赤後家の殺人

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

赤後家の殺人の評価:

3.76/5点 レビュー 21件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21〜31 2/2ページ
No.11
(2pt)

これは本格か?

カーの作品は時折竜頭蛇尾だと評価されることがしばしばあるが、本作はその類型ではないだろうか。おどろおどろしい奇妙な言
伝えと、過去にあった惨劇のエピソードを描きながら、ページを繰るごとに後家部屋は怪奇的な印象を強くしていく。
遂にはあらゆる可能性が途絶え、かのH・M卿さえも気づかないトリックとは! と期待させておきながら、肝心の殺害する手段を
推理するための材料は終わりの方で少し出しただけで(しかも凄く微妙な描写だ。あれじゃ血の量について不自然かどうかなんてわかりっ
こない)さもフェアな本格推理小説だと大見得切って明かしたトリックのなんと陳腐なことか。馬鹿げている。どうして、H・M卿?
あなたが気づかないはずはないでしょうに、あんなトリックとも言いたくない下らないペテンに。今時の推理小説なら真っ先に潰す可能
性の一つではないか。しかも、黒死荘の時も思ったけれど、この時代の警察医はどれだけ無能なのだ。
これは断じて本格推理小説では無い。後家部屋の由来の話は面白かったけれど、真相を推理しようとするのは不可能だ。
あまりにも当たり前(読者が当然行っていると予測している)の捜査を警察とH・M卿が怠ってしまっているのだから。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.10
(3pt)

やはり竜頭蛇尾か

1935年に書かれた本書は密室殺人を扱っており、かの江戸川乱歩も絶賛した。
確かにおもしろく読み進むことができたが、解決を知ってしまうと「なあんだ」の感なきにしもあらず。よく言われるように、この人のミステリは竜頭蛇尾。謎づくりが巧い反面、種明かしがあっけなくて尻すぼみという気がする。
「外傷がまったくないのに、どうやって殺されたのか」というメイントリックや、「死亡推定時刻では1時間前に死んでいるのに、なぜ部屋からはずっと声が聞こえていたのか」という不可能状況や、「被害者の持っていた手帳はなぜ消えたのか」という不可解などは、すべて相関関係があるわけではなく、「たまたまいろいろ重なって犯人的にラッキー」みたいなことに過ぎない。ラストでそれを知らされると、妙な徒労感がどっと押し寄せてくる。
“不可能は分割せよ”とはいうが、あまり分割しすぎるとピンボケになってしまう…というか、やはり竜頭蛇尾の弊を免れないだろう。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.9
(5pt)

〈人を殺す部屋〉の謎

ひとりで二時間以上いると、必ず毒死するという〈後家の部屋〉。部屋の謎を解くべく、邸の主人は、トランプを使ったくじ引きを行い、それで選ばれた人間が〈後家の部屋〉で二時間過ごすことになる。くじで選ばれ、部屋に入った男は、十五分おきの外からの呼びかけにきちんと返答していたのだが、扉を開けてみると、とうの昔に毒死していたことが判明し……。密室内において、経口摂取しても無害な――血管に注入する必要がある――毒を用いた殺人、しかも、死んでいたはずの被害者が返答をする――という魅惑的な不可能状況が提示される本作。実にカーらしい、サービス精神溢れる状況設定には惹きこまれますが、真相を知って振り返ってみると、ちらほら瑕疵が目についてしまいます。メインの毒殺トリック自体は、心理的死角を突いた切れ味鋭いものです。ただ、警察の科学捜査の不備を前提にしているのは如何なものでしょう。ましてや、“死者の返答”という現象の真相は、まったく必然性がなく、自己目的化したトリックと批判されても仕方のないものとなっています。以上のように、本作をパーツごとに見ていくと、無理や欠陥に気づくのですが、読んでいる際には、少しも気にならず、物語世界に没入させられてしまう所が、カーのカーたる所以かもしれません。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.8
(5pt)

