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風が強く吹いている
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風が強く吹いているの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.59pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全458件 441~458 23/23ページ
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| こんなに一気に本を読んだのは初めてです!陸上関係に携わっており趣味でジョギングをしていることもあり、この本を手に入れましたが、本当にすごい!まるで自分も箱根駅伝を目指しているような気持ちにさせてくれ、寛政大の仲間として実際に箱根駅伝に関わっているような気持ちにさせてくれました。心地よい感動を与えてくれた本です!1月14日全国都道府県女子駅伝が京都で開催され選手団と同行してきますが、新しい観点から応援できそうです! 三谷さんあたりがドラマ化、映画化してくれないでしょうか?是非お願します! | ||||
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| たった10人でいどむ、箱根の山は天下の険。 走ることの孤独と自由と平等と。走るときの緊張と不安と高揚と。 魂の底から追い求めるもの。追い続けずにはいられないもの。 信じる強さ。信じられる、強さ。全幅の信頼が賦与する、この力。 どんなに辛くても苦しくても面倒臭くても、抑えがたく愛しい。 愛しているとさえいえる。たとえ神さまに選ばれなくとも、愛することはできる。 ここに性愛をさしはさむと野暮になる。走ることが、これほどに気持ちいいのだ。 あくまでもストイックに、走れ。速く強くうつくしく。 駅伝を活かした構成も素晴らしいが、人物も魅力的で、物語も力強い。 文章がリズミカルで、テンポよく、読み手のテンションも引き上げられる。 一気にゴールを目指して読み通したくなる、何度でも味わいたくなる。 箱根駅伝と、その高みを目指すすべての人を応援したい気持ちになる。 | ||||
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| 三浦氏の作品は今までエッセイしか読んだ事がなかった。 エッセイしか読んだことのない作家の小説、となると期待(エッセイと同じく 面白いはず!)と不安(エッセイはいいのに小説が?なこともあるし・・・)が 入り混じっていた。 読みたい作家の本を読むとき、内容の判りそうなもの(帯、書店でのプレートなど) を見ないようにして、何もわからない状態で読む私としては 全く興味の無い「箱根駅伝」を扱っているものだ、と読み進めるうちに判ってくる。 けれど読むスピードは失速するどころか、どんどん物語りに引き込まれて 一晩で読み上げてしまった。 お正月の箱根駅伝は絶対見たくなってしまった。 何なら箱根で来年の正月は過ごそうかな、とすら思ってしまった。 作者の、登場人物ひとりひとりに対する愛情までも伝わってくるような、 大変丁寧に書かれた作品で、とても心が暖かくなった。 彼女自身のまっすぐさが伝わってくる。 | ||||
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| 素晴らしい作品に出会えてとても満足しています。 竹青荘に暮らす個性溢れる10人が一年と短い期間で箱根駅伝を目指す青春爽快な作品です。 マラソン経験者のハイジ、足の怪我はあるもののリーダー的存在で皆を箱根駅伝に引き込チョウホンニン(君たちに頂点をみせてやる) こちらもマラソン経験者の走(カケル)マラソンの速さは竹青荘で一番と言うより、大学長距離界でもトップクラスの実力者だが、高校時代の暴力事件で少し気負いすぎな所あり(すぐに行きます、待ってて下さい) 双子のジョータとジョージはサッカー好きで中々の運動能力、兄のジョータ(駅伝に出ればモテルンダネ?)弟のジョージ(モテるんでしょ?) 山田舎の出身の神童、地元の村ではそう呼ばれていた、親思い(箱根に出れば親も喜ぶと思うんだ) 司法書士試験を一発合格のユキ、音楽好きでいつも音楽が流れている。隣部屋のニコチャン先輩と好敵手(やるからには狙う) 部屋中煙だらけで視界が利かないほどの愛煙家のニコチャン先輩おおらかで前向きの性格、パソコン博士(一人じゃ襷はつなげねぇよ) クイズオタクのキング、クイズ番組をほとんど制覇しているが、それは自分の部屋の中だけの話(箱根に出れば就職安泰ってホントだな?) 気のいい外国人のムサ、流暢に日本語をはなす、黒人であるが祖国ではボンボンである、身体能力は高い。(黒人が速いというのは偏見です) そして漫画オタクで部屋中マンガの山にしている王子、下の部屋に暮らす走は天井が落ちてくるのではとしんぱいしている。竹青荘の中で一番のお荷物で身体能力はゼロに等しい。(鬼だよあんた) こんな個性溢れる十人が一年を通して箱根駅伝に挑戦します。色々な事にぶつかり、挫折し、喧嘩し、慰めあい、認め合っていく、読むほどに引き込まれて行き、自分が竹青荘の一員になっていく感覚になります。 とても素晴らしい作品に出会えたと心から思います。是非読んでみてはいかがでしょう。 | ||||
