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眼の壁
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【この小説が収録されている参考書籍】
眼の壁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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本書は、松本清張の初期のミステリー小説で、『週刊読売』に1957年4月から年末まで連載された作品。推理小説作家へと軸足を移しつつある時期の作品である。松本清張は同年2月から『旅』で『点と線』を連載した。1958年2月両作品が単行本として世に出た。 当時私は中学一年生、会社勤めの長兄の書棚のこれらの作品にこっそり読み耽った。後年、英国ミステリーのフアンになったのも、少年時代に遭遇した松本清張の社会派ミステリーの魅力の虜になったからだ。 今年の夏休みの読書リストに本書を入れた。後の作品に比べると、まだ、推理作家としての未成熟さも感じる。本来は警視庁の捜査2課の刑事が主人公になるべき手形詐欺事件であるが、大手メーカーの経理課長が詐欺に遭い、自責の念に駆られて、自殺を遂げる。その部下が上司の仇討ちのために、旧友の新聞記者と共に、事件の黒幕の右翼の大物を追い詰めていくという奇想天外な展開である。 亡くなった経理課長の責任を叱責したことで自責の念に駆られる社長以下が、主人公の経理マンの「捜査」活動のための休暇を容認するなど、当時の企業の運命共同体的な性格が描写されている。筋立ては、後の成長作品と比べると随所に甘さも感じるが、当時の警察や新聞社の人々の仕事の綿密さや精度の深さやチームワークぶりも作品から読み取れる。 初版あとがきで、著者は、本書が原稿用紙600枚となった、と述べているが、65年ぶりに再読して、読み始めてから、最後まで読み続させられた。著者の筆力はさすがだと思った。ひさしぶりに、本を読み耽った。著者は作品を構成する上で、動機と人間性や社会性を尊重している。 給仕や、印刷工から身を起こし、朝日新聞西部本社に勤務、『西郷札』が直木賞候補になり『或る「小倉日記」伝』で1953年に芥川賞を受賞した著者の作品には、社会のどうしようもない貧しさに翻弄される庶民への熱い眼差しと、困窮する大衆の苦しみに目もくれずに権力や富を享受する人々への激しい憤りが見え隠れしている。 | ||||
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香害の被害は国会でも度々取り上げられ、 重篤な症状をひきおこすとして社会問題に なっています。 私は喘息が起きるので、柔軟剤などの香りは 禁忌なのですが、この本には柔軟剤のようなか香が付いており どうしても読みたいのでマスクを掛けてボム手袋を付けて 読んでいます。 香成分は化学物質でアレルギー物質であることを 販売者は注意していただくと助かります。 古本もう買いません。 | ||||
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清張の作品にしては、話しの盛り上がりに欠ける。後半になっても、ぐいぐいひかれなかった | ||||
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古すぎて文字も極小で読めない | ||||
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最初のうちは、単純に手形詐欺事件であり犯人像が分からないのですが、竜雄と田村の執念で徐々に手掛かりが掴めて行きます。兎に角時間軸と犯人を追い詰めていく手法は、松本清張ならではと思いました。是非一読してください❗️ | ||||
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とても面白かったです。当時の社会的背景や登場人物の特徴や描写が明確にされていて、読みやすかったです。 | ||||
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面白かった」 | ||||
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主人公のとある疑問から,気がついたら巨悪に対峙・・・・・というのは清張お決まりのパタンかな,という感じですが, さすが清張,飽きさせません。 最後の方は結末が見えてしまいましたし,「巨悪」の大元がこんな簡単に降参するの?とか, 主人公は恩人がなくなったことに対する義憤から調査し始めたのに,捜査関係者の女性に・・・・・とか, いろいろ,「これってどーーよ?」という部分もないわけではありませんが,とにかく一気読みさせてくれる清張の力には脱帽です。 今の作家さんでこれほどの方はやはりいらっしゃらない。 もっともっと作品を残していただきたかった。 | ||||
