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ベンスン殺人事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
ベンスン殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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感想を書くとどうしてもネタバレになってしまうので多くは語れませんが昔のミステリーはその頃の雰囲気があって好きです。 | ||||
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ヴァン・ダイン、懐かしい名前です。40年ぶりに目にする内容は、当時にタイムスリップしたような感覚で、 〜殺人事件と12作品全部が統一されたタイトルに惹かれて読んだのが、この「ベンスン殺人事件」でした。 驚いた事に、この探偵、最初は何を言っているのか理解できず、やたら目につく(注)の部分を読むのに忙しく、 ストーリーが混乱して来るのをこらえて読んでいくうち、これは面白いと感じ始め。あとは夢中になりました。 解説において、聞き慣れない「ペダンチックな探偵」とあり、調べた結果、衒学的な、学者ぶったの意で、 むやみに難解な表現や生半可な知識を振り回し、自分の学識をひけらかす態度を言う。 なるほど、その通りと思いつつも、この皮肉たっぷりな探偵が気にいり始めていた。 心理分析の妙、これが事件解決に導いた。 | ||||
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最近の古典ミステリーの新訳ラッシュに乗っかって、30数年ぶりに読了しました。 本作はヴァン・ダインの処女作であり、クイーンの登場とともに、始祖ポー以来のミステリーの中心を、英国から米国へと取り戻したとされる歴史的な作品です。 ミステリーとしては、心理学的な推理手法に面白さを感じますが、地味な印象は拭えません。事件現場を見てすぐ犯人が解ったと豪語する名探偵ファイロ・ヴァンス。 事件現場に残された犯人の心理的な特徴に着目し、これに状況証拠を突き合わせるといった手法で事件にあたりますが、最後には令状もとらず家宅侵入して証拠を得るなど、すでに危うさを感じさせます。そして次作では有名な心理試験で犯人を断定するものの、犯人のトリックが解らず途方に暮れ、その後の作品では連続殺人の傍観者に成り果て・・・・と、名探偵ならぬ’迷探偵’ぶりを発揮していくことになります。 とは言っても、作者による周到な舞台づくりは見逃せません。思わせぶりな「出版社より」と書き出される一文や序文、そして各章に日時を記したり、事件現場等の見取り図を配したり、あるいは警察や検察組織を詳細に描写したりといった工夫によりリアリティを高め、探偵のペダントリー(衒学趣味)により高尚な雰囲気を漂わせたりといった工夫が窺えます。そして何よりも登場人物たちの言動ややり取りを克明に記述し、読者の興味を引っ張っていこうとする姿勢に好感が持てます。 この作品には、当時の新しいミステリーを作ろうとする意図が強く感じられ、そしてオリジナルが持つ魅力というものが、確かに存在していると思いました。 | ||||
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ヴァン・ダインの長編第1作の新訳。既に出版されている4作目の『僧正ー』に続いて、2冊目。 『僧正ー』が2010年4月なので、約3年ぶり。最近はエラリー・クイーンの新訳が隔月で出ているので、それと比べると余りにゆっくりだが、そこまで期待はしていないけれど、新訳が出るのは嬉しい。 内容的には、新たに新訳となっただけあって、文章の不自然さみたいなものもなく、面白く感じるのだが、やはり『僧正ー』のときほどのすごさは感じない。どうしても、論理の不自然さというか強引さのようなものが見られてしまう。ただ、このあたりは処女作ゆえ、という面もあると思うので、(何年後になるか分からないが)次に期待したい。 また、今回、エラリー・クイーンの『ローマ帽子ー』、『フランス白粉ー』の後に読んでみると、いかにエラリー・クイーンがヴァン・ダインを意識していたのかが、よくわかった。もちろん、話としては知っていたが、改めて読んでみると、最初の設定の部分、当時の事件を友人が代わりに書く、あるいは当人の名が偽名である、あるいは、引退してイタリアに住んでいるなどなど。 また、今回あとがきの解説部分で、作者ヴァン・ダインについても触れられている。数年前に、ヴァン・ダイン/ライトについての評伝も出たこともあり、創元推理文庫の旧版にあった、作者についての色々な伝説についてもいくつか書かれている。400ページ超の評伝を読むのは,少々厳しいので簡単にまとまっているので結構ありがたい。 | ||||
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古典中の古典。S・S・ヴァン・ダインのデビュー作”ベンスン殺人事件“は、井上勇訳で数十年前に読んだ記憶がある。ヴァン・ダインは1920年代に突然現れ、ミステリー・ファンに歓迎された巨匠である。本作は、日暮雅通の新訳で再版された。新訳では、ルビと本文中の訳注を工夫し、古典ミステリーのフレイバーを逃さぬように現代に再生しようとしている。原作が斬新であったのは、何と言っても、探偵ファイロ・ヴァンスのアカデミックな推理方法であり、知的で大人が読める高度な論理、軽妙なアメリカン・センスをもって登場したことであろう。有力な容疑者のいる証券仲買人殺人事件はニヒルでダンディーな探偵ファイロ・ヴァンスの登場により思わぬ展開に・・・。本書で、DEDUCTION(演繹)とINDUCTION(帰納)による思考過程の違いの描写も楽しめる。旧訳、新訳ともに読んで見るのもいいでしょう。楽しめます。 | ||||
