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Yの悲劇



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Yの悲劇の評価: 4.08/5点 レビュー 118件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全118件 21~40 2/6ページ
No.98:
(5pt)

ヴァン・ダインのグリーン家と重なる

豊作1932年の作にして、エラリー・クイーンの最高傑作と紹介される事が多い本作。ぼくにはヴァン・ダインの最高傑作の一つ『グリーン家殺人事件(1928年)』と随所で重なってしまいます。ハムレットの引用で始まる『グリーン家』と同様に『Y』も随所にシェークスピアの引用文が用いられ、出てくる登場人物のほとんど異常なところまで舞台はホントにそっくり。

しかしながらクイーン流のプロットはやはりヴァン・ダインのそれとは一線を画していて、論理が随所に染みていて、それでいて暖かみがあります。異常なキャラクター達をいかに組み立てていくかと、様々なファクターを推理小説の世界に加味し、読者を驚かせようという『意気』を感じさます。

何しろこれを読まないではエラリー・クイーンはおろか、推理小説自体も語れないという重要作品です。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.97:
(4pt)

翻訳は吉本隆明

これは実質は、吉本隆明が翻訳したものだ。時代的背景から言えば古典の風格がある。このどんでん返しは今ではテレビドラマでも使われる程度だろうが、当時は驚きで迎えられた。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.96:
(5pt)

理詰めのパズル

元々「本格推理もの」というのは、本作のようなものを言うんだと思う。この当時のアメリカだから成立したとも言えると思う。だから時代の制約から自由であるとは言えないし、今現在の日本の常識からは逸れる部分があるのは仕方のないことだと思う。完全犯罪を行おうとする犯人に探偵が理詰めの推理で対決する…そういうものを読みたい人にはお薦めかな…。小説としての完成度、つまり人間を如何にリアルに書けているか?という価値基準を持ち込めば厳しい評価にならざるを得ない。今なら犯人の異常性の説明に人間描写のテクニック全てを傾けて書くだろうし、動機に人間存在の悲しさを反映させたりするけど、当時はまだそんなに推理小説は洗練されていなかったし、犯罪の根源的原因にある病気を持ってくるのも今なら単なる差別だと糾弾されるだろう。当時はまだまだタブーの基準が低かった。
 それと探偵が思わせぶりに真相をなかなか語らないのも、この手の小説の常道でもある。それこそ「どうして、分かったことを私たちに教えてくれないんだ?」(ブルーノとサムもしくはマーカムとヒース)「それはこれが探偵小説だからだよ。君たちに言えば、読者の楽しみを奪うことになってしまうからね!」(レーンもしくはヴァンス)ということでしかない。本作は一応その点をリアルに説明しようと試みてるわけで、好感が持てるんだけどな。
 そんなことよりも私としては、ヴァン・ダインの影響の大きさの方を感じる。「グリーン家」の設定の踏襲やら、探偵の事件の最終的な解決方法は「僧正」を踏襲してたり、かなりファイロ・ヴァンスを意識してるな…なんて思った。むしろオマージュなんじゃ?なんて思った次第。以上が再読した感想である。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.95:
(2pt)

犯人を定める証拠に異議あり

奇矯な人物たちが住まう豪邸の中で、殺人プロット通りの犯罪が起こる、といういかにも(いい意味で)古めかしい本格推理小説。だが犯人を推定する基準だが、私は父の蔵書のこの本を小学低学年で読んで意味が通じたので、アウトだと思う。ならば推理小説としてもアウトだ。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.94:
(5pt)

呪われた血縁のY家の運命やいかに❗

亡くなった人が残した探偵小説風の書物をなぞって、殺害計画を実行する以外な謎の人物を横糸に、Y家にとりついた呪われた血を縦糸に展開するダイナミックな恐怖、絶望的な物語です。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.93:
(4pt)