〈人を殺す部屋〉の謎

ひとりで二時間以上いると、必ず毒死するという〈後家の部屋〉。
部屋の謎を解くべく、邸の主人は、トランプを使ったくじ引きを行い、
それで選ばれた人間が〈後家の部屋〉で二時間過ごすことになる。
くじで選ばれ、部屋に入った男は、十五分おきの外からの呼びかけにきちんと
返答していたのだが、扉を開けてみると、とうの昔に毒死していたことが判明し……。
密室内において、経口摂取しても無害な――血管に注入する必要がある――毒
を用いた殺人、しかも、死んでいたはずの被害者が返答をする――という魅惑的
な不可能状況が提示される本作。
実にカーらしい、サービス精神溢れる状況設定には惹きこまれますが、
真相を知って振り返ってみると、ちらほら瑕疵が目についてしまいます。
メインの毒殺トリック自体は、心理的死角を突いた切れ味鋭いものです。
ただ、警察の科学捜査の不備を前提にしているのは如何なものでしょう。
ましてや、“死者の返答”という現象の真相は、まったく必然性がなく、
自己目的化したトリックと批判されても仕方のないものとなっています。
以上のように、本作をパーツごとに見ていくと、無理や欠陥に気づくのですが、
読んでいる際には、少しも気にならず、物語世界に没入させられてしまう所が、
カーのカーたる所以かもしれません。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.7
(4pt)

歴史の幻影

うっかりすると
重厚な歴史に心惑わされ、
トリックや犯人まで見えなくなってしまいます。
それぐらい、華麗な文章で
読者をだましてくれます。
しかしながら彼の作品は総じて暗く、
皮肉がたっぷりなので
なかなかとっつきにくいものがあります。
おまけに無駄な描写も時折見られるので。
しかし、読むのに苦労する分
最後に明かされる意外な真実
いわゆる人間のエゴともいうべきものには
驚かされるものがあるでしょう。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.6
(4pt)

フォルム

推理作家カーの魅力といえば不可能興味と怪奇趣味だろうが,本書では特に後者のセンスが光る。
夜霧立ち込める街外れで一風変わった自殺クラブに案内された男,なんと人間を殺す部屋なるものがありその真偽を確かめようと言うのだ。。
そして実際に出る被害者,だが関係者全員には相互で確認できる完璧なアリバイがあり,問題の部屋に仕掛けらしいものはない。。この謎に
名探偵のH・Mが挑む!
この一作はトリックのアイディアもさることながら,そもそもが事件の発端となる部屋にまつわる伝説が魅力的だ。フランスで代々,死刑執行の
事務を司る一族と,フランス革命の描写がクロスフェードする場面では,感覚が麻痺し寒気を誘発させられる。
やはり《この手》の雰囲気作りや,フォルム追求においてカーの右に出るものは...いない。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.5
(4pt)

カー、充実の一作

原題は、 THE RED WIDOW MURDERS
−−直訳すると、赤後家の殺人。
「赤後家」とは、作品の舞台となる
マントリング邸にある「ギロチンの間」のこと。
この部屋では、初代当主を含め、
4人の人間が謎の死を遂げており、
2時間以上1人でいると死ぬと恐れられているのです。
この部屋は長らく封印されていましたが、
屋敷が買収され、取り壊されることとなったことから、
封印が解かれることになりました。
屋敷には、マントリング家の関係者が集められ、
そこには、ヘンリ・メリヴェル卿の姿も。
やがてカードで選ばれた一人が
「赤後家」に2時間籠もることになったのですが、
果たしてその人物は、2時間後に死体で発見されます。
その状況は、密室状態で、すべての関係者には
アリバイがあるという不可能犯罪となってしまい、
ヘンリ・メリヴェル卿は、
犯行を阻止できなかったことに苦しみながらも、
推理を積み重ねていくのですが・・・。
死因は毒殺なのですが、
どうやって殺害したのか、
そのトリックがなかなか面白い作品です。
死体の傍らには、カードと羊皮紙が添えられており、
その謎も興味をそそる要素になっています。
また、「赤後家」誕生秘話というべきものが、
フランス革命の史実と織り交ぜて描かれており、
歴史小説+怪奇小説の味わいも楽しむことができますし、
推理という点では、名脇役のマスターズ警部が
密室トリック解明の推理(もちろん真相ではないのですが)
を披露するところも、一つの読みどころといえましょう。
殊に推理の過程でとても面白いと思ったのは、
なぜ「赤後家」が犯行現場に選ばれたのか、
という説明がされていることでした。
なかなかユニークな視点ではないかと思います。
本書は、カーター・ディクスン名義の第4作で、
脂の乗った時期の充実した一作といえるのではないでしょうか。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.4
(5pt)