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| 気持ちが若返る。華やいでくる感覚を呼び起こさせられるのは、なぜだろうか。筆致の勢いだろうか、設定だろうか。私には、作者の、かなりまっすぐな心持ちがなせるわざなのではないかと思われる。作者の人生観そのものを、あらわすものだということを、よく示している作品だと、つくづく思う。 | ||||
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| この本モノスゴク良かった!! 本でこんなに爽やかな気持ちになれたのは久し振り。 本の中の頑張っている真っ直ぐな人達に涙したのも久し振り。 10人の選手でタスキをつなぐお正月の風物詩「箱根駅伝」。 その箱根駅伝に同じ貧乏寮「竹青荘」の住人のみ、きっかり10人が「わずか1年弱」で臨む。 個性豊かな10人・・・走る事大好きなのは約3名。 あとはクイズお宅、漫画お宅、サッカー大好きの双子、司法試験合格者・・・などなど。 とにかく駅伝が始まってからのストーリーは自分も一緒に走っているような気持ち・スピードで読む。 選手1人1人の頑張りにいちいち感動し熱くなれる。 来春の箱根駅伝はこの本のお陰で走る側の立場で見れるかも!!なんて思える。 表紙の挿絵もGOOD!!! 本を読んで爽やかになりたい人!!是非♪♪ | ||||
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| 「10人そろった!!」 竹清荘に住む10人は、清瀬になかば脅されて(?)陸上部に強制的に入部させられた。 清瀬の目的は箱根駅伝出場だった。この無謀とも思える目標!竹清荘の住人ははたして クリアできるのか? 箱根駅伝に、ほとんどが走り始めたばかりのもので作る陸上部が出られるわけがない。 その舞台に出られるのは、何年も走りこんできたエリートばかりだ。だがこの作品を読むと、 「努力すれば必ず報われる」という言葉を思い出す。どんな無理なことでも、やらない前から あきらめてはいけない。結果がどうであれ、目標に向かって努力すること、がんばることが 大事なのだ。作者はそのことを、読み手に熱く語りかけてくる。10人それぞれの思い。 みんなの心がひとつになったとき、熱い感動が生まれる。走るということが、こんなにも 奥の深いものだとは知らなかった。とても楽しめる作品だった。 | ||||
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| とても素敵な作品に出会えました。十人十色、皆素敵な人たちです。読めば読むほど続きを早く読みたくて、ほぼ一日で読んでしまった。 最後の一ページまでは暖かい気持ちで読んでいたのに、読み終えた時には淋しさと虚無感があった。彼らとずっと一緒にいたかったと思う自分がいる。 もう終わってしまったと思って少し淋しくなるけれど、でも暖かい作品であることに変わりはない。何度も読みたくなるような素敵な作品です。 | ||||
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| 箱根駅伝を走る若者達の生き方が、楽しくて、気持ちよくて、美しいです。10区だから、10人いるわけですが、10人それぞれの状況やら気持ちやらが、ちゃあんと、生き生きと伝わってきて、みんなを大好きになれました。 私は平塚中継所の側に住んでおり、時には旗を持って沿道へ行く事もあるのですが、10区間のそれぞれの描写にも感心しました。本当っぽいです。よく、これだけ調査したもんです。 また、実際に中継を見ていると、選手達が、東京から「アッ!」と言う間に平塚まで来てしまうので驚くのですが、そういうスピード感もちゃんと表しているし、しをんさんは若いのに凄腕ですねえ。 今度のお正月には、大好きな竹青荘のメンバーが走っている姿を幻視してしまいそう。 | ||||
