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ひらいたトランプ
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ひらいたトランプの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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ポアロが容疑者の話を疑いもなく信じてしまったり 別の容疑者へ窃盗の罠を仕掛けたものの本人には暴かずにあっさりと終わってしまい読了後の満足感が得られませんでした。 | ||||
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クリスティの作品を読むのは10作目。 ブリッジは以前多少勉強したことがありますが、本作を読むまでどんなゲームだったか忘れていた程度です。 まず一番言いたいのは「ブリッジのルールは知らなくても楽しめる」ということ。 ルールわからないから挫折したというレビューもありますが、それはルール知らないから読めないという思い込みからのものだと思います。 なので、ブリッジ知らなくても身構えることなく手にとって大丈夫だと思います。 逆に言うと、ブリッジがそれほど密接に事件解決に関わってないということ。 私は勝手に期待してもっとブリッジを楽しめる内容かと思っていたので、その点で残念でした。 ブリッジ以外の面では、いつも通り犯人には驚きましたが、今回の推理はもやもやが残りました。 それでも、楽しかったです。またポアロ読みます。 | ||||
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学生時代に読んでいたが、クリスティ自身がモデルと言われるオリヴァー夫人の初登場作品であることを最近知り再読した。学生時代の感想はなかなか良かったが、今回は犯人像をほぼ記憶していたこともありミステリとしては「単調」であった。 (※以下ネタバレあり) 確かにアイデアは独創的であるが、冒頭の事件発生後の尋問や調査ではもう少し容疑者に対して厳しいものがあっていいのではなかろうか。警察側の面目丸つぶれなのであるからもっと焦燥感や危機感があってもいいように思われる。また人物描写も深みに欠け現実感があまり感じられない。特に終盤に発生する第2、第3の事件については動機の面でここまでやるかという感がある。 オリヴァー夫人に関しては3枚目の役どころながらなかなか活躍してくれるので嬉しかった。またそのセリフにはクリスティの本音や愚痴のようなものが感じられ興味深い。「…もうひとつ打ち明けて言うと、本当の殺人事件ってあたしの手に負えそうにないの…」(p123)や「…考えるのは退屈なことよ。それから、筋を立てなきゃならない。ところが時々行き詰っちゃうの…」(p171)、「退屈なのはそれを書くときなの。…こんなことって退屈な仕事よ」(p172)といったセリフは自身を茶化したジョークのようでもあるが、もしかしたら自身のこれまでの生き方への疑問や苦悩を表わしているのかもしれない。さらに、快活で率直な娘、ロウダへのセリフ「あなたは真実の価値を認める?それとも認めない?…真実は時には痛いものだし、美しい幻影をうち壊すこともありますよ」はもはやジョークとは思えない。真実とは自分の創り出した名探偵たちの究極の目的であるわけでそれ自体に疑問を呈している。このあたりは後の作品「春にしてきみを離れ」の萌芽とは言えないだろうか。 ただ、クリスティのファンとしては「オリヴァー夫人は林檎好きで…」(p119)とか「あたし、暑いっていう感じがないと、何にも出来ないの…」(p172)というセリフは作者のプライバシーの一端を思わせ微笑ましい。 あと、蛇足ではあるが、巻末のブリッジの解説において説明不足な点がある。つまりコントラクト(せり)が完了した場合、最後にビッドした人物が親になるとは限らないという点である。例えば最初に人物Aがダイヤの3でビッドし、次にAのパートナーである人物Bが同じダイヤの4でビッドしコントラクトが完了した場合、親は最初にダイヤでビッドしたAになる。最後にダイヤでビッドしたBではない。 | ||||
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コントラクト・ブリッジをプレイする人にとっては有名な副読本(?) ミステリとしてもよくできているし、なにより全体を覆うクリスティのユーモアがたまらない。 真犯人がわかったとき、序盤の探偵たちの推理比べを思い起こしにやりとさせられる。 ただ、ブリッジのプレイヤーとしては、ゲームの詳細のルールではなく根本に疑問が。 ネタバレにならないよう努めて書くと 『そのシチューエーションでテーブルを離れるのはプレイヤーとしてあまりに不自然』。 ※以下はネタバレでなくコントラクト・ブリッジについての一般論。 ブリッジは2人対2人のペア戦。どちらかが攻撃(課題を掲げそれを達成する)、反対側が防衛(攻撃側の課題達成を妨害する)。 