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面白いです、途中で止められませんでした。松本清張の小説はいつも点と線が繋がっていくところが好きです。 | ||||
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読んでいると、ページがノドから落ちてきたが、内容は面白かった。 | ||||
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現在のスピーディなエンターテインメント・ミステリーとは違う、ゆったりと流れるストーリー。 手形パクリの設定やその他のトリックが単純すぎたり無理があったりという瑕疵。 色々な人物が出てくるが、その収斂具合がすっきりしない不消化。 まあ、いろいろ穴はありますが、発表当時の反響は大変なものだったと聞く。 どんな時代でも古びないミステリーなんて少ないということでしょう。 でも、清張ファンならやはりマイ・ベスト・テンには入れないと収まりのつかない初期秀作ですよね、皆さん。 タイトル「眼の壁」。 これは何の謂なんでしょう?清張さんの悪い癖ですよね。 ワカラニズム・タイトル。 | ||||
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最悪でした 黄ばみが酷く ページもよれよれ 「良」で無く 「可」と評価すべきです 大変失望してます 二度と発注しません 星一つでも 勿体無い | ||||
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40年も前に読んだ松本清張をまた読んでみた。とりあえずに3冊購入。やっぱり面白い。でも新潮文庫40年前の発行で、今と比較すると字は小さく紙も経年変化しているので、読んでいるとすぐ疲れてしまう。星三つにしましたが、小説の内容は五つ星。 | ||||
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清張作品はほとんど読んでいるが、この本はその中でも記憶に残っている著書。長編だが隅々まで伏線が張られ、飽きさせない。 | ||||
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開幕早々に詐欺事件が起こり上司が自殺、その後次々にあれこれと事件が起こると 妙に展開がスピィーディーで読んでいて飽きさせない ただ所々妙なトリックが使われており首を傾げることもしばしば 誘拐した相手に使うネタではないだろう その辺を割り切って読めば、比較的読める作品だろう | ||||
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給料日を前にして資金ショートに陥った中堅企業が、ヤミ金融に手を出してパクリ(詐欺)に引っかかる、という単純な出だしは結構読み応えがある。 もちろん最初の数十頁を読んだだけで、ツッコミどころを探せばいくらでも見つかる。 ・3000万円(21世紀初頭の貨幣価値で10倍ぐらいか?)もの資金繰りを世話してもらう初対面の怪しげな金融ブローカーと待ち合わせに向かう前に、飲み屋で飲酒してから行くか? ・その月の10日が給料日?普通は月末だろう? ・代議士の名刺を見せられたぐらいで、銀行が正体不明の人物ら(パクリ屋たち)に立会いもなしに結果的に詐欺の舞台となる会議室を貸すか? 責任を感じて自殺した上司に代わって、主人公が旧友の新聞記者と一緒に素人探偵として犯人探しに走り回る、という「黒い樹海」や「蒼ざめた礼服」と同じパターンだが、登場人物たちに他の作品ほどの超人的な情報収集能力が与えられていないことはよしとする。 しかし中盤になると、いくらプライバシー意識の希薄な大らかな時代とは言え、犯人の足跡を追いかけて素人探偵がたどり着いた日ペリ(今の全日空、フライトコードの「NH」は「日本ヘリコプター」の名残り)のカウンターで容易く氏名・住所・電話番号・年齢の載った乗客名簿を書写させ、さらには当該フライトのフライトアテンダントの住所まで教えられるあたりから興ざめしてくる。