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ひらいたトランプ
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ひらいたトランプの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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〇電子書籍版発行……2012年3月10日 Kindleの「メモとハイライト」「栞」機能……×(本文のどの位置だろうが、「目次」と表記) Kindleの表紙……×(なぜか著者の肖像写真) Kindleのページ表記……×(No.表記) ポワロのみならず、幾つかのクリスティ作品に登場していたバトル警視、レイス大佐、アリアドネ・オリヴァ夫人が共演する豪勢な作品。 とは言うものの、謎解き役はハッキリとポワロであって、特にレイス大佐の出番はオリヴァ夫人以下のチョイ役であった。【注1】 探偵組に入ってるオリヴァ夫人も複数のクリスティ作品に登場したキャラ(推理作家)のようで、著者も気に入っていたらしく、本作以降にもそこそこ顔を出すが、本作の時点では、『パーカーパイン登場』の短篇のどれだかに出演済みだったようだ。 どうやら被害者は、彼が考えるところの「一種の芸術家」を"探偵"たちと同じパーティーに出席させて、彼/彼女がどのような反応を見せるかを楽しもうという悪趣味に走って、猫が窮鼠に噛まれてしまったのではないか……。 被害者が臭わせていたように、ポワロ、バトル、レイス、オリヴァの探偵組と別のブリッジ・テーブルに坐った男女四人の中に、過去に完全犯罪を行った殺人者がいるのか? それとも四人全員がそうなのか? そして、誰がシャイタナ氏を殺したのか……。 かなり人工的な設定のうえに構築した作品である。 序文でクリスティは、「この小説における読者の推理は、心理的方法をとることになる。わたしはそこにこそこの作品の興味が存在する」(No.64)と宣言していて、また「ヘイスティングス大尉は、ポアロから、この話を手紙で知らされ、非常に単調だと思った」(No.64)とわれわれを刺激しているw 江戸川乱歩が「『本陣殺人事件』を評す」の中で、「今後の推理小説は単なる物質的トリックと物質上の論理にのみ跼蹐すべきではない。私の夢見るところは性格や心理そのものによるトリックの創造と論理の駆使」(『横溝正史読本』P.237)と書いているので、彼ならどのように本作を読んだかが気になるが、一般の読者としては、ヘイスティングス以上の反応を示さなければならない……。 そこで霜月蒼はどのように評価してたかいなと見てみると、――★★評価だったw とはいっても、もちろん彼がヘイスティングスレベルの感想しか持てなかったわけではないww 著者が序文で宣言したように、本作が「心理」だけから推理する構造になっていることを説明したうえで、「「心理」は、Aを入力すれば必ずBが出力される、といったものではない。因果関係は曖昧だ。要するにどうとでも言える。それは説得の道具として有効とは言えない」(『アガサ・クリスティー完全攻略』P.62)と書かれていた。 これは、言葉を変えれば、横溝正史流のコネコネクチャクチャ小説と云うことではないか? わたしはと言えば、霜月蒼の評価に十分頷きながらも、いつもどおりの巧みな筆さばきも感じたので、彼ほど低評価にしなかったが、着地点にはあまり感心もできなかった。 おもしろいことに、ブリッジのプレイスタイルから読み取れる容疑者の心理(性格)はきちんと記述してくれているので、事件発生後のストーリーは丸無視して、それのみで犯人を指し示せば正解になる。 これがPoirot puts his cards on the tableといったところか。さすがは著者である……。 ところが、それじゃおもろないと、わたしは奇を衒って犯人を外してしまった。 それはよいのだが、その結果、『矢の家』を思いだしてもやもやしてしまった……。 と書けば、わたしが誰を疑っていたかがわかってしまうかもww ちなみに坂口安吾によると、クリスティには「優雅な美人は絶対に犯人にならないという女らしい癖」(『横溝正史読本』P.245)があるらしいww 【注1】警視と云えばかなりの役職だが、なぜかバトルのフットワークは軽くて自ら聞き込みもするし、ポワロ、レイスと三人の中では一番若輩っぽいw | ||||
