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風が強く吹いている



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【この小説が収録されている参考書籍】
風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いているの評価: 4.59/5点 レビュー 449件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.59pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全449件 441~449 23/23ページ
No.9:
(5pt)

胸に風が吹き抜けるような1冊

寛政大学4年の清瀬灰二(キヨセハイジ、通称ハイジ)は

銭湯の帰りに、完璧なフォームで駆け抜ける菓子パン泥棒と出会う。

泥棒の正体は、新入生の蔵原走(クラハラカケル)。

清瀬は、自分の住むおんぼろアパート、竹青荘に走を誘う。

新入りの走を入れて、住人の数が10人揃ったところで

清瀬は、全員に「今から1年間、みんなで箱根駅伝を目指す!」と

突然言い出す。驚くみんな。ほとんどの者が陸上とは無縁の

学生生活を送ってきたのに、冗談じゃない。素人が駅伝に

出るなんて、しかも、予選会をクリアして箱根まで行くなんて

そんなの普通に考えたら無理なんだから。

もちろん、反対するものもいる。やりたくないものもいる。

しかし、清瀬の、個々の性格を把握したトレーニングメニューや

アパートの住人同士の絆で、素人軍団の彼らは、だんだんと

駅伝に挑む心構えとたくましい脚と気持ちを身につけていく。

と、あらすじを書くとベタなんですが。

10人の大学生の書き分けとそれぞれの走りへの思い、大会での走り、

心の葛藤や成長などを、三人称の小説の形で書くことって

相当難しいと思うんです。だけど、この小説は、奇跡的な位

10人の物語、として完成されているんです。素晴らしい!

襷をまわすように、それぞれの思いが次々と真摯に正直に

語られていき、ただ強く走り続ける試合シーンは圧巻!!!
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No.8:
(5pt)

だまされたと思って読んでください。

朝日新聞の、『ありえないと思いながらも、読み始めたら止まらない面白さ(といった意味だったと思う)』という書評につられて読み始めたのだが、まさにその通り。なにしろ、登場人物の会話が面白すぎる。しかも、この本を読んでいると、他選手との競り合いの苦しさ、追い抜かれたときの脱力感、なにくそ!という闘志、そして純粋に走ることの喜び、などの感覚があまるところなく描き出されており、まるで、自分が箱根駅伝を経験しているかのような感覚に陥った。しかも、「走る」ことを通して結ばれていく登場人物たちの心情が美しい。長距離走や駅伝の経験がある人は、涙なくしては読めないのではないだろうか?もちろん、経験のない人でも、十二分に共感できます。

こんなに面白くて、それでいて人生の機微を感じさせてくれる小説というのは、あるいは生まれて初めて読んだと言ってもよいかもしれない。(と言うと褒めすぎか?)ともかく、絶対オススメの1冊。一度読み終わって、すぐにもう一度読んでしまった。特に、自分に自信を無くして落ち込んでいる人は、元気が出ます。
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4101167583
No.7:
(5pt)

think and run

走るために生まれてきた男、蔵原走。その男の登場を心から待っていた、清瀬灰二。二人は運命的に出会った。二人は形は違うにせよ、走るということに人生を支配され、押しつぶされてしまっていた。でも二人は出会い、走ることの喜びを再発見する。

箱根駅伝に出るために必要な残りの8人(ボロアパートの住人)や大家さん兼監督さんや商店街のみんなは、二人(特に、灰二に)巻き込まれていく。

何でこんな素人集団が走れるの〜と思いつつも、灰二の綿密な計画や8人のメンバーのポテンシャルや思いによってあれよあれよというまに出場してしまうあたり、作者が上手くを展開していくので読ませてくれます。

長い距離を走るのは自分との対話で成り立つと言われているとおり、メンバーも色々なことを考えながら走ります。家族、将来、好きな人、友達、そして何より駅伝の象徴である襷をつないで行くこと。人生でこんなに自分自身と話したことないかもしれない。でも、この対話により10人の若者は成長したと思います。

また、この一冊を読めば箱根駅伝について詳しくなります。お正月の放送が楽しみになりました。
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No.6:
(5pt)

速さではなく"強さ"

「長距離選手に必要なのは、本当の意味での強さだ。『強い』と称されることを誉れにして、毎日走るんだ。」

この小説の根本に据えられているものは、この言葉ではないかと思う。
強いとは何なのか、それを知るために走り続ける。走ることによって自身に問いかけ続ける。
駅伝を走るこのチームの10人が10人走ることを好んでやっているわけではない。
しかしチームの軸となるハイジやエースの走、そして他の仲間に出会うことで、今自分が走っていることの意味を、走ること以上の何かを、走ることを通して見つけ出す。
仲間を信じる、と言えばチープな台詞にしか聴こえないが、描写を通して伝えられるその姿は限りなくそれを表しているように思えた。
走ることは限りなく孤独だが、襷をかけることで全員で走ることができる。
誰かのために走る。それが箱根駅伝を走る人たちの美しさではないかと思った。
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4101167583
No.5:
(5pt)