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1926年に発表されたヴァン・ダインのデビュー作であり、アメリカにおける長編本格ミステリ黄金期の幕開けを飾った作品 (因みに同年、英国ではクリスティが『アクロイド殺し』を上梓している) 後続のエラリー・クィーン、そして本邦の小栗虫太郎に至るまで多大な影響を与えた存在の大きさは再評価されてしかるべきだが、現在では代表作の『僧正殺人事件』『グリーン家殺人事件』を除くと広く読まれているとは言いがたいのが実情だろう。 しかし新訳を機に再読してみると、デビュー作ゆえかストーリーに捻りが少ない点は減点だが、現代のプロファイリングを先取りしたようなプロットは案外古びておらず、膨大な脚注に代表される、かつて冗長と非難された過剰なペダンティシズムもかえって魅力的。 そして衒学的でありながらモダーンで溌剌とした筆致と超人的な名探偵ヴァンスのキャラクターに当時の大衆がいかに熱狂したか良く判る。 戸川安宣氏の解説も読み応え充分。かつての自己粉飾されたヴァン・ダイン伝説を改め、その登場意義を再検討する力の入った内容でこれだけで☆4つの価値がある。 | ||||
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新訳?? ★評価は3。ご了承ください!! 宜しくお願い致します!! | ||||
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いいね!!と致しましたが未だに欲しい本がありません!! ★評価は、5。是非!! | ||||
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こんなに面白い小説なのに、五つ星の評価が無いなんて悲しいです! 私は我ながら変な読者で、一連のヴァン・ダイン作品をミステリーだと思っていません。私はこれらを、「1930年頃のアメリカという暗い森の中を、ヴァンスとマーカムの二人が駆け抜ける冒険物語」だと思っています(ヒース部長も入れると三人ですが)。はっきり言えば、トリックの部分はどうでも良いです。もちろん、読んで行く目的のひとつではありますが、それ以外のところが面白過ぎるのです。昔からペダンチックと言われていますが、そのペダントリーも含めて、文学としてこんなに面白い読み物は滅多にあるものではありません。ユーモアとペーソス。社会批判精神。アメリカ社会をとことん軽蔑しながらも、その具現のようなマーカム検事を心から愛している、ヴァンスの人間くささ。そんなヴァン・ダインの愛すべき作風に、私は若い頃夢中になりました。何か面白いものがないかと探していた若い私を、第二次大戦前の、なにかしら社会の空気が澱んでいるような時代のアメリカという別世界へ、手を引いて連れて行ってくれた小説、それがヴァン・ダインでした。ヴァンスはひねくれ者で、毒舌だけれど、その言葉は胸のすくようなものばかり。性格は、実はちょっとシャイで、たまにマーカムに真心のこもったことを言われたりすると、すごく照れる。夢枕貘さんの『陰陽師』の、安倍晴明と源博雅の関係に少し似ているので、『陰陽師』ファンの方は楽しめるかも知れませんね。私は評価の低い後半の作品まで全部好きですが、一番はやはりこの『ベンスン』で、次が『ケンネル』と『ガーデン』です(どなたからも賛同は得られないラインナップですね)。『ベンスン』は第一作なので、やはり作者の気合いの入り方が違います。まだの方は『グリーン』や『僧正』から読まないで、是非ともこちらから。面白いですよ! | ||||
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探偵のウンチクがわずらわしいと思えるときもありますが、刊行から半世紀以上経過した 今になって読んでも、それなりに楽しめます。 物語の終盤に探偵はそれぞれの容疑者の不利な点を次々に明らかにする一方、犯人が 見つかったと喜ぶ警察を尻目にその片端から犯人であることを否定していきます。 ここで作者が示したかったことは、物的、状況証拠から提示される犯人がいかに 曖昧であるかという点と、翻弄される警察陣の対比としての神のごとき名探偵の姿かと 思います。 作者が意図したかは分かりませんが、これはテクスト(=証拠)の解釈について、 ミステリーが前提とする一義性を否定するもので、ミステリーについての根源的な 問いにつながるのではないでしょうか? 一方、訳文の漢字/ひらがなの使い方が、私の慣れた文章と大分異なるようで、読み にくかったため星は一つマイナスとしました。 | ||||
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ヴァン・ダインの記念すべき処女作。本作以前にも長編ミステリは存在したが、現代風の骨格を持った長編ミステリとしては嚆矢と言える。それまでのミステリでは当然のごとく"物的証拠"を重視していたが、本作と次作の「カナリア」では"心理的証拠"を前面に押し出しているのが特徴。 作中で、「ウサギが走っているのを見た10人の大人が白いと言い、1人の子供が黒いと言ったら、どちらを信じる」と聞かれたヴァンスが「僕は10人の眼の悪い大人も、眼の良い子供も信じない。信じるのは心理的証拠だけだ」と答えるのが真骨頂。 また、結末近くで、容疑者の所を次々と廻り、一見犯行不可能な人物が実際には物理的には犯行が可能だったことを示す。しかし、皆、"心理的"には犯人ではないと切って捨てる。そして、最後に訪れた人物(検事マーカムの友人でもある)に対しても、そのアリバイを崩し、"心理的"にも犯人である事を告げる。ヴァン・ダインから国外ミステリに入った読者には痺れる展開である。 心理的証拠を前面に出し、現代ミステリの骨格を創った記念碑的作品。 | ||||
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謎を従来の物的証拠から解明するのではなく 心理面から解決しようとして提唱された ヴァン・ダインの処女作 最も友達にしたくない探偵と呼ばれるファイロ・ヴァンスが 株式仲買人の死の謎に迫ります | ||||
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「グリーン家殺人事件」・「僧正殺人事件」が有名なヴァン・ダインですが,「ベンスン殺人事件」は彼の記念すべき第一作です.プロットでは「グリーン」・「僧正」に一歩譲りますが,主人公ヴァンスの心理分析の醍醐味,読み応えのある重厚な文体,そして著者の博学ぶりが伺えるペダントリーは一級品です.これからヴァンス・シリーズを読まれる方,始めに「ベンスン」をお薦めします.単品としても一級品ですし,登場人物の性格もわかって他のヴァンス作品をより楽しめますよ. | ||||
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