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死時計
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死時計の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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創元新訳カーシリーズの印象が良く、1930年代のJDC/CDを全部読みたい! で昔の文庫本を引っ張り出して再読。三十五年ほど前に一度読んでいるのですが例によって全く内容を忘れていました。「私」の回想で始まりますが、この「私」は誰?本篇の語り手はメルスン博士(魔女の隠れ家にちょっとだけ登場) いつものJDC/CD流で絵が浮かばない描写、込み入りすぎて何がなんだかわからなくなる筋、犯人が目撃されるが偶然顔を見られないので誰だか特定されない、というお気に入りのネタなどで頭が痛くなった頃に、フェル博士が何かを企み、最後は活劇で幕が降ります。小細工が満載で意外と楽しめる探偵小説でした。ところで冒頭に示された「亡くなった一重要人物」は誰なんでしょうか… さて恒例の歌の時間です。(フェル博士シリーズには歌と酒がつきもの) p213 ハドリーが歌の一節を口ずさむ。流行歌には疎いメルスンも、その歌は聞き覚えがあった。一風変わった歌詞だった。「最後の狩り込みの鐘が鳴る」(Words stood out: “-din’ for the last round up...”) : Billy Hill作 The Last Round Up(I’m headin’ for the last round up...) 試訳「最後の牛追いに出かけよう…」調べてみるとこの歌の初出は1933年7月George Olsenで、同年11月のGene Autryなど同じ年に全部で9枚のレコードが発表されるほど流行ったようです。 でも1933年なので、死時計事件の時(1932年9月)には聴けるはずがない… p217 連隊の晩餐会か何かだったのさ。『勇猛果敢な勇者たち』なんて歌ってね。(Regimental dinner or something. ‘Boys of the bulldog breed,’ and all that.) : “Sons of the Sea (Men of the Ocean)” 1914 Navy song? “But you can't beat the boys of the bulldog breed, bobbin' up and down like this.”という歌詞がある。 | ||||
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ディクスン カー 作品 1935 少し地味目だが あの手この手で読者を煙に巻く 手筈たっぷりで ストーリーテラー カーの面目躍如 凝りすぎの部分はさておき 楽しめます カー初心者は最初に読まない方がよいでしょう | ||||
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1935年発表の本作品は、カー名義の第10作目とのこと。 あの「三つの棺」と同年の執筆。 カーの作品で高評価のものは、あらかた読んでしまったと思っていましたが、江戸川乱歩も評価していた作品という情報を得て、読んでみることに。 ロンドンの時計師の邸宅で深夜、どこかから侵入した男が殺され、傍らにはピストルを持った男の姿が立っていた。 しかし、死因は刺殺で、盗まれた時計の針で喉を貫いたものだったことが判明する…。 という訳で、たまたま事件に遭遇したギディオン・フェル博士が事件を説き明かすお話なのですが、カーの作品を好まれる方限定のオススメです。 本作品は、黄金時代と呼ばれる1930年代に書かれた本格ミステリ。 事件の起きた屋敷の中で、関係者の証言の聞き取りと、真相解明に向けた仮説が、延々と描写されていく。 ストーリーらしきものと言えば、新証拠物件発見のシーンくらいのものか。 現代のミステリのように、ストーリー展開に工夫を凝らした作品に接していると、かなり退屈に感じることでしょう。 さて、本作品のトリックですが、「やりすぎ」と、あるHPで評されているのを目にしましたが、全く同感です。 ただし、これは悪い意味ではなく、誉め言葉です! ミステリのあるテーマを追求していった結果が、本作品なのです。 カーの一切手抜きをしないという姿勢が如実に現れた作品といえましょう。 ただ、絶版になっていることからも推察されるとおり、その意図が多くの読者に受け入れられたとは言えませんが。 私自身、読み終えた直後は、腑に落ちなかった結末ですが、冒頭を読み返して、「これをやりたかったのね」と納得。 でも、カー初読の方なら、怒り出すこと必至です…。 | ||||
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