その際、攻撃側が有利に設定されている。 防御側の二人はお互いの手(カード)がわからないのに対し、攻撃側の一人はカードを場にさらす。 そして攻撃側は2人ではなく1人(手札を公開していないプレイヤー)がプレイする。 防御側がペアのお互いの手を予測しなければならないのに対し、攻撃側は1人が2人分のカードをコントロールできるのだから有利。 このとき攻撃側でありながら手をさらし、自分ではなにも考えないプレイヤーをダミーと呼ぶ。 この小説ではダミーはしょっちゅうテーブルを離れているが、ダミープレイヤーも攻撃側の一員であり、勝つか負けるかを見守っている。 よほどの事情(トレイに行きたいとか、喉が乾いたとか)があれば席を離れてもおかしくはないが--- | ||||
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本書は作者作品中、随一の豪華キャストが揃っている。 主役のポアロに、『チムニーズ館の秘密』『七つのダイヤル』やのちに『ゼロ時間へ』などで活躍するバトル警視、『茶色の服の男』やのちに『ナイルに死す』などに登場するレイス大佐が登場し、さらにはのちに『マギンティ夫人は死んだ』などに登場するオリヴァ夫人も登場している。 本書は容疑者が4人と絞られる中、ギリギリで意外性が楽しめるし、ブリッジに関するポアロの推理にも説得力がある。 しかし、なぜ最初から容疑者が4人に絞られたのか? ポアロが何の根拠も推理もなく(バトル警視、レイス大佐はともかくとしても)オリヴァ夫人を捜査側に加えた設定はまずいと思う。 殺人の起きた部屋(4人の容疑者たちがブリッジをしていた部屋)には「誰も」出入りしなかったと確認はしているが、その「誰も」にオリヴァ夫人たちが間違いなく含まれないということを(部屋の見取り図にはトイレがどこにあるのか示されていないが、例えばトイレに行くために通り抜けさえしなかったということを)、きちんと明記していないのは作者の手落ちのように思う。 なお、オリヴァ夫人の著作として『書斎の死体』が挙げられているが、のちに同タイトルの作品を書く予告だったのかも知れない。少なくとも作者はその構想を既にもっていたのだろう。 | ||||
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本書の評価はおおむね2つに分かれる。 ひとつは本格推理または心理的な推理が楽しめる佳作、もうひとつはブリッジのルールが分からないと楽しめない。対して私の見解はどちらでもない。 前者の評価に対しては、ヘイスティングズが非常に単調だと言ってるとおりで、本書は最初から4人の容疑者に絞られた時点で結末のサプライズが期待できない。実はその4人以外の誰かが犯人だったとなれば一級品だが。また推理の手がかりがないに等しく、その点でも本書を高く評価する理由が分からない。 一方、ブリッジのルールはこれを知っていればより楽しめるという程度のもので、本書を読む上で必須のものではない。だから、ブリッジのルールが分からないと楽しめないという人は、本当はルール云々に関係なくこの作品はよくなかったと言っているのと同じだと思う。 そういう意味では、私も後者と同じ評価だな。 | ||||
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やはり、ブリッジをやってないとツライものがありました。 解説で書いてあったのですが、海外ではこの作品、A級ランクの高評価らしいですから、この辺文化の違いでしょうか。 しかし、この作品、犯人を当てるのは難しいです(苦笑)。 いかにも本格推理的な展開といいましょうか、二転三転するプロットなんですよね。 そこで、犯人を推理する時、ブリッジをやったことないものとしては、フェアじゃないように思うんです。 | ||||
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本作の主要な要素にコントラクト・ブリッジ(セブン・ブリッジではない。以下単にブリッジと記す)がある。ブリッジはイギリスでは日本の将棋・囲碁(あるいはそれ以上)のようなポピュラーなゲームで、クリスティは何のためらいもなく取り入れたのだろうが、普通の日本人には馴染みがなく、クリスティの思惑通り楽しめるかどうかは難しいところだ。私はたまたま学生時代からブリッジを知っていたのでスムーズに読めたが、解説者が「犯人はゲーム中で絶妙なタイミングで犯行に及んだ」と言っても、何が絶妙なのかブリッジのルールを知らないと理解できないのではないか。登場人物の設定、ストーリー展開のうまさは水準を保っているのだが、上記のような問題がある。クィーンの「Yの悲劇」で、犯人が何故凶器にマンドリンを選んだかを理解するには原語(=instrument)で読まないと分からないと同様、ミステリにも文化・国籍の壁があることを教えてくれた一作。 | ||||
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