現実の箱根駅伝と響き合う

読み終えてしばらく、うねり渦巻く感情を抑えられなかった。予選会の段階で、少し涙がにじんだ。つい先日、実際に箱根の予選会が終わり、そのドキュメンタリーが放映された。予選通過に沸き立つ選手達や、がっくりとうなだれる若者達の姿が、小説の内容と重なった。「速い」ランナーでなく「強い」ランナーをめざすという名言は、実際に箱根出場チームを率いた監督から出たものらしい。

 ランナーの孤独と、駅伝メンバーの連帯が十全に描かれていた。一度敗れた夢を再びめざす復活の物語だ。若者に対して、世界はこうでなくてはならない。

 また、足が折れても走り続ける決意の選手を、実際の監督は、それでも彼らの将来のために涙を流しながら体を押しとどめて中止させたことがある。現実の箱根駅伝と響き合う、すぐれた青春小説である。ときどき軽いギャグタッチになる点も、若者の世界らしく好感が持てる。
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4101167583
No.4:
(5pt)

駅伝素人

賛否両論あるようだが、まったくの駅伝素人である私には100%満足の小説であった。

非現実的とか都合がいいとかは、小説には関係ない。純粋に感動し、楽しめた。

ひさしびりのど真ん中の青春感動小説で、漫画のキャプテンを思いだしました。

今まで駅伝なんてつまらないし、興味もなかったのですが、正月が楽しみになってしまい、

37歳にもなって、ジョギングでもしたくなるくらいさわやかな読後感・・・

不滅の青春小説とし、ずっと読み次がれるでしょう。賞をとったあとだから、天邪鬼で

読むのをためらっている人もいるでしょうが、だまされたと思って読んでみてください。
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4101167583
No.3:
(5pt)

実際に走った人間も涙しました

私はもうずっと昔になりますが箱根駅伝に選手として走った事があります。この本を見かけて最初は多分駅伝や長距離走をよく知らない作家さんが想像だけで書いたのだろう、程度にしか思っていませんでした。しかし実際に読み始めて、もちろんかなり無理な設定があることは事実なのですが、走るという行為そして苦しさや喜びそう云った深い部分までよく描いてくれています。苦しい練習から予選会に至るまでの心情や練習の厳しさ、そして何より箱根駅伝本番の各走者の走りの描き方、走りながらの選手の心理描写に思わず自分の昔の姿を投影してしまい、涙しました。これだけの感動を与えてくれた三浦しをんさんに感謝申し上げます。この本に書かれている箱根駅伝の姿は本物だと思います。ありがとうございました。素晴らしい本に出会いました。
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4101167583
No.2:
(4pt)

痛快です

純粋に面白かったです。

私自身は学校のマラソンくらいでしか走ったことはないけど、爽快な気分になりました。

走ることって、本当はもっと苦しいような気がするけど、箱根を走るランナーがこの本の

登場人物のように楽しい気分で走っていてくれたらいい、と思いました。

自分の青春(特に何に熱中したという記憶なし)がこんなだったらよかったのに。

苦労するのはいやだけど。
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4101167583
No.1:
(2pt)

ご都合主義が気になる

謳い文句が「最強の直木賞受賞第一作」。表紙の装丁も魅力的で、期待して読んだ。箱根駅伝に賭ける大学生達の青春を描いたストーリーだが、私は乗れなかった。

 走ることへの純粋な思いゆえに陸上競技から離れていた主人公が、どうして再び競技に参加しようと決意するのか、というプロセスがあまりにも安直で予定調和。上級生の誘いを断りきれない場面で「そう考えてもなぜか体が動かなかった。」だけでは読者は納得できない。

 おそらく作者は「オンボロアパートに偶然住み着いた10人の大学生が箱根駅伝で活躍するサクセス・ストーリー」という設定を先にイメージしてしまったのだろうが、一昔前の少年マンガや青春ドラマの焼き直しを見るようでシラけてしまった。だって陸上に縁のないマンガオタクや留学生、司法試験に現役合格したガリ勉君までが、「面白そうだから」という理由だけで、箱根駅伝に挑戦してしまうのであるから。実際の箱根駅伝を目指して何年間も真剣にトレーニングしている学生がこの物語を読んだら一体どう感じるだろうか。まだしも10人がバラバラに生活する同じ高校の生徒で、箱根駅伝ではなく県の大会くらいであれば、リアリティも説得力も増すと思うのだが。

 箱根駅伝に出よう、と言い出す上級生に対して他の9人が随分と簡単に同調してしまったり、アパートの大家は実はかつての名選手だったり、都合の良いこじつけが多すぎるように感じた。

 また、駅伝当日の場面は丁寧な取材に基づいて素直な文章で書かれており、好感が持てるのだが、こういうスポーツ青春ものの常で、物語の展開が読めてしまうのが難だった。ひたむきに走るというのが、長距離走の醍醐味であるから致し方ないのだろうか。

キャラクターや文章のスタイルは好感が持てるのが救い。
風が強く吹いている (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:風が強く吹いている (新潮文庫)より
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