■スポンサードリンク


Zの悲劇



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

Zの悲劇の評価: 3.85/5点 レビュー 48件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.85pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(2pt)

この訳はお薦めしない

作品評価は★5ですが、訳が気に入りません。
初読は創元推理文庫の鮎川信夫訳だった世代です。電子書籍版がほしくて宇野利泰訳に手を出しましたが、冒頭から違和感がはげしくて物語の世界に入りこめず、思わず原文、鮎川訳と見くらべました。

真っ先に抵抗を感じたのは、語り手ぺーシェンスが父親のことを「パパ」と呼んでいること。
原文が"dad"とか"pop"ならパパでいいでしょうが、ぺーシェンスは地の文でも会話でも父親を"father"と呼んでいます。パパ、パパの連発でいきなり薄っぺらくなってしまった感じ。
鮎川訳では、地の文では「父」、会話では「お父さん」と訳していました。私はだんぜんこっちが好き。

また宇野訳は、善意にとれば親切なのですが、注釈がわりに原文にない言葉を大量に追加して、おそろしく文章のテンポを悪くしています。

一例としてぺーシェンスの自己紹介のくだり。
原文 「As for the rest, I may aptly term myself the Wandering Nordic.」
宇野訳「そのほかの諸点を一括して表現すると、"野放図に世界各地を歩きまわる金髪女"とでも呼ぶのが適切であろう」
鮎川訳「その他のことといえば、わたしはさまよえる北欧人といったらぴったりすると思う」

レーンの従者クエーシーの描写。
原文 「An astonishing little man with a hump on his gnomish back popped in and out of the room.」
宇野訳「部屋には、背中に瘤があり、地中の宝物を守るという小鬼を連想させる男が出入りして、わたしたちのもてなし仕事を担当していた」
鮎川訳「地の精みたいな背中に瘤のあるおそろしく小さい男が部屋を出入りした」

きわめつけのヘンな訳は、カリアー弁護士がドウの弁護にやる気をだす場面のセリフ。
宇野訳「こんどの大戦でドイツ軍の軽戦車部隊が強行した国際法無視の国境侵犯行為にしたって、弁護を引き受けてみせますよ」

戦後に改訂された異本の可能性を完全否定はできませんが、WW2開戦後の1942年のリトルブラウン社版(クイーン名義の初版)でも原文は次のとおりですし、1980年代のペーパーバックも同様でした。
原文 「I'd defend the Duesseldorf Maniac.」
鮎川訳「デュッセルドルフの狂人でも弁護してみせますよ」
"Duesseldorf Maniac" は有名な殺人鬼ペーター・キュルテンのこと。前後の文脈からしても、殺人容疑者の弁護の話をする場面で「国境侵犯でも弁護してみせる」ではあまりにトンチンカンでしょう。

正直これまで、クイーンの初期作は、論理的な流れさえまちがえなければ誰が訳しても大差ないと思ってましたが、今さらながらこんなに変わるものかと驚かされました。
宇野利泰氏は学生時代にさんざんお世話になった訳者さんですが、この訳はダメだと言わざるをえません。
Zの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Zの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
415070144X
No.4:
(2pt)

過度の期待はしないほうがいいよ。

 クイーンの三つの「悲劇」ものは推理小説の評価史上有名だが、はっきり言って、今読むと、イマイチなのも多い。
 本作も、あまりおもしろくはない。「数学的」解決法も、コジツケめいているところもあるし。ドルリー・レーンの推理も、そう大したものとは思えない。
 背景となる「伝奇的な過去」も、なにか、コナン・ドイルの昔のホームズ長編のようで、古くさいよ。
 ただ、次作「最後の事件」を読む前提として、本書には目を通しておいた方がいいだろう。サムの娘の登場とか。(それ以外に意味があるとも思えないが)
Zの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Zの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
415070144X
No.3:
(2pt)

歴史的評価程面白くはない

クイーンの三つの「悲劇」ものは推理小説の評価史上有名だが、はっきり言って、今読むと、イマイチなのも多い。
 本作も、あまりおもしろくはない。「数学的」解決法も、コジツケめいているところもあるし。ドルリー・レーンの推理も、そう大したものとは思えない。
 背景となる「伝奇的な過去」も、なにか、コナン・ドイルの昔のホームズ長編のようで、古くさいよ。

 ただ、次作「最後の事件」を読む前提として、本書には目を通しておいた方がいいだろう。(それ以外に意味があるとも思えないが)


Zの悲劇 (ポプラ社文庫―ミステリーボックス)Amazon書評・レビュー:Zの悲劇 (ポプラ社文庫―ミステリーボックス)より
459108230X
No.2:
(2pt)

問題あり

XYと傑作続きだった悲劇シリーズですが10年時代が下ってサムの娘ペイシェンスが出てくるこの作品から問題がおきますレーンの性格付けに際立ったものがなくなり事件も凡庸死刑執行のシーンには力を入れて描写しているのですが・・・
Zの悲劇 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Zの悲劇 (創元推理文庫)より
4488104037
No.1:
(2pt)

問題あり

XYと傑作続きだった悲劇シリーズですが
10年時代が下ってサムの娘ペイシェンスが出てくるこの作品から
問題がおきます
レーンの性格付けに際立ったものがなくなり
事件も凡庸
死刑執行のシーンには力を入れて描写しているのですが・・・
Zの悲劇 (ポプラ社文庫―ミステリーボックス)Amazon書評・レビュー:Zの悲劇 (ポプラ社文庫―ミステリーボックス)より
459108230X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!