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Yの悲劇



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Yの悲劇の評価: 4.08/5点 レビュー 118件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全93件 1~20 1/5ページ
No.93:
(4pt)

渋い名探偵

老優が渋い名探偵。名作です。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.92:
(4pt)

古い作品でも翻訳で時代を超えてきます

半世紀以上前、中学生のころエラリークイーンの「ドルリーレーンシリーズ」を夢中になって読んだことは懐かしい思い出です。X ・Y・Z・最後の事件の中で特にYの悲劇はおもしろかったです。
Xは凶器がどんなものかよくわからなくて読み返したものですが、これから再読するつもりでいます。
今回Yを読み返して、犯人がわかっていて読むとまた違ったおもしろみがあると気が付きました。
それと文章表現が若々しいのでしょうか?全然古い小説という感じがしなくてYの悲劇が時代を超えて現代の小説のように感じられとことにびっくりしました。
まだまだ若い翻訳家さんなので経験を積まれてもっともっともっと巧みな翻訳本を読ませてくださることに期待しています。「Yの悲劇」とても楽しめました。ありがとうございます。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.91:
(5pt)

ポーへのオマージュ

この小説には、かの詩人・作家エドガー・アラン・ポーがかつて使った偽名「エドガー・ペリー」と同じ名を名乗る人物が登場している。彼が恋している相手も天才詩人であるという設定から、エラリー・クイーンがポーを意識しながらこの小説を書いていることがわかる。事実、重要なトリックもポーの代表作「モルグ街の殺人」と重なっている。ポーのオランウータンは、「密室」に出入りできただけでなく、主人のひげそりの意味を理解することなく単に模倣してカミソリを使っていただけなのだから。ポーの物語を作家エラリー・クイーンが模倣し、さらにクイーンの描く殺人犯も……。実によく出来ている。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
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No.90:
(5pt)

読み応えあり!

本当に読み応えありました。
先程読み終えたばかりですがまだ興奮冷めやらず胸がどきどきしている感じです。
今回齢54にして恥ずかしながら初めてエラリークイーンを読んでみようと思い立ち、その結果後悔なしです。
犯人は誰なのか誰なのかアレ?アレ?うわー・・。
子どもっぽい感想で恥ずかしいですがそんなドキドキ感を味わう事が出来ました。
レーンの手がかりを掴んでいっているようなのに苦し気な辛そうな様子に何故なのか、犯人が誰故なのかとずっと気になり続けていましたが、最後の最後にレーンのとった行動にもその原因が・・。
迷われてる方には是非1度ご購読お薦め致します。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.89:
(5pt)

最高の面白さ

Xの悲劇からエラリー・クイーンを読んだが、面白いと思えなかった。続いて読んだこれは最高に面白かった。X派とY派に分かれるらしいが、私は断然Y派ですね。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
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No.88:
(5pt)

野呂邦暢作品ミステリ集から

野呂邦暢さんがこちらを随筆で誉めていて、大概、好きな作家がエッセイや著書で薦める本が自分には合わず、途中でほっぽり出すことが多いので、こちらもあまり期待せずに読み始めました。
結果、控えめに言って最高でした。まず、訳が最高。あと、日本人の推理小説にありがちな思わせぶり(犯人につながるヒント)箇所が少ない。大変面白かった、とともに出会えたことに感謝。たしか野呂さんが『徹夜してまで読んでしまう作品が良質』みたいに書かれていたと思うが、まぁー面白かった。『うわぁ!やっぱ読書っていいなぁ』と、また思えた作品でした。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.87:
(5pt)

翻訳がすばらしい

他の翻訳で読みかけたがあまりにひどく、この訳者のXの悲劇を以前に読みとても良かったので買い直した。
普段は読んでいる途中で犯人の目星が付くことはほとんどないが、これは第1幕の終わり頃には犯人の目星がついてしまった。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.86:
(4pt)

Yの悲劇

実は… エラリークイーンの文献を渉猟していたときに盛大にネタバレを喰らってしまった作品なんです。
が!それをもってしても衝撃。これはまさに“Yの悲劇”。
Xよりも、圧倒的にY派!
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
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No.85:
(4pt)

読んで損はない

少しくどいですが読んで損はない一冊です。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.84:
(5pt)

ぜひ若いうちにチャレンジしていただきたい名作です!