もっとも、後の場面では「法律違反だが」と言いながら郵便局員が見せてくれた他人の為替支払い伝票と、村役場で40円払えば誰でも他人の戸籍を閲覧できた(当時の法律では「不当な理由でない限り」誰でも閲覧可能だったらしい)ことが犯人特定に結びついているが。 失望してくるのは、拉致した弁護士の東京から名古屋までの移送に、車を使えば簡単かつ秘密に済むところを、犯人側の20人あまりの手下を使って寺信徒の団体と担架に乗せた急病患者を装って、わざわざ東京駅に担架に乗せた弁護士の搬入経路の特別扱いまで要請して人目につく行動を取らせているあたりから。日本ペリの飛行機に登場した殺人犯も、逃避行なのだから普通はできるだけ大人しくしていそうなところを、執拗に乗り継ぐ列車の発車に間に合うかどうか周囲に尋ねて目撃者を作り出している。著者の大好きな鉄道時刻表を登場させたいがためだろうが、不自然さは否めない。犯人側が捜査攪乱のいろいろな小細工芝居を仕掛けてくるところも、「砂の器」ほど洗練されたところは見えず、ワザとらしい。 最高にがっくり来るのは結末部分。テッポウダマの殺人犯の抹殺はよいとしても、たかが3000万円ぐらいの金のことを理由にしたすべての黒幕である「大物」が劇的ではあるが呆気ない最後がお粗末。神出鬼没の謎の女の結末も、意外な人間関係が明らかにされるとは言え、それ以上の見せ所はない。大物右翼とそれに結びつく政治家という「社会派」の雰囲気を出したかったようだが、名刺を出した代議士に詐欺の金が渡ったのかどうかや、「けものみち」でみせた黒い裏の権力の影とその力の描写は何もなく期待外れ。 ところで、手形をパクられた主人公の勤め先の会社は、どうやってその日の給料の支払いをして、なおかつパクられた手形の決済をしたのだろう? まぁ、つまらなくはない。タイトルの「眼の壁」は、内容とは無関係な著者特有のワケノワカラン言葉。 | ||||
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大変面白かった。個人読書履歴。 一般文学通算15作品目の読書完。1973/01/10 | ||||
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携帯電話の登場ややDNA鑑定などの科学捜査の発展を経てしまった時代に生まれた私にとっては、読み解くのに少々荷の重い作品だった。 社会派作品ということで、手形詐欺が事件の表象であり、それを追っていくと様々な人間関係が芋づる式に見えてくる、という作品形式。 親族構成から登場人物の感情を推測するくだりでは、他の推理も成り立つのでなかろうか、と思えてしまった。 少々ご都合主義が強すぎる感があり、現実感に欠ける気がする。 また、やはり事件の結末に一抹の非現実感を感じずにはいられない。 が、様々な視点を一気に盛り込んだ複雑性には感嘆する。 | ||||
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これぞ銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた手形詐欺を巡る社会派推理本の傑作。現代でも、同じような手口で手形詐取犯罪事件が多発していることを考えると、一昔前にこれだけの作品を書けたと有うことは、時代を超えた優れた作品の証だと感じました。少し難をいえば、推理の一部が理に合わない点で、全体で観れば清張氏の代表作の一つだと思いますお勧めの本です。 | ||||
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事件の発端となる手形詐欺の場面から、話に引き込まれました。 資金の工面に奔走する会計課長とそれを心配しながら見守る部下。そして事件が発覚した時の社内のやり取りや当事者たちの絶望感等。自分の会社勤めの経験と照らして、ある種の強い共感を持って読み進みました。 全編を通じて推理小説というよりは、当時の日本を描写した社会小説としての面白さを強く感じます。主人公を捜査に駆り立てる’正義感’もどこか前時代的で懐かしく、ヒロインとも言うべき女性に寄せるロマンティシズムにも時代を感じさせられます。 事件には、金融ブローカー、右翼団体、代議士等が登場し、いかにも社会派推理小説といった展開を見せるのですが、最後はある個人の事件へと収斂し、派手で猟奇的な結末を迎えるあたりは、過渡期の作品との印象も受けます。 しかしながら、日常的なリアリティと一般的な人間の心理を重視し、的確さと分かりやすさを重視して語られる本作は、豊富なトリックが盛り込まれていることもあって、まさに不朽の名作と言うのにふさわしい作品だと思いました。 | ||||
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