「悲劇」の指すニュアンスを考えながら読むと興味深い

「Yの悲劇」を短所と長所から簡単に分析してみたいと思います。

まず先に短所からいってしまうと、少々展開が冗長です。途中に動きのあるような進み方をする物語とは言い難いのは事実です。ただ、これは本格長編ミステリではしばしば陥りがちな現象だとも言えます。あとは悲劇と題するだけあって全体的な雰囲気は暗めです。さらに低評価のレビューにもある通り、それほど衝撃を受けない可能性もあります。星1つのレビューで中々酷い書き様をしている方もおられましたが(笑)、言葉遣いはともかくあながち間違った指摘でもないと思われます。文学作品の価値がいつの時代も普遍的かというとそんなことはないでしょう。文学は他から独立した分野ではなく、書かれた時代の政治、社会、歴史、文化的文脈等に否応なしに絡め取られるものだからです。したがって、読者によっても評価は当然バラバラになると思います。

次に長所ですが、構成としてはなかなか重厚で良くできています。もちろん多少古風なので現代感覚で見てしまえば想像しづらい所もなくはないですが、当時の趣とみればそれほど問題ではないでしょう。本作はクイーンの作品の中でも初期のものなので、人間ドラマは多少乏しい代わりに伏線を含む「仕掛け」はよくできていると言えます。また、探偵のドルリーレーンは良くも悪くもそれほどキャラの立った存在ではないので、妙に出しゃばったりする探偵が嫌いな方には比較的負担になりにくいと感じます。

長くなりましたが最後に総括です。私個人としてはむしろ再読時の方が面白かったです。張り巡らされた伏線が推理の中でどのような意味を持つか確認しながら(&つまらない所は適当に飛ばしながら)読めるからです。そして、最後に真犯人は当然ある人物だという解答が出されますが、本当にその人が真犯人でいいのか?という問いも立てられます。推理が曖昧というよりは、前述の「仕掛け」などの観点からそう言えるのではないか。確かにこの物語はハッター家という家を取り巻く悲劇を扱ったものにはなりますが、「悲劇」とは果たして殺人の罪だけを指すのか、それとももっと大きな規模・複数性を持った解釈は可能か。こういったところも意識しながら読むと犯人が意外だったかどうかというだけの読みではなく、「悲劇」とは何を指すか、といったやや異なる視点からの「開かれた読み」ができるのではと考えています。
長文でしたがご一読頂いた方、ありがとうございました。参考になれば幸いです。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.92:
(4pt)

とことん理詰めの謎解きは探偵小説の王道

元シェークスピア劇の名優でお城のような豪邸に住んでいる探偵。そんな豪華な設定が本筋の事件捜査とは別に、幻想的できらびやかな興趣を添える。しかして謎解きは一点の誤魔化しも手抜きもない正統派。古典の名に恥じない名作。ストーリーは独立しているのでXより先に読んでも問題なく楽しめる。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.91:
(5pt)

エラリークィーンはすごい。

面白いミステリーでした。
あっと驚く展開に、必死で読みました。
Zの悲劇の方が良いと言う人もいますが、私はYの悲劇の方が好きかな〜。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.90:
(4pt)

安心できる

取り扱い、案内が丁寧
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.89:
(4pt)

重厚だが独善的な正義感に失望

十代の頃も含めて過去に2回は読んでいるがいずれも「Xの悲劇」より劣るという評価だった。それは緻密な演繹的推理の部分が希薄だったためであったが最近は演繹法で全てを解決すること自体にそもそも無理があるというふうに考え方が変わったため再度評価してみようと読んでみた。結果は推理以外の部分で失望した。ハッター家の一族をここまで異常呼ばわりするのはいかがなものか。しかもそれを根拠に正義感を振り回すというのは全く納得できなかった。

