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Yの悲劇
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Yの悲劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全118件 81~100 5/6ページ
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少しも意外な犯人ではない、という見方もあるようだが、当時(1932年)としては、これは非常に意外な犯人だったはずである。 意外ではない、と思うのは、現代だからなのだ。 今なら、普通に最初から「あ、こいつが犯人ね」と判る。しょっちゅうある事件だからだ。 しかし当時は、このような犯人はまず絶対といっていいくらい、あり得ないことだった。 考えることさえ恐怖だったはずだ。 従って、この小説の中のレーンの姿勢は、充分頷ける。 「時代」なのだ。これを意外と思うも思わぬも、すべて「時代」。 この小説が書かれた時代を思えば、腰が抜けるくらいな意外さである。 又、凶器を指して「こんなものを選ぶことはあり得ない」とする意見も多いが、それも違う。 今と違って、この犯人が得られる情報量は圧倒的に少ないのだ。つまり、モノを知っていなくて当然なのだ。 現代と同様に思うから、「そんなアホな」なのであって、当時はそれが普通だったことを考えに入れなくてはなるまい。 要するに、これは名作だと思う。 探偵小説黄金期の、私としては「金字塔」と思う。 | ||||
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少しも意外な犯人ではない、という見方もあるようだが、当時(1932年)としては、これは非常に意外な犯人だったはずである。 意外ではない、と思うのは、現代だからなのだ。 今なら、普通に最初から「あ、こいつが犯人ね」と判る。しょっちゅうある事件だからだ。 しかし当時は、このような犯人はまず絶対といっていいくらい、あり得ないことだった。 考えることさえ恐怖だったはずだ。 従って、この小説の中のレーンの姿勢は、充分頷ける。 「時代」なのだ。これを意外と思うも思わぬも、すべて「時代」。 この小説が書かれた時代を思えば、腰が抜けるくらいな意外さである。 又、凶器を指して「こんなものを選ぶことはあり得ない」とする意見も多いが、それも違う。 今と違って、この犯人が得られる情報量は圧倒的に少ないのだ。つまり、モノを知っていなくて当然なのだ。 現代と同様に思うから、「そんなアホな」なのであって、当時はそれが普通だったことを考えに入れなくてはなるまい。 要するに、これは名作だと思う。 探偵小説黄金期の、私としては「金字塔」と思う。 | ||||
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本作品はかつて、どのミステリー作品の順位投票でも、必ずと言っていい程No.1に挙げられていた古典的名作である。 しかし、「エラリー・クイーン Perfect Guide」(2004年12月発行、ぶんか社)に掲載されているクイーン・ファンによるランキングでは、本作品はクイーン作品の中だけでも5位にランク・ダウンしている。かつては意外性抜群であった本作品の犯人も、奇怪な事件が相次ぐ現代では、それほど意外には感じられなくなってしまった結果ではないかと思う。 犯人の意外性を除く本作品の欠点としては、まず動機が希薄であるということが挙げられる。 実際にレーンの口から真相が明らかにされても、犯人がなぜエミリーを殺さなければならなかったのか、憎悪によるものなのか、それともヨークの復讐のつもりだったのか、あるいは単に面白半分だったのかがよくわからない。 その点、坂口安吾も「『蝶々殺人事件』について」という推理小説論(角川文庫『横溝正史読本』に所収)の中で、犯人の動機が解決篇に至るまでにきちっと描かれていないことから、本作品は傑作の第一条件を失していると指摘しているが、同感である。 また、レーンは、中盤過ぎに犯人が寝室にマンドリンを持ちこんだのが凶器として使用するためだと決めつけるが、これはマンドリンが凶器という結論ありきによる作者のこじつけとしか思えないし、解決篇で犯人が爪先立ちで歩いた理由を説明していないのも片手落ちで、その推理に納得できない部分がある。 しかし、上記を除いてのレーンの論理的推理は、推理小説のお手本ともいうべき素晴らしい出来映えであり、ミステリー・ファンならやはり一度は目を通しておきたいものである。 ちなみに本作品は、ヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』に挑戦した作品としても知られているが、結末が『僧正殺人事件』と同じなので、著者がそれだけヴァン・ダインを意識していたことがわかって面白い。 | ||||