推理小説が好きだ、という人にはやはり一度は読んでみていただきたい古典的名作です。物語性豊かな、現代の日本の推理小説を読み慣れた方には、少々退屈を覚えてしまう内容かもしれませんが、犯人の意外性と、その犯人に対する主人公の苦渋の決断の重さは、10代で読んだ私にはかなり尾をひく結末でした。
現代日本の推理作家たちにも絶大な影響を与え続けている作家、クイーンの精神はむしろここ日本でこそ脈々と生きていると言っても過言ではないと思います。実はこの作品はもとより、クイーンの作品は、現在、本国アメリカの書店に行っても売っていません!本国ではもう過去の作家になっているのです。ちなみにクイーンの偉大な先達、ヴァン・ダインの著作も一冊も売られていません。ところが日本では彼らの作品は、発表当時からすぐに翻訳されたのみならず、21世紀になっても、新訳が続々と出るほど大事にされています。正直、作家たちも日本でのこの扱いには草葉の陰で喜んでいるはず。 ところで、「Yの悲劇」は、日本での評価が特に高くて、欧米ではそれほどでもないということは結構有名な話です。なぜ日本でこれほど人気があるのか?私はその理由は、理論派、都会派のクイーンにしては珍しく、莫大な財産を有する、ある呪われた一家族に起こった連続殺人事件、という設定が日本人の好みにピッタリ合っていたからではないかと思います。我らが「犬神家」の物語が書かれるより10数年前に書かれたこの作品、やはり一度は読んでみたい名作としてオススメです。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104452
No.83:
(5pt)

古くなった部分もあるし、現代に通じる部分もあるという20世紀の古典的作品(ネタバレレビューです)

アメリカの名家で殺人未遂が多発し・・・というお話。

この作品に関しては、古典中の古典という事で色々な方が様々な事を書いていて、それぞれ正鵠を射ていると思うので、ネタバレで一般論にならない様な個人的な感想を書き込みたいと思います。以下ネタバレなので、未読の方は絶対に読まないでください。

一番最初に読んだのが確か14歳か15歳くらいで、読む前にある著名な作家の方がネタバレで色々書いているのを読んで、その方を殺したくなりましたが、今でいう中二病っぽかったかも(笑)。今回もネタを知って読み返しましたが、著者の二人がフェアプレイを貫きながら、読者をどう騙すか、誤誘導するかを焦点にして読みましたが、如何に著者が苦労したのか、その尽力に敬服しました。やはりミスター・ミステリという称号が相応しいかと思いました。「ミステリ東西名作100」の最近の方では、クリスティの「そして誰もいなくなった」に負けて歴代一位から二位に若干ランクが下がりましたが、本書の価値は未だに落ちてはいないと思います。

書かれた当時も今もここに出てくる犯人像は強烈ではありますが、こういう年齢での凶悪犯罪は結構昔からあったそうで、日本でも戦後よりも戦前の方が平穏だったという認知バイアスがありますが、実は戦前から凶悪犯罪は結構あったそうで、年齢や人格に関係なくこういう事が起こりやすかったのが世界的な実情だったらしいです。

「ミステリ絶対名作201」というガイドブックで、評論家の温水さんがこれを読んで悪い血の思想等に20世紀前半の自然科学観が反映されていて不快とおっしゃってますが、確かに最近の日本の犯罪でも親が公職等で模範的な人格だけど、子は・・・という場合があって、血縁でいい悪いと考えるのが少し古びているかもしれないとも思いました。親と子で人格が全然違う場合もいっぱいあるので。

この犯人の年齢だと学校で勉強させられて、教科書等を一生懸命読まされますが、なのでこの犯人も自分の家族をモデルにした推理小説の梗概を見つけたので、それに即して犯行を繰り返す、という過程は説得力があるかもとも思いました。

この後の二作も中村さんの訳で出るのを期待しております。

古くなった部分もあるし、現代に通じる部分もあるという20世紀の古典的作品。是非ご一読を。
Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104452
No.82:
(5pt)

ペニシリンが発明される前の話

宇野さんの翻訳も格調高く良かったが、鮎川さんのは重厚さはそのままに随分読みやすくなっていて、難しい漢字にフリガナがついていることもその要因の一つ。
現代では差別用語とされる言葉も出てくるが、私の祖母などは普通に使っていた言葉なので違和感は無い、というかその時代を理解するためには他の言葉で置き換えない方が良いと思うので、それを本書を読まない理由にあげるのは勿体ない事だ。
推理の大部分は自然ですんなり理解できる(二階三階の間取り図があるのも大きい)。Xの悲劇より良くできている。そして、ハドソン川を見下ろすハムレット城の描写は相変わらずテーマパークのように楽しめる。
ただ、ところどころに家系の遺伝病的なものを思わせる付箋がコレだったとはわからなかった。(ネタバレになるのでコレとする) ペニシリンが発明される前の話であるから、母体から受け継がれていく事もあったのだろう。その手の知識がなかったのでまさかコレとは思わなかった。なので、発表された当時より現代の方がミステリアスかもしれない。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.81:
(5pt)