大金持ちで傲慢な老婦人エミリー、天才的な詩人の長女バーバラ、激しやすい長男コンラッド、小悪魔的な次女ジルと確かに個性的な面々であるが富裕層の人物設定としては珍しくないものである。この程度の事で人間として異常呼ばわりするものだろうか。三重苦のルイザ・キャンピオンの「母はいつものように、わたしにやさしく落ち着いていました(p153)」という証言からも普通の母親としての面もあるエミリーをここまで非難するというのは納得できなかった。中盤でエミリーの病歴が示されるが確かに深刻な問題ではあるがだからといってここまで差別的な表現をするものであろうか。レーンはこの事を根拠に後半から独自の行動をとるわけであるが、これも荒唐無稽に思えてくる。犯罪捜査の素人である以上深刻な事情を抱える相手に対しては警察や専門家と協力して善処すべきであると思われる。

「Xの悲劇」でも同様であったが人物描写に洗練されたものが感じられない。特にサム警部やブルーノ地方検事の粗野で愚かな言動は読んでいて苦痛である。賢明なレーンとの対比を際立たせたいのかもしれないが、経験豊富なベテランの姿とはとても思えず、その不自然さはむしろ作品の質を落としている。たまに鋭い指摘はするがそれもレーンの説明の補足をしたいだけという意図が感じられてわざとらしい。レーンにしてもつまらないことで笑ったり(p149)せっかちな言動を示したり(p187,p311)するのは蛇足としか思えず興ざめであった。また会話も事務的で表面的なものが多く人間心理の交流といったものは感じられない。

推理についてはまず、第二の事件において毒を果物へ注射した人物と犯人とが同一人物であるという点を背理法で証明している場面が圧巻ではあるが大げさという感が否めない。ここでは事象の時間的な順序関係からもっと簡潔に説明できたのではなかろうか。また犯人を特定する推理はその条件が絞られているためわかってしまえば単純である。今回は犯人はわかっていて再読していたわけだが各伏線においてレーンがあえて明らかにしないのは不自然という感が否めなかった。最後に明かされるその理由も前述の独善的な正義感によるものであり到底納得できるものではなく結局は読者を煙に巻いているだけという感が強かった。

犯人を特定する部分では足し算、引き算による算数が出て来るが、これもくどいのではなかろうか。生徒に対する教師のような説明の仕方は自意識過剰で自分の聡明さを誇示したいといった人間的な矮小さを感じさせて興ざめであった。サム警部の思いつきをブルーノ地方検事が否定し最後になって足跡の手掛かりからレーンがさらにそれを否定するという展開もだまされたという感があり後味はよくなかった。

ルイザが看護婦のミス・スミスの介添えのもとに点字盤を使って証言する場面は緊迫感に満ちて秀逸であるが、事件全体を振り返ってみると最後の事件を蛇足とみなせば結局は単発の事件であったわけで深みや凄味が感じれられず頁数のわりには冗長という感じであった。後半に発見される紙片が果たす役割は独創的で見事であるが意外性という点では逆効果かもしれない。

全体的には推理小説として重厚で秀逸な部分は多々あるが、洗練さに欠けた表現に失望することが多く読み進めるのは苦労した。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.88:
(4pt)

推理小説好きな人にオススメ

推理小説では定番の本なのでしょう。事実を積み上げていくと犯人にたどり着けるようなストーリになっている。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.87:
(3pt)

変化球

個人的にはそこまで衝撃を受けなかったし、感動もしなかった。本当にただの悲劇という感じ。探偵も好きになれない。
ややネタバレ気味になるが、例えるならば「トリックがめちゃくちゃだから犯人は猫だ!」という感じ。中山七里の『魔女は蘇る』を読んだときと似た気分になった。頭の良い探偵が頭の良い犯人を追い詰める直球の話が読みたい自分には合わなかったということか。
エラリークイーン作品は動機に関する部分が面白くないのも特徴で、人間の闇の部分を探るというミステリの醍醐味の一つが味わえないのが残念。そういうのが読みたいなら『9尾の猫』が良いでしょう。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.86:
(2pt)