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1936年の作品。 原書のタイトルは、“CARDS ON THE TABLE” 直訳すれば、ブリッジ卓上のトランプ札。 「ひらいたトランプ」は意訳です。 巻末の「解説」(新保 博久さんによる)に、 コントラクト・ブリッジのルールについて説明があったので、 本書『ひらいたトランプ』を一層味わい深く読むことができました。 なぜ「ひらいた」なのか? 「攻撃側の一人は《持ち札をすべて卓上に表向きにさらし(カーズ・オン・ザ・テーブル)》、どの札を出すかは一切パートナーに委ねて、休み(ダミー)としてプレイには参加しない」(395頁) 自分の「持ち札をすべて卓上に表向きにさらし」た状態が、「ひらいた」状態なのです。 「手の札は開けて置く(カーズ・オン・ザ・テーブル)」(248頁)のがルールです。 ダミーは、「暖炉のそばにいる第三者を刺殺したりすることも出来る」(395頁)のです。 しかし「暖炉で温もっていた死体からは厳密な死亡時刻が推定できない」ので、 四人のうち誰がダミーになったときに刺殺が行われたのか特定できません。 ポアロの、おとり捜査みたいな、あぶない知恵で、推理の正しさが証明されます。 最後の最後で、ポアロの一撃。私立探偵ならではの愉快な一芝居がありました。 このオチには、さすがの犯人も口を開けませんでした。 「自分の札をテーブルの上に開けてしまったんですから。これでお終い(セ・フィニ)」(389頁) なんて面白いのでしょう! アガサの推理小説は。 《備考》 アンについて 登場人物のアン・メレディスには、「可憐な娘」という説明があります。 この説明は、一種のミスリードでは? 「可憐な娘」が殺人などするはずがない。 アンは「二十五」歳(234頁)の「若い美人」(374頁)で、「可憐な娘」に見えます。 一方、ローダ・ドーズは、「アンの友人」となっていました。 アンは、ローダにとっては「けっしていい友達じゃなかった」(373頁) アンは、友人ではあっても、実は「いい」友人ではなかったのです。 ローダ・ドーズに言わせれば、 アンは「“頼りなげな美女”ってふうに見えるわ」(362頁) しかし、どちらも泳げない二人の娘たちが池で一緒におぼれているとき、 デスパード少佐は、まっすぐにローダの方へ泳いで進んでいき、ローダを助けました。 次に、アンを助けましたが、アンはおぼれて死んでしまいました。 男が本当に好きな女は、どっちか? これを証明するプロットとして、アガサはこの選別方法を使いまわしています。 このプロットは、別のアガサ作品でも読みました。 | ||||
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本作を及第点扱いする出版物やネット批評を、残念ながら度々目にします。 それを参考にしてこれを読まないなんて、モナミよ、もったいない。 カードゲームプレイ中の事件が中心のお話ですが、アガサお得意の、様々な一見無駄話が面白くて。犯人の絞り込みとエピソードが、本作は白眉だと思います。 『女店員は後ろに倒れそうになった』…の件あたりのポアロの行動は、繰り返し読んでしまうほど好きです。 | ||||
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クリスティの作品の中では、登場人物が限られ、また舞台の展開もそれほど難解ではない。にも関わらず、読み手を全く飽きさせない疾走感。最後はおきまりの場面となるが、爽快感では随一といえる作品では。 | ||||
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数あるクリスティの作品の中でもかなり傑作の部類だと感じたのですが、その理由は終盤の話の運び方でした。 疾走感のある展開の中で犯人が二転三転し、最後の最後には驚きの結末がありました。 この終盤が大変素晴らしく、読後感はかなり良かったです。 この作品はブリッジの得点表から犯人に迫る展開なのですが、ブリッジのルールを全く知らない私でも楽しめました。 ただ私はミステリーを読む際、なんとなく犯人を推測するくらいで、あまり真剣に推理はしません。 本格的に推理される方が読む場合は、ルールを知らないと楽しめない(推理できない)かもしれません。 クリスティの作品はいつも登場人物が多いうえに、同じ姓の夫婦やら親子やらがでてくるのでなかなか覚えられず、登場人物一覧を何度も見返すのが常でした。 しかしこの作品は、容疑者がたったの4人というシンプルさで、全員殺人の前科者という設定に加えて、各容疑者の性格設定が上手くなされていたので、すぐに覚えられました。 登場人物一覧を一回も見返さなかったのは初めてかも…。 作品の大半は容疑者4人の性格分析や過去の犯罪調査に費やされていますが、特に中だるみもせず、クリスティの巧みな人物描写のおかげか大変楽しめました。 その上で、終盤は上記の通り二転三転と驚かされる展開なので、クリスティの作品の中でもかなり質の高い作品ではないでしょうか。 | ||||