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本書は推理小説史上、最高の推理作品であり、究極のパズル小説だ。 作者は「エジプト十字架の秘密」の中で、「わたしは○○の動機を知っていなかったし、いまこの瞬間でさえも知っていないということです。しかし、実際問題として、どれだけの違いがありますか」と、犯人が明らかになった後でさえ、探偵エラリー・クイーンに語らせている。それは、作者が推理小説をパズル小説として位置づけ、動機の解明など二の次としている姿勢を表している。そして、その姿勢を実践したのが本書なのだ。 本書で犯人はヨーク・ハッターのシナリオどおりに犯行を行なうが(最後でシナリオに背くが)、犯人自身には殺人に関しての何らかの意志や動機というものを感じることはできない。 しかし実際問題として、動機は犯人の心の中にあるもので、犯人自らが語らない限りそれを本当に探り当てるのは不可能だ。だからレーンは動機については多くを語らず、とにかく犯人の条件として適合するデータを揃え、そのデータから唯一無二の犯人を探り当てるのだ。 だからこそ、本書は本格推理小説の王道であるパズル小説No.1として常に称えられ続けてきたのだし、パズル小説である本格推理小説が支持され続ける限り、今後もその賞賛は続くことだろう。 | ||||
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本作品はかつて、どのミステリー作品の順位投票でも、必ずと言っていい程No.1に挙げられていた古典的名作である。 しかし、「エラリー・クイーン Perfect Guide」(2004年12月発行、ぶんか社)に掲載されているクイーン・ファンによるランキングでは、本作品はクイーン作品の中だけでも5位にランク・ダウンしている。かつては意外性抜群であった本作品の犯人も、奇怪な事件が相次ぐ現代では、それほど意外には感じられなくなってしまった結果ではないかと思う。 犯人の意外性を除く本作品の欠点としては、まず動機が希薄であるということが挙げられる。 実際にレーンの口から真相が明らかにされても、犯人がなぜエミリーを殺さなければならなかったのか、憎悪によるものなのか、それともヨークの復讐のつもりだったのか、あるいは単に面白半分だったのかがよくわからない。 坂口安吾は「『蝶々殺人事件』について」という推理小説論(角川文庫『横溝正史読本』に所収)の中で、本作品は犯人の動機が解決篇に至るまでにきちっと描かれておらず、「十分にヒントを与えずに、犯人をお当てなさいでは、傑作の第一条件を失している。」と指摘しているが、同感である。 また、レーンは、中盤過ぎに犯人が寝室にマンドリンを持ちこんだのが凶器として使用するためだと決めつけるが、これはマンドリンが凶器という結論ありきによる作者のこじつけとしか思えないし、解決篇で犯人が爪先立ちで歩いた理由を説明していないのも片手落ちで、その推理に納得できない部分がある。 しかし、上記を除いてのレーンの論理的推理は、推理小説のお手本ともいうべき素晴らしい出来映えであり、ミステリー・ファンならやはり一度は目を通しておきたいものである。 ちなみに本作品は、ヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』に挑戦した作品としても知られているが、結末が『僧正殺人事件』と同じなので、著者がそれだけヴァン・ダインを意識していたことがわかって面白い。 | ||||
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最初に読んだときは、相当怖い思いをしつつ読んだ思いがある。この越前訳は、2010年9月現時点での最新の翻訳ということで、またあの「ダビンチもの」の巧みな翻訳者ということで「X」に続き衝動買いしてしまった。怖いポイントはわかっていたので、免疫ができていたのか、そのポイントが来てもそれほど怖い思いをしなかった、これは当然かもしれないが・・・・・。 再度じっくりこの名作を読むと、再読に値する面白さをあらためて発見できる。個々のキャラクターの異常な行動・発言内容を再確認することによって、「あっそうだったのか」との思いが出てくる。再読に値するミステリーというものはそう多くあるものではない。 しかし異常な犯人の異常な行動を、「奇異な血筋」とか「家系に先天性の欠陥がある」という面に持ってくるという当時のプロットの置き方は21世紀の今読むとあまり気分のいいものではない。本文庫もそうであるが、最近の出版物によくある最終ページに密やかに印刷されている「差別的表現」云々の一文もあり、だからというわけでもないだろうが、「Yの悲劇」が最近ミステリーベスト1ではなくなってきているのかもしれない。 初めてこの名作を手にする読者がうらやましい。探偵と一緒になってあの「恐怖の部屋」に潜むゾクゾクとする恐ろしさを一緒に体験できるからだ。卓越したプロットの立て方に驚きと感激を味わうことができるからだ。 | ||||