トリックは面白いが探偵役に共感できない

結構面白くはあった。途中までは。
犯人も私は最後まで分からなかった。意外性はあったし、その真相に至るまでのロジックも説明されれば「ああ、なるほど」と思えた。
だが納得したのはトリックであって、動機についての論理ではない。
犯人と動機と心理についての推理はこれはもう、推理でなくて差別と偏見による暴言である。
今この時代で実写化は絶対不可能だろうな。推理の根底に差別意識があるので。
探偵の行動自体も全く納得できなかった。早い段階で犯人の目星がついてたのに結局最後まで成り行きに任せて見てただけじゃないか。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.85:
(5pt)

【猿のごとく読み、人のごとく考える・その297・290冊目】

・サノーさん一言コメント
「海外ミステリーの基準にして、珠玉の名作。奇怪な登場人物が描く、愛憎の秘め事」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「今なお色あせない、傑作です。レーン翁と一緒に隠された真相を追従しましょう」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】

・サノーさん、ウノーさん読書会

サノーさん(以下サ):300冊を前にして、このジャンルに踏み入ることになろうとは。
ウノーさん(以下ウ):実際、毎日1冊は、ウチには荷が重い「条件」でしたね。
サ:長いやつ、言葉が古くて行ったり来たりする本が入ると、途端に厳しくなる。
ウ:「哲学」のジャンルも、ヤバいですね。
サ:読み飛ばして、一周してから戻れば効率的だと思うが、つい「もったいない」という気持ちで、ページを辿ることになってしまう。
ウ:新しい表現や言葉を見つけるのも目的であり楽しみですから、いいんですけど、忙しいとヤバいです。
サ:そこで、全てを救い、状況を一変させる「一手」が「ミステリー」のカテゴリー登場なわけだ。
ウ:はい、このジャンルなら、100冊程度のストックはありますし、最近のものはどなたかに任せるにして、「歴史的傑作」や「珠玉の名作」を紹介していくのは、楽しいし、お役に立てるのではないかと。
サ:第一弾は『Yの悲劇』だ。これは、ウチが「ミステリー」の「凄さ」を感じ取った一冊だ。
ウ:『Xの悲劇』『Zの悲劇』もありますし、映画化やデレビドラマ化されているのでご存知の方も多いと思いますが、書かれたのは80年以上前です。
サ:まったく、色褪せていない。むしろ、輝きが増しているかのように思われる作品だ。
ウ:舞台はニューヨーク、独裁的大富豪ハッター家に起こる、連続殺人事件です。
サ:登場人物、設定、そのどれもが「ミステリーのお手本」とでもいうべき内容で描かれている。
ウ:のちのミステリー作品、作家にも多大な影響を与えています。
サ:女王であり、絶対的支配者である「女主人・ハッター」、天才詩人にして、人格者「長女・バーバラ」、癇癪持ちの男「長男・コンラッド」、奔放にして爛漫「末娘・ジル」、そして盲目の謎多き「先夫の子・ルイザ」さらに彼らの家族、息子が登場し、複雑な因果関係を展開する。
家族構成や人格の設定は『カラマーゾフの兄弟』を連想させるが、数々のトリック、数々の伏線と収束については、ミステリーとしての楽しみとなる。全体を構成する「糸」の色と「絡み方」が、独特の模様を作り出す。
ウ:その奇怪な糸が、もつれにもつれた事件に挑むのは、「元名男優・トルリー・レーン」です。この謎解きキャラの「クセの強さ」「怪異」さも、作品の魅力です。
サ:いまの「倫理観」だと、アウトな人だ。レーンは、「なぜ、年を取らない」のか「なぜ、聴力を失ったか」「なぜ、独身なのか」も、ファンの間では議論のネタとなる。
ウ:この一冊には、「海外ミステリー」の楽しさ、面白さが詰まっています。ミステリー好きはもちろん、古いミステリーは、ちょっと・・・という方にもオススメです。
【了】
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.84:
(4pt)

傑作と名高い作品ですが、あえてケチを付けます。

確かに傑作だとは思いますが、世間で言われている程には完全無欠な作品とは思えません。

まず、作中のある重要な役割を果たす人物についてですが、
13歳という年齢はそこまで子供でもバカでもないでしょう。
年齢的には中学生ですし、江戸時代以前は元服(成人の儀)する歳です。
それなのにあんなバカげた行動を取るって事はありえない気がします。