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最後の“事件”のトリックは、かなり無理がある感じがする。一つの部屋で、ブリッジをしていた四人が、容疑者になって、この人でもない、あの人でもない、とやっていくうち、こいつだったか、と思ったら、それも違う、一体何がどうなってんだ……?となって、かなりややこしい。最後に、“どんでん返し”が用意されてますが、もともと四人しか容疑者がいないから、“大どんでん返し”というほどではないです。クリスティ氏としては、四人に絞られているからこそ、四人の性格や行動力から犯人を推理する面白さを追求するつもりだったのではないかと思えます。 23章“絹のストッキングの語るもの”の最後の方に、ポアロが、来客に、「十二人の人々が、一人の男を刺したという短剣ですよ。国際寝台車商会から記念品としてもらったものです」と言って、短剣を見せる場面がありますが、それは同じクリスティ氏の小説『オリエント急行の殺人』の中で“使われた”短剣であるということにほかならないし、30章“殺人”の中では、“女流推理作家の”オリヴァ夫人に、「案外、現実の事件でも、探偵小説と同じような解決が生れるものなのねえ」と言わせたりして、読者を楽しませる仕掛けが、用意されていて、さすがという感じはします。 | ||||
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すでに他の方も述べてるが、ブリッジを知らなくても何も問題なく読み進められます。そもそもブリッジに関わる話はほんの少しだけだし、自分もブリッジどころかポーカーさえ全く知らないくらいだから。星4にしたのは、訳がイマイチだと感じたからです。日本語が上手い外人が話してるような?ニュアンスというか。もう少し上手い訳者だったら文句なしのサスペンス。 | ||||
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ゴテゴテしていてなんだそりゃ!と思わないでもないですが、オリヴァ夫人とリンゴとポワロのくだりは和みます。 自分のことを老人老人と言ってますが、この時の年齢設定は幾つなんでしょう。 ドラマ版も凝った作りで面白かったなあ。 | ||||
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オリエント急行が最近映画になって、そこから小説も見るようになったのですが(こんな人は結構いるんじゃあないか)良いですね。さすがミステリー界の女王!こんなに時が経っているのに←(おかしいんじゃない?)トリック・構成・オチが秀逸且つ新鮮味があるというのは感動の一語に尽きる。 オリエント急行でもそうでしたが、単純にトリック看破・犯人逮捕というものでなく、登場人物の心情も丁寧に描き読者の思考(予想)からの外しの自然かつ巧妙なことといったら・・・たまりません!レビューの星を減らすことが失礼なレベル(この駄文を書くことも含めて) 時折、この作品の特徴である「トランプゲームのルールがわからない」という感想があったりするが・・・安心してください麻雀・ポーカー・囲碁・将棋・チェス等これらのどれかひとつでも齧っていれば、ポアロの思考はある程度理解できます。登場人物のプレイスタイル(無茶な勝負をするのか、慎重に勝負の材料を吟味するのか)と犯行の特徴を照合させ、この(無茶な勝負する・慎重に計画する)人物が犯行するだろうか?と分析しているわけです。 この部分をみて 「いいかげんだな」とか「ルールわからないから・・・」という声が周辺で聞こえたりするが、人と接する、もとい犯人探しとまるわかりの手法で灰色の脳細胞が容疑者に向かうのもおかしいでしょう。 ものすごく自然なんですねえ(言葉選びが貧相で泣けるが)、現在の作品はミステリーに限らず、直球で証拠や言葉を表現していなければいけない症候群にかかった人間が多いので(作者・読者共になんだぜ・・・)冷めるんですねえ | ||||
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大好きなクリスティの作品の中でも一番好きな作品。豪華な落ち着いた部屋の中、 少人数での心理戦のような攻防。 こういう落ち着いた大人の雰囲気がたまらなく好き。登場人物も魅力的で興味深い。 好きすぎてブリッジのルールを少し勉強してみました。また少し面白くなります。 | ||||