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| 寛政大学4年の清瀬灰二(キヨセハイジ、通称ハイジ)は 銭湯の帰りに、完璧なフォームで駆け抜ける菓子パン泥棒と出会う。 泥棒の正体は、新入生の蔵原走(クラハラカケル)。 清瀬は、自分の住むおんぼろアパート、竹青荘に走を誘う。 新入りの走を入れて、住人の数が10人揃ったところで 清瀬は、全員に「今から1年間、みんなで箱根駅伝を目指す!」と 突然言い出す。驚くみんな。ほとんどの者が陸上とは無縁の 学生生活を送ってきたのに、冗談じゃない。素人が駅伝に 出るなんて、しかも、予選会をクリアして箱根まで行くなんて そんなの普通に考えたら無理なんだから。 もちろん、反対するものもいる。やりたくないものもいる。 しかし、清瀬の、個々の性格を把握したトレーニングメニューや アパートの住人同士の絆で、素人軍団の彼らは、だんだんと 駅伝に挑む心構えとたくましい脚と気持ちを身につけていく。 と、あらすじを書くとベタなんですが。 10人の大学生の書き分けとそれぞれの走りへの思い、大会での走り、 心の葛藤や成長などを、三人称の小説の形で書くことって 相当難しいと思うんです。だけど、この小説は、奇跡的な位 10人の物語、として完成されているんです。素晴らしい! 襷をまわすように、それぞれの思いが次々と真摯に正直に 語られていき、ただ強く走り続ける試合シーンは圧巻!!! | ||||
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| 朝日新聞の、『ありえないと思いながらも、読み始めたら止まらない面白さ(といった意味だったと思う)』という書評につられて読み始めたのだが、まさにその通り。なにしろ、登場人物の会話が面白すぎる。しかも、この本を読んでいると、他選手との競り合いの苦しさ、追い抜かれたときの脱力感、なにくそ!という闘志、そして純粋に走ることの喜び、などの感覚があまるところなく描き出されており、まるで、自分が箱根駅伝を経験しているかのような感覚に陥った。しかも、「走る」ことを通して結ばれていく登場人物たちの心情が美しい。長距離走や駅伝の経験がある人は、涙なくしては読めないのではないだろうか?もちろん、経験のない人でも、十二分に共感できます。 こんなに面白くて、それでいて人生の機微を感じさせてくれる小説というのは、あるいは生まれて初めて読んだと言ってもよいかもしれない。(と言うと褒めすぎか?)ともかく、絶対オススメの1冊。一度読み終わって、すぐにもう一度読んでしまった。特に、自分に自信を無くして落ち込んでいる人は、元気が出ます。 | ||||
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| 走るために生まれてきた男、蔵原走。その男の登場を心から待っていた、清瀬灰二。二人は運命的に出会った。二人は形は違うにせよ、走るということに人生を支配され、押しつぶされてしまっていた。でも二人は出会い、走ることの喜びを再発見する。 箱根駅伝に出るために必要な残りの8人(ボロアパートの住人)や大家さん兼監督さんや商店街のみんなは、二人(特に、灰二に)巻き込まれていく。 何でこんな素人集団が走れるの〜と思いつつも、灰二の綿密な計画や8人のメンバーのポテンシャルや思いによってあれよあれよというまに出場してしまうあたり、作者が上手くを展開していくので読ませてくれます。 長い距離を走るのは自分との対話で成り立つと言われているとおり、メンバーも色々なことを考えながら走ります。家族、将来、好きな人、友達、そして何より駅伝の象徴である襷をつないで行くこと。人生でこんなに自分自身と話したことないかもしれない。でも、この対話により10人の若者は成長したと思います。 また、この一冊を読めば箱根駅伝について詳しくなります。お正月の放送が楽しみになりました。 | ||||
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| 「長距離選手に必要なのは、本当の意味での強さだ。『強い』と称されることを誉れにして、毎日走るんだ。」 この小説の根本に据えられているものは、この言葉ではないかと思う。 強いとは何なのか、それを知るために走り続ける。走ることによって自身に問いかけ続ける。 駅伝を走るこのチームの10人が10人走ることを好んでやっているわけではない。 しかしチームの軸となるハイジやエースの走、そして他の仲間に出会うことで、今自分が走っていることの意味を、走ること以上の何かを、走ることを通して見つけ出す。 仲間を信じる、と言えばチープな台詞にしか聴こえないが、描写を通して伝えられるその姿は限りなくそれを表しているように思えた。 走ることは限りなく孤独だが、襷をかけることで全員で走ることができる。 誰かのために走る。それが箱根駅伝を走る人たちの美しさではないかと思った。 | ||||