ちなみに長崎女子児童〇〇事件(いわゆるNEVADA事件)の女子小学生は、インターネットを使って
少年法を入念に検索して自分がどんな処置を受けるのか入念に調べた履歴があったとか。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.83:
(4pt)

面白かった。

今までちょっと敬遠していて読んでなかったが、読んでみると結構面白かった。なんで敬遠していたかというと、まー、『Xの悲劇』が自分には少し合わなかったから。それと、まー、古い海外小説で読むのが大変だろうなと思っていたからだ。実際読みは始めると、読みにくいということはなかった。随分前に読んだ、都築道夫の『黄色い部屋はいかに改装されたか?』で、『Yの悲劇』はヴァン・ダインのある作品のオマージュだと書いてあったが、その通りだろう。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.82:
(4pt)

偏見に満ちた問題作だが、本格ミステリとしてはオールタイムベスト級の名作

表現も含めて性病患者及び障害者に対する記述が偏見に満ちておりとても後味が悪い。言葉狩りを是とはしないが、内容的にも問題作だと思う。その点で満点評価しなかったが、技巧的で重厚な本格ミステリとしては素晴らしい。名探偵ドルリー・レーンも変装こそ思いとどまるが、名優らしい演技力を発揮して屋敷内に潜伏し真犯人を確かめるスリル満点の展開。最後に明かされる名推理は論理的で見事に真犯人を炙り出していたのだが、苦渋の決断で真犯人に断罪を下す衝撃のラスト。
 オールタイムベスト級の名作であるのは間違いない。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.81:
(3pt)

いいね

アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.80:
(5pt)

意外中の意外な犯人

犯人は本当に意外です。ちょっと犯罪ものの定番を覆す結末なので、賛否両論になるかな。
 「Xの悲劇」から読んだ方が良いという方がおられますが、同感です。これを凡作とするアホな投稿者もおります。全く見当はずれです。
 凡作はこの後の「Zの悲劇」、「最後の悲劇」です。
 まあ、最後の種明かしが事前に分かった人には凡作でしょうが、これ分かる人はマニアックな一握りの人たちだけですよ。
 だって、犯人は常識外の人物でこんなことを前提にして推理する人などいませんよ。えー、嘘の感覚です。
 種明かしはしたくないので、本作に関するこれ以上の言及は避けます。
 とにかく、楽しんで下さい。暗ーい作品ですが、ドルリーレーン、一世一代の大活躍です。
 常識に反する推理力を駆使すれば犯人は確かに分かります。それが働かないのが傑作の傑作たる由縁です。
 エラリークイーンの最高傑作です。金字塔です。
 最後まで予断を許さない展開で、楽しめます。
 ここまで拝読いただきありがとうございます。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.79:
(5pt)

古臭い・・・・それがいいんだねどね

角川文庫の新訳のレビユーを書いている・・なぜ創元版でも書くのか?
 翻訳が一番しっくりくるからかな?
 Yの悲劇は古典的だとか犯人が今となっては意外性がないとか言われる。まあその通りなのだが、個人的にはこの古臭さがしっくりくる。むしろ現代という時代で読んで面白いのはXの悲劇の方だと思う。あっちは都会的でスタイリッシュな印象。Yは古典的というか時代ががっている。名紹介者、故「瀬戸川氏」は、Yは大げさすぎて嫌いだと言っていたが、いいところをついている。瀬戸川氏が嫌っていたのはわかるが、黄金期の本格でもこれくらい時代ががった作品はないのでむしろYをYたらしめているのは、この古臭い部分ではないかとする考える。

 そう意味で「鮎川信夫」訳はちょっと時代ががった訳だが、文学作品を読んでいるようで風格がある。色々な訳で読んだが、創元版が個人的には一押し。Yは今となっては古いのでなく、当時から古かったのではと思うのは自分だけかな。古いのでなく風格があると言いたいね
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Amazon書評・レビュー:Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029

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