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4人でカードゲームをしている途中で、同じ部屋の離れたところにいる男 を殺したという話。容疑者はわずかに4人。 作中、具体的な物証はあげられていないので、フェアプレイのパズル解き を好むミステリファンには少し不満かもしれない。 また、被害者(シャイタナ氏)のキャラが今一つ立っていない感がある。 もっと、「こいつ悪趣味だなー」と思わせる描写が欲しかった。 しかし、物語としては秀逸で、かなり気に入った。 容疑者4人の前科を洗う展開も上手くて、けっこう読み応えあり。 (ポアロ以外に、バトル警視やオリヴァ夫人などの活躍あり) コントラクト・ブリッジを熟知している必要はないが、対面2人でチーム を組んで競うゲームであり、攻撃側の1人が手札を全部晒して進行を相方 に任せ、実質3人で勝負し、手札を晒した当人はダミーという休み状態に なることを知っていると、ゲーム中に席を外せることが分かる。 私は知らなかったが、新保博久氏のあとがき解説で知った。ネタバレにも なっていないので、解説を先に読むのもありかと思う。 ポアロが心理戦術だけで真相に迫っていく構成がお見事! 中だるみせず、終盤は一気に寄せて、まるで最盛期の谷川浩司? 最後の最後にアッと驚く犯人捕獲。なんかいいなあ~この作品。 (蛇足) 殺されたシャイタナ氏に一言。 「十二分にスリルを楽しんだから、殺されても本望だろ?」 | ||||
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とても綺麗な商品を送っていただきました。満足しています。ありがとうございました。 | ||||
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悪名高い人物の死があり、動機のある人達がいる。 人々の秘密が明かされると、犯人も二転三転していくのは、お約束ですね。 | ||||
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ポワロは美術館でアリアドネと金持ちシャイタナに出くわす。 シャイタナの晩餐会に呼ばれた8人は4人づつ2チームに別れカードゲームをする。 ポワロ、アリアドネ、ヒューズ大佐、ウィーラー警視の4人のチームでウィーラー警視が殺された。 誰が殺したのか? | ||||
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最後の最後まで読まないと犯人が分からない。推理小説なのだから、そんなの当たり前なのだが、それにしても面白い。登場人物の性格を理解するところから犯人探しが始まるのだけど、最終的には論理的に犯人を突き止めるのが面白い。 コントラクト・ブリッジの遊び方を知らないと楽しめないのかなと、読む前は思ったけれど、そんなことはなかった。スコアカードの見方なんてまったく分からなかったけれど、それでも普通に読めば楽しめる。ブリッジの遊び方を知っていれば、もっとハラハラドキドキしながら臨場感あふれる犯人捜しを堪能できたのかもしれないけれど。 特筆すべきは、すらすらと滞りなく読み進められること。翻訳の質がいいのだろう。 | ||||
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アガサ・クリスティーといえば、登場人物がズラッと1ダースくらい(しかも属性もバランスよく)出てきて、「一番意外な人物」が犯人、というのがお約束、と読者は期待しているかもしれない、けど、あたしゃあそんなワンパターン外の作品も書けるわよ!という、クリスティー女史からの挑戦状的序文から本書は始まります。序文で先に言っとくけど、容疑者はたったの4人で全員超怪しい、それでも意外性のある面白いミステリーを組み立てることが出来るか?OK、クリスティーには出来る!そういう実験的挑戦的試みに溢れた1作です。 型としては、コンパクトでパズル的なミステリー。無駄のない展開と、本筋と並行して語られる「燻製ニシン(=煙幕サブストーリー)」もきっちり描かれ、それほど長くない作品ということもあり、密度が高いです。 実験的とはいっても、殺されても読者が悲しまない「嫌われ死体属性」の人物が最初にすっきり殺されてくれる・ページ数がいよいよ少なくなってきてからのどんでん返しなど、読者が喜ぶミステリーの旨みはしっかり詰め込まれています。 重要要素として、日本人には馴染みの薄い「ブリッジ」が登場しますが、これはゲームを理解できれば一番良いですが、まぁ、分からなくてもストーリーは十分楽しめると思います。