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| 読み終えてしばらく、うねり渦巻く感情を抑えられなかった。予選会の段階で、少し涙がにじんだ。つい先日、実際に箱根の予選会が終わり、そのドキュメンタリーが放映された。予選通過に沸き立つ選手達や、がっくりとうなだれる若者達の姿が、小説の内容と重なった。「速い」ランナーでなく「強い」ランナーをめざすという名言は、実際に箱根出場チームを率いた監督から出たものらしい。 ランナーの孤独と、駅伝メンバーの連帯が十全に描かれていた。一度敗れた夢を再びめざす復活の物語だ。若者に対して、世界はこうでなくてはならない。 また、足が折れても走り続ける決意の選手を、実際の監督は、それでも彼らの将来のために涙を流しながら体を押しとどめて中止させたことがある。現実の箱根駅伝と響き合う、すぐれた青春小説である。ときどき軽いギャグタッチになる点も、若者の世界らしく好感が持てる。 | ||||
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| 賛否両論あるようだが、まったくの駅伝素人である私には100%満足の小説であった。 非現実的とか都合がいいとかは、小説には関係ない。純粋に感動し、楽しめた。 ひさしびりのど真ん中の青春感動小説で、漫画のキャプテンを思いだしました。 今まで駅伝なんてつまらないし、興味もなかったのですが、正月が楽しみになってしまい、 37歳にもなって、ジョギングでもしたくなるくらいさわやかな読後感・・・ 不滅の青春小説とし、ずっと読み次がれるでしょう。賞をとったあとだから、天邪鬼で 読むのをためらっている人もいるでしょうが、だまされたと思って読んでみてください。 | ||||
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| 私はもうずっと昔になりますが箱根駅伝に選手として走った事があります。この本を見かけて最初は多分駅伝や長距離走をよく知らない作家さんが想像だけで書いたのだろう、程度にしか思っていませんでした。しかし実際に読み始めて、もちろんかなり無理な設定があることは事実なのですが、走るという行為そして苦しさや喜びそう云った深い部分までよく描いてくれています。苦しい練習から予選会に至るまでの心情や練習の厳しさ、そして何より箱根駅伝本番の各走者の走りの描き方、走りながらの選手の心理描写に思わず自分の昔の姿を投影してしまい、涙しました。これだけの感動を与えてくれた三浦しをんさんに感謝申し上げます。この本に書かれている箱根駅伝の姿は本物だと思います。ありがとうございました。素晴らしい本に出会いました。 | ||||
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| 純粋に面白かったです。 私自身は学校のマラソンくらいでしか走ったことはないけど、爽快な気分になりました。 走ることって、本当はもっと苦しいような気がするけど、箱根を走るランナーがこの本の 登場人物のように楽しい気分で走っていてくれたらいい、と思いました。 自分の青春(特に何に熱中したという記憶なし)がこんなだったらよかったのに。 苦労するのはいやだけど。 | ||||
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| 謳い文句が「最強の直木賞受賞第一作」。表紙の装丁も魅力的で、期待して読んだ。箱根駅伝に賭ける大学生達の青春を描いたストーリーだが、私は乗れなかった。 走ることへの純粋な思いゆえに陸上競技から離れていた主人公が、どうして再び競技に参加しようと決意するのか、というプロセスがあまりにも安直で予定調和。上級生の誘いを断りきれない場面で「そう考えてもなぜか体が動かなかった。」だけでは読者は納得できない。 おそらく作者は「オンボロアパートに偶然住み着いた10人の大学生が箱根駅伝で活躍するサクセス・ストーリー」という設定を先にイメージしてしまったのだろうが、一昔前の少年マンガや青春ドラマの焼き直しを見るようでシラけてしまった。だって陸上に縁のないマンガオタクや留学生、司法試験に現役合格したガリ勉君までが、「面白そうだから」という理由だけで、箱根駅伝に挑戦してしまうのであるから。実際の箱根駅伝を目指して何年間も真剣にトレーニングしている学生がこの物語を読んだら一体どう感じるだろうか。まだしも10人がバラバラに生活する同じ高校の生徒で、箱根駅伝ではなく県の大会くらいであれば、リアリティも説得力も増すと思うのだが。 箱根駅伝に出よう、と言い出す上級生に対して他の9人が随分と簡単に同調してしまったり、アパートの大家は実はかつての名選手だったり、都合の良いこじつけが多すぎるように感じた。 また、駅伝当日の場面は丁寧な取材に基づいて素直な文章で書かれており、好感が持てるのだが、こういうスポーツ青春ものの常で、物語の展開が読めてしまうのが難だった。ひたむきに走るというのが、長距離走の醍醐味であるから致し方ないのだろうか。 キャラクターや文章のスタイルは好感が持てるのが救い。 | ||||
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