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Zの悲劇
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【この小説が収録されている参考書籍】
Zの悲劇の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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| 本書は名作「Xの悲劇」「Yの悲劇」の翌1933年に発表された作品だが、前2作とシリーズ最終作の「レーン最後の事件」とに挟まって思いのほか評価が低い。 本書の評価が低い理由はいくつか考えられるが、1つは「Yの悲劇」から10年余りが経過してレーンがすっかり老け込んでしまい、かつて「X」「Y」ではあれほど放射されていたカリスマ性や威厳、魅力がすっかり失われてしまっていることにある。 2つ目は、1つ目に関連するもので、レーンは安楽椅子探偵のように事件の情報を聞くのが主で、外見的に主役として活躍するのは主にサムの娘、ペイシェンスであるということ。ただし、ペイシェンスの活躍がいけないという意味ではなく、レーンの活躍がほとんど見られないという点でのことだが。 3つ目は、これが最大の理由だが、レーンの推理に「X」「Y」ほどのキレがないということに尽きるだろう。本書ではほとんどの推理が可能性の範疇のもので確実性が薄く感じられる。 これらの欠点を補うのがペイシェンスのロマンスを交えた活躍と、最後の最後、死刑執行される直前のレーンの緊張感あふれる迫真の推理で、これらによって前2作にはほとんどなかったドラマ性が感じられた。 それに、本書は充分水準以上の推理作品で、それがあくまでも「X」「Y」ほどではないというだけのこと。比較対象が厳しすぎると思う。 | ||||
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| 本書は名作「Xの悲劇」「Yの悲劇」の翌1933年に発表された作品だが、前2作とシリーズ最終作の「レーン最後の事件」とに挟まって思いのほか評価が低い。 本書の評価が低い理由はいくつか考えられるが、1つは「Yの悲劇」から10年余りが経過してレーンがすっかり老け込んでしまい、かつて「X」「Y」ではあれほど放射されていたカリスマ性や威厳、魅力がすっかり失われてしまっていることにある。 2つ目は、1つ目に関連するもので、レーンは安楽椅子探偵のように事件の情報を聞くのが主で、外見的に主役として活躍するのは主にサムの娘、ペイシェンスであるということ。ただし、ペイシェンスの活躍がいけないという意味ではなく、レーンの活躍がほとんど見られないという点でのことだが。 3つ目は、これが最大の理由だが、レーンの推理に「X」「Y」ほどのキレがないということに尽きるだろう。本書ではほとんどの推理が可能性の範疇のもので確実性が薄く感じられる。 これらの欠点を補うのがペイシェンスのロマンスを交えた活躍と、最後の最後、死刑執行される直前のレーンの緊張感あふれる迫真の推理で、これらによって前2作にはほとんどなかったドラマ性が感じられた。 それに、本書は充分水準以上の推理作品で、それがあくまでも「X」「Y」ほどではないというだけのこと。比較対象が厳しすぎると思う。 | ||||
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| 無実であるにも関わらず、死刑判決をうけた男を救うため、死刑執行 までに、事件を解決しなければならないという《タイムリミット》もの。 特に、まさに死刑が執行されんとする場面でのレーンの推理は、 クイーン全作品のなかでも白眉といってよく、圧巻の一言です。 《レーン四部作》の前二作では、犯人に直接結びつく手がかりに基づく 《演繹的推理》によって、事件が解明されますが、本作では、いわゆる 《消去法推理》が用いられています。 作中には、犯人を特定しうる決定的な手がかりは存在しません。 刑務所に厳格な日課があったというデータや、紙クリップの跡が二つある封筒、 死体の手首に残されていた血まみれの指の跡などの手がかりから、レーンは、 犯人の四つの条件を導き出し、犯人以外の容疑者を消去していくのです。 計27人の容疑者を次々と消去し、最後に残った一人を犯人として指摘するクライマックスの カタルシスは無類ですが、その後に訪れる皮肉な幕切れは、このシリーズならではの苦味 を残します。 | ||||