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数多の推理小説ベスト○○という企画をやると、必ずといていいほどトップ10に入って来るのが、「Yの悲劇」。そして一位を争うとなると、これか「ファントム・レイディ(幻の女)」ということに決まっているようで、ここ数年は「ファントム・レイディ」のほうが若干分がいいようだ。 しかし、シェイスクピア俳優のドルリー・レーンという稀代の名探偵を生み出したこと、世界一ともいえる恐ろしい場面を我々読者に経験させてくれるということ、E.クイーンのプロット設定の旨さ等々を考えると、総合的には、やはり、私は「Yの悲劇」に軍配を上げざるを得ない。 | ||||
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本作が、なぜにそこまで評価されるのかが、最大のナゾ。 ストーリーも犯人の意外性も、「X」のほうがずっといいと思うけどなあ。 初めて読んだのは30年以上前だけど、「推理の論理性」についてはともかく、「犯人」はすぐわかった・・・っていうか、これだけ手がかりがあるんだから、この「犯人」以外考えられないし。 「エラリー・クイーン」より「ドルリー・レーン」のほうが、なんだか位が上みたいに思われるのは、ただ単に「・・・の謎」より「・・・の悲劇」ってほうが、字面的に、あるいは口に出してみたときに重みがあるから・・・くらいなことなんじゃないでしょうか。 人間の掴み方の深さも、クイーン中期の「災厄の町」のほうが上。 これからクイーンを読んでみようと思う若い方には、ストーリーの面白い「エジプト十字架の謎」や、最後の1行がかっこいい(笑)「Xの悲劇」をお勧めします。 「X」を読んで、探偵としてのドルリー・レーンの成り立ちを知ってから、「Y」、「Z」(あまり面白くないけど、最終作へのつなぎ役)、「最後の悲劇」(クイーンはこれをやりたかったんだと思いますよ。X・Y・Zを伏線にして、究極の「○○な○○」を作り出すっていう気の長い構想)を読むのがいいと思います。 | ||||
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本作が、なぜにそこまで評価されるのかが、最大のナゾ。 ストーリーも犯人の意外性も、「X」のほうがずっといいと思うけどなあ。 初めて読んだのは30年以上前だけど、「推理の論理性」についてはともかく、「犯人」はすぐわかった・・・っていうか、これだけ手がかりがあるんだから、この「犯人」以外考えられないし。 「エラリー・クイーン」より「ドルリー・レーン」のほうが、なんだか位が上みたいに思われるのは、ただ単に「・・・の謎」より「・・・の悲劇」ってほうが、字面的に、あるいは口に出してみたときに重みがあるから・・・くらいなことなんじゃないでしょうか。 人間の掴み方の深さも、クイーン中期の「災厄の町」のほうが上。 これからクイーンを読んでみようと思う若い方には、ストーリーの面白い「エジプト十字架の謎」や、最後の1行がかっこいい(笑)「Xの悲劇」をお勧めします。 「X」を読んで、探偵としてのドルリー・レーンの成り立ちを知ってから、「Y」、「Z」(あまり面白くないけど、最終作へのつなぎ役)、「最後の悲劇」(クイーンはこれをやりたかったんだと思いますよ。X・Y・Zを伏線にして、究極の「○○な○○」を作り出すっていう気の長い構想)を読むのがいいと思います。 | ||||
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ミステリ史上最高傑作のひとつとして名高い本作ですが、 おそらくギャグではないかと思われます。 論理の極致などと謳っておきながら名探偵の推理は突っ込みどころが多く そしてそれをこれまたいかにもといった口調で語ってくるので いちいち馬鹿みたいに腰を抜かしてるワトソン役と合わせて とても滑稽です。 仮に論理的整合性が完璧であったとしても、 そもそもこの作品は読み物として面白くないです。 ストーリー全体を通して陰鬱とした雰囲気が漂っている みたいな効果を狙ったんだろうけど、 ただひたすら退屈なだけ。 ページをめくる気にならない。 事件や登場人物に魅力が無いから、真犯人やトリックにも興味が湧かない。 読み進めるのが苦痛でした。 | ||||