やはりH・Mものの代表作の一つと言えるでしょう

 「赤後家の殺人」は、かねてより、カーター・ディクスン(=ジョン・ディクスン・カー)のヘンリー・メリヴェール卿(H・M)ものの代表作の一つとして挙げられることの多い作品です。
 その部屋に1人で2時間いると必ず死ぬという「後家の部屋」。70年程の間に4人が犠牲になり、最後の犠牲者が出て以来封印されていましたが、どうしてもその謎を解明したい屋敷の現在の当主が封印を解き、当主に集められた人たちの中から1人がその部屋に入ったところ、やはり2時間後に死体で発見されます。部屋は完全な密室、さらに関係者には皆アリバイがあります。果たして、誰にどうやって殺されたのか・・・。
 カーの作品と言えば、密室を始めとする「不可能犯罪」、それと「怪奇趣味」が醍醐味と言われていますが、この作品も両者が融合し、カー独特の雰囲気を醸し出しています。(なお、私がもう一つの醍醐味と考える「ロマンス」は、本作では弱く、その点は少し残念でした。)私は、これまでにカー作品を結構読んでいて、そのせいか、何となく犯人の目星はついたのですが、トリックについては、ミスディレクションにまんまと引っかかってしまい、種明かしされるまで全く気付きませんでした。
 とは言いながら、本作がH・Mもののベストかと問われると、そこは「白い僧院の殺人」(=「修道院殺人事件」)や「プレーグ・コートの殺人」の方を挙げたくなりますが、それでも本作は、やはりH・Mものの代表作の一つと言えるでしょう。少なくともカーファンなら看過できない作品です。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.3
(4pt)

フィルポッツの『灰色の部屋』が下敷きか?

本書は、一人きりで2時間以上いると必ず死ぬと言い伝えられている部屋で起きた密室殺人の謎をH・M卿が解き明かす、カーター・ディクスン第4作。
緻密で複雑な構成は『プレーグ・コートの殺人』以上で、かつHM卿の推理は論理的に筋が通っている点、見事である。ただ、構成が複雑な上に作者の悪筆が加わり、一読しただけでは非常にわかりにくいのが難点で、『プレーグ・コート〜』や前作『白い僧院の殺人』のように単純な仕掛けであっと驚かされることは期待できない。
江戸川乱歩は本書を「カー作品中一流のもの」と評していると巻末の解説に記されているが、乱歩の評価は必ずしもミステリーファン一般の評価と一致するとは限らない。
本書の第一の殺人はいわゆるカムフラージュの殺人で、クリスティーの『三幕の殺人』や『書斎の死体』のレビューにも記したことだが、直接利害関係のない人物を計画的に殺害するという点がイマイチしっくり来ないため、その点で私は本書をマイナス評価している。
なお本書は、宿泊客が翌朝死亡するという事件が過去相次ぎ、幽霊の仕業であるとのうわさが広まっていたため、それが迷信であると証明しようとこの部屋に泊り込んだ者がやはり翌朝死亡していたという、イーデン・フィルポッツの『灰色の部屋』を下敷きにしているのではないかと私は推測している。
それと、本書には作者の(カーター・ディクスン名義の)第1作にして犯罪学者ジョン・ゴーントが探偵役を務めた『弓弦城殺人事件』に登場した人物が再登場しており、HM卿とジョン・ゴーントとをつなぐ作品という点で興味深いものがある。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.2
(3pt)

ムードは出てますけどね

カー得意のオカルティズム趣味が横溢した作品。その部屋で眠れば必ず毒死するという"死の部屋"でまた犠牲者が、という設定。無論、密室状態である。その家は、フランス革命時の首切り役を努めた呪われた一家。まさしくカー好みでムードは満点である。
犠牲者はその家に伝わると言われる財宝が目当てで、わざわざ"死の部屋"に赴く訳である。この辺でトリックは読めてしまう(というか他に考えられない)のだが、カー・マニアはその後も雰囲気を楽しめるかもしれない。私が本書を読んだ時、創元からはカーの作品は5冊程度しか出ていなかった。その意味でも代表作扱いされているのだと思うが、カー・マニア以外にはちょっとキツイ作品かもしれない。
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018
No.1
(4pt)

人を喰う部屋

コリンズの「恐怖のベッド」フィルポッツの「灰色の部屋」の伝統を受け継ぐ人を喰う部屋ものその部屋で一晩明かすものは翌朝速やかな死を迎えるという伝説が残る封印された部屋に犠牲者がまた一人・・・伝説と合理的なトリックを見事に融合させた作品です
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) Amazon書評・レビュー: 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)より
4488119018