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| 無実であるにも関わらず、死刑判決をうけた男を救うため、死刑執行 までに、事件を解決しなければならないという《タイムリミット》もの。 特に、まさに死刑が執行されんとする場面でのレーンの推理は、 クイーン全作品のなかでも白眉といってよく、圧巻の一言です。 《レーン四部作》の前二作では、犯人に直接結びつく手がかりに基づく 《演繹的推理》によって、事件が解明されますが、本作では、いわゆる 《消去法推理》が用いられています。 作中には、犯人を特定しうる決定的な手がかりは存在しません。 刑務所に厳格な日課があったというデータや、紙クリップの跡が二つある封筒、 死体の手首に残されていた血まみれの指の跡などの手がかりから、レーンは、 犯人の四つの条件を導き出し、犯人以外の容疑者を消去していくのです。 計27人の容疑者を次々と消去し、最後に残った一人を犯人として指摘するクライマックスの カタルシスは無類ですが、その後に訪れる皮肉な幕切れは、このシリーズならではの苦味 を残します。 | ||||
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| 無実であるにも関わらず、死刑判決をうけた男を救うため、死刑執行 までに、事件を解決しなければならないという《タイムリミット》もの。 特に、まさに死刑が執行されんとする場面でのレーンの推理は、 クイーン全作品のなかでも白眉といってよく、圧巻の一言です。 《レーン四部作》の前二作では、犯人に直接結びつく手がかりに基づく 《演繹的推理》によって、事件が解明されますが、本作では、いわゆる 《消去法推理》が用いられています。 作中には、犯人を特定しうる決定的な手がかりは存在しません。 刑務所に厳格な日課があったというデータや、紙クリップの跡が二つある封筒、 死体の手首に残されていた血まみれの指の跡などの手がかりから、レーンは、 犯人の四つの条件を導き出し、犯人以外の容疑者を消去していくのです。 計27人の容疑者を次々と消去し、最後に残った一人を犯人として指摘するクライマックスの カタルシスは無類ですが、その後に訪れる皮肉な幕切れは、このシリーズならではの苦味 を残します。 | ||||
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| 無実であるにも関わらず、死刑判決をうけた男を救うため、死刑執行 までに、事件を解決しなければならないという《タイムリミット》もの。 特に、まさに死刑が執行されんとする場面でのレーンの推理は、 クイーン全作品のなかでも白眉といってよく、圧巻の一言です。 《レーン四部作》の前二作では、犯人に直接結びつく手がかりに基づく 《演繹的推理》によって、事件が解明されますが、本作では、いわゆる 《消去法推理》が用いられています。 作中には、犯人を特定しうる決定的な手がかりは存在しません。 刑務所に厳格な日課があったというデータや、紙クリップの跡が二つある封筒、 死体の手首に残されていた血まみれの指の跡などの手がかりから、レーンは、 犯人の四つの条件を導き出し、犯人以外の容疑者を消去していくのです。 計27人の容疑者を次々と消去し、最後に残った一人を犯人として指摘するクライマックスの カタルシスは無類ですが、その後に訪れる皮肉な幕切れは、このシリーズならではの苦味 を残します。 | ||||
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| 皆さん書いているとおり、X Y 比べると どうしてもイマイチかなと わたしも思いました。 Yから10年の月日が流れ、ドルリーレーンも病を抱えているようで、エラリークイーンは最初から 4部作という限定をつけて書いたんだなということがわかりました。 主人公がサムの娘というのも違和感を覚えた一因でしょう。 相当な証拠がないため、犯人がわかっていても、犯人を指摘できないドルリーレーンの苦悩。 終盤にゆくにつれて 盛り上がっていく小説です。 | ||||
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| 皆さん書いているとおり、X Y 比べると どうしてもイマイチかなと わたしも思いました。 Yから10年の月日が流れ、ドルリーレーンも病を抱えているようで、エラリークイーンは最初から 4部作という限定をつけて書いたんだなということがわかりました。 主人公がサムの娘というのも違和感を覚えた一因でしょう。 相当な証拠がないため、犯人がわかっていても、犯人を指摘できないドルリーレーンの苦悩。 終盤にゆくにつれて 盛り上がっていく小説です。 | ||||
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|---|---|---|---|---|
| 本作は「X」「Y」があまりに賞賛されているうえ、前作までの3人称スタイルから新キャラ・ペーシェンスの一人称に変更され、前作までの重厚な雰囲気を壊してしまっているのでイマイチ評判の悪い作品です。僕も雰囲気の違いに戸惑い、かつペーシェンスに好感が持てなかったので、読書中はイマイチ楽しめなかったです。 しかし、読後には結構な満足感を得られました。クイーンの最大の魅力である「論理的な推理」の部分が非常に良く出来ていたからです(本作は元々国名シリーズの一作としてプロットが練られた、という噂があるそうです) 「X」「Y」だけ読んでやめるのはやっぱりもったいないですよ。ぜひ本作、そして「レーン最後の事件」まで読んで、名探偵ドルリイ・レーンの物語を最後まで見届けてください!本作「Z」は「最後の事件」への伏線とも言えますしね。 | ||||