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ミステリ史上最高傑作のひとつとして名高い本作ですが、 おそらくギャグではないかと思われます。 論理の極致などと謳っておきながら名探偵の推理は突っ込みどころが多く そしてそれをこれまたいかにもといった口調で語ってくるので いちいち馬鹿みたいに腰を抜かしてるワトソン役と合わせて とても滑稽です。 仮に論理的整合性が完璧であったとしても、 そもそもこの作品は読み物として面白くないです。 ストーリー全体を通して陰鬱とした雰囲気が漂っている みたいな効果を狙ったんだろうけど、 ただひたすら退屈なだけ。 ページをめくる気にならない。 事件や登場人物に魅力が無いから、真犯人やトリックにも興味が湧かない。 読み進めるのが苦痛でした。 | ||||
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名作の誉れ高いけれど、この作品の犯人って全然意外じゃないような気が・・・。だって、今の時代なら充分あり得ると思うし・・・。内容的には手がかりをきちんと追っていけば、その人が犯人としかいいようがないように思うんですが・・・。 Xの悲劇の方が作品としては上なんではないかと・・・。クイーンの醍醐味でもあるロジックも、なんかイマイチのような気が・・・。だって他の作品には手袋とか、ヨードチンキの瓶とか印象的な小道具があるのに、この作品なんてホコリの跡とかだし・・・。何より、この作品の最大の見せ場であるブラントインスタルメントは、はっきりいって日本人には意味わかんないでしょ。辞書でブラントインスタルメントを引いても、この部分の面白さは英語を日常語にしている人にしかわかりません。 | ||||
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名作の誉れ高いけれど、この作品の犯人って全然意外じゃないような気が・・・。手がかりをきちんと追っていけば、その人が犯人としかいいようがないように思うんですが・・・。Xの悲劇の方が作品としては上なんではないかと・・・。クイーンの醍醐味でもあるロジックも、なんかイマイチのような気が・・・。だって他の作品には手袋とか、ヨードチンキの瓶とか印象的な小道具があるのに、この作品なんてホコリの跡とかだし・・・。何より、この作品の最大の見せ場であるブラントインスタルメントは、はっきりいって日本人には意味わかんないでしょ。 | ||||
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ドルリーレーンの苦悩と優しさが伝わってきます。 ハムレット荘にての レーンと刑事 検事 三人の会話に こんな終わり方も ありだな・・・と驚きながらも感心いたしました。 やっぱり すごい!! | ||||
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ドルリーレーンの苦悩と優しさが伝わってきます。 ハムレット荘にての レーンと刑事 検事 三人の会話に こんな終わり方も ありだな・・・と驚きながらも感心いたしました。 やっぱり すごい!! | ||||
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世界本格ミステリの最高峰である。世界ミステリ・ベストテンといった企画があるとNo.1の常連である。レーンの"悲劇4部作"の2作目だが、作品の形式としてはヴァン・ダインの「グリーン家」に対抗する形で書かれている。このため、舞台となる一家の家族を、婿養子の当主(失踪中)を除いて全て精神異常の血が流れているという設定にし(この設定は少々卑怯な気がするが)、全篇を覆う不気味なムードと共に作品を成功に導いている。 老婦人が殺された時、同室にいた触覚と嗅覚だけが自由な女性に対する尋問場面の異様な程の緊迫感、犯人の"匂い"の謎、そして凶器に何故マンドリンを使ったのかという謎。途中で発見された失踪中の当主が書いたミステリのシノプシス。犯行はこれに沿って行なわれているが、当主は生きているのか ? 薬品棚のホコリの意味、一家の診療カルテを観て、深いため息をつくレーン...。 これらを、有機的に結合し、最後の結論を導き出す作者の構成力は素晴らしく、世界最高峰の本格ミステリの名に恥じない。雰囲気こそ異様だが、論理展開の鮮やかさはいつものクィーンである。この異様さの中で読者の気が逸れているうちに、真相へのデータを晒す手腕も鮮やかである。犯人設定も、昨今は現実が小説を追い越している感もあるが、意外感がある。私の中では、ここ40年程変わらないNo.1ミステリ。 | ||||