古今東西を通じて本格推理小説の最高傑作と評される『Yの悲劇』

古今東西を通じて本格推理小説の最高傑作と評される『Yの悲劇』(エラリー・クイーン著、越前敏弥訳、角川文庫)を繙きました。

傲岸で鉄の意志を持つエミリー・ハッターに率いられた、巨富を誇るハッター家は、妻に頭が上がらず化学実験室に籠もりがちな二度目の夫ヨーク、奇才の詩人として世に知られる長女バーバラ、美しいが底意地が悪く、乱痴気騒ぎばかりしている次女ジル、飲んだくれては荒れる長男コンラッド、臆病でコンラッドとは不仲の妻マーサ、激し易く我儘で手に負えない、二人の長男ジャッキー、兄の真似をしたがる次男ビリー、そして、エミリーが前夫との間に儲けた、目が見えず耳も聞こえず、言葉も喋れない娘ルイーザと変わり者ばかりで構成されています。

「わたしは自殺するが、精神状態はまったく正常である」との遺書とともにヨークの死体が海で発見されるところから物語が幕を開けます。

ハッター家の屋敷で奇怪な毒殺未遂事件が続きます。姿の見えない犯人に狙われ続けるのは、三重苦の娘ルイーザです。次いで、エミリーがマンドリンで殴り殺されるという事件が起こります。エミリーと同じ部屋で寝ていたルイーザは、捜査を進める探偵ドルリー・レーンに、点字盤と手話を駆使してこう告げます。犯人のすべすべした柔らかい頬に触れたと。そして、犯人からはアイスクリームかケーキのようなにおいがしたと。

引退したシェイクスピア俳優レーンが精緻な推理を重ねて遂に突き止めた、思いもよらない犯人とは・・・。

さすがエラリー・クイーン、一気に読み終えてしまいました。

原著が発表されたのが1932年ということで、現在から見ると医学的に間違った表現が散見されるのは、已むを得ないでしょう。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.80:
(4pt)

全体的に冗長で辟易するがラストが衝撃的

この著者の作風なのか、それとも構成や見せ方が悪いのか、はたまた探偵役の人物設定の所為なのかはわかりませんが、内容のわりに冗長に描きすぎだと思います。
探偵役が見解を延べることを引き伸ばしに伸ばして、いざ説明する段階となると内容がひたすら長くて大袈裟でくどいところなどは、読んでいて辟易してきます。

探偵役の説明が冗長なことからも、これはストーリーよりもトリックに重きを置いた作品なのでしょう、人物描写の底が浅いように思いました。
ハッター家の人達は確かに変わり者で不快な人物ばかりですが、異常だと周囲が騒ぎ立てる程にも思えないので、作り込みの甘さや描写不足を感じます。
また、探偵役の聡明さを際立たせるためか、警視と地方検事を愚かに描きすぎていて読むのが苦痛でした。
彼らは読み手と一緒になって事件を追う役割なのだから、もう少し気持ち良く読ませて欲しいです。
登場人物たちはトリックを魅せるための単なる駒に過ぎないのかと思うと少し残念です。

しかしながら、トリックに重きを置いただけあって、緻密な論理展開は見事ですし、重厚な本格ミステリーとしては素晴らしい作品だと思います。
そして人物描写が不足していると上述しましたが、ラストだけは例外で、探偵役の煩悶は身につまされるものがあり、結末は何とも後味が悪く倫理観を問われるレベルでかなりの衝撃を受けました。
この作品の面白さは、ラストに集約されているといっても過言ではないと思います。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.79:
(4pt)