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| 「X」、「Y」に比べてどちらかというと地味な印象の免れないこの作品ですが、決して駄作というわけではありません。それどころか、四部作の中でも私的には推理は一番見事だったと思います。 ならどうしてこうも評価が目立たないのかというと、やはり第一に前の二作に比べて地味な筋立てだったからです。政界や刑務所などを舞台にしているだけに、もともと真面目だったクイーンの作風がより重苦しく感じられたのです。第二に、ペイシェンスの登場。彼女の登場は人によって賛否両論あるでしょうが、やはり往来のクイーンの作品とは違ったイメージをもたせます。第三は、これがもともと国名シリーズのネタだったからでしょう。これこそ全ての原因で、第一、第二の原因が生まれたのでしょう。 ですから、これは四部作ということをあまり意識せずに読んだほうがいいと思います。推理小説としては恋愛風味があろうと、非の打ち所のない出来だと思いますし、国名シリーズに比べれば派手な内容なのですから。 | ||||
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| 「X」、「Y」に比べてどちらかというと地味な印象の免れないこの作品ですが、決して駄作というわけではありません。それどころか、四部作の中でも私的には推理は一番見事だったと思います。 ならどうしてこうも評価が目立たないのかというと、やはり第一に前の二作に比べて地味な筋立てだったからです。政界や刑務所などを舞台にしているだけに、もともと真面目だったクイーンの作風がより重苦しく感じられたのです。第二に、ペイシェンスの登場。彼女の登場は人によって賛否両論あるでしょうが、やはり往来のクイーンの作品とは違ったイメージをもたせます。第三は、これがもともと国名シリーズのネタだったからでしょう。これこそ全ての原因で、第一、第二の原因が生まれたのでしょう。 ですから、これは四部作ということをあまり意識せずに読んだほうがいいと思います。推理小説としては恋愛風味があろうと、非の打ち所のない出来だと思いますし、国名シリーズに比べれば派手な内容なのですから。 | ||||
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|---|---|---|---|---|
| 本作『Z』で重要な登場人物サム警部の娘ペーシェンスが追加される。その明晰な推理力は実は次作『レーン最後の事件』への重要な複線なのだがここではコメントは差し控えよう。(●^o^●)名作の誉れ高い『X』・『Y』に比べ余り騒がれない『Z』だが、プロット以外に読者に色々考えさせる側面を併せ持っていると思う。1つは徹底かつ詳細な死刑執行の描写である。研究熱心な作者両名であるからして、死刑執行の場面を間違いなく見学に行ったに相違ないと思わせる描写力である。特筆できる。もう1つはペーシェンスを題材とした女性の恋愛感情の描写の追加だ。このファクターはここまでのエラリー・クイーンの作品にはかつて登場したことが無いものだ。まるでミステリーを卒業し、恋愛小説の分野にデビューする気なのではと思わせるまでの描写力である。次作『レーン最後の事件』では、この女性心理描写はより一層作品の中枢になっていく。複線に複線を重ねるクイーンの用意周到な『技』を感じる一冊だ。 | ||||
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| 本作『Z』で重要な登場人物サム警部の娘ペーシェンスが追加される。その明晰な推理力は実は次作『レーン最後の事件』への重要な複線なのだがここではコメントは差し控えよう。(●^o^●) 名作の誉れ高い『X』・『Y』に比べ余り騒がれない『Z』だが、プロット以外に読者に色々考えさせる側面を併せ持っていると思う。1つは徹底かつ詳細な死刑執行の描写である。 研究熱心な作者両名であるからして、死刑執行の場面を間違いなく見学に行ったに相違ないと思わせる描写力である。特筆できる。もう1つはペーシェンスを題材とした女性の恋愛感情の描写の追加だ。このファクターはここまでのエラリー・クイーンの作品にはかつて登場したことが無いものだ。まるでミステリーを卒業し、恋愛小説の分野にデビューする気なのではと思わせるまでの描写力である。次作『レーン最後の事件』では、この女性心理描写はより一層作品の中枢になっていく。複線に複線を重ねるクイーンの用意周到な『技』を感じる一冊だ。 | ||||
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