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世界本格ミステリの最高峰である。世界ミステリ・ベストテンといった企画があるとNo.1の常連である。レーンの"悲劇4部作"の2作目だが、作品の形式としてはヴァン・ダインの「グリーン家」に対抗する形で書かれている。このため、舞台となる一家の家族を、婿養子の当主(失踪中)を除いて全て精神異常の血が流れているという設定にし(この設定は少々卑怯な気がするが)、全篇を覆う不気味なムードと共に作品を成功に導いている。 老婦人が殺された時、同室にいた触覚と嗅覚だけが自由な女性に対する尋問場面の異様な程の緊迫感、犯人の"匂い"の謎、そして凶器に何故マンドリンを使ったのかという謎。途中で発見された失踪中の当主が書いたミステリのシノプシス。犯行はこれに沿って行なわれているが、当主は生きているのか ? 薬品棚のホコリの意味、一家の診療カルテを観て、深いため息をつくレーン...。 これらを、有機的に結合し、最後の結論を導き出す作者の構成力は素晴らしく、世界最高峰の本格ミステリの名に恥じない。雰囲気こそ異様だが、論理展開の鮮やかさはいつものクィーンである。この異様さの中で読者の気が逸れているうちに、真相へのデータを晒す手腕も鮮やかである。犯人設定も、昨今は現実が小説を追い越している感もあるが、意外感がある。私の中では、ここ40年程変わらないNo.1ミステリ。 | ||||
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いわずと知れた古典的名作の一つ。全体に漂う異様な雰囲気、犯人の意外性は他のクイーン物の中でも突出しているといえるでしょう。ただし、クイーン得意の論理的解決が必ずしも成功しているかはちょっと疑問があります(特にマンドリンの問題)。そもそも犯人が犯人だけに`論理的`に解けるものではないですけど。キーとなる状況証拠の提示も読者がよく見ないと見落としてしまいます。そして、この作品の最大の謎は最後のページにあります。サム警部の疑問に対してレーンは返答していません。文脈からすると… | ||||
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いわずと知れた古典的名作の一つ。全体に漂う異様な雰囲気、犯人の意外性は他のクイーン物の中でも突出しているといえるでしょう。ただし、クイーン得意の論理的解決が必ずしも成功しているかはちょっと疑問があります(特にマンドリンの問題)。そもそも犯人が犯人だけに`論理的`に解けるものではないですけど。キーとなる状況証拠の提示も読者がよく見ないと見落としてしまいます。そして、この作品の最大の謎は最後のページにあります。サム警部の疑問に対してレーンは返答していません。文脈からすると… | ||||
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古今東西、ミステリのオールタイム・ベスト投票なんかをすると、いつ何時でも上位に入ってくる恐るべき作品。 巨匠エラリー・クイーンが、バーナビー・ロス名義で発表した「ドルリー・レーン4部作」中の1作です。 今では普通にエラリー・クイーン作、とクレジットされるでしょうけど。 はい。 日本では多分、エラリー・クイーンでは、純正本格物の古典、初期国名シリーズの人気が高いと思われます。 と共に、本格ミステリとしてのクオリティで並び立つのがドルリー・レーンものであり、その中でも白眉の傑作がこの作品、というわけで。 また、苦悩する名探偵というシチュエーションは、どことなく後期クイーンの匂いもほのかに(多分)。詩があります。 余談ですが、最初ガチガチの本格物である初期作品群に惹かれ、そして次第に後期クイーンの世界の方にハマって行く、というのがルートとしてあるようです。 で、『Yの悲劇』。 個人的に、メインプロットで印象的だったのは、意外性と力技!これって本格ミステリの肝でもあると思います。 古い作品はあんま読まないという方も居るかと思いますが、やはり押さえておきたい定跡中の定跡。トリックは古くないですよー。 色褪せない永遠の名作。是非。 | ||||
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