビューするまでの苦闘の日々を、切々と告白した心うつ魂の記録。