私も、解説を読んでもブリッジ自体はイマイチ飲み込めませんが、ストーリーのなかでブリッジがどういう役割を果たすか、ということで読んでいけば、なるほど、と最終的にはスッキリ収まります。 ポアロ物としては、代表作だとか大傑作だとかは呼べないかもしれませんが、考えられうるあらゆるミステリーの「型」を、クリスティーは一つ一つ書き倒していこうとしていたんじゃないかと思える意欲作の一つですね。でも「これってアンフェアじゃ?」と言われてしまうほどまでは飛び出さない、あくまでもキッチリと「フェア」の範囲を厳守している感があり、そういう所からもコンパクトなパズル感が醸し出されていると思います。ミステリー好きならぜひ読んでおいて! | ||||
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ブリッジは知りませんが、作品のはじめに添えられたクリスティーの言葉のとおり、 この作品は意外な人が犯人になる、ということはない。私はそこをぞんぶんに楽しめた。 さらにいうと、10代のころ、何回も何回も読み返すことができた。何回読んでも、おもしろい、のである。 正直たくさんクリスティーのミステリーを読んでいると、犯人やトリックを忘れてしまうことがしばしばあった(「もの言わぬ証人」は何度読んでも犯人を毎回忘れるというすごい話)。 だけどこの「ひらいたトランプ」は、容疑者も4人である。犯人は忘れようもない。 それでも、何度も楽しめるというのは、探偵役も4人いて、その謎解きや迫って行く過程を楽しめるライブ感があったから、 と、今にして分析する。 そして、謎解き型、トリック型のミステリーが、世間の思うところのミステリーなのだろうけど、 クリスティーは、自作を読む読者がそこで得る喜び、ごちそうが、 トリックの妙ではない、というところに挑戦したんだなあと思う。 これを読むなら年末です。すっきりした気持ちで年明けを迎えられるはず。 | ||||
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ブリッジを題材にしたミステリー。 このブリッジ、日本ではなじみがないが、世界的には有名なトランプを用いたのゲームのひとつである。 この話は、このブリッジのゲーム中に殺人がおこり、ブリッジは、ストーリー展開において、需要な役割を果たしている。 ブリッジを知る人には大変面白い! 最後のポアロの事件解説は、やはり、熱心に読んでしまう。 ブリッジを知らない人は、ブリッジの概要を調べてか読むことをお勧めする。 | ||||
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序文にクリスティ女史が「意外な犯人」といったものを期待しないでほしいと書いているとおり、犯人はさほど意外ではない。 もともと本作品は人間の生まれもった性質から犯人を突き止めるという趣向の物語なのだから意外な犯人を期待するならば別の作品を読んだ方がいい。 ブリッジのルールを知らなければ楽しめない作品というわけでもないと思う。 まぁ、知っていればもっと楽しめるのでしょうけれど。 ポアロはブリッジの得点票などをもとに4人の容疑者の心理、生まれもった性質を分析していく。 そして、4人の人物はそれぞれ過去に殺人を犯したのではないかという疑い。 もし、本当にそれが殺人ならそどの殺人が今回の殺人と一番似た性質を持っているのか。 そのあたりが私には面白かった。 はじめ犯人が指摘された時は「この人物の過去の殺人(と思しき死)と今回の殺人のどこに共通点があるんだろう」と思ったのだが、ポアロの推理に納得。 | ||||
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クリスティは第1ページ目からあなたを騙している! 個人的には「アクロイド殺し」「オリエント急行の殺人」より本書の方が傑作だと思った。 こういう作品は古今東西どんなミステリー作家でも書けない、おそらくクリスティにしか書き得ないだろう。 「推理小説は競馬と同じで当たらないと思った馬、すなわち犯人らしからぬ人物が犯人になることが多いですが 本書の読者には呆れられてほしくないので最初にことわりますが本書はそういう小説ではありません」 この言葉を信じるか信じないかはあなた次第! 私は見事に騙されました(笑)。 どんな大技などんでん返しやトリックよりもこういう小さな”ひねり”の積み重ねがミステリーを面白くするのだ!! | ||||
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