意外性をとるか、物語性をとるか

エラリー・クイーンの作品では最も人気のある作品の一つである。ミステリーとしてのなぞかけ、キャラ立ち、人物の背景、物語の設定、情景描写は一級品であり、全盛期の感がある。読了して損はない作品である。
 特に、大富豪ハッター家の持つ光と闇の側面を丹念に描き、経済大国アメリカの華やかさと不気味さが伝わってくる。登場人物それぞれに思惑があり、犯人捜しの面白さを味わせてくれる点で、ミステリーの古典的代表作である。ただし、『Xの悲劇』と同様、エラリー・クイーンは、なぜか物語性を重視しない。ミステリーとしての意外性を重視する。そのため、当時は驚きをもって迎えられた本作も、文学性に欠けるため時代と共に評価が下がってしまう。亜流の作品が氾濫し、目新しさがなくなってしまう。物語性を重視した方(犯人がばればれであろうと)が不朽の名作になったであろうことを考えると惜しい。
 以下は、ネタバレになるので、未読の方は気をつけていただきたい。
 複雑なハッター家で、意外性があったのはエドガー・ペリーだが、犯人や事件と関係なく、あくまで容疑者で終わり、深く掘り下げられることもない。人物描写として大変面白く描けたのであるから、この辺りを犯人として掘り下げた方が、文学的価値が上がったように思えた。
 大きな失望は、意外性を狙って少年を犯人とした点である。ハッター家は狂人の家系で、残虐な少年を生みだしたという設定は分からないまでもない。このような快楽殺人者の少年は、人を殺すことに快楽を見出すのであり、自殺をする選択はしない。ヨークハッターの小説の筋書きを、最後になって変更し、しかもレーンによってそれを阻まれてしまう。少年が敗北感を味わったのか、あるいは逮捕される恐怖感から自殺を考えたのかは、筆者はまったく描写していない。その点の欠点は著者も自覚していたために、本作の最後に描写されている。私はこの描写が、著者自身が物語性よりも意外性を重視しましたという弁解に思えてならない。
それにしても、レーンは、こういう結末になることが分かっていたはずであり、実験室に姿を現した段階で少年を捕縛すべきだった。レーンが指摘するように少年が未熟であるからこそ、尋問すればたちまちぼろを出し、犯行がばれる。少年が自殺するよりも、少年院で更生させる方が、まだ少年の将来性があったはずだ。これほど狡猾で残虐な少年に対して、野放しにするレーンの独善的な姿勢が評価できない。
 犯人を少年にすれば意外性がある。ただし、ハッター家の闇のようなものが描かれず、犯行動機と結末に肩透かしをくらう。ミステリーには限界がある。だからこそ、文学性を重視しなかった点が残念である。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.78:
(5pt)

おもしろかった

ミステリー好きなら読むべき本です
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.77:
(5pt)

ヴァン・ダインのグリーン家と重なる

豊作1932年の作にして、エラリー・クイーンの最高傑作と紹介される事が多い本作。ぼくにはヴァン・ダインの最高傑作の一つ『グリーン家殺人事件(1928年)』と随所で重なってしまいます。ハムレットの引用で始まる『グリーン家』と同様に『Y』も随所にシェークスピアの引用文が用いられ、出てくる登場人物のほとんど異常なところまで舞台はホントにそっくり。

しかしながらクイーン流のプロットはやはりヴァン・ダインのそれとは一線を画していて、論理が随所に染みていて、それでいて暖かみがあります。異常なキャラクター達をいかに組み立てていくかと、様々なファクターを推理小説の世界に加味し、読者を驚かせようという『意気』を感じさます。

何しろこれを読まないではエラリー・クイーンはおろか、推理小説自体も語れないという重要作品です。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.76:
(4pt)

翻訳は吉本隆明

これは実質は、吉本隆明が翻訳したものだ。時代的背景から言えば古典の風格がある。このどんでん返しは今ではテレビドラマでも使われる程度だろうが、当時は驚きで迎えられた。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
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No.75:
(5pt)

理詰めのパズル

元々「本格推理もの」というのは、本作のようなものを言うんだと思う。この当時のアメリカだから成立したとも言えると思う。だから時代の制約から自由であるとは言えないし、今現在の日本の常識からは逸れる部分があるのは仕方のないことだと思う。完全犯罪を行おうとする犯人に探偵が理詰めの推理で対決する…そういうものを読みたい人にはお薦めかな…。小説としての完成度、つまり人間を如何にリアルに書けているか?という価値基準を持ち込めば厳しい評価にならざるを得ない。今なら犯人の異常性の説明に人間描写のテクニック全てを傾けて書くだろうし、動機に人間存在の悲しさを反映させたりするけど、当時はまだそんなに推理小説は洗練されていなかったし、犯罪の根源的原因にある病気を持ってくるのも今なら単なる差別だと糾弾されるだろう。当時はまだまだタブーの基準が低かった。
 それと探偵が思わせぶりに真相をなかなか語らないのも、この手の小説の常道でもある。それこそ「どうして、分かったことを私たちに教えてくれないんだ?」(ブルーノとサムもしくはマーカムとヒース)「それはこれが探偵小説だからだよ。君たちに言えば、読者の楽しみを奪うことになってしまうからね!」(レーンもしくはヴァンス)ということでしかない。本作は一応その点をリアルに説明しようと試みてるわけで、好感が持てるんだけどな。
 そんなことよりも私としては、ヴァン・ダインの影響の大きさの方を感じる。「グリーン家」の設定の踏襲やら、探偵の事件の最終的な解決方法は「僧正」を踏襲してたり、かなりファイロ・ヴァンスを意識してるな…なんて思った。むしろオマージュなんじゃ?なんて思った次第。以上が再読した感想である。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.74:
(5pt)

呪われた血縁のY家の運命やいかに❗

亡くなった人が残した探偵小説風の書物をなぞって、殺害計画を実行する以外な謎の人物を横糸に、Y家にとりついた呪われた血を縦糸に展開するダイナミックな恐怖、絶